エントリーモデル全6機種の使い勝手や音質を徹底チェックしました!

【2017年夏版】5万円以下で買える最新ハイレゾプレーヤー特集

このエントリーをはてなブックマークに追加
【2017年夏版】5万円以下で買える最新ハイレゾプレーヤー特集

以前にも「初心者からハイエンドユーザーまで幅広くオススメすることができる“オイシイ”価格帯」の製品として、5万円前後で購入できるハイレゾプレーヤー(ハイレゾDAP)を紹介させてもらった。ソニー「ウォークマンA30」シリーズをもリファレンスとして、さまざまなメーカーの主軸モデルが並ぶこの価格帯は、音質面でもコストパフォーマンス的にも十分納得のいく、魅力的なモデルが取りそろっているのが特徴となっている。

そんな、充実した価格帯だけあってか、この2016年冬以降もさまざまな新製品が登場し、新しい潮流のようなものまで生まれはじめている。それは、国産ライバルの登場と小型モデルの登場だ。この価格帯のハイレゾプレーヤーでは、ソニー「ウォークマンA30」シリーズが高い人気を持っていたが、ガチのライバルといえる国産モデル、パイオニア「private XDP-30R」「rubato DP-S1」が登場し、ますますこの価格帯の注目度を高めている。いっぽうで、「SHANLING M2s」と「Cayin N3」など、「ウォークマンA30」シリーズや「Astell&Kern AK70」などのユーザビリティやデザインを研究して自社製品に生かした、小型でスリムな製品もいくつか登場している。

いまや、5万円前後の価格帯の製品は、ハイレゾプレーヤー市場の中でももっとも充実したカテゴリーとなっている。今回は、このカテゴリーの中から、ここ半年で発売されたモデルを中心に、ユーザーの手の届きやすい5万円以下で買える6モデルを紹介したい。

目次
パイオニア「private XDP-30R」
オンキヨー「rubato DP-S1(B)」
iriver「Astell&Kern AK70」
FiiO「X5 3rd gen」
SHANLING「M2s」
Cayin「N3」

パイオニア「private XDP-30R」

パイオニア「private XDP-30R」 パイオニア「private XDP-30R」 パイオニア「private XDP-30R」 パイオニア「private XDP-30R」 パイオニア「private XDP-30R」 パイオニア「private XDP-30R」 パイオニア「private XDP-30R」

ウォークマンに続く第2の国産ハイレゾプレーヤーとして名乗りを上げた、パイオニアの小型モデル。本体サイズ約63(幅)×94(高さ)×15(厚さ)mm、重量120gという軽量コンパクトなボディながら、ESS社製「ES9018C2M」DACと「SABRE 9601K」アンプを2基ずつ内蔵して、デュアルDAC構成&2.5mmバランス出力を実現。上位機種ゆずりとなるバランス出力選択(「BTL駆動」&「ACG(アクティブコントロールGND)駆動」や、「ロックレンジアジャスト」「アップサンプリング」「Hi-bit 32化」「デジタルフィルター」などのデジタルコントロール機能も搭載されている。さらに、Wi-Fi(5GHz/2.4GHz)やBluetooth(SBCコーデック対応)なども採用され、音楽ストリーミングサービスに対応するほか、ファームウェアのアップデートも手軽に行える。なお、リニアPCMが192kHz/32biまで、DSDが5.6MHzまでネイティブ再生できるようになっている。こういった、この価格では望外といえるハイスペックさも嬉しいところ。また、内蔵メモリーは16GBと少ないものの、microSDメモリーカードスロットを2基搭載している点もありがたい限りだ。

実際の製品を手にしてみると、かなりコンパクトな印象を持つ。パイオニア製ハイレゾプレーヤーの共通デザインでもある、パネル&背面右側を絞り込んだデザインのおかげもあってか、かなり持ちやすい印象だ。アルミ削り出しメインボディ+プラスティック系背面カバーという構成によるものか、安っぽさはなく、それでいて軽快に感じる。2.4型タッチパネルは、必要十分なサイズといった感じか。オリジナルOS採用のメニュー画面は巧みな構成となっており、操作性は悪くない。男性だともう少し大きい画面サイズだとありがたかったが、価格を考えると致し方ないのかもしれない。

