選び方・特集
屋内、屋外、電車の3つのシーンで徹底検証

《2021年最新版》定番ノイキャン完全ワイヤレス4機種のノイズ低減効果をガチ比較!

《2021年最新版》定番ノイキャン完全ワイヤレス4機種のノイズ低減効果をガチ比較!

2021年は、完全ワイヤレスイヤホンのノイキャン対応が一気に進んだ1年となった。1万円以下の安価な完全ワイヤレスイヤホンでもアクティブノイズキャンセリングに対応したモデルが増加し、フィードフォワードとフィードバックの2つの方式を組み合わせたハイブリッドノイズキャンセリングに対応したハイエンドモデル顔負けのモデルも増えてきている。

いっぽう、「ノイキャン搭載のTWSの定番機は?」と問われると、相変わらずアップル「AirPods Pro」を筆頭とした3万円クラスの高価格帯のモデルが中心となっている。近年、ノイズキャンセリング機能にいち早く取り組んできた老舗メーカーほどノイズ低減レベルの数値スペックを公開しなくっているが、ユーザーの声を聞いてもこういったハイエンドモデルのほうがノイズ低減効果は大きいようだ。

そんな定番クラスにも、2021年は注目モデルの発売が相次いでいる。まず、ソニーが6月に発売した「WF-1000XM4」。ソニーはノイズキャンセリング対応完全ワイヤレスイヤホンの先駆者で、トップモデルの投入はロングセラーを続けた2019年の「WF-1000XM3」以来と、まさに新定番の筆頭候補だ。

新定番モデルの筆頭候補はソニーが6月に発売した「WF-1000XM4」

新定番モデルの筆頭候補はソニーが6月に発売した「WF-1000XM4」

もうひとつは8月に発売したばかりのBeats by Dr.Dre(以下、ビーツ)の完全ワイヤレスイヤホン最新モデル「Beats Studio Buds」だ。ビーツは現在、アップル傘下のイヤホンブランドとなっており、完全ワイヤレスイヤホンの発売は2019年発売の「Powerbeats Pro」以来。実勢価格は17,800円程度なので価格としては定番クラスにしてはやや安めだ。

ビーツが8月に発売した「Beats Studio Buds」もノイズキャンセリング性能への注目度が高い

ビーツが8月に発売した「Beats Studio Buds」もノイズキャンセリング性能への注目度が高い

これらに加えて、今回はロングセラーモデルの定番モデルとしてアップルの「AirPods Pro」、Bose「QuietComfort Earbuds」、そして新定番として「WF-1000XM4」「Beats Studio Buds」の4機種を加えた全4モデルでノイズ低減効果の比較を試みた。

2019年の発売以来、ノイキャンTWSの定番モデルとなっているアップル「AirPods Pro」

2019年の発売以来、ノイキャンTWSの定番モデルとなっているアップル「AirPods Pro」

2020年10月に発売されたBose「QuietComfort Earbuds」もノイズキャンセリング機能搭載完全ワイヤレスイヤホンの定番モデルだ

2020年10月に発売されたBose「QuietComfort Earbuds」もノイズキャンセリング機能搭載完全ワイヤレスイヤホンの定番モデルだ

ノイズキャンセリング機能によるノイズ低減のテストとしては、首都圏を始め全国各地に緊急事態宣言が発令されている状況下を踏まえ、3つの活躍シーンを想定して検証を実施した。まず、仕事がテレワーク中心という人に向けて、夏場のエアコン動作音や家族の見ているテレビなどの屋内騒音を想定したパターンを検証。また残暑も続いていることもあって、今回近所の公園でセミの鳴き声に対するノイキャン性能も比較してみた。これは強烈に耳につくような騒音の響くシチュエーションとしてのテストととらえてほしい。

夏らしい検証としてセミの鳴き声の響く公園でも検証

夏らしい検証としてセミの鳴き声の響く公園でも検証

最後に、やはり仕事などで公共交通機関を利用する方も多いと思うので、電車内でのノイズ低減効果をチェックしてみた。なお、組み合わせたスマホはすべて「iPhone12 Pro」で統一している。

