9.2chモデル「AVR-X4400H」も

日本初!立体音響“Auro-3D”対応のデノン11.2ch AVアンプ「AVR-X6400H」

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デノンは、同社製AVアンプの新モデルとして「AVR-X6400H」「AVR-X4400H」の2機種を発表した。いずれも9月中旬に発売される。2機種とも、日本初の立体音響技術“Auro-3D”に対応するモデルであることが大きな特徴だ。「Auro-3Dとは何か?」というポイントとともに、製品の詳細をご紹介していこう。

左がAVR-X4400H(170,000円・税別)で、右がAVR-X6400H(300,000円・税別)

左がAVR-X4400H(170,000円・税別)で、右がAVR-X6400H(300,000円・税別)

まずは基本スペックをチェック! 最新4K規格にフル対応

まずは2機種の基本スペックをご紹介しよう。現在、デノンのAVアンプは5機種のラインアップを揃えており、フラッグシップ機の「AVR-X7200WA」に次ぐ中級〜ハイエンド機がモデルチェンジした形となる。

2機種の大きな違いは、搭載するパワーアンプの数とその出力W数。上位のAVR-X6400Hは実用最大出力250W(6Ω,1kHz)を確保する11.2chモデルで、下位のAVR-X4400Hは実用最大出力235W(6Ω,1kHz)の9.2chモデルとなる。

11.2ch出力対応のAVR-X6400H

11.2chモデルのAVR-X6400H

9.2ch出力対応のAVR-X4400H

9.2chモデルのAVR-X4400H(11chまでの拡張に対応)


ホームシアター用音声フォーマットは、従来のHDオーディオのほか、Dolby Atmos/DTS:Xのオブジェクトオーディオにも対応。別売のドルビーアトモス・イネーブルドスピーカー「SC-EN10」を使用してのDolby Atmos環境の構築も行える。また、後述するAuro-3Dをサポートすることもポイントだ。

4K伝送スペックは2機種とも共通で、HDMIは入力8/出力3を備えており、4K/60p(4:4:4)/HDCP2.2/BT.2020/HDRなどの規格に準拠。HDRも、HDR10/Dolby Atmos/HLGを全てサポートし、最新の4K規格にフル対応している。また、ARC(Audio Return Cannel)の新しい規格「eARC」にもファームウェアアップデートで対応予定。eARCは、従来のHDオーディオだけでなく、Dolby AtmosやDTS:Xなどオブジェクト音声のARC伝送も行える規格で、次世代のストリーミング放送を見据えた仕様になっている。

ハイエンドモデルの技術を継承したサラウンド回路設計

内部のサラウンド回路設計は、いずれもデノンの中核技術である「D.D.S.C -HD32」を採用。全チャンネルの信号を32bitアップコンバート処理することで理想的な波形再生を狙う技術だが、ミドルクラスのモデルでこの「D.D.S.C -HD32」を採用するのは今回が初だ。DAC部には最新世代の32bit DAC「AKM4458VN」を搭載し、音楽再生時の品位を高めていることも特徴。

新開発のネットワークモジュールを使ったWi-Fi接続機能も搭載しており、専用アプリ「Denon 2016 AVR Remote」や「Auddysey MultEQ Editer Apps」を使用したコントロール/音場調整も行える。もちろんネットワークオーディオ再生も可能で、最大192kHz/24bitまでのWAV/FLAC/ALAC、5.6MHzまでのDSDの各ハイレゾ形式に対応する。

デノンのフラッグシップモデル「AVR-X7200WA」 に搭載される「AL32 PROCESSING」を採用することで、3Dオーディオの再現性をより向上させている

DAC部には最新世代の32bit DAC「AKM4458VN」を搭載

DAC部には最新世代の32bit DAC「AKM4458VN」を搭載

ボリュームとセレクターそれぞれの機能に特化したチップを新規開発して搭載している

ボリュームとセレクターそれぞれの機能に特化したチップを新規開発して搭載している

ネットワークモジュールも新開発のものを採用しており、処理速度とWi-Fi接続時の安定を高めた

ネットワークモジュールも新開発のものを採用しており、処理速度とWi-Fi接続時の安定を高めた

デノン独自のネットワーク技術「HEOSテクノロジー」を搭載し、AWAやSpotifyなどの音楽ストリーミングサービスにも対応。ネットワーク再生時のクオリティも向上させている

