マーシャルのギターアンプ然とした外観がインパクトあるBluetoothスピーカー。約40
(幅)×30.8(高さ)×20(奥行)cmという、Bluetoothスピーカーとしては少し大柄なボディサイズに、2基のツイーターと1基のウーハーユニットが搭載されている。Bluetoothコーデックは、SBCに加えてaptXにも対応。光デジタル入力端子、RCA、3.5mmステレオミニのアナログ入力端子も用意されている。
カラッとした、清々しい音。パワフルで勢いのある、スピード感溢れるサウンドだ。おかげで、ボーカルはハリのある力強い歌声を聴かせてくれるし、ピアノの音色もとてもヌケがよい。アナログらしさはしっかり感じられるが、ならではの音色の支配力が強い印象だ。音量については、どちらかというとかなり大きめで使った方がよさそうなイメージ。広い部屋や屋外などの使用がベストマッチしそうだ。
マーシャル製ギターアンプのデザインを取り込みつつ、約24.2(幅)×14(高さ)×14(奥行)cmという(上位機種に比べて)比較的コンパクトなボディサイズにまとめられたBluetoothスピーカー。ドライバーユニットは口径は異なれどツイーター2基+ウーハー1基という構成は上位モデルと同じ。ギターアンプ然としたダイヤルのBASS、TREBLEを用意する点も共通だ。いっぽうで、アナログ入力は3.5mmステレオミニ端子のみ。そのかわり、バッテリーを内蔵して最大約20時間再生可能など、サイズに見合った使い勝手のよさにも配慮されている。
ウェルバランスな帯域特性と、キレのよいスピード感のある音色傾向が特徴。おかげで、アナログレコードらしさが感じられる、ウォーミーで心地よい響きの男性ボーカルを聴かせてくれる。いっぽう、高域はややインパクトが強くピアノの音が煌びやか。女性ボーカルは、多少子音が強いイメージとなる。とはいえ、アナログレコードプレーヤーとの相性は充分。良好な組み合わせといえるだろう。ちなみに、「Kilburn」には新モデル「Kilburn II」が登場している。こちら、ボディサイズはほぼ同じながら、aptXコーデックや急速充電への対応など、機能的な進化がいくつか見られるので、こちらも合わせてチェックして欲しい。
他のモデルと同じく、マーシャル製ギターアンプ然としたデザインを採用しつつも、Bluetoothスピーカーらしい軽量薄型化ボディを採用したモデル。ドライバーユニットは、2.25インチのウーハー2基とパッシブラジエーターで構成されている。Bluetooth接続のほか、3.5mmステレオミニの入力端子も用意する。バッテリーを搭載しており、約25時間の連続再生が可能となっているほか、モバイルバッテリーとしてスマートフォンなどの機器に電源供給することもできるようになっている。
フォーカス感の高い、クッキリとした音。サイズの都合によるものか、音の広がり感は弱く、音量を上げると歪みやすい(とはいっても上位モデルとの比較であって一般的なBluetoothスピーカーであればこの程度が普通だろう)デスクトップ設置など「Stockwell」をできるだけリスナーの近くに置いて聴くのが理想的だと感じた。そうした場所に置くと、アナログレコードならではの雰囲気がしっかりと伝わってきて、たとえばビリー・ジョエルはウォーミーでムード感たっぷりの歌声を楽しめる。使い方次第ではあるが、この組み合わせもまずますだ。
最後に、参考までにとUltimate Earsの「MEGABOOM 3」でも聴いてみた。円筒形デザインBluetoothスピーカーの元祖であるBOOMは現在3代目となり、IP67の防水機能や操作ボタンの最適化、スマートフォン用アプリの進化などにより、ずいぶんと使い勝手が向上している。今回は、標準サイズのBOOMではなく、大柄なMEGABOOMのほうで試してみた。
興味深かったのは、こちらは、フェンターともマーシャルとも違う、とてもソリッドで現代的なサウンドを聴かせてくれたことだ。素直な高域の伸びや、キレのあるメリハリ表現が特徴で、アナログレコードの音がデジタル音源に近いイメージにシフトしている。とてもクッキリハッキリとした、通りのよい音だ。スピーカー独特の音色というか、音色的な支配力が高いスピーカーなのかもしれない、アナログレコードらしさはあまり感じられないが、こういったクリアな印象のサウンドが好き、という人も少なからずいるはず。いや、現在はこちらの方が主流かもしれない。いずれにしろ、音色傾向は好み次第なので、好きかどうか一度は試聴してみて欲しい。
このように、アナログレコードプレーヤーとBluetoothスピーカーの組み合わせで、手軽にアナログレコードを楽しむことができる。しかも、アナログレコードならではの音の魅力を充分に感じ取ることができるのだ。今回の試聴では、それが明確に確認できたと思う。今回紹介した製品意外にも、音色的な好みや設置する場所によってベストの1台は変わってくると思うが、ぜひ一度、こういった組み合わせを気軽にチャレンジして欲しい。想像以上に満足感が得られる、なかなか絶妙なシステムであることは断言しよう。