「Beats Studio Buds」は2万円以下でAirPods Pro級の高コスパ機

まず、価格.comマガジンのレビューとしても初登場の「Beats Studio Buds」。アップル傘下のブランドなのでiPhoneとのペアリングは画面にポップアップ表示され非常に簡単だ。アップルの空間オーディオ対応と「AirPods Pro」と共通点もあるが、Bluetoothオーディオチップやノイキャンのテクノロジーはビーツ独自設計。価格は「AirPods Pro」より少し安く17,800円程度だ。ビーツの完全ワイヤレスイヤホンとしてはフック型でスポーツ志向の従来機種から、スタンダードな完全ワイヤレス型に変更。細かなところだが、山形のような小型デザインのケースはほかにないデザインだ。

外見のデザインから特徴的な「Beats Studio Buds」

外見のデザインから特徴的な「Beats Studio Buds」

まずは、「Beats Studio Buds」の屋内のノイズキャンセリング性能からチェック。ノイキャンのオン/オフはiPhoneの音量画面から操作可能だが、強度設定のような項目はない。風量設定を最大にしたエアコンの騒音は、やや低めのゴーという風音は消してくれるが、高域寄りの風音は結構盛大に残る。となりの部屋の騒音などは、小さめの音は抑えるがテレビの音などは通り気味。なお、「Beats Studio Buds」のサウンドは重低音のパワフルさと、引き締まった中低域、そして躍動感で個々の音が浮かび上がる感じにまとめられており、このあたりはさすがビーツといったところだ。

「Beats Studio Buds」の屋内でのノイズキャンセリング性能を検証

「Beats Studio Buds」の屋内でのノイズキャンセリング性能を検証

続いて屋外の公園で検証。セミが激しく夏の終わりを告げている公園の敷地でも、耳に付く鳴き声が耳にダイレクトに届くのを、気持ち半分程度には抑えてくれる。ただ、半分に抑えたとしても、音楽を流しても余裕で漏れ聞こえる覚悟は必要だ。

 「Beats Studio Buds」の屋外でのノイズキャンセリング性能を検証

「Beats Studio Buds」の屋外でのノイズキャンセリング性能を検証

電車内では、走行時の重低音の騒音はほとんど聞こえないレベルに抑えていた。ただし走行中の車体のガタガタとした音やエアコンの風音は残り気味。「Beats Studio Buds」のノイズ低減性能に総じて言えるのは、低域はバッチリ、中域はほどほど、高域は強くはないということ。ノイズ低減の効果は強さ含めて「AirPods Pro」に近いので、価格を考えると「Beats Studio Buds」はお得感がある。

ソニー「WF-1000XM4」全方位にノイズを低減してくれる最強の新定番

2番目に検証したのは、6月の製品発売時に僕がレビューを担当したソニー「WF-1000XM4」。音質などの詳しい内容はレビュー記事をチェックしてもらいたいが、ワイヤレスコーデックにLDACが新たに加わり、対応機種との組み合わせでは高音質な音楽リスニングを楽しめるなど、まさにソニーが本気を出して作った完全ワイヤレスイヤホンの最前線を走るモデルだ。

まずエアコンの効いた屋内でのノイズキャンセリング性能から確かめてみると……エアコンの風音にもかなり有効。中低域の騒音はほとんど消えるし、高域も音の尖りを抑えた上で騒音は1/3くらいに抑えてくれる。となりの部屋のテレビ音声などもボリュームダウンしていて、ノイズ低減効果は音源を問わない。

「WF-1000XM4」の屋内でのノイズキャンセリング性能を検証

「WF-1000XM4」の屋内でのノイズキャンセリング性能を検証

屋外の公園での検証では、セミの鳴き声にかなり効果があることが確認できた。まさに耳栓をするような密閉感で、音量としてはやはり1/3くらいに抑えてくれるイメージだろうか。音の尖りもかなり落ちるので、騒音が気になるという感じはかなり小さく、予想以上にノイズ低減効果を発揮してくれていることを確認できた。

