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プロが厳選! 価格帯別イチオシハイレゾ対応DAPはコレだ!

10万円以上のイチオシハイレゾ対応DAP

10万円以上のイチオシハイレゾ対応DAP

10万円以上のクラスは、音質的に素晴らしい製品が数多く並んでいる。いずれの製品も捨てがたいが、新製品に限定すると、iriverのAstell&Kern「A&ultima SP1000M」が筆頭にあげられるかもしれない。

こちら、Astell&Kernのフラッグシップモデル「SP1000」のバリエーションモデルで、ディスプレイスサイズを4.1インチに変更し、ボディ素材にアルミを採用することで小型軽量化を実現したモデル。それでいて、AKM社製DAC「AK4497EQ」をデュアル構成で搭載、384kHz/32bitのリニアPCMとDSD256(11.2MHz/1bit)のネイティブ再生に対応するなど、メカニズムや機能性は「SP1000」そのままのスペックが保たれている。それでいて価格は20万円中盤と、オリジナルに対して大きくコストパフォーマンスを上げている。もちろん、2.5mmバランス出力端子も採用されている。

そのサウンドは、素晴らしいのひとこと。クリアで解像度感も高く、メリハリもしっかりしていて、音楽のよさをストレートに表現してくれる。SN感で「SP1000」との差を感じるが、単体で試聴していると大して気にならない。ボディも軽くなったので、扱いやすい。なかなか“ちょうどいい”製品だ。

もうひとつ、注目のモデルがあるので次点として挙げさせてもらった。それがCOWONの最新モデル「PLENUE L」だ。こちら、COWONの最新モデルにして「PLENUE S」に代わる新フラッグシップモデルで、ESS社製「ES9038PRO」DACを搭載して384kHz/32bitのリニアPCMとDSD256(11.2MHz)のネイティブ再生に対応するほか、PLENUEシリーズとしては初めて4.4mmバランス端子を搭載している。外観も、ボリューム調整に加えて各種設定選択が行えるデュアルダイヤルや、金管楽器をイメージさせる“Brass Wind Inspired Design(ゴールドのメッキ加工をしたかのような艶やかなボディ)”を採用するなど、特徴的なモデルに仕上がっている。音質も良好で、自然な音色と定位が明瞭な整然とした広がり感をもつ。この聴き心地のよいサウンドは、さすがCOWONというべきだろう。

【番外編1】無差別級モデル

さて、ここからは番外編をお届けしよう。

まずは価格無制限の無差別級として、1台をピックアップさせてもらった。それが、Lotoo「PAW Gold TOUCH」だ。

Lotoo PAW Gold TOUCH

こちら、オーディオ・ワークステーションや放送用自動システムを提供し、同時にスイス・ナグラ社のプロフェッショナル機器のODM製造も担っているINFOMEDIA社の最新DAP。同ブランドとしては初めてタッチパネルを採用しつつ、わずか2秒という起動時間を実現しているのが特徴だ。また、AKM社製DAC「AK4497EQ」を搭載し、DAPとしては初となる768kHzのリニアPCM、DSD512ネイティブ再生に対応するなど、ハイスペックさも誇っている。さらに4.4mmバランス出力端子やLDACコーデック対応のBluetooth接続など、機能性も充実したモデルに仕上げられている。

しかしながら、「PAW Gold TOUCH」最大の魅力はそのサウンドだろう。すべての音がそのままの音色で、ストレートに再現されるのだ。定位感も揺るぎなく、整然とした音場が広がる。解像感の高さも超絶といえるクラスで、楽器の表情の細部までしっかりと再現されている。その様子は、まるでスタジオのモニタースピーカーを聴いているかのよう。確かに高価ではあるが、リファレンスとして手元に置きたくなる、魅力的な音質を持つ製品だ。

【番外編2】超弩級モデル

番外編として、もうひとつ紹介しておきたいのがソニー「DMP-Z1」だ。

SONY DMP-Z1

こちら、バッテリーを内蔵しているので確かにポータブル活用できるのだが、これをポータブル製品と呼んでいいのだろうか。誰もがそう思うだろう、とてつもなく尖った製品となっている。

詳細についてはこちらの記事を参考にしていただくとして、本体サイズが138(幅)×68.1(高さ)×278.7mm(奥行)、重量が約2.5kgと、確実に据え置き想定のボディは“何処にでも持ち運べる”というコンセプトなのだろう。いや、理想のウォークマンを作り上げたらこうなった、といった感じかもしれない。どちらにしても、サイズ、価格ともに超弩級、いままでに存在しなかったスペシャルなDAPであるのは間違いない。こういった製品をデビューさせてくれる、ソニーの気概を応援したい。

【番外編3】2018年に野村ケンジがもっとも使ったDAP

最後は、筆者こと野村ケンジがもっとも活用したDAPについて紹介しておこう。2018年もさまざまな製品を仕事にプライベートにと活用させてもらったが、そのなかでもっとも重宝し、もっとも活躍してくれたのがAstell&Kern「KANN」だ。

Astell&Kern KANN

こちら、microSDに加えてSDカードスロットも用意されているため、1TB近い音源(内蔵64GB+SDカード512GB+microSDカード400GB)を持ち運ぶことができる。さらに、ヘッドホン出力に加えてライン出力としても3.5mm端子&2.5mmバランス出力端子が用意されているので、音質的にベストな環境を作りやすい。実は、高い駆動力が必要な高級ヘッドホンなどは、ライン出力専用端子に繋ぐことでしっかりと鳴らし切ることができたりするのだ。一般的なDAP比べてちょっと太めのボディだが、仕事にプライベートにと、大いに役立ってくれた。リファレンスとして活躍できそうな素晴らしい音質とSDカードスロットをもつLotoo「PAW Gold TOUCH」や、オリジナルに対して使い勝手が格段によくなったAstell&Kern「A&ultima SP1000M」など大いに気になる製品はあるが、しばらくは「KANN」がメインのプレーヤーとして活躍してくれそうだ。

野村ケンジ

野村ケンジ

ヘッドホンなどのオーディオビジュアル系をメインに活躍するライター。TBSテレビ開運音楽堂にアドバイザーとして、レインボータウンFM「みケらじ!」にメインパーソナリティとしてレギュラー出演。音元出版主催のVGP(ビジュアルグランプリ)審査員も務める。

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