正統派のコンポとしてのレビューとしては以上だが、もう少しだけ「Echo Link Amp」の活用法を紹介したい。
近頃、コンポをはじめとした小型オーディオ機器を手がけるメーカーに“テレビにつなぐにはどうしたらいいの?”という質問が頻繁に寄せられるという。テレビの音声をパワーアップするならサウンドバーという最適なアイテムもあるが、どうせなら馴染みのあるコンポをつないで、より高音質なHi-Fiオーディオの水準でテレビの音声を聴きたいという需要も、少なからずあるようだ。
では「Echo Link Amp」の対応は? というと、プリメインアンプとして光デジタル入力があるので、テレビの光デジタル出力と接続はもちろん可能。「Echo Link Amp」の都合がいいところは、Alexaのボイスアシスタントに対応する都合で電源がなく常に待機状態になっていること。また「Echo Link Amp」には入力端子の切り替えもないが、常に光デジタル入力を受け付ける状態なので、テレビの音声信号の入力を待機させる用途にも最適なのだ。なお、入力は常にAlexaによるボイスアシスタントやWi-Fiネットワーク再生が優先される。
「Echo Link Amp」背面にある光デジタル入力端子を活用
テレビ側の光デジタル端子に接続
テレビ側の設定で音声を光デジタルで出力させる。形式はPCMを選ぶこと
実際に家のテレビと「Echo Link Amp」を光デジタルケーブルで接続して、ヤマハ「NS-B330」を設置してみると……さすがにHi-Fiオーディオ用のスピーカーを薄型テレビに接続すると、テレビ音声の音質の情報量も圧倒的に増え、音楽再生用のレンジの広さと音の広がりも現れる。バーチャルサラウンドも声の帯域強調もなくても、ステレオスピーカーとしての音質だけで臨場感が出るので大満足。「Echo Link Amp」にはサブウーハー出力もあるので2.1ch環境の構築も可能だ。
ヤマハ「NS-B330」をテレビ前に設置。スピーカー置き場に困ったが音質は圧倒的
「Echo Link Amp」を購入する動機はやはりEchoシリーズの高音質化という入り口が多いだろうが、Hi-Fiオーディオ目線で考えると定額音楽配信対応が扱いやすいプリメインアンプとしての魅力も十分。外部入力も活用すれば拡張性も確保されている。まずは、「Echo Link Amp」をベースにしてお気に入りのスピーカーを選べるコンポとしての使い方から、Hi-Fiオーディオの世界に飛び込んでみてはいかがだろうか。