デノン独自のネットワーク技術「HEOSテクノロジー」を搭載し、AWAやSpotifyなどの音楽ストリーミングサービスにも対応。ネットワーク再生時のクオリティも向上させている

上位のAVR-X6400Hは11ch「モノリス・コンストラクション・パワーアンプ」を採用

いっぽう、細かい内部構成は2機種でグレードが異なっている。AVR-X6400Hは上位モデルとして、チャンネルごとにパワーアンプ回路を個別の基板に独立させた11chの「モノリス・コンストラクション・パワーアンプ」構造を採用。これによってチャンネル間の影響やクロストークを抑え、チャンネルセパレーションを高めているのが特徴だ。ヒートシンクには共振の少ないアルミ押し出し材を使用する。

電源部の仕様にも配慮しており、パワートランジスタには大電流タイプの「DHCT」を採用。ヒートシンク上に格子状にレイアウトすることで放熱性を向上させ、スピーカー駆動の安定性を高めている。また、大容量ブロックコンデンサーや大電流タイプのショットキーバリアダイオードなど、こだわって選別されたオーディオグレードのパーツをふんだんに使用。電源供給ラインはチャンネルごとに分離させており、さらにスピーカー端子への信号経路も独立させることで、セパレーションの改善とクロストークの低減を図っている。

ミドルクラスの筐体に、11chのパワーアンプを全て独立させた「モノリス・コンストラクション・パワーアンプ」を搭載している

出力パワートランジスタを格子状にレイアウトするのも特徴。これにより、スピーカー駆動の安定性を高めている

左はプリアンプ基板で、右がデジタル電源部の基板

左はプリアンプ基板で、右がデジタル電源部の基板

AVR-X6400Hに搭載される大電流パワートランス

AVR-X6400Hに搭載される大型のEIパワートランス

AVR-X6400Hの背面端子部

AVR-X6400Hの背面端子部。11ch分のパワーアンプを内蔵するため、外部パワーアンプを使用することなく単体でDolby Atmosの7.2.4ch再生も可能

通常の5.1ch再生時に、5ch分を全てバイアンプ駆動できる機能も搭載している

通常の5.1ch再生時に、5ch分を全てバイアンプ駆動できる機能も搭載している

AVR-X4400Hのほうも、全チャンネル同一構成のディスクリート・パワーアンプで構築するなど徹底的に音質優先の設計を採用。2枚の基板に分けた9chアンプを搭載するほか、効率的な放熱を目指し、不要振動を抑えている。また、DCサーボ回路には大容量コンデンサーを使用している。

ディスクリート構成のパワーアンプは4chと5chの2枚に分けた基板を搭載する

ディスクリート構成のパワーアンプは4chと5chの2枚に分けた基板を搭載する

AVR-X4400HのEIパワートランスはこちら

AVR-X4400Hのパワートランスはこちら

AVR-X4400Hの背面端子部

AVR-X4400Hの背面端子部。パワーアンプの数は9ch分だが、11chまで拡張できるようになっている

立体音響技術“Auro-3D”とは?

上述の通り、新製品2機種の特徴は、何と言っても立体音響技術「Auro-3D」に対応すること。これまで海外では、デノン、マランツ、トリノフなどからAVアンプのAuro-3D対応が発表されていたが、日本ではいずれのメーカーもアップデートによる対応などは行っていなかった。今回登場したAVR-X6400H/AVR-X4400Hは、日本初のAuro-3Dデコーダーを搭載するAVアンプということになる。では、このAuro-3Dとは何か?

