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Xiaomiプロジェクター日本導入を機に考える、プロジェクターの基本的な選び方

人気が高まる家庭用プロジェクターだが、購入の際にどのスペックに注目すればよいのだろうか。Xiaomi「Mi Smart Projector 2」を例に解説する。

次々登場するプロジェクター製品で注目すべきスペックとは

総合家電メーカーXiaomi(シャオミ)が、家庭用プロジェクター「Mi Smart Projector 2」を発売する。本製品はXiaomiが日本で展開する初めてのプロジェクターで、希望小売価格は89,800円(税込)。

「Mi Smart Projector 2」は、Xiaomi公式ストアにて早割キャンペーン価格69,800円で(税込)で8月25日まで先行販売中。

「Mi Smart Projector 2」は、Xiaomi公式ストアにて早割キャンペーン価格69,800円で(税込)で8月25日まで先行販売中。

シーリングライト一体型プロジェクター「popIn Aladdin」の登場以来、家庭用プロジェクターは多くの方にとって身近な存在になったと言えるだろう。一昔前まで、家庭用プロジェクターは業務用プロジェクターを展開するメーカーの独壇場のようなところがあったが、現在ではさまざまな成り立ちのメーカーがここに参入している。そのうちのひとつがXiaomiというわけだ。

クラウドファンディングを含めると乱立気味の感もある家庭用プロジェクターにおいて、ユーザーは何を重視すべきなのか? 本体サイズなどのあまりに基本的な事柄はさておき、ここでは「Mi Smart Projector 2」の主要スペックを例にポイントを解説していこう。

「DLP方式」は小型化しやすいシンプルなソリューション
デバイスの解像度には上限がある

まず注目すべきは、「Mi Smart Projector 2」が「DLP方式」のプロジェクターであること。DLPとは「Digital Light Processing」の略で、TI(テキサス・インスツルメンツ)社による映像表示技術のこと。白色の光をDMD(Digital Micromirror Device)と呼ばれる非常に小さなミラーの集合体に当てたうえで、それらのミラーを高速で個別に動作させて映像を表示する仕組みだ。

DLP方式のメリットは、構造が比較的なシンプルなため、小型化、低価格化がしやすいこと。一般的にコントラストが高く、メリハリのある映像を得やすいとされている。デメリットは、本来は表示されないはずの「色割れ」ノイズが見えることがある点。これは「カラーブレイキング」、「レインボーノイズ」とも呼ばれる。

DLP方式のプロジェクターにも、色割れの低減に努める製品も存在する。LGエレクトロニクスの「PF610P」などがそれにあたる。「Mi Smart Projector 2」も4つのLEDライトを使い、色割れを低減しつつ、色域の拡大を図った

DLP方式のプロジェクターにも、色割れの低減に努める製品も存在する。LGエレクトロニクスの「PF610P」などがそれにあたる。「Mi Smart Projector 2」も4つのLEDライトを使い、色割れを低減しつつ、色域の拡大を図った

PF610Pは、LEDライトを複数個使い、一般的なDLP方式で使われる「カラーホイール」を排除したことが特徴。カラーホイールは映像を時分割してR(レッド)G(グリーン)B(ブルー)を得る仕組みのため、どうしても色割れが目立ちやすい

PF610Pは、LEDライトを複数個使い、一般的なDLP方式で使われる「カラーホイール」を排除したことが特徴。カラーホイールは映像を時分割してR(レッド)G(グリーン)B(ブルー)を得る仕組みのため、どうしても色割れが目立ちやすい

家庭用高級プロジェクターで採用例が多い方式が、「液晶方式」だ。これは家庭用のDLP方式で採用されるデバイス解像度が最大1920×1080という都合もあってのこと。液晶方式のうち、「反射型」と呼ばれるシステムを採用する場合、デバイスの最大解像度は4Kなのだ。液晶方式のメリットは、上記のほかにも安定したカラー表示が可能なことなどが挙げられる。

