新製品レポート
SD/USBメモリー内のハイレゾ音源を再生できる

東芝Aurexから世界初の“ハイレゾCDラジカセ”「TY-AK1」登場

近年、アナログ文化に再び注目が集まり、カセットテープの人気が再燃していると聞く。そんなトレンドがさらに加速されそうな新製品が、東芝エルイートレーディングから発表された。同社ブランド“Aurex(オーレックス)”から登場した、世界初の“ハイレゾ対応CDラジカセ”「TY-AK1」だ。

40kHz以上の高域をカバーするスピーカーユニットを備え、SDメモリーカードやUSBメモリー内のハイレゾ音源再生にも対応する「TY-AK1」。3月下旬発売予定

2年ぶりのAurex製品は、ブーム再燃のカセットに対応

“Aurex”といえば、元々は1970〜80年代にかけて東芝が展開していたオーディオブランドの名称。それが“新生Aurex”として復活したのが2016年で、当時、ブランド復活第1弾製品としてハイレゾ対応のCDラジオ「TY-AH1000」を市場投入し、話題となった。

「CDラジオなのにハイレゾ対応とはどういうことか?」と思うが、本体にSDカードスロットとUSBポートを搭載しており、SD/USBメモリーの中に保存したハイレゾ音源を再生できるというものだった。内部のスピーカーも高域40kHzをカバーするユニットを採用し、しっかりハイレゾロゴも取得。価格.comのクチコミでも、音質について評価が高かった1台だ(製品やクチコミの情報は、上のリンク先を参照のこと)。

それから2年ぶりに登場したのが、今回発表のTY-AK1。CD、SDメモリーカード、USBメモリーの各メディアに対応し、AM/ワイドFMチューナーを搭載する基本仕様は、前世代モデルと同様。ここに、ブーム再燃のカセットデッキが、新しく追加された形となる。

今回は、カセット再生に対応する「TY-AK1」(左)のほか、従来モデルの後継機にあたるカセット非搭載のCDラジオ「TY-AH1」も同時発表された(右)

カセット再生に対応しつつ、コンパクト化したボディ

それでは、TY-AK1の詳細を見ていこう。本体サイズは350(横幅)×126(高さ)×218(奥行)mmで、実は前モデルよりも多少コンパクト化している(TY-AH1000は400(横幅)×135(高さ)×205(奥行)mm)。新しくカセットデッキを追加しながら、小型化も実現した形だ。

再生できるカセットテープの種類は、ノーマル、クローム、メタルの全てに対応。本体フロントに「ノーマルポジション」と「ハイポジション」を切り替えるスイッチを装備している。なお、カセットテープの再生だけでなく、カセット音源をSDメモリーカードやUSBメモリーにMP3録音してデジタル化したり、反対にCD/SDメモリーカード/USBメモリーの音源をカセットに録音してアナログ化することもできる。

「古いカセットテープをイイ音で楽しみたい」というニーズに応える1台。なお、ドルビーノイズリダクション機能は非搭載で、過去に同機能で録音されたノーマルテープを再生したい場合は、ハイポジ設定にすることが推奨されている。オートリバース機能も非対応なので、片面の再生が終わったら手動でひっくり返す必要がある

ちなみにハイレゾ対応スペックは、SDメモリーカード/USBメモリーの中にある最大192kHz/24bitまでのWAV/FLACを再生できる。前モデルでは最大96kHz/24bitまでの対応だったので、このあたりも進化した。

本体フロントには、入力切り替えボタンや、SDカードスロットとUSBポートを搭載。レトロなレベルメーターは前モデルで好評だったそうで、本機でも引き継がれた。ヘッドホン出力端子やカラオケ用のマイク入力端子も装備するほか、ノーマルポジションとハイポジションを切り替えられるスイッチも備えている

天面には、CD挿入部のほか、再生操作や音量調整ボタンなどを装備

天面には、CD挿入部のほか、再生操作や音量調整ボタンなどを装備

再生ステータスを確認できる日本語表示のLCDを搭載。カセットテープの再生中には、カウンターが表示される

再生ステータスを確認できる日本語表示のLCDを搭載。カセットテープの再生中には、カウンターが表示される

40Wの大出力! 高域40kHzまでカバーする新開発ユニット搭載

“ハイレゾ対応”をうたうため、もちろんスピーカーユニットもこだわった。高音質化のために左右独立型のスピーカーボックスを採用し、左右それぞれに6.4cmのコーン型フルレンジと2cmのシルクドームツイーターを搭載する2ウェイ構成。フルレンジとツイーターは、どちらも本機のために新規開発したユニットを採用している。

