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Dolby AtmosやDTS:X、話題の360 Reality Audioにも対応

4基のスピーカーから最大12基のファントムスピーカーを生成!ソニーの次世代ホームシアターシステム「HT-A9」

おうち時間のエンタメ体験をさらにグレードアップしたいというユーザーが増え、サウンドバーを含むホームシアター製品への注目度がますます高まっている。そんなホームシアター市場に、ソニーが久々に面白い製品を投入する。

2021年7月21日にソニーが発表したホームシアターシステムの新製品「HT-A9」は、同社独自の最新立体音響技術「360 Spatial Sound Mapping」を使い、4基のスピーカーで最大12基のファントムスピーカーを生成し、広大なサラウンド空間を作り出すというまったく新しいホームシアタースピーカーだ。

発売日は8月7日で、市場想定価格は22万円前後を予定している。さっそく発売前の新製品を体験することができたので、実機の写真を交えながら特徴を詳しく紹介していこう。

ソニー「HT-A9」。最新の立体音響技術「360 Spatial Sound Mapping」を搭載した新機軸のホームシアターシステムだ

ソニー「HT-A9」。最新の立体音響技術「360 Spatial Sound Mapping」を搭載した新機軸のホームシアターシステムだ

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4基のスピーカーだけで最大7.1.4chを再現。最新立体音響技術「360 Spatial Sound Mapping」を搭載

「HT-A9」は4基のスピーカーとコントロールボックスで構成されており、この4基のスピーカーを5GHzのワイヤレス通信で連動させ、広大なサラウンド空間を作り出している。この広大なサラウンド空間を作り出すキモになっているのが、ソニーが開発した最新の立体音響技術「360 Spatial Sound Mapping」だ。

「360 Spatial Sound Mapping」では、独自の「モノポールシンセシス技術」と「音場最適化技術」を活用。スピーカーそれぞれに内蔵されたマイクで音場最適化(キャリブレーション)を実施してそれぞれのスピーカーの位置や向きを正確に把握し、4基のスピーカーから発した音波を合成、最大12基のファントムスピーカー(7.1.4ch)を空間内の理想的な位置に生成することで、広大なサラウンド空間を作り出している。

4基のスピーカーで最大12基のファントムスピーカー(7.1.4ch)を空間内に生成する最新の立体音響技術「360 Spatial Sound Mapping」

4基のスピーカーで最大12基のファントムスピーカー(7.1.4ch)を空間内に生成する最新の立体音響技術「360 Spatial Sound Mapping」

初回設置後に実施する音場最適化(キャリブレーション)では、各スピーカーからテスト音を鳴らし、スピーカーに内蔵されたマイクで収音することで、それぞれのスピーカーの位置を検出。この情報を元に、ファントムスピーカーを空間内の理想的な位置に生成することで、高精度なサラウンドを空間を作り出している

初回設置後に実施する音場最適化(キャリブレーション)では、各スピーカーからテスト音を鳴らし、スピーカーに内蔵されたマイクで収音することで、それぞれのスピーカーの位置を検出。この情報を元に、ファントムスピーカーを空間内の理想的な位置に生成することで、高精度なサラウンドを空間を作り出している

4基のスピーカーはすべて同一の仕様となっているが、それぞれに配置位置が記載されており、フロントは2基、リアに2基という形で配置する。「HT-A9」がユニークなのが、フロントはテレビの脇に置くということ以外の決まりがなく、スピーカーそれぞれの高さや左右の距離、リアスピーカーの向きなどがある程度自由にカスタマイズできるということ。

たとえばテレビの脇に置くという決まりのあるフロントスピーカーも、左右で高さが違っていてもOKといった具合だ。リアスピーカーについってはもっと自由度があり、左右の横の位置があっていなくてもOKだし、スピーカーの向きも左右ばらばらでも問題ないという。スピーカーを駆動させるために電源ケーブルを接続するコンセントこそ必要だが、スピーカーレイアウトの自由度の高さは「HT-A9」の大きな魅力と言えそうだ。

4基のスピーカーの基本性能はまったく同じだが、設置場所についてはスピーカーの底面に記載された場所に従う必要がある

4基のスピーカーの基本性能はまったく同じだが、設置場所についてはスピーカーの底面に記載された場所に従う必要がある

なお、同社による設置時のポイントとしては、最小距離はフロント間が1m、フロント-リア間が2.5m、最大距離はフロント間が3.5m、フロント-リア間が5mとのことだ。天井までの距離は1〜4mで、床置きは非推奨。同社によれば、3〜4m四方(フロント間2〜3m)の配置がおすすめだということだ。

スピーカーは珍しいライトグレー。コントロールボックスは8K HDRや4K/120Hz、Dolby Visionなど最新技術をしっかりカバー

先述した通り、「HT-A9」を構成する4基のスピーカーはすべて同一仕様となっている。外装には、ホームシアター用のスピーカーとしては珍しいライトグレーのカラーリングを採用。円筒形の天面にはイネーブルドスピーカー(46mm×54mm)を、正面にはウーハー(70mm×82mm)とツイーター(19mm径)をそれぞれ配置している。

スピーカーのサイズは160(幅)×313(高さ)×147(奥行)mmとやや大柄だが、背面のフタを外すとフックに掛けられるホールや壁掛け用のネジ穴が用意されており、設置場所の自由度はなかなか高い。

