レビュー

さすがBose! 「QuietComfort 45」は音もノイキャンも外音取り込みも優秀な安定の1台でした

Boseのワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホン最上位モデル「NOISE CANCELLING HEADPHONES 700」の発売から約2年ぶり、「QuietComfort」を冠したノイズキャンセリングヘッドホンとしては約4年ぶりに登場した「QuietComfort 45」。気になるノイズキャンセリング性能や音質などをチェックしてみた。

Bose「QuietComfort 45」

Bose「QuietComfort 45」

最新のQC45を含む3製品の違いをおさらい

最新のQC45のレビューに移る前に、まずは最新モデルを含むBoseのワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホンの違いについておさらいしておこう。

現在、Boseのノイズキャンセリングヘッドホンはフラッグシップモデルの「NOISE CANCELLING HEADPHONES 700」と、「QuietComfort」シリーズの2つに分かれている。

「NOISE CANCELLING HEADPHONES 700」は、片耳あたりフィードフォワードマイク×2+フィードバックマイク×1の計3つのマイクを搭載し、ノイズキャンセリング性能と自然な外音取り込みを徹底的に追求したほか、専用アプリ「Bose Music」を組み合わせたノイズキャンセリング・外音取り込みレベル調整機能、モーション検出機能、タッチセンサーを使った操作など、最先端のテクノロジーをふんだんに盛り込んだのが特徴だ。

ヘッドホン本体もどこか近未来を感じさせる独特のシルエットを採用。ちなみに、ワイヤレスヘッドホンとしては珍しく、スイーベル機構しか用意されておらず、持ち運びに便利な折りたたみ機構は用意されていないのだが、これはインテリジェントな機能で常に装着したままの状態でいられるため、コンパクトに収納できる折りたたみ機構は不要と判断したためだろう。Bossの最先端のテクノロジーを余すことなく味わえるというコンセプトをストイックなまでに追求した、まさにフラッグシップモデルにふさわしい1台と言える。

「NOISE CANCELLING HEADPHONES 700」は、Bossの最先端のテクノロジーを詰め込んだフラッグシップにふさわしい1台

「NOISE CANCELLING HEADPHONES 700」は、Bossの最先端のテクノロジーを詰め込んだフラッグシップにふさわしい1台

いっぽうの「QuietComfort」シリーズは、折りたたみ機構を用いたヘッドホン本体に、機能を絞り込んで物理ボタンで確実に操作できるシンプルな操作性を組み合わせ、Boseの開発したノイズキャンセリング機能を手軽に持ち運んでどこでも使える、日常使いをより重視したモデルだ。

最新のQC45(写真左)と先代のQC35II(写真右)

最新のQC45(写真左)と先代のQC35II(写真右)

■QC45の変化点
・ノイズキャンセリング機能ONと外音取り込み機能「アウェアモード」の2種類から選択する形に
・対応アプリが「Bose Music」に変更
・バッテリー駆動時間が最長24時間にアップ
・充電用のUSB端子がType-C形状に変更
・NFCが廃止
・ヘッドホン側の有線ケーブル接続端子が2.5mmに変更

上記にあげたQC45の変化点を見てもらうと分かるが、目に見えない機能についての変化が多い。いっぽうで、パッと見ただけではQC45とQC35IIの違いが判らないくらいデザイン面での変化はないのだが、裏を返せば「QuietComfort」シリーズとしては、すでにデザイン面では完成していたということだろう。

QC45の本体デザイン。先代のQC35IIからの変更点はほんのわずかだ

QC45の本体デザイン。先代のQC35IIからの変更点はほんのわずかだ

スイーベル機構や折りたたみ機構を引き続き搭載し、コンパクトに持ち運びできる

スイーベル機構や折りたたみ機構を引き続き搭載し、コンパクトに持ち運びできる

電源ON/OFFは、QC35II同様に右イヤーカップに用意されたスライドスイッチでコントロールする形だ

電源ON/OFFは、QC35II同様に右イヤーカップに用意されたスライドスイッチでコントロールする形だ

タッチセンサーではなく、確実な操作できる物理ボタンを採用。左側のボタンはノイズキャンセリング/アウェア機能の操作に、右側のボタンはボリューム調整と楽曲再生などのマルチファンクションに割り当てられている