サウンドがまた面白い。一般的なアンバランス接続の方は、メリハリのしっかりした、かなり元気なサウンドキャラクターにまとめ上げられていて、Jポップとの相性が抜群となっている。女性ボーカルが闊達な、活き活きとした歌声を聴かせてくれる。いっぽうでバランス接続はガラッと雰囲気が変わり、細部までしっかりと拾い上げる解像度感の高さと丁寧な抑揚表現が特徴となる。ジャズや小編成クラシックなど、アコースティック楽器を使った演奏などがリアルに感じられるようになり、音楽ジャンル的にも得手不得手ないオーソドックスなバランスとなる。両者の違いを積極的に活用し、気分や楽曲によってバランス、アンバランスを使い分けるのも面白い。

結論をいうと、この価格でこの内容を持ち合わせていることには驚くばかり。多くの人におすすめできる、とても優秀な製品だ。

■パイオニア「private XDP-30R」の主な仕様
DAC:ESS ES9018C2M×2
リニアPCM:最大192kHz/32bit
DSD:最大5.6MHz
対応ファイル形式:WAV/FLAC/MP3/AAC/ALAC/AIFF/DSF/DSD-IFF/MQA(MQAはアップデートにて対応)
ディスプレイ:2.4型タッチパネル(320×240ドット)
内蔵メモリー:16GB
外部メモリー:microSDカードスロット×2(最大200GBまで対応)
オーディオ出力:3.5mmアンバランス出力、2.5mm4極バランス出力
連続再生時間:約15時間(FLAC 96kHz/24bit時、アンバランス接続時)
本体サイズ:63(幅)×94(高さ)×15(厚さ)mm
重量:約120g
カラーバリエーション:ブラック、シルバー

オンキヨー「rubato DP-S1(B)」

オンキヨー「rubato DP-S1(B)」 オンキヨー「rubato DP-S1(B)」 オンキヨー「rubato DP-S1(B)」 オンキヨー「rubato DP-S1(B)」 オンキヨー「rubato DP-S1(B)」 オンキヨー「rubato DP-S1(B)」 オンキヨー「rubato DP-S1(B)」

パイオニア「private XDP-30R」の姉妹モデルで、ESS社製「ES9018C2M」DACと「SABRE 9601K」アンプを2基ずつ搭載してデュアルDAC構成&2.5mmバランス出力を実現している点や、リニアPCMが192kHz/32biまでのリニアPCM、5.6MHzまでのDSD音源のネイティブ再生、バランス出力選択(「BTL駆動」&「ACG(アクティブコントロールGND)駆動」、デジタルコントロール機能、Wi-Fi(5GHz/2.4GHz)&Bluetooth搭載など、機能性に関しては全く同じとなっている。異なるのは筐体デザインとサウンドチューニングだ。

筐体デザインは、ブラックを基調としたシックなイメージにまとめ上げられており、カジュアルさが強調されている「private XDP-30R」に対して、こちらは高級感を積極的に押し出したデザインとなっている。また、約63(幅)×94(高さ)×15(厚さ)mmという本体サイズはまったく同じで、重さもわずか10gしか違わないものの、このデザインによる効果か、手に取ったとき「rubato DP-S1(B)」の方が重量感があるように感じるのも面白い。

サウンドに関しては、「private XDP-30R」とは異なり、こちらはバランス、アンバランスともに統一感がある。SN感をしっかりと確保し、細やかなニュアンス表現もしっかりと再生しようとする丁寧さを重視したサウンドで、アコースティック楽器の音色がリアルに感じられる。また、女性ボーカルは高域が伸びやかな煌めきのある歌声で、普段よりも半歩前に出てきたかのような、多少印象が強まったように感じる。

この「rubato DP-S1(B)」と「private XDP-30R」では、デザインだけでなくサウンドキャラクターが異なっているので、実際に試聴して、どちらが自分好みかをチェックして選択することをオススメしたい。

