ベルキンの「SOUNDFORM ELITE」は、スマートフォンなどをワイヤレス充電できるGoogleアシスタント対応のスマートスピーカー。フランスの高級オーディオメーカー、Devialet(デビアレ)の音響技術を採用し、クリアで迫力あるサウンドも特徴だ。価格.com最安価格は38,682円(2020年11月20日時点)。ワイヤレス充電とスマートスピーカーを組み合わせたSOUNDFORM ELITEを試してみた。
SOUNDFORM ELITEのホワイトモデル。カラーバリエーションはホワイトのほかにブラックが用意されている
円筒を斜めにカットしたようなデザインで、幅と奥行きは16.2cm、高さは16.8cmとコンパクトなボディ。重さは1.25s。表面はファブリックで覆われており、ホワイトとブラックのカラーバリエーションが用意されている。
付属のACアダプターは、本体に取り付けるとコネクター部分が一体化してデザインを損なわないようになっている。
上部の斜めにカットされたような部分がワイヤレス充電パッド
電源は付属ACアダプターを使う
ACアダプターの取り付け部は、本体と一体化してデザインを損なわないようになっている
上部の斜めになっている部分は、Qi規格に準拠した最大10W対応のワイヤレス充電器になっている。ここにワイヤレス充電対応のスマートフォンなどを載せると充電できるのというわけだ。手持ちのワイヤレス充電対応スマートフォンをいくつか載せてみたが、どれも問題なく充電できた。スピーカーの上はデッドスペースになりがちだが、充電器を兼ねることでスペースを有効活用している。
ただし、充電器部分は斜めになっているので、コンパクトな機器、たとえばワイヤレスイヤホンの充電ケースなどを載せても滑り落ちてしまって充電できない。スマホ充電用と考えたほうがいいだろう。
上部はQi規格に準拠した最大10W対応のワイヤレス充電器になっている
ワイヤレス充電に対応したスマートフォンなどを充電できる。手前側に再生・一時停止などの操作ができるタッチボタンがある
スマートスピーカーとしてはGoogleアシスタントに対応する。マイクの性能がよく、かなり音量を上げて音楽を再生していてもこちらのウェイクワードを拾ってくれた。ほかのGoogleアシスタント対応スマートスピーカーとグループを作って同時に鳴らすこともできる。
また、Bluetooth接続のワイヤレススピーカーとしても利用可能。上部手前側にタッチボタンがあり、そこで再生・一時停止、ボリュームコントロール、マイクのミュート、Bluetoothのペアリングの操作ができる。
スマートフォンをワイヤレス充電しながら音楽再生できる
ドライバーは35mmのフルレンジと、70mmのウーハーを2基搭載。音質は、これまで筆者が体験したスマートスピーカーの中でも頭ひとつ抜けている印象だ。低音域から高音域まで音の立ち上がりが早く、粒立ちが明瞭で前に出てくる。音楽全体に元気のよさ、弾力的なハリが感じられる。
音量を上げるとかなり迫力が出るが、歪みはあまり感じられず、低音や高音を下品に強調したような音にはならないのいいところ。そして音量を下げても低音や高音が損なわれることなく、明瞭で聞き取りやすい。音量の大小にかかわらず音楽のおいしい部分を味わえる。コンパクトなワイヤレススピーカーとしては優秀だ。
SOUNDFORM ELITEは、前述の通り、フランスの高級オーディオメーカー、デビアレの音響技術を採用しているのが特徴。デビアレは高級ワイヤレススピーカー「PHANTOM PREMIER」「PHANTOM REACTOR」などを発売しており、筆者も以前、そのサウンドを体験したことがある。音に力強いハリがあることや、音量の大小にかかわらず明瞭に聞こえる聞きやすさが魅力だ。ただし価格は高く、エントリーモデルのPHANTOM REACTORでも直販価格159,000円(税込)からとなっている。
デビアレのワイヤレススピーカー「PHANTOM PREMIER」(奥)「PHANTOM REACTOR」(手前)
SOUNDFORM ELITEの音作りには、PHANTOMシリーズほどではないものの、そうした“デビアレらしさ”がしっかり感じられるところが大きな魅力となっている。約4万円というのはスマートスピーカーとしては高額だが、高音質なスマートスピーカーがほしい人、音にこだわったワイヤレススピーカーが欲しい人に向いた製品だ。
音楽、プラモ、鉄道、アニメ、腰痛など趣味の多い元ジャズミュージシャンライター。日経BP社、マイナビなど各社でIT・ネット関連を中心に執筆中。愛用の2in1ノートの画面にヒビが入ってタッチパネルが使えなくなってしまったのが最近の出来事。