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サウンドバーの選び方から注目モデルまでバッチリ解説

テレビを手軽に高音質化しよう! 音のいい注目サウンドバー5選

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最近のテレビはますます薄型化が進み、省スペースで設置できるようになっている。すると次に気になってくるのが“音声”の迫力だ。そこで注目が集まっているのが、テレビの音を手っ取り早く高音質化できるサウンドバー(シアターバー)である。ここでは価格.comの売れ筋製品の中から、2017年に発売された注目モデル5機種をピックアップし、製品選びのポイントも含めてAV評論家・小原由夫氏が解説する。

<目次>
1. サウンドバーとは何か?
2. サウンドバーの選び方と使いこなしの注意点
3. 2017年発売の注目モデル5選!

1. サウンドバーとは何か?

昨今の液晶テレビや有機ELテレビがどんどん薄型化・狭ベゼル(狭額縁)化していく中で、搭載するスピーカーに与えられるスペースはますます限られるようになっている。つまり、スピーカーも薄型化せざるを得ない状況だ。当然そうなると、テレビの音質はどんどん悪くなる方向に進む。

そこで、テレビの手軽な音質強化アイテムとして考えられたのが、“サウンドバー”だ。細長いキャビネットの中に複数個のスピーカーが搭載されており、ほとんどの製品で擬似サラウンド再生が行える。テレビ本体やBDプレーヤーなどとケーブル1本で接続でき、テレビのディスプレイ下部に横置きで設置することで視覚的なおさまりもよい。

サウンドバーの種類は大まかに、1本のサウンドバー本体だけで音声再生をまかなう“ワンボディ型”と、サブウーハー部を別体にした“2ユニット型”がある。特に後者のほうは、薄型テレビ内蔵スピーカーでは到底かなわない音の立体感の再現や、重低音再生が期待できる。

1本のサウンドバー本体だけで音声再生をまかなうワンボディ型のモデル

1本のサウンドバー本体だけで音声再生をまかなうワンボディ型のモデル

サブウーハーを別筐体にした2ユニット型のモデル。サブウーハーの設置場所はテレビの後ろなどのデッドスペースを利用できる。ちなみに、サウンドバー本体とサブウーハーをワイヤレスで接続できる機種も増えていて、スマートな設置が可能だ

こうしたテレビの音質強化を目的とした製品はすでに10年以上前から存在しているが、近年その役割はテレビの音声強化だけでなく、“音楽鑑賞用のスピーカー”としての性能も求められてきている。つまり、「家庭内にあるもっとも音質のよいオーディオとしてサウンドバーを使う」という実例が増えているのだ。テレビを見ないときでも、音楽を楽しむためにサウンドバーを活用するという動きである。そのため、スマートフォンからBluetoothでワイヤレス音楽再生ができたり、オーディオプレーヤー等と接続するための入力端子を備えたサウンドバーも登場し始めた。

デザインの流れからすると、テレビの薄型化および狭ベゼル化の方向性はさらに加速するだろう。そうなるとスピーカー部の独立化は必須だ。それをいち早く体現しているのが、今日のサウンドバーとも言えるのである。

2. サウンドバーの選び方と、使いこなしの注意点

次に、実際にサウンドバーを選ぶポイントをご紹介していこう。サウンドバーの標準的スタイルは、棒状(バータイプ)の横置きスピーカーだ。当然それを置くスペースがテレビの前に必要となるわけだが、テレビのサイズよりも幅が広い(長い)ようでは見た目のバランスが悪い。そこで、サウンドバーを購入する際は、まず「テレビの横幅よりも短いモデル」を選ぶのが無難だ。

サウンドバー選びでまず大事なのはサイズ! 組み合わせるテレビの横幅と同等〜短い製品を選ぼう。テレビよりサウンドバーのほうが長いとカッコ悪い(画像はヤマハの製品サイトより:http://jp.yamaha.com/products/audio-visual/hometheater-systems/hometheater-packages/yas-107_j/)

“ワンボディ型”にするか“2ユニット型”にするかは、予算や設置スペースに応じて考えればいいと思うが、映画再生や音楽再生で低音を重視するようであれば、やはりサブウーハーが別筐体の2ユニット型が好ましい。なお、サブウーハーはあらかじめセットになっているモデルと、オプションで別途追加購入するモデルとがある。