タッチセンサーではなく、確実な操作できる物理ボタンを採用。左側のボタンはノイズキャンセリング/アウェア機能の操作に、右側のボタンはボリューム調整と楽曲再生などのマルチファンクションに割り当てられている

充電端子は最新のUSB Type-Cに、ヘッドホン側の有線ケーブル接続端子は2.5mmに変更された

充電端子は最新のUSB Type-Cに、ヘッドホン側の有線ケーブル接続端子は2.5mmに変更された

機能面では、新たに外音取り込み機能「アウェアモード」が追加されたいっぽうで、Q35IIで実装されていたノイズキャンセリング機能の3段階調節機能がなくなり、ノイズキャンセリング機能ONか「アウェアモード」の2種類から選択する形となった。

フラッグシップモデルの「QUIETCOMFORT 35 WIRELESS HEADPHONES II」が、アプリと連携し、周囲のノイズレベルを判断してノイズキャンセリングを調整するというインテリジェントな方向性にシフトしているのに対し、QC45はQ35IIからさらに機能を絞り込み、本体のボタン操作のみでノイズキャンセリングと外音取り込みを切り替えるだけという極限にまでシンプルな構成に仕上げてきたわけだ。

日常使いを重視し、物理ボタンやスライドスイッチを使ったシンプルで確実な操作性を採用する「QuietComfort」シリーズのコンセプトをさらに深化させ、潔いほどシンプルさを突き詰める姿勢は、ここ最近の多機能化するワイヤレスイヤホンやヘッドホンにはないなかなか面白いコンセプトと言えそうだ。

対応アプリは、完全ワイヤレスイヤホン「QuietComfort Earbuds」などにも使われている「Bose Music」に変更

対応アプリは、完全ワイヤレスイヤホン「QuietComfort Earbuds」などにも使われている「Bose Music」に変更

モード設定はノイズキャンセリングがONになる「クワイエット」か、外音取り込みが働く「アウェア」の2種類のみとかなりシンプルだ

モード設定はノイズキャンセリングがONになる「クワイエット」か、外音取り込みが働く「アウェア」の2種類のみとかなりシンプルだ

ノイキャンも外音取り込みもなかなか優秀

ここからは、QC45の試用レポートをお届けしよう。まずは、一番気になるノイズキャンセリング性能からだ。

こちらはさすがノイズキャンセリングの老舗というべきか、ヘッドホンを装着しただけで周囲の騒音がスゥーっと消え、音楽に集中できる静寂な環境を一瞬で作り上げてくれる。音楽再生のじゃまになるノイズだけをしっかりと抑え込んでおり、空調などの低音はほぼカット、人の声はかすかに聴こえる程度。日常生活で多い中〜低域のノイズはもちろんだが、地下鉄で聴こえるレールのこすれる音や自転車の嫌なブレーキ音などの高域の音に対してもしっかりとノイズキャンセリングが働いてくれる。

ちょうどソニー「WH-1000XM4」が手元にあったので、ノイズキャンセリングONで音楽再生をしていない状態の聴こえ方を比べてみたのだが、オフィスなどの比較的静かな環境ではほぼ差はないものの、駅のホームや電車内ではQC45のほうが超低音域のノイズがやや多く耳に入ってくる感じだった。とはいえ、空調などの騒音はしっかりとカットされているし、音楽再生を始めれば両モデルで差はほとんど感じられなかったので、周囲のノイズの大きい場所で耳栓のようにして長時間使うということがなければ、ほぼ気にならないはずだ。