これにより40kHzまでの高域再生をカバーし、ハイレゾロゴも取得。なお、こういったCDラジカセ型の製品でハイレゾロゴを取得しているのは、本製品が世界初とのこと。

さらにアンプ出力は20W+20Wの高出力を確保し、コンパクトなサイズながらしっかりサウンドの迫力を高めた。カセットテープの再生音質にこだわり、中域に厚みがあり、低域に迫力のある再生を狙っている。

2ウェイ構成のスピーカー部。ハイレゾロゴもしっかり取得している。なお、前モデルではマルチアンプ構造だったが、本機ではネットワーク回路を採用したシングルアンプ構造を採用

スピーカーはバスレフ型で、本体背面を見るとバスレフポートが装備されているのがわかる

スピーカーはバスレフ型で、本体背面を見るとバスレフポートが装備されているのがわかる

新開発のスピーカーユニットと40W出力のアンプが高音質化のポイント。1番下にある「アップコンバート機能」については、以下で解説する

CDやカセット音源を、ハイレゾ相当にアップコンバートできる

本機は、「さまざまな音源をハイレゾ音質に」をコンセプトに開発されている。そこでポイントとなるのが、CDやカセットテープの音源をハイレゾ相当にアップコンバートする新機能だ。本機能を使うと、CD音源を88.2kHz/24bit相当、カセットテープとラジオ音源を96kHz/24bit相当にアップコンバートして再生することができる。

本体フロントの「UP CONVERT」ボタンを押すと、CD、カセット、ラジオの音源をハイレゾ相当にするアップコンバート機能がオンになる

アップコンバート回路の概念図。カセットやラジオなどのアナログ音源はデジタル化してアップサンプリングとビット拡張を行い、専用のフィルターを通して出力する

もちろん、アナログ音源はデジタル化してアップスケーラーを通すことになる。いわゆる“カセットテープならではのあたたかい厚みのあるサウンド”を求めるユーザーにとって、カセット音源のハイレゾアップコンバートは違和感のある話かもしれない。

このあたりは東芝エルイートレーディングとしても考慮しているようで、「猫も杓子もハイレゾ相当にせよ」ということではないようだ。同社が開催した発表会での内容によると、「基本はアップコンバートせずに、カセットテープならではの音質を楽しんでもらえれば」という姿勢だそう。

ただ、「保管状態によってそのままだと聴きづらいカセットテープもあるかもしれない。そういうものを聴きやすくしたいときに、アップコンバートを利用してもらえたら」(同社説明員)とのことだった。

自宅に眠るカセットテープを、現代のイイ音で

東芝エルイートレーディングの発表によれば、同社のCDラジオ製品は市場で50%のシェアを獲得しており、かなり注力されているカテゴリー。同社は今回のTY-AK1で、「古いカセットテープをイイ音で楽しみたい」というカセット世代や、「カセットが逆にかっこいい」といった若年層のニーズに応えていく構えだ。

メタルテープは識別用の穴をセロハンテープでふさいで再生するといった“アナログライクな運用”も、逆に風情を感じるかも?

ちなみに一部販売店頭では、本製品の試聴用に同社が用意したオリジナルカセットテープも用意されるそう。もし機会があったら、ぜひ店頭でアップコンバート機能のオン/オフを切り替えたりして、“最新のカセットサウンド”を楽しんでみてほしい。

これが、店頭試聴用に用意されるカセットテープ(JASRAC許諾済!)。かつてAurexの広告に出演していた原田知世の「時をかける少女」など、4曲が収録されている

ちなみに、同時発表されたTY-AH1は、カセットデッキ非搭載。従来モデルTY-AH1000の後継機にあたる。上述のTY-AK1と基本スペックは同じで、内部には新開発のスピーカーユニットを搭載する。なお、こちらはBluetoothにも対応しているほか、PCと直接接続できるUSB入力端子も装備しており、PCの外部スピーカーとしても使用可能。本機の場合、Bluetoothで受信した音声もハイレゾ相当にアップコンバートして再生できる

杉浦 みな子(編集部)

杉浦 みな子(編集部)

オーディオ&ビジュアル専門サイトの記者/編集を経て価格.comマガジンへ。私生活はJ-POP好きで朝ドラウォッチャー、愛読書は月刊ムーで時計はセイコー5……と、なかなか趣味が一貫しないミーハーです。

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