“ARC対応”と記載されたサウンドバーであれば、HDMIケーブルで接続したテレビとサウンドバーの電源オン/オフや音量調整を連動させることができる。ARCとは、「オーディオ・リターン・チャンネル」の略で、HDMIのこの機能を生かすには、テレビとサウンドバー双方にARC対応HDMI端子が備わっていることが条件となる。

HDMIのARC規格では、テレビの音声をサウンドバーに送ることで音量調整を連動させられるようになっている

HDMIのARC規格では、テレビの音声をサウンドバーに送ることで音量調整を連動させられるようになっている

サウンドバーとテレビ/BDプレーヤーの接続例は上記の通り。テレビの音声出力端子(光デジタルや3.5mmステレオミニなど)からケーブル1本で接続することもできるし(画像左)、BDプレーヤーからHDMI経由で映像/音声信号を受け取り、映像信号をテレビへパススルー出力することもできる(画像右)

また、サウンドバーで音楽鑑賞も楽しみたいなら、まずは手軽にスマホから音楽再生が行えるBluetooth機能への対応をチェックしておきたい。さらにDLNA規格に対応していれば、家庭内ネットワークと接続してハイレゾ音源もいい音で楽しめる。

なお、これからサウンドバーを購入するなら、4K映像信号に対応したHDMI端子(4Kパススルー機能)を装備したモデルがベター。将来テレビを買い替えるようなことがあっても、サウンドバーが接続できないという事態が避けられるので安心だ。そのほか、老婆心ながら、テレビを壁かけしている家庭では、サウンドバーも壁に据え付けられる機構を持った製品を選ぶほうがよいだろう。

最近のサウンドバーには専用アプリが用意されていて、スマホから簡単にコントロールできるようになっているのも特徴だ

3. 2017年発売の注目モデル5機種をチェック!

それでは、価格.comの売れ筋ランキングから、2017年に発売されたばかりの注目モデル5機種をピックアップしてご紹介しよう。各モデルの試聴にあたって用意したのは、パナソニックのUHD-BDプレーヤー「DMP-UB900」とLGエレクトロニクスの65型4K有機ELテレビ「OLED65C7P」。UHD-BDプレーヤーのHDMI出力を、テレビまたはサウンドバーと接続した。視聴ソフトは、UHDブルーレイ盤「オブリビオン」、BD盤「怒り」、さらに音楽再生時のクオリティを確認するため、CD「井筒香奈江/リンデンバウムより」を用いている。

3-1. 最新4Kスペックにフル対応のシンプル・ワンボディ型! ヤマハ「YAS-107」

サブウーハーを本体に内蔵するワンボディ型で、高さ53mmとスリムに仕上げられたサウンドバー。スタンド(ネック部)の低いテレビでも、画面をさえぎらずに設置することができ、4K/HDR信号のパススルーにも対応する最新の4K仕様を備えている。もちろんバーチャルサラウンド再生にも対応するが、最大のセールスポイントは、高さ方向の音場を創出できる新しい3Dサウンド技術「DTS Virtual:X」を搭載することだ。そのほか、セリフやナレーションを聴き取りやすくする「クリアボイス」といった便利機能もうれしい。Bluetooth機能にも対応しており、音楽再生のほか、スマホの専用アプリからも操作が可能。

設置イメージはこちら。スピーカーユニットは5.5cmコーン型フルレンジ×2、2.5cmドーム型ツイーター×2、7.5cmコーン型サブウーハー×2を採用。音声入力端子はHDMI/光デジタル/3.5mmステレオミニ、音声出力端子はHDMI(ARC対応)を装備する。HDMI端子はHDRをサポートし、4K/60p(4:4:4)映像信号のパススルーに対応。そのほか、Bluetooth機能にも対応している(画像はヤマハの製品サイトより:http://jp.yamaha.com/products/audio-visual/hometheater-systems/hometheater-packages/yas-107_j/)

実際に使用してみると、インジケーターが本体上面にある点はやや見づらいが、操作をスマホアプリのみに絞ればさほど苦ではなさそう。サウンドモードは「映画」「音楽」など5モードを搭載する。さすがはこの製品カテゴリーの先駆者だけあって、サラウンド感はたいそう立体的だ。「オブリビオン」では風の音、発信音、鉄塔がきしむ音など、効果音の再現が実に精密。サブウーハーが担う低音の微調整具合もいいあん配だ。「怒り」でも、激しい雨にセリフがマスクされない。それに取調べ室の閉塞感も明確に感じ取れた。「井筒香奈江/リンデンバウムより」では、ボーカルの質感がやわらかで、語尾の微細なニュアンスもクリアに聴こえる。