■オンキヨー「rubato DP-S1(B)」の主な仕様
DAC:ESS ES9018C2M×2
リニアPCM:最大192kHz/32bit
DSD:最大5.6MHz
対応ファイル形式:WAV/FLAC/MP3/AAC/ALAC/AIFF/DSF/DSD-IFF/MQA(MQAはアップデートにて対応)
ディスプレイ:2.4型タッチパネル(320×240ドット)
内蔵メモリー:16GB
外部メモリー:microSDカードスロット×2(最大200GBまで対応)
オーディオ出力:3.5mmアンバランス出力、2.5mm4極バランス出力
連続再生時間:約15時間(FLAC 96kHz/24bit時、アンバランス接続時)
本体サイズ:63(幅)×94(高さ)×15(厚さ)mm
重量:約130g
カラーバリエーション:ブラック

iriver「Astell&Kern AK70」

iriver「Astell&Kern AK70」 iriver「Astell&Kern AK70」 iriver「Astell&Kern AK70」 iriver「Astell&Kern AK70」 iriver「Astell&Kern AK70」 iriver「Astell&Kern AK70」 iriver「Astell&Kern AK70」 iriver「Astell&Kern AK70」 iriver「Astell&Kern AK70」 iriver「Astell&Kern AK70」 iriver「Astell&Kern AK70」 iriver「Astell&Kern AK70」 iriver「Astell&Kern AK70」 iriver「Astell&Kern AK70」 iriver「Astell&Kern AK70」 iriver「Astell&Kern AK70」 iriver「Astell&Kern AK70」 iriver「Astell&Kern AK70」

ハイレゾプレーヤーブームという一大ムーブメントを起こしたiriver「Astell&Kern(アステル&ケルン)」ブランドのスタンダードモデル「AK70」は、発売からしばらく時間が経過しているものの、限定モデルとしてカラーバリエーションを追加するなど積極的な展開が行われているため、改めて紹介させていただこう。

この「AK70」の、ラインアップ中最軽量となる小柄なボディは、「AK300」シリーズと同じ方向性を持つスタイリッシュなデザインを採用している。また、カラーバリエーションはメタリック調ペパーミントグリーン「ミスティミント」をスタンダードカラーとし、限定として、これまでに「オリエンタルレッド」「トゥルーブルー」「ミラージュホワイト」「トワイライトローズ」「オブシディアンブラック」「ヘリテージゴールド」という多彩なカラーバリエーションを展開している。

音質の要となるDACにはシーラス・ロジック社「CS4398」を採用。「AK240」への搭載以降、バランス・ヘッドホン出力のメインストリームのひとつとなっている2.5mm4極端子もしっかりと備えている。また、USB AUDIOデジタル出力をサポートしており、外部DACを接続することで384kHz/32bitまでのリニアPCM、5.6MHzまでのDSD音源をネイティブ再生することもできる(ちなみにヘッドホン出力時のネイティブ再生は192kHz/24bitまで)。

さらに、Wi-FiとBluetoothも搭載。Wi-FiによってNASやPC内の楽曲を再生できるほか、Bluetoothは最新の高音質伝送規格であるaptX HDにも対応するなど、多彩な機能を搭載している。内蔵メモリーは64GBと必要十分なサイズが搭載されている。代わりにといっては何だが、microSDメモリーカードスロットは1基のみとなっている。

コンパクトさと多機能さの両立が見事な「AK70」だが、そのサウンドもなかなかのレベル。特にバランス・ヘッドホン出力のほうは、十分な解像感を確保しつつ丁寧な抑揚表現をも持ち合わせることで、アコースティック楽器の音色をリアルに再現してくれる。ボーカルは、男性/女性ともに自然な音色傾向を基調としつつも、普段よりもハキハキした、活気ある歌声を楽しませてくれる。いっぽう、低域のフォーカス感の高さも秀逸で、ドラムやベースの音がよく耳に届いてくる。カスタムIEMなど、マルチBAドライバー構成イヤホンとの相性が抜群で、上位モデルよりもこちらの音のほうが好みという人も少なからずいるはず。スタイルも含め、完成度の高い製品だ。