スピーカーユニットのレイアウト図。イネーブルドスピーカーとウーハーには、独自の「X-Balanced Speaker Unit」が採用されている

スピーカーユニットのレイアウト図。イネーブルドスピーカーとウーハーには、独自の「X-Balanced Speaker Unit」が採用されている

スピーカーを手に持ったところ。サイズはやや大きめだ

スピーカーを手に持ったところ。サイズはやや大きめだ

スピーカーの背面に用意されているフタを外すと、壁掛けフック用のホールと壁掛けユニット取り付け用のネジ穴が現れる

スピーカーの背面に用意されているフタを外すと、壁掛けフック用のホールと壁掛けユニット取り付け用のネジ穴が現れる

また、「HT-A9」は同時発表されたサウンドバー「HT-A7000」同様に、別売りのサブウーハー「SA-SW5」「SA-SW3」を追加することができる。もちろん、ワイヤレスサブウーハーともワイヤレス接続となっており、追加作業も非常に簡単だ。

別売りのサブウーハー「SA-SW5」(写真左)と「SA-SW3」(写真右)。いずれも「HT-A9」とのワイヤレス接続に対応している

別売りのサブウーハー「SA-SW5」(写真左)と「SA-SW3」(写真右)。いずれも「HT-A9」とのワイヤレス接続に対応している

コントロールボックスは150(幅)×52(高さ)×150(奥行)mmのスクエアデザインで、こちらはブラックカラーを採用。背面には、有線LANポート、HDMI入力(eARC)、HDMI出力、センタースピーカー出力などが並ぶ。ちなみに、HDMIはHDMI 2.1準拠となっており、8K HDR、4K/120Hz、Dolby Vision、eARCといった最新技術もしっかりとカバーされている。

「HT-A9」のコントロールボックス。15cm四方のスクエアデザインでとってもコンパクト

「HT-A9」のコントロールボックス。15cm四方のスクエアデザインでとってもコンパクト

背面には有線LANポートやHDMI入力(eARC)、HDMI出力、センタースピーカー出力などが用意されている

背面には有線LANポートやHDMI入力(eARC)、HDMI出力、センタースピーカー出力などが用意されている

イマーシブオーディオは、Dolby AtmosやDTS:Xといった最新フォーマットに加え、360 Reality Audio(サンロクマル・リアリティオーディオ)をサポート。イマーシブオーディオ対応ではないコンテンツについても、コントロールボックス側で最適なサラウンド効果に自動で調整してくれるという。

ネットワーク機能については、Google アシスタントやAlexa(※)といった音声アシスタント機能との連携をはじめ、Google Chromecast built-in、Apple AirPlay、Spotify Connect、Music Centerアプリといった機能に対応している。また、「HT-A9」にはBluetooth機能(SBC/AAC/LDAC)も搭載。リアルタイムで曲のタイプを分析してアップスケールしてくれる「DSEE Extreme」も搭載しており、Bluetooth接続でも高音質な音楽再生を楽しめるようになっている。

※ファームウェアアップデートで対応

「HT-A9」の付属リモコン。Bluetooth接続への切り替えなどはこちらから行う

「HT-A9」の付属リモコン。Bluetooth接続への切り替えなどはこちらから行う

このほか、「アコースティックセンターシンク」と呼ばれる機能も非常にユニークだ。こちらは、ブラビア2021年モデルのA90Jシリーズ、A80Jシリーズ、X95Jシリーズと連携させることで、ブラビアをセンタースピーカーとして使えるというもの。対象ブラビアとは、HDMIケーブルと「HT-A9」の付属オーディオケーブルの2本のケーブルで接続する形となる。

空間を満たす本格派サラウンド。リスニングポジションが広くて扱いやすい

短時間ながら「HT-A9」を試聴することができたので、最後にインプレッションをお届けしよう。

今回はDolby Atmosのコンテンツを視聴したのだが、たった4基のスピーカーで再現しているとは思えないほどの立体感のあるサウンドが体を包み込んでくれる。物理的にリアスピーカーがあるので、フロントのみでDolby Atmosを再現するシステムに比べて耳元をかすめるように後方へ回り込む音もしっかりと再現されているのはもちろんなのだが、特に感動したのが高さ方向の音の再現性だ。雨が降り注ぐシーンなんかは、本当に天井から雨が降ってきているのではないかと錯覚するくらいリアルだった。

また、スピーカーから音が鳴っているというよりも空間を音で満たすといったイメージが近く、とにかく音の広がる範囲が圧倒的に広いのも特徴的だった。スピーカーの設置位置よりもかなり広く聴こえるので、大画面のテレビやプロジェクターと組み合わせるとかなり面白そう。リスニングポジションもかなり広いようで、スピーカーからの再生中に前後左右上下に動いてみてもほとんど違和感がなかったのも好印象だ。

今回はリアスピーカーにあえて角度を付けて設置したうえで音場最適化を実施して試聴したのだが、かなりラフな設置でも音場最適化さえ実施すればこれだけ精度の高いサラウンド環境が得られるというのは本当に驚きだった。正直、場所もとって設置も大変なAVアンプを母艦としたホームシアターシステムがいらないかもと思ってしまったほどだ。

市場想定価格は22万円とかなり高価に思えてしまうが、AVレシーバーやシアタースピーカーの導入を考えれば決して高くはなく、手軽に設置してあれだけの本格的なイマーシブサウンドを体験できるという労力的なことも考えるとむしろ安いかもしれない。これから本格的なホームシアターシステムの導入を検討している人はもちろん、手軽にテレビやプロジェクターのサラウンドを強化したいという人にとっても、「HT-A9」は間違いなく最有力候補になってくれるはずだ。

遠山俊介(編集部)

遠山俊介(編集部)

PC・家電・カメラからゲーム・ホビー・サービスまで、興味のあることは自分自身で徹底的に調べないと気がすまないオタク系男子です。最近はもっぱらカスタムIEMに散財してます。

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