液晶方式の高級プロジェクターの代表格がビクターの製品。写真の「DLA-V50」は4K解像度を持ったオリジナルの液晶デバイス「D-ILA」を搭載する

液晶方式の高級プロジェクターの代表格がビクターの製品。写真の「DLA-V50」は4K解像度を持ったオリジナルの液晶デバイス「D-ILA」を搭載する

なお、「Mi Smart Projector 2」の解像度も1920×1080。4K信号入力時にはダウンコンバートして処理するようだ。

ただし、DLP方式でも「画素ずらし」と呼ばれる時分割表示方式で、スクリーン上で4K表示を実現するモデルもある。「デバイス解像度」と「表示解像度」の表記が異なる場合は、こうした技術を使っていることによる。デバイスから4K解像度必要か、という点は投写画面の大きさ、自分が再生する主なコンテンツの解像度などを考えるとよいだろう。

長寿命が特徴の「LEDライト」ならばテレビのような長時間表示もOK

プロジェクターの根本的なシステムで重要視されるポイントとしておさえておきたいのが光源について。これは「ルーメン(lm)」で表される光出力(映像の明るさ)にも影響する。「Mi Smart Projector 2」の光源は「LEDライト」。LEDライトは、近年の家庭用プロジェクターで採用例が増えてきている方式。絶対的な明るさの確保が難しいものの、長寿命で消費電力が低いことが特徴だ。

スタンダードな光源として採用例が多いのは高圧水銀ランプ。LEDよりも高輝度化が容易で、技術的にもこなれていると言える。ただし、寿命は短め。

ちなみに、光源の寿命とは明るさが半減するタイミングをさすことが多く、高圧水銀ランプの寿命は4000時間程度(高圧水銀ランプは交換可能なことが多い)。LEDの場合は製品によって2〜3万時間とする場合もある。

さらに、高級製品にはレーザー光源が搭載されることもある。色の純度が高く、起動が素早いうえ、LEDと同等かそれ以上の長寿命。ただし技術的には発展途上で、製品価格も高価になりがちだ。

寿命の観点から考えると、テレビのように長い時間映像を表示していたいならば、LEDやレーザー光源の製品を選ぶべきだろう。

「XGIMI HORIZON Pro」の光源はLEDライト。「光源寿命」は2万5000時間。明るさは2200ルーメン。「解像度」は「3840 x 2160 (4K)」とされているが、これは映像の表示解像度のこと。この製品はDLP方式のため、デバイス解像度は1920×1080かそれに準じたものだ

「XGIMI HORIZON Pro」の光源はLEDライト。「光源寿命」は2万5000時間。明るさは2200ルーメン。「解像度」は「3840 x 2160 (4K)」とされているが、これは映像の表示解像度のこと。この製品はDLP方式のため、デバイス解像度は1920×1080かそれに準じたものだ

「500ルーメン」は控えめの数値でも、数字がすべてではない

光源(LEDライト)の項目で説明したように、プロジェクターが出力できる「明るさ」は光の総量(光束)であるルーメン(lm)で表される。コントラストの高い映像を表示するために基本的には明るいにこしたことはないが、明るさが高画質に直結するというものでもない。2000ルーメン前後の数値が確保できていればベストだが、これが1500ルーメンでも何の問題もないだろう。

「Mi Smart Projector 2」を見ると、「輝度:500ANSIルーメン」とある。ここで言う「輝度」は明るさのことと思って間違いない。製品によっては光出力などと表記されることもある。なお、ANSIとは米国規格協会のことで、統一規格による計測値であることを示している。

この500ルーメンというのは控えめな数値だと言える。投写画面を大きくすればするほど面積あたりの光は少なくなり、映像は暗くなっていく。数百ルーメンの明るさのプロジェクターを使う場合、60〜80インチ程度の画面サイズを検討するとよいだろう。当然、部屋をできるだけ暗くすることも忘れずに。これは一定以上の明るさを確保できる高級プロジェクターにも言えることだ。