■AK70の主な仕様
DAC:シーラス・ロジック CS4398×1
リニアPCM:最大384kHz/32bit(ネイティブ再生は192kHz/24bitまで)
DSD:最大5.6MHz(PCM176.4kHz/24bitに変換して再生)
対応ファイル形式:WAV/FLAC/MP3/WMA/OGG/APE/AAC/ALAC/AIFF/DFF/DSF
ディスプレイ:3.3型タッチパネル(480×800ドット)
内蔵メモリー:64GB
外部メモリー:microSDカードスロット×1(最大256GBまで対応)
オーディオ出力:3.5mmアンバランス出力、2.5mm4極バランス出力、USB AUDIO出力
連続再生時間:約10時間(FLAC 96kHz/24bit時)
本体サイズ:60.3(幅)×96.8(高さ)×13(厚さ)mm
重量:約132g
カラーバリエーション:ミスティミント、オリエンタルレッド、トゥルーブルー、ミラージュホワイト、トワイライトローズ、オブシディアンブラック、ヘリテージゴールド

FiiO「X5 3rd gen」

FiiO「X5 3rd gen」 FiiO「X5 3rd gen」 FiiO「X5 3rd gen」 FiiO「X5 3rd gen」 FiiO「X5 3rd gen」 FiiO「X5 3rd gen」 FiiO「X5 3rd gen」 FiiO「X5 3rd gen」 FiiO「X5 3rd gen」

ポタアンで一世を風靡したFiiOだが、この頃はハイレゾプレーヤーのイメージが強くなってきているかもしれない。それほどまでに、近年のFiiOは(ハイレゾプレーヤーについて)積極的なラインアップを展開している。また、全ての製品が10万円以下クラス、特に5万円以下では3モデルをラインアップしているという、エントリー〜ミドルクラスに注力しているのも、FiiOならではの特徴かもしれない。そんなFiiOのハイレゾプレーヤーなかでも人気モデルである「X5」が第3世代モデル「X5 3rd gen」に進化した。

デザインだけでなく、OSから操作系からすべてが刷新されたのが、新「X5 3rd gen」の特徴だ。

まず、ボディデザインは大画面液晶を採用するスクエアなボディに変更された。「X5」のアイデンティティだと(多分多くの人が)感じていたホイール+ハードキー操作をあっさり止め、タッチパネルによる操作に変更したのはかなりのトピックといえる。ちなみに、再生や曲送り/曲戻しハードキーはボディサイドに設置され、音量調整もダイヤル式のものがボディ左側に配置された。こういった変更の傾向から察するに、他社製品と操作感をそろえ、乗り換えがしやすいよう配慮したのかもしれない。内蔵メモリーは32GBと標準的だが、「X5」の旧モデルと変わらずmicroSDメモリーカードスロットを2基用意してくれたのは嬉しい限り。スロットが蓋付きとなった点は、もしかすると好みが分かれるかもしれない。

OSについては、オリジナルのものから「X7」と同じくAndroid OSへと変更。Astell&KernのAKシリーズのようなカスタムされたメイン画面が用意されているが、「X7」と同じく「Pure Music モード」と「Androidモード」の2種類のモードを切り替えることができ、「Google Play Store」にもしっかりと対応しているので、一般的なAndroid端末として利用することも可能だ(もちろんSIM内蔵ではないのである程度限定はされるが)。無線系に関しては、2.4GHzのWi-Fiと、aptXコーデック対応のBluetoothも搭載されている。

音質面では、旭化成エレクトロニクス(AKM)製「AK4490EN」をチャンネルごとに1基ずつ搭載するデュアルDAC構成を採用。最大で384kHz/32bitのリニアPCM、5.6MHzまでのDSDをサポートしている。さらに嬉しいのが、バランス出力の搭載だ。一般的な3.5mmアンバランスに加え、2.5mmバランス出力端子を搭載。さらに良質なサウンドを楽しめるようになっている。

さて、実際のサウンドはというと、FiiOらしいというべきか、骨格のしっかりした、フォーカス感の高いサウンド。メリハリがしっかりしている上、低域のフォーカス感も高いため、勢いのある演奏を楽しめる。女性ボーカルは重心の低い、力強い歌声に感じられる。いっぽうで、先代に対してSN感も向上しているのだろう、音場的な広がり感があり、同時に音のひとつひとつ、たとえばチェロのボーイングのニュアンスなどもしっかりと伝わってくる。

