レビュー

アップル「AirPods Max」の音質、ノイキャン性能をソニー、BOSEとじっくり比べてみた!

12月18日にアップルが発売を開始した「AirPods Max」。ノイズキャンセリング対応のBluetoothワイヤレスヘッドホンという定番カテゴリに登場したAirPods Maxだが、アップル初の“H1チップ”搭載のワイヤレスヘッドホン、直販価格で税込み67,980円という予想外の高価格(価格.comでは、それを遥かに超える高額なヘッドホンを扱っているというのは置いておくとして)で登場したことで、想像以上に注目を集めているようだ。12月下旬時点では、アップルのオンラインの納期は最短で2021年2月とすでに入手困難なレベルにある。

アップル初のノイズキャンセリング対応ワイヤレスヘッドホンとして12月18日に発売されたAirPods Max

アップル初のノイズキャンセリング対応ワイヤレスヘッドホンとして12月18日に発売されたAirPods Max

そんな注目のAirPods Maxについて、Bluetoothワイヤレスヘッドホンとしての基本性能と空間オーディオといった機能、そして、そしてノイキャン対応ワイヤレスヘッドホンの仮想ライバル製品としてソニー「WH-1000XM4」、BOSE「NOISE CANCELLING HEADPHONES 700」を用意してノイズキャンセリング性能、音質をチェックしてみた。

アップルらしいプレミアム感ある質感

まずはAirPods Maxの外観デザインから。パッケージを開封して手に取ると、ヘッドホンとしては独特なプレミアム感ある質感が目を奪われる。ヘッドバンドの頭頂部はメッシュ素材を、フレームはステンレススチールを採用。ハウジングの表面素材は酸化皮膜処理を施したアルミニウムと金属系素材で、冬の気温だと触れると冷たく感じるが、なかなか高級感のある作りだ。ヘッドホンで384.8gという重量は手に持つと少し重い。ただ、実際に装着してみると384.8gという数字の割には重さを感じにくく、ヘッドバンドの長さを調整すれば締め付けも許容できる。

アルミニウムハウジングを採用するAirPods Max

アルミニウムハウジングを採用するAirPods Max

キャノピー(ヘッドバンドの頭頂部)はメッシュ仕様

キャノピー(ヘッドバンドの頭頂部)はメッシュ仕様

メモリフォームのイヤーパッド。取り外しも可能だ

メモリフォームのイヤーパッド。取り外しも可能だ

AirPods Maxを装着したところ

AirPods Maxを装着したところ

AirPods Proと同じH1チップ搭載なので、アップル製品との連携は簡単。iPhone、iPadは近付けるだけでペアリング画面を表示してくれる。専用アプリ等は存在せず、ペアリング後はコントロールセンターからノイズコントロール、空間オーディオを調整できる。

H1チップ搭載でiOSデバイスとの連携は簡単

H1チップ搭載でiOSデバイスとの連携は簡単

操作ボタンは「Digital Crown」という腕時計の竜頭のようなボタンで音量+/-と再生/停止など操作する。もうひとつ用意されているボタンは「ノイズコントロールボタン」となっており、ノイズキャンセリング、外音取り込みの切り替えが行える。意外にもタッチ操作対応ではない、という割り切りも操作性をよくしていると感じた。

操作部は右側のDigital Crownとノイズコントロールボタンに集約

操作部は右側のDigital Crownとノイズコントロールボタンに集約

ちなみに、AirPods Maxには電源ボタンがなく、自動スタンバイのほかに付属のSmart Caseに収納すると電源オフになる。バッテリー持続時間は20時間だ。充電がライトニングケーブルというところもアップルらしい。

付属のSmart Caseは手動で電源を切るためにも必要

付属のSmart Caseは手動で電源を切るためにも必要

AirPods Maxの空間オーディオは効果抜群

気になる音質とノイズキャンセリング性能は、ソニー、BOSEとの比較もあるので後回しにして、まずはAirPods Max独自の空間オーディオを紹介しよう。

すでにAirPods Proで提供済みの機能でもあるが、AirPods MaxはH1チップで実装された音響技術「コンピュテーショナルオーディオ」(ノイズキャンセリング、密閉度に応じた音響調整といった機能も含まれる)を使用している。その中でも他社のヘッドホンにない付加価値となるのが“空間オーディオ”だ。効果を発揮する音源はドルビーアトモス、5.1chなどの作品。ただ、映像配信側のアプリ側の対応が必要で、現状では「Apple TV+」専用に近い形になっている。

iPad Airと組み合わせて空間オーディオをテスト

iPad Airと組み合わせて空間オーディオをテスト

Apple TV+のオリジナル作品である映画『グレイハウンド』を鑑賞してみたが、空間オーディオの効果は抜群だ。第二次世界大戦の海戦を扱った作品で、劇中のシーンのほとんどが洋上だが、緊迫感ある重低音に満たされたBGM、甲板のシーンでの波音が身に降りかかるようなダイナミックさ、無線や甲板の音による高さ方向の位置の再現性など、ヘッドホンという物理的な音の鳴っている位置を突き抜けた空間が見事に再現されていた。iPhoneやiPadの鑑賞では、「ダイナミック・ヘッド・トラッキング」によって画面と顔の向きに応じて空間も移動してくれる。空間オーディオがすごいからAirPods Maxは買い、というのは大いにアリだ。

Apple TV+で映画『グレイハウンド』を視聴

Apple TV+で映画『グレイハウンド』を視聴

ちなみに、厳密にサラウンド音源でもないスマホゲームの『原神』をプレイしてみても、ヘッドホンらしからぬ音空間の広がりは有効(ダイナミック・ヘッド・トラッキングは働かないが)。AirPods Maxを使っていると、普段のサウンドの体験すべてで自然な音の広がりを感じられるようになるようだ。

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