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音もデザインも飛躍的進化!オンキヨー最新カスタムIEMの魅力を徹底解説【後編】

音もデザインも飛躍的進化!オンキヨー最新カスタムIEMの魅力を徹底解説【後編】

オンキヨーのカスタムIEMが、約4年半の時を経て、今春ついにフルリニューアルした。新モデル「IE-M」シリーズと「IE-J」シリーズの進化点や特徴を詳しくレポートした前編に続き、後編では新旧モデルの徹底比較レポートをお届けする。

「IE-M」シリーズと「IE-J」シリーズの進化点や特徴を詳しく解説した前編はコチラ

悩みに悩んだ結果、ONKYO BASEで「IE-M3」をオーダー

オンキヨーのカスタムIEM新モデルの「IE-M」シリーズと「IE-J」シリーズは、これまでにもヘッドフォン祭やポタフェスの会場、秋葉原にある同社直営のセレクトショップのONKYO BASEに試聴機が展示されていたこともあり、筆者も何度か試聴させていただいたことがある。

ただ、カスタムIEMの場合、試聴機はあくまでも試聴機であるというのが筆者の持論だ。カスタムIEMの試聴機は誰でも簡単に聴けるようにユニバーサルタイプの形状となっているため、あくまでもイヤーピース越しの音で傾向をつかむだめのもの。筆者もこれまで何度もカスタムIEMを作っているが、フィッティング感や音質など、カスタムIEM本来の実力はやはり作ってみないとわからないものだ。ということで、今回も実際にインプレッション(耳型)採取を行い、実際に作ってみることにした。

カスタムIEM製作のために訪れたのは、秋葉原にあるONKYO BASE。実際に店舗でインプレッション(耳型)採取を行い、こちらでカスタムIEMのオーダーを行った。筆者は元々「IE-C2」を所有していたので、今回は製作するモデルをマグネシウムBAドライバー搭載の「IE-M」シリーズにしようと最初から決め、「IE-M」シリーズの試聴機をじっくりと聴き込んで製作するモデルを決めようと思っていたのだが、いざ試聴を始めるとこれが予想以上に悩んだ。

オンキヨーの最新カスタムIEMをオーダーするために訪れたのは、秋葉原のマーチエキュート神田万世橋にあるONKYO BASE

カスタムIEMコーナー。最新の「IE-M」シリーズの試聴機も用意されていた

カスタムIEMコーナー。最新の「IE-M」シリーズの試聴機も用意されていた

マグネシウムBAドライバーらしさを存分に楽しめるシングルドライバー構成の「IE-M1」も非常によかったのだが、もう少し低域が出てほしいなと思い、選択肢を2ウェイ2ドライバー構成の「IE-M2」、2ウェイ3ドライバー構成の「IE-M3」の2つに絞った。両者の違いは低域の出方で、ここから徹底的に聴き込んで、最終的に聴く音楽ジャンルに合わせると、「IE-M3」のほうがより気持ちよく聴けたので、「IE-M3」を製作することにした。

店舗では、インプレッション(耳型)採取を合計2回実施。インプレッション採取が終わったら、あとはドライバー構成(モデル)やノズルサイズ、フェイスプレートやシェルのカラーといったオーダー内容をシートに記入してオーダーし、製品到着を待つだけだ。

インプレッション(耳型)の採取は店内で行う。オンキヨーはカスタムIEMメーカーでは珍しく、左右2回採取するのが特徴

ちなみに、カスタムIEM「IE-M」シリーズと「IE-J」シリーズは、昨年末から先行販売を行っていたが、これまではONKYO BASEでしか取り扱いがなかったため、インプレッション採取を含め、オーダーの際にはONKYO BASEに訪れる必要があった。しかし、今回の正式発売に合わせて、全国にあるメガネのアイガンでも耳型採取が可能(※)となり、同社直販サイト「ONKYO DIRECT」で手軽にオーダーできるようになっている。東京になかなか来られないという地方の方でも手軽にオーダーできる環境が整ったことは大いにありがたい。
※全国約220店舗、別途インプレッション(耳型)採取作業代6,000円(税別)が必要

5月12日よりONKYO DIRECTでも取り扱いが開始された。全国にあるメガネのアイガンでインプレッション(耳型)採取ができ、地方に住んでいる方でもオーダーしやすくなった

また、オンキヨーのカスタムIEMはすべて国内製造なのもうれしいところ。万が一購入した製品が耳にフィットしないということが起こっても、製品完了後30日間は再作(リメイク)できるし、その際の細かなやり取りもすべて日本語でOKなので、コミュニケーションの面でも安心できる。

納品されたカスタムIEMには、再作(リメイク)用の専用用紙も同梱されている。万が一、耳にフィットしない場合は、こちらの専用用紙に修正箇所を記入してやり取りを行う形だ。もちろん、記入は日本語でOKだ