ノイズキャンセリング機能をONにした状態で音楽再生した時の音質については、これまでのBoseのノイズキャンセリングヘッドホンのチューニングと若干異なるようで、低域がブイブイ表に出てくる感じではなく、全体的なバランスを重視した比較的フラットに近いイメージだ。芯があるけどタイトな低域のおかげか、中域に低域が被って音の曇らせることがなく、ノイズキャンセリングによる静寂の中にクリアなサウンドがダイナミックに広がっていく。エネルギッシュなギターサウンド、繊細なタッチで奏でるやわらかなピアノの響き、絶妙なニュアンスで歌い上げる女性ボーカルなど、楽曲の持つ魅力をしっかりと細部まで緻密に描き出してくれる。しかも、これだけクリアネスなサウンドなのに、聴き疲れしにくいのもうれしいところ。ノイズキャンセリングONでもしっかりと音楽のよさを引き出してくれる、このあたりの聴きどころを押さえたチューニングの妙はさすがといったところだ

続いて、QC45から導入された外音取り込み機能「アウェアモード」も試してみたが、こちらは聴こえ方が好印象だった。これまでにもいろいろなヘッドホン・イヤホンで外音取り込み機能を試してきたが、どのモデルもマイクで音を取り込んでいる感じが強く出すぎていて、耳で直接取り込んだ音との違和感で逆に耳が疲れることが多かったのだが、QC45の外音取り込み機能「アウェアモード」は、外音取り込み特有のマイクノイズなんかも少ない。再生している音楽とのミックスもかなり自然で、音楽を聴きながらでも周囲の音をしっかりと聴きとれる。

ちなみに、左のイヤーカップ下に用意されたボタンを押すことで、ノイズキャンセリング機能ONと「アウェアモード」を切り替えることができるのだが、切り替え時に再生中の音楽の音質がほぼ変わることなく、スムーズに切り替わってくれる点もよかった。正直、外音取り込みにネガティブなイメージを持っていたが、これだけ優秀だと積極的に使いたくなってくる。ヘッドホンを外したくない寒い季節に、外音取り込み機能「アウェアモード」は大いに活躍してくれそうだ。

最後に装着感についても触れておこう。元々QC35 IIでも、側圧は強すぎず、かといって外の音が入り込まない、絶妙な力加減となっていたが、QC45も基本的には変わらない。筆者は普段から眼鏡をかけているが、そんな状態でも耳にピタッとフィットしてくれる。密着完が高く、ノイズキャンセリングで不要なノイズを抑えて、ボリュームをある程度絞れることもあり、音漏れがほとんど気にならないのもうれしいところだ。

イヤーパッドとドライバーユニットの間の空間にけっこう余裕があり、耳がすっぽりと収まることで高いフィット感を実現

イヤーパッドとドライバーユニットの間の空間にけっこう余裕があり、耳がすっぽりと収まることで高いフィット感を実現

側圧もちょうどいい具合になっており、眼鏡をかけている人でも長時間快適に使用できる

側圧もちょうどいい具合になっており、眼鏡をかけている人でも長時間快適に使用できる

まとめ

やっぱりBose「QuietComfort」シリーズは定番モデルということもあって、ノイズキャンセリング性能も音質もバランスよくまとまっているし、シンプルな使い勝手で日常使いしやすいところも好感が持てる。しいて言えば、最近は音楽ストリーミングサービスと組み合わせて使うことが多いので、イコライザーの調整機能がヘッドホン側にあればよかったかもしれない。とはいえ、素の音がBoseらしさを残しつつも、さらにクリアで洗練された音に仕上がっており、イコライザー機能がなくても不満はほとんどない。ノイキャン性能重視ならほかにもいろいろと候補はあるが、このサウンド目当てでBoseを選ぶという人も多いと思う。「NOISE CANCELLING HEADPHONES 700」よりもコンパクトで携帯性にもすぐれており、日常使いならQC45のほうがマッチしそうだ。家の中の生活ノイズも、屋外での騒音もうまくコントロールし、いつでもいい音で音楽を楽しめる環境を構築してくれるノイズキャンセリングヘッドホンの需要が近年高まっているが、QC45はそういったニーズにしっかりと答えてくれる定番モデルになってくれそうだ。

遠山俊介(編集部)

遠山俊介(編集部)

PC・家電・カメラからゲーム・ホビー・サービスまで、興味のあることは自分自身で徹底的に調べないと気がすまないオタク系男子です。最近はもっぱらカスタムIEMに散財してます。

記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
関連記事
価格.comマガジン プレゼントマンデー
ページトップへ戻る