Auro-3Dは、2010年にベルギーで設立されたAURO TECHNOLOGIESによって開発された技術だ。“立体音響”や“3Dオーディオ”というと、ここ数年はDolby AtmosやDTS:Xのようなオブジェクトベース(音の鳴り方を位置ベースで指定する仕組み)の音声技術が話題だが、Auro-3Dはそれらとは異なるチャンネルベースの音声技術。つまり各チャンネル(=各スピーカー)からどの音を出力するかを指定する仕組みは、従来のサラウンドフォーマットと同じだ。

しかしAuro-3Dは、チャンネルベースで“立体音響”を実現するために、特徴的なスピーカー配置を規定していることが大きなポイントとなる。フロントスピーカー2chとリアスピーカー2chそれぞれの上部に、合計4ch分のハイトスピーカーを足し、サブウーハーを加えた9.1ch出力を基本の形としている。

これがAuro-3D再生の基本9.1ch構成。Dolby Atmosのハイトスピーカーをそのまま使用しても応用可能とのこと

これがAuro-3D再生の基本9.1ch構成。Dolby Atmosのハイトスピーカーをそのまま使用しても応用可能とのこと

フロントスピーカー(またはリアスピーカー)の上にハイトスピーカーを配置するイメージ

フロントスピーカー(またはリアスピーカー)の上にハイトスピーカーを配置するイメージ

そこに加え、視聴者の頭上に“トップサラウンドスピーカー”を1台設置した10.1ch再生も提唱している。これによって高さ方向の音の再現性を高め、ナチュラルな音場再現を図るもの。今回発表された2機種のうち、AVR-X6400Hはこのトップサラウンドスピーカーを使用した10.1ch出力に対応している(AVR-X4400Hのほうは9chしかパワーアンプを搭載しないため、単体では非対応)。なお、Auro-3Dの規格上は家庭でも最大13.1chまで構築できるそうだ。

横方向のサラウンドだけではなく、高さ方向の音場再現を高めるという考え方はDolby AtmosやDTS:Xと同じだが、Auro-3Dは高さ方向の音場をファーストレイヤー、セカンドレイヤー、サードレイヤーと規定している。ファーストレイヤーが通常の5.1ch、セカンドレイヤーがフロントとリアのハイトスピーカー(合計4ch)、サードレイヤーがトップサラウンドスピーカーの1chで、それぞれのチャンネルから作り出される音場を“レイヤー”と呼称している

また、Auro-3Dはチャンネルごとにロスレス再生に対応しているのもポイント。ハイレゾでサラウンドが構築できる。なお、技術的には384kHzまでのフォーマットに対応するそうだが、Blu-rayには最大96kHz/24bitまでしか収録できないため、現実的にそれが再生スペックの限度となる。さらに、アップミックス機能「Auro-Matic」も備えており、通常のステレオ音声やモノラル音声をAuro-3Dサラウンド化して再生することもできる。ちなみに、Auro-3D非対応機器で再生した場合は、DTS-HD Master Audioでの5.1ch再生になるとのこと。

ちなみに、技術としてはオブジェクト方式での音声収録も可能。劇場環境にあわせて、チャンネルベースでは処理しきれない部分をオブジェクトベースで再現するといった、ハイブリッドに対応できる仕組みになっている。ただそれはあくまでも劇場用のシステムなので、今回のAVR-X6400H/AVR-X4400Hを使って家庭でAuro-3D再生を楽しむ場合は、チャンネルベースでの再生になる。

Auro-3D対応Blu-rayはどんなタイトルがあるの?

なお、いくらAVアンプ側がAuro-3D対応をうたっても、それに対応するコンテンツがなければ楽しむことはできない。現時点でBlu-rayが市販されているAuro-3D対応映画作品は「ゴーストバスターズ」の1作品しかないが、今後はソニーピクチャーズから「ミニオンズ」など15タイトルほどが登場予定だそうだ。また、ノルウェーのハイレゾ配信サイト「2L」からは、Auro-3D収録の音楽Blu-rayが30タイトルほど発売されている。AVR-X6400H/AVR-X4400Hを使えば、高品位な“3Dオーディオ”をひと足先に楽しむことができるのだ。

現在市販されているAuro-3D対応のBlu-rayタイトル。映画作品は「ゴーストバスターズ」のみだが、これから増えていくことに期待したい

杉浦 みな子(編集部)

杉浦 みな子(編集部)

オーディオ&ビジュアル専門サイトの記者/編集を経て価格.comマガジンへ。私生活はJ-POP好きで朝ドラウォッチャー、愛読書は月刊ムーで時計はセイコー5……と、なかなか趣味が一貫しないミーハーです。あ、90年代アニメも好き。

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2017.9.20 更新
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