レビュー

軽量ウェラブルネックスピーカー、シャープ「AN-SS1」 vs JVC「SP-A10BT」どちらを買うべき?

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改めてシャープ「AN-SS1」、JVC「SP-A10BT」をレビュー

改めて、なぜ小型・軽量のウェアラブルスピーカーが求められるのだろうか。元々ソニー、Bose、JBLの3社が先行していたウェアラブルネックスピーカーだが(レビューはこちら)、いずれも重量は300g前後と装着感としても大きめ。

ウェアラブルネックスピーカーの利用シーンとして、装着したまま動き回ったり、家事をしたりというものも想定しているので、もっと手軽に装着して使いたいという声もあっただろう。

そこで登場したのが小型タイプのシャープ「AN-SS1」、JVC「SP-A10BT」だった。両機種の重量はカタログスペックだと88g、実機を手元の電子はかりで測定すると、シャープ・JVCともに90.04gだった。

僕自身、ソニー、Bose、JBLともすべて試したことがあるが、重量感としては軽いし、何よりも首周りに何かを載せているという違和感が小さいが、正直、まったく疲れを感じないかというと、100%の同意はできない。ソニー、Bose、JBLといった300g前後ある機種は肩に負担がかかるのに対して、シャープ・JVCの2機種は首に重量がかかるため、首のあたりが少し凝りそうなのだ。

なお、音楽再生のバッテリー公称値はシャープ「AN-SS1」が約14時間、JVC「SP-A10BT」が約20時間としているが、測定条件が違うため実際は同程度と考えてよい。なお、充電はmicro USB端子を利用する。

シャープ「AN-SS1」を装着

シャープ「AN-SS1」を装着

同じくJVC「SP-A10BT」も装着

同じくJVC「SP-A10BT」も装着

電源を入れると英語の音声が流れ、すぐにBluetoothのペアリングモードに入る。仕組みとしてはBluetoothスピーカーをそのまま流用しているので、スマホユーザーなら簡単にペアリングできるだろう。今回の試聴では約10mの通信距離を確保しており、テストした僕の自宅では机にスマホを置いたままお手洗いに入る、くらいの距離では途切れなかった。

実際にiPhoneをペアリングして音楽を流してみると、首元から下にボーカルが聴こえるイメージで声の帯域は十分クリア。耳の横まで使った音空間に包まれる感覚もある。重低音はデフォルトではわずかに感じる程度だが、振動機能(シャープは「アコースティックバイブモード」、JVCは「サウンドバイブレーションモード」)をONにすると、心地よくズンと刻む重低音を演出してくれる。この演出を効かせた重低音も含めた音バランスがよく出来ていて、“小型の割にいい感じ”と褒められる出来栄えだ。

JVC「SP-A10BT」の数少ない差分の一つが、ここで使えるBluetoothコーデックの高音質コーデックapt-Xだ。AndroidスマホのGRANBEATとapt-Xで接続したサウンドは、音のフォーカスが一段上がり、声の輪郭もしっかりと出るようになる。Androidユーザーなら使わない手はないだろう。

本体の操作回りは右側の再生/停止ボタンを使用

本体の操作回りは右側の再生/停止ボタンを使用

本体に通話もできるため電話ボタンがあるが、実際には一回押しで音声アシスタント呼び出し、ニ回押しでリダイヤルもできる

音量上下ボタン。音量はスマホと連動するタイプだ。長押しで振動機能ON/OFFを切り替えられる

音量上下ボタン。音量はスマホと連動するタイプだ。長押しで振動機能ON/OFFを切り替えられる

スマホゲームのプレイはどうだろうか。ボイスたっぷりのバリバリのスマホゲー「プリンセスコネクト!Re:Dive (プリコネR)」をプレイしてみたが、女性声優の声をクリアに聴かせてくれるので満足度抜群。BGMは音の広がりもあるし、迫力も適度に出してくれる。スマホゲームのプレイ環境アップとしては、なかなか気に入った。『荒野行動』では音の方向感がしっかり出るのでゲームのジャンルとしてはベストマッチ。特に3Dゲームとの相性はよさそうだ。ゲームでもapt-Xコーデックは効果を発揮し、特に空間のなかの音分離を向上させてくれる。

スマホゲームのサラウンド効果アップには相性抜群

スマホゲームのサラウンド効果アップには相性抜群

ウェアラブルネックスピーカーを組み合わせる環境として、より映像体験志向にタブレットとの組み合わせも考えられる。アップル「iPad Pro」とペアリングし、Netflixで『スパイダーマン ホームカミング』を視聴してみたが、クリアでキレのある台詞の音声、そして映画らしい音の移動感、パワーと、一定以上のバランスを確保。厳密に映画の5.1chサラウンドを受ける訳ではないが、元々音空間を使った演出は相性がいいようだ。

なお、部屋で聴いていてどの程度音漏れするの? と気になる人もいるかもしれないが、まず、ウェラブルネックスピーカーに遮音性はまったくない。音漏れもなにも、ダダ漏れだ。

実際にどれくらの距離まで聴こえるかを検証したところ、室内の壁に隔てられていない空間では、ボリュームを最低(自分ひとりでもかなり音が小さいと思うレベル)にしても、3mの距離で音は聴こえる。家族のいる自宅やオフィスなど、静かな開けた空間で周囲にまったく迷惑をかけず音楽を聴く目的では使えない。

ただし、壁一枚隔てれば3mの距離の最小音量では聴こえなくなるので、家族のいるリビングに対して自室で一人になって音楽を聴く時など、一応は壁やドアで区切られた半プライベート的な空間なら活用できるだろう。

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