発表されたばかりのソニーのハイエンドモデル「VPL-XW7000」。レーザー光源を採用しており、明るさは3200ルーメン

発表されたばかりのソニーのハイエンドモデル「VPL-XW7000」。レーザー光源を採用しており、明るさは3200ルーメン

あると便利な「オートフォーカス」
レンズシフトやレンズズームがあればなおよし

「Mi Smart Projector 2」が持つ「オートフォーカス」はあると便利な特筆すべき機能だ。使うたびにプロジェクターの位置を変える前提のポータブルプロジェクターに搭載される場合が多い。この機能がない場合、映像を見ながらフォーカス(焦点)を合わせる作業が必要になる。

レンズ周りの機能としてより重要なのは、光学的なレンズズームとレンズシフトの有無。レンズズームがあれば、プロジェクターの設置場所を固定したまま画面の大きさを調整できるし、レンズシフトがあれば、同じように設置場所を固定したまま画面を上下左右などに動かすことができる。

エプソンの「EH-TW5825」は、1920×1080解像度の透過型液晶デバイスを使ったスタンダードな製品。1.6倍のレンズズームと15%の上方向レンズシフト機能を持ち、設置のしやすさも確保している

エプソンの「EH-TW5825」は、1920×1080解像度の透過型液晶デバイスを使ったスタンダードな製品。1.6倍のレンズズームと15%の上方向レンズシフト機能を持ち、設置のしやすさも確保している

OSが「Android TV」ならばアプリのインストールで音楽・映画再生が可能

「Mi Smart Projector 2」のOSはAndroid TV。つまり、アプリのインストールで簡単に映画や音楽を再生できるということ。プロジェクター単体でコンテンツの再生をできるのはうれしいポイント。こうしたシステムでない場合は、適宜「Fire TV Stick」などを用意することになる。インストール可能なアプリは製品によるので、この点も注意したい。「Mi Smart Projector 2」はAmazonプライムビデオ、Netflixに対応する。

音声再生まで一括で再生したい場合は「スピーカー内蔵」かBluetoothスピーカー対応製品を選ぶ

スピーカーを内蔵した製品かどうかも、プロジェクター単体で映像再生システムとして使うためのポイントとなる。自前でアンプやスピーカーを準備するのはなかなかコストがかかるもの。その点、スピーカーを内蔵していれば簡単に音声再生もできる。

製品によっては、Bluetoothスピーカーとリンクできる機能を持っていることもある。音声をどう再生するか? を検討したうえでこのあたりのスペックを確認するとよい。

念頭に置くべきは部屋のどこに置いて、どう使うか

ここまで家庭用のプロジェクターの主要スペックを追ってきたが、こういった製品でハイスペックを求めればキリがないもの。購入検討の際には、自分がどういう使い方をするか? をよく考えることをおすすめしたい。つまり、部屋のどこにプロジェクターを置きたいか、その部屋は昼間でも暗くできるか? という環境全般についてだ。プロジェクターの設計によっては映像が思った場所に投写されないことはよくある。こうした場合にレンズズームやレンズシフトが活躍することになる。

突き詰めていけば「HDR」(ハイ・ダイナミックレンジ)映像への対応も重要なのだが、このスペックはひとまずあまり気にしないほうがよいだろう(Mi Smart Projector 2はHDR10に対応している)。仮にHDRに対応していても、その映像処理がうまくない場合もあるからだ。まずは上記のスペックを見て、自分の想定する使い方には何が必要かを吟味していただきたい。

柿沼良輔(編集部)

柿沼良輔(編集部)

AVの専門誌を編集して10年超。「(デカさ以外は)映画館を上回る」を目標にスピーカー総数13本のホームシアターシステムを構築中です。映像と音の出る機械、人が一生懸命つくったモノに反応します。

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