総じていうと、表現力があって、解像度感が高く、それでいて高域に妙な強調感がなく、バランスのいいサウンドといったところか。さすが「X5」の名を持つモデルだけあって、大きく形を変えつつも完成度の高い製品となっている。

■FiiO「X5 3rd gen」の主な仕様
DAC:旭化成エレクトロニクス(AKM) AK4490EN×2
リニアPCM:最大384Hz/32bit
DSD:最大5.6MHz
対応ファイル形式:WAV/FLAC/MP3/WMA/OGG/APE/AAC/ALAC/AIFF/DFF/DSF/ISO/DXD
ディスプレイ:3.97型タッチパネル(800×400ドット)
内蔵メモリー:32GB
外部メモリー:microSDカードスロット×2(最大256GBまで対応)
オーディオ出力:3.5mmアンバランス出力、2.5mm4極バランス出力、3.5mm同軸デジタル/アナログ兼用出力(USB AUDIO出力はアップデートにて対応)
連続再生時間:約10時間(アンバランス接続時)
本体サイズ:66.2(幅)×114(高さ)×14.8(厚さ)mm
重量:約186g
カラーバリエーション:レッド、ブラック、チタニウム

SHANLING「M2s」

SHANLING「M2s」 SHANLING「M2s」 SHANLING「M2s」 SHANLING「M2s」 SHANLING「M2s」 SHANLING「M2s」 SHANLING「M2s」 SHANLING「M2s」 SHANLING「M2s」 SHANLING「M2s」

中国のオーディオブランドSHANLINGも、ハイレゾプレーヤーを積極的に展開しているメーカーのひとつ。トップモデルの「M5」から、超コンパクトなボディサイズで注目を集めているエントリーモデル「M1」まで、全4モデルをラインアップしている。そのなかで、最新モデルにしてエントリークラスの小型モデルとしてラインアップされたのが今回紹介する「M2s」だ。

約56(幅)×85(高さ)×14.5(厚さ)mmというコンパクトなボディサイズを実現しつつも、音質の要となるDACに「AK4490EQ」を搭載。ネイティブ再生は、PCMが最大384kHz32bitまで、DSDは最大11.2MHzまで対応するなど、ハイスペックさを持ち合わせている。さらに、オペアンプ等に「TPA6120」や「MUSES8920」を採用するなど、この価格帯からは想像できない豪華なパーツをチョイスしている点にも注目だ。なお、メモリーは内蔵されておらず、音源は1基用意されるmicroSDメモリーカードスロットにカードを挿して活用することになる。USB DACモードが用意され、PCなどのUSB DACとして活用することも可能。PCの接続には、USB Type-C端子が用意されている。

実際の製品を見てみると、かなりコンパクトに感じられる。手のひらに収まりやすいサイズで、扱いやすそうだ。いっぽう、画面サイズは3.0型とボディサイズの割に大きく、画像もかなりきれいで見やすいものの、タッチパネルではないのは残念なところ。ボリュームダイヤル押し込みでOKボタンとなっている点も含めてSHANLINGらしい操作系だが、最初は戸惑うかもしれない。ただ、慣れてしまえばそれほど違和感はないし、このあたりはエントリー向け低価格モデルの割り切りといえる範疇だ。

音質についても、この価格帯としてはなかなかのもの。メリハリのしっかりした、どちらかというと迫力重視型のサウンドキャラクターだが、細かい部分までしっかりと伝わってくるSN感のよさがある。何よりも、音の切れがいい。スネアの音がとてつもなくシャープで、岸田教団&THE明星ロケッツのような手数の多いハイテンポ・ハードロックでも、リズムがきっちりとしたノリノリのサウンドを楽しむことができる。

コンパクトで扱いやすい、それでいてハイスペックなお買い得モデルが欲しい、Jポップ向けであれば何より、という人にはピッタリの製品だ。

■SHANLING「M2s」の主な仕様
DAC:旭化成エレクトロニクス(AKM) AK4490EQ×1
リニアPCM:最大384Hz/32bit
DSD:最大11.2MHz
対応ファイル形式:WAV/FLAC/MP3/WMA/OGG/APE/ALAC/AIFF/DSF/DIFF
ディスプレイ:3型有機EL(800×480ドット)
内蔵メモリー:-
外部メモリー:microSDカードスロット×1(最大256GBまで対応)
オーディオ出力:3.5mmアンバランス出力(ラインアウト兼用)
連続再生時間:約9〜10時間
本体サイズ:53(幅)×85.6(高さ)×14.5(奥行)mm
重量:約100g
カラーバリエーション:ブルー、ブラック