「WF-1000XM4」の屋外でのノイズキャンセリング性能を検証

「WF-1000XM4」の屋外でのノイズキャンセリング性能を検証

電車内のノイズ低減は、走行時のごう音のような重低音、中低音の騒音も遮断してくれる。走行中の車体のガタガタとした音も小さく、騒音ボリュームの低減効果はかなり大きい。エアコンの風音だけ多少残っていたが、ほぼ全帯域のノイズを強力に抑えてくれる。ソニー「WF-1000XM4」はノイキャン性能だけで選んでも、定番どころか最強と呼ぶべきモデルだ。

アップル「AirPods Pro」は電車には強いが高域のノイズ低減が弱め

続いて、アップル「AirPods Pro」を検証してみた。「AirPods Pro」はカナル型イヤホンではあるが、イヤーピースのフィット感含めてゆるめの付け心地で、このあたりがどう影響するのかが気になるところだ。

まずは屋内でのノイズキャンセリング性能から確認。やはりエアコン騒音の風音は低めのゴーという風音は消してくれるが、少し高めの風音はカーと一定レベルで残る。となりの部屋にあるテレビの音などはそれなりに聞こえる。

「AirPods Pro」の屋内でのノイズキャンセリング性能を検証

「AirPods Pro」の屋内でのノイズキャンセリング性能を検証

続いて、屋外の公園での検証を行ったが、セミの鳴き声については今回検証した4機種で最も強烈に耳に飛び込んできた。もちろん、イヤホンを装着していない時、ノイキャンをオフにしている時よりも抑えてはくれているが、騒音3割減くらいのイメージだろうか。

「AirPods Pro」の屋外でのノイズキャンセリング性能を検証

「AirPods Pro」の屋外でのノイズキャンセリング性能を検証

電車の走行音についても、重低音の騒音はバッチリ抑えるが、中域のガタガタした音は聞こえるし、高域のエアコンの音は目立ち気味。イヤーピースのフィット感含めてゆるめだが、そう考えると、それでも重低音を押さえているのは逆にすごいとも言える。

相変わらずノイズキャンセリング性能が優秀なBose「QuietComfort Earbuds」

最後にBose「QuietComfort Earbuds」を検証してみた。Bose「QuietComfort Earbuds」は、フィン一体型のイヤーピースでキツめにフィットする、ノイズキャンセリング機能搭載の完全ワイヤレスイヤホンとしてストイックさを感じるモデル。おかげで装着していてもかなりの密閉感があり、ノイズキャンセリング性能は発売から1年近く経った今でもトップクラスと言えるモデルに仕上がっている。

屋内のノイズ低減効果についても、エアコンの高域の音が尖りを抑えつつ軽めに聞こえてくるくらいだし、となりの部屋にあるテレビの音声についても全体の帯域と声の尖りも落ちて、騒音の種類を問わず抑えてくれる。

「QuietComfort Earbuds」の屋内でのノイズキャンセリング性能を検証

「QuietComfort Earbuds」の屋内でのノイズキャンセリング性能を検証

公園で激しく鳴くセミの鳴き声も、密閉感あるイヤホンでダイレクトに届くのを防ぎ、1/2程度までボリュームダウン。電車内の騒音は、走行時の重低音の騒音も若干の音を残す感じで、ガタガタした音やエアコンにも全方位に有効だ。

「QuietComfort Earbuds」の屋外でのノイズキャンセリング性能を検証

「QuietComfort Earbuds」の屋外でのノイズキャンセリング性能を検証

Bose「QuietComfort Earbuds」のノイズキャンセリング効果はソニー「WF-1000XM4」にも似た帯域問わず有効なタイプだが、新世代になったソニーにノイズ低減効果は譲る。ただし、それでもトップクラスではあり続けるし、実質的に外音取り込み調整と一体化している20段階の調整機能は使い勝手が高くて便利だ。ノイズキャンセリング性能重視のTWSとしては、今後とも定番の一角として数えられるモデルと言えるだろう。

折原一也

折原一也

PC系版元の編集職を経て2004年に独立。モノ雑誌やオーディオ・ビジュアルの専門誌をメインフィールドとし、4K・HDRのビジュアルとハイレゾ・ヘッドフォンのオーディオ全般を手がける。2009年より音元出版主催のVGP(ビジュアルグランプリ)審査員。

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