3-2.  独自テクノロジー満載のスタイリッシュ機! ボーズ「SoundTouch 300 soundbar」

こちらもワンボディ型のモデル。ガラス・トップとメッシュ・メタルグリルをまとった本体には、「QuietPort」や「PhaseGuide」といったボーズならではのテクノロジーが満載だ。高域ユニットの再生音をビームのように放出し、壁に当てて反射音を作ることでバーチャルサラウンドを創出する。そのサウンドをフルに発揮させるため、使用前にはボーズ独自の「Adapt iQ」というオートセットプログラムで、あらかじめ音場設定を行う必要がある。付属のマイクを本体にセットし、音声ガイダンスに従って5か所の視聴ポイントで計測を行なうと、その範囲内で均質なサウンドパフォーマンスが提供されるという仕組みだ。なお、サブウーハーを別売オプションで追加することもできる。Bluetooth機能にも対応する。

設置イメージはこちら。スピーカーユニットの詳細仕様は非公開。音声入力端子はHDMI/光デジタル、音声出力端子はHDMI(ARC対応)を装備する。HDMI端子はHDCP2.2をサポートし、4K映像信号のパススルーに対応。Bluetooth機能のほか、Wi-Fi接続にも対応しており、ネットワーク経由でスマホと連携させて「Spotify」や「iTunes」「Tunein」などの配信サービスを楽しむこともできる

その音は全体に濃密で、音場の広がり方におろそかな部分がない。「オブリビオン」では力強くて立体的なサラウンドが楽しめた。セリフ、音楽、効果音それぞれの分離もいい。「怒り」では音に浸透性が感じられた。セリフの実体感がとてもリアルで、呼び鈴の音や机を蹴り上げる音など、効果音も生々しい。「井筒香奈江/リンデンバウムより」では、声のふくらみ、ベースの豊かな響き、ピアノの強弱がとてもナチュラルに伝わってきたのが印象的だ。

3-3. 超コンパクトでナチュラル音質の高コスパモデル! ソニー「HT-MT300」

ワイヤレス接続対応のサブウーハーが非常にコンパクトに作られており、ソファの下や家具のすき間などに設置しやすいのが特徴の2ユニット型モデル。サウンドバー本体の幅50cmというコンパクトさも、40型や32型の小型テレビと組み合わせて見た目のバランスがよい。内部にはソニー独自のデジタルアンプ「S-Master」を搭載し、デジタル音場処理技術「S-Force Proフロントサラウンド」が立体的なバーチャルサラウンドを演出する。音楽再生機能としてはBluetooth再生に対応するほか、さらにUSB入力も装備し、USBメモリー内の音楽を再生することができる。なお、Wi-Fi接続機能を搭載する上位モデル「HT-MT500」もラインアップする。

設置イメージはこちら。スピーカーユニットは40×100mmコーン型フルレンジ×2、120mmコーン型ウーハーを採用。音声入力端子は光デジタル/3.5mmステレオミニ/USBを装備する。音声出力端子は非搭載で、映像再生機能としてはテレビからの音声信号を再生することに特化したシンプルな仕様。そのほか、Bluetooth機能にも対応

サブウーハーが高さ約38cmとかなり薄型であることが特徴で、ソファの下にも設置できる。さらに「ソファモード」という新機能を搭載していて、サウンドバー本体とサブウーハーの音のズレを補正しながら、ソファの下にサブウーハーを設置した際に最適な音質が得られるように調整する

搭載されたサウンドモードは、「ムービー」「ミュージック」の2つのみ。いろいろあっても使うシーンは少ないだろうという考え方なのか、実にいさぎよい割り切り方だ。それでも「ムービー」モードで「オブリビオン」を再生すると、どっしりとした重心の低いエネルギー感で聴かせ、サラウンドの包囲感もサイズに比してしっかりと広がりを感じさせる。発進音やすき間風の様子もリアルだ。「怒り」はフッと浮かぶセリフの実在感がいい。雨の広がり、粒の細かさなど、シーンに溶け込んだ臨場感がかもし出される。ウーハーからの低音もこれみよがしなところがなく自然である。「井筒香奈江/リンデンバウムより」は、スリムだが明瞭度の高い声だ。ベースの量感、ピアノの質感もナチュラルだった。