なお、「IE-M」シリーズと「IE-J」シリーズが完成して納品されるまでの期間だが、ホームページによると、工場にインプレッション(耳型)が到着してから標準納期で45日間(目安)となっている。「IE-C」シリーズに比べて納期までの日数は増えているが、ここ最近は新型コロナウイルスの影響で、海外のカスタムIEMメーカーだと納期未定でオーダーすら受け付けていないというメーカーもあるが、オンキヨーのカスタムIEMなら国内製造なので安心してオーダーできそうだ。

ついに「IE-M3」が完成!「IE-C2」から大きく向上したフィット感に感動

ONKYO BASEでインプレッション(耳型)を採取してから数週間後、ついにオーダーした「IE-M3」が完成した。完成した「IE-M3」がこちらだ。

筆者がオーダーした「IE-M3」

筆者がオーダーした「IE-M3」

筆者はカスタムIEMをオーダーする際に2つ決めていることがある。ひとつはシェルで透明や半透明な素材があれば選ぶこと、もうひとつは、メーカー独自のフェイスプレートデザインやカラー、カスタマイズオプションなどがある場合は積極的に選ぶこと。前者はカスタムIEMの内部構造を外から観察するため、後者はメーカーごとの個性や違いを楽しむためだ。

筆者がこれまで作ってきたカスタムIEM。どうせ作るのだから、メーカーごとのオプションがある場合は積極的に取り入れるようにしている

今回の「IE-M3」では、透明なシェルの素材が選択肢になかったので、前者の条件はクリアできなかったが、後者については徹底的にこだわった。オンキヨーのカスタムIEMならではの選択肢であるシェルの形状は、新たに追加されたD型を、ノズルのサイズ/フィット感は、当初から「IE-C2」との比較試聴を考えていたので、「IE-C2」をオーダーしたときと同じ、もっとも遮音性の高い「プロミュージシャン」を選択。フェイスプレートは、メーカー担当者イチ押しの「Warm Lamp」「Dark Lamp」をチョイスし、ケーブルコネクターはもちろん新モデルから選択できるようになった「T2コネクター」を選んだ。

ONKYO BASEで届いたばかり「IE-M3」を受け取り、その場ですぐにフィッティングを実施させていただいたのだが、まず驚いたのが耳へのフィット感の高さ。筆者がこれまで使ってきた「IE-C2」と比べて段違いによくなっていた。耳にきっちり収まって遮音性をギリギリまで高めつつ、口を開けてしゃべった際は痛くならない絶妙なフィット感。筆者もこれまでいろいろなカスタムIEMを作ってきたが、ここまで高いフィット感はFitEar以来だった。

「IE-M3」では、左右それぞれフェイスプレートを選べるということで、今回はイヤホンのLRをわかりやすく視認できるように、右側に暖色系の「Warm Lamp」を、左側に「Dark Lamp」を選択。フィット感は「IE-C2」から格段に向上してかなり驚いた

オンキヨーのカスタムIEMでは、2つのインプレッション(耳型)を採取し、それぞれ3Dデータとして取り込んだあと、2つのデータの差分とこれまでのカスタムIEM製作で長年蓄積してきた匠の技を組み合わせてシェルの造形を行っているという。これは「IE-C」シリーズでも共通してやっている内容とのことだが、できあがったばかりの「IE-M3」を装着したときと、当時「IE-C2」を初めて受け取って装着したときの印象がずいぶんと違っていることからも、これまでの4年間で蓄積したデータの活用方法や、職人の経験値が増したということなのだろう。これは思いがけない誤算だった。

また、受け取った「IE-M3」をじっくり見ていると、シェルの造形クオリティが上がっていることにも気が付いた。「IE-C2」では、曲面のカーブ部に3Dプリンター特有の細かな波模様のようなものが浮かび上がっていて、お世辞にもキレイとはいえなかったが、「IE-M3」ではそういった部分が一切なく、とてもきれいなシェルに仕上がっていた。

筆者の所有する「IE-C2」。コーティングの内側をよく見ると、3Dプリンター特有の波のような模様がはっきりと視認できる

「IE-M3」は曲面の立体的な造形も滑らかで、3Dプリンター特有の模様も一切なかった

「IE-M3」は曲面の立体的な造形も滑らかで、3Dプリンター特有の模様も一切なかった

透明なフェイスプレート部分も気泡がなくてとてもきれい

透明なフェイスプレート部分も気泡がなくてとてもきれい

もうひとつ、「IE-C2」と「IE-M3」で大きな違いとなっていたのが付け心地だ。今回オーダーした「IE-M3」では、イヤホン接続部にT2コネクターを選択したが、MMCXコネクターを使用した「IE-C2」は、装着しながら歩いたりすると、どうしてもケーブルのコネクター部分が回転してしまい、組み合わせるケーブルによっては耳元でケーブルがずれて耳元の収まりが悪いということが何度かあったが、T2コネクターを採用した「IE-M3」は、嵌合性の高さとケーブルの細さから、そういったことが一切なかった。このあたりは、ユーザーやアーティストからのフィードバックを元に、嵌合性や耐久性にすぐれたT2コネクターの採用を決めたという経緯からも大いに納得できる結果といえるだろう。

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