Cayin「N3」

Cayin「N3」 Cayin「N3」 Cayin「N3」 Cayin「N3」 Cayin「N3」 Cayin「N3」 Cayin「N3」 Cayin「N3」(付属ケース) Cayin「N3」(付属ケース装着時)

ハイレゾプレーヤーやポタアンなどのポータブルオーディオ製品をラインアップするCayin からも、エントリー向けといえるコンパクトモデルがリリースされている。それが「N3」だ。

本体サイズは約54(幅)×100(高さ)×13(厚さ)mm、重量は約93gとかなりのコンパクトだ。こちらもSHANLING「M2s」などと同じく、DACに「AK4490」を搭載。最大384kHz32bitのPCM、11.2MHzDSDのネイティブ再生に対応している。この価格帯、このサイズからは想像できないハイスペックさだ。充電およびPCとの接続には、USB Type-C端子を用意。内蔵メモリーはさすがに非搭載で、音源は別途用意したmicroSDメモリーカードに入れて運用する形となる。

操作系は、パネル下部の静電容量式タッチボタン(左右2か所ずつ計4か所)とその中央の円形キー、および本体サイドのハードウェアキーで行う。タッチパネル画面ではないものの、メニューのデザインも含めて直感的な操作が行えるため、あまり違和感はない。

外観に関して、正直な話をすると高級感はない。あくまでも価格相応ではあるが、ソニー「ウォークマンA30」シリーズという強敵が日本国内にはあり、かつ他社製品も作りがよくなっているため、ボディ背面の処理やハードキーの素材などにややチープさを感じる。

とはいえ、この価格帯でこの機能性、この音質はなかなかのもの。客観的で冷静な表現のサウンドは、ジャンルを選ばず、アコースティックな演奏から打ち込み系まで、そつなく再生してくれる。バランス的には、やや低域が強く高域も伸びを強調しているのだが、決してドンシャリにはならず、明瞭なサウンドを聴かせてくれる。惜しむべきは、中域に付帯音が感じられるのか、メイン楽器のダイレクト感が弱いことか。そのぶん、全ての楽器がバランスよくスムーズに聞こえるので、このあたりは好み次第といったところだろう。価格を考えると、決して悪くない選択だ。

■Cayin N3の主な仕様
DAC:旭化成エレクトロニクス(AKM) AK4490EN×1
リニアPCM:最大384Hz/32bit
DSD:最大11.2MHz
対応ファイル形式:WAV/FLAC/MP3/WMA/OGG/APE/ALAC/AIF/AIFF/DSF/DIFF/ISO
ディスプレイ:2.4型(400×360ドット)
内蔵メモリー:-
外部メモリー:microSDカードスロット×1(最大256GBまで対応)
オーディオ出力:3.5mmアンバランス出力、USB AUDIO出力
連続再生時間:約12時間(アンバランス接続時)
本体サイズ:54(幅)×100(高さ)×13(奥行)mm
重量:約93g
カラーバリエーション:シアン、ブラック、レッド

【関連リンク】
音も機能も充実した中級機が狙い目! 5万円前後の注目ハイレゾプレーヤー5選
予算10万円前後! いい音を本気で楽しめる本格派ハイレゾプレーヤー7選
高音質をうたう最新スマートフォンの“音楽プレーヤー”としての実力を徹底チェックしてみた

野村ケンジ

野村ケンジ

ヘッドホンなどをはじめ幅広いジャンルで活躍するAVライター。ハイレゾ音源についても造詣が深く、アニソンレーベルのスーパーバイザーを務めるほか、TBSテレビ開運音楽堂「KAIUNハイレゾ」コーナーではアドバイザーとしてレギュラー出演している。

紹介した製品の最新価格・クチコミをチェックする
このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事
特集最新記事
特集記事一覧
2017.10.11 更新
ページトップへ戻る