3-4. 力強い低音が魅力のビギナー向けモデル! パナソニック「SC-HTB488」

5つのサウンドモードに加え、バーチャルサラウンド再生にも対応した2ユニット型のモデル。こちらも付属のサブウーハーはワイヤレスタイプで、設置の自由度が高いことも魅力だ。サウンドバー本体には銅素材を採用したスピーカーユニットを搭載することにより、高域までクリアな再生を狙っていることが特徴。トラック型のフルレンジスピーカーを採用しており、定位のよさも期待できる。サブウーハーも、ボディ側面に木材を加えることで剛性を強化した。そのほか、Bluetoothによる音楽再生も楽しめる。

設置イメージはこちら。スピーカーユニットはφ4.5cm×12cmコーン型フルレンジ×2、16cmコーン型ウーハー×2を採用。音声入力端子は光デジタル、音声出力端子はHDMI(ARC対応)を装備する。映像再生機能としてはテレビからの音声信号を再生することに特化したシンプルな仕様だが、テレビと電源や音量の連動ができるようにARC対応のHDMI出力端子を装備している。Bluetooth機能にも対応(画像は豪パナソニックの製品サイトより:http://www.panasonic.com/au/consumer/home-entertainment/soundbars/sc-htb488.html)

「シネマ」モードに設定してバーチャルサラウンド再生を効かせると、サブウーハーも含めて力強く派手めのサウンドが繰り出される。サブウーハーの音量を最小にしてもズンズンと盛大に鳴ってくれた。方向感や広がりは他社モデルと比べて一歩譲る面もあるが、迫力では負けていない。「怒り」でもセリフに力のこもった感じがある。ボディ感がしっかりしているのだ。同時に雨粒のような繊細な環境音も大きく感じられ、すべての音が一歩前に出てくる印象。「井筒香奈江/リンデンバウムより」の声もたくましく、骨格がしっかりとした音で、ベースの音はひときわ豊か。初期設定の手間が一切不要という点もあり、ビギナーや家族向けとして好ましい。

3-5. 大迫力サラウンドを実現するハイパワー機! JBL「CINEMA SB450」

今回ピックアップした製品の中でもっとも本体サイズが大きい2ユニット型モデル。各種4K信号に対応したパススルー機能を装備する。内蔵パワーアンプは、総合出力440Wというハイパワーを確保。独自の高音質技術「HARMAN Display Surround」によるバーチャルサラウンド再生にも対応している。Bluetooth機能にも対応しており、PCやスマホなどからの音楽再生も楽しめる。本機もサブウーハーはワイヤレス型。使い始める際には、サウンドバーとサブウーハーそれぞれの本体に付いている「PAIRING」ボタンを押し、ペアリング設定を行う必要がある。なお、サブウーハー単体で位相調整やクロスオーバー調整が可能なのもポイント。

設置イメージはこちら。スピーカーユニットは58mmフルレンジ×4、32mmツイーター×2、200mmウーハー×2を採用。音声入力端子はHDMI×3/光デジタル/AUX IN、音声出力端子はHDMI(ARC対応)を装備する。HDMI端子は4K/HDR映像信号のパススルーに対応。そのほか、Bluetooth機能にも対応している(画像はJBLの製品サイトより:http://jbl.harman-japan.co.jp/product.php?id=cinema-sb450)

音声は、スタンダードモードと「HARMAN Display Surround」によるバーチャルサラウンドモードを切り替えられる。その音は、ユニットの大きさの恩恵もあると思うが、ひとつひとつの物音がとりわけリアルだ。「オブリビオン」では、セリフ、足音、すき間風が臨場感たっぷりな上、大口径サブウーハーの能力がいかんなく発揮され、爆発炎上音がド迫力。サラウンドモードをオンにすると、セリフは若干散る傾向になるが、包囲感はさらにリアルになった。「怒り」の取調べ室のシーンでも、淀んだような閉塞した空気感が音から感じ取れる。今回使用した65型テレビでも、まだ画面が小さく感じられるほどのバーチャルサラウンドの効き目だ。「井筒香奈江/リンデンバウムより」は、ローエンドの厚みが充実しており、オーディオ的クオリティが高い。声の実体感にも、さすがは名門JBLらしい迫真性が感じられた。

小原由夫

小原由夫

測定器エンジニア、雑誌編集者を経て、92年よりAV評論家として独立。自宅には30帖の視聴室に200インチのスクリーンを設置。6千枚以上のレコードを所持し、超弩級プレーヤーでアナログ再生にもこだわる。

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