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実力は“750”相当!? B&W「800」の技術を色濃く継承した新「700」シリーズ

Bowers&Wilkins(B&W)のスピーカー「700」シリーズが最新世代へとアップデートされ、「S3」(シリーズ3)として発売される。内訳はフロアスタンディング(トールボーイ)型が3モデル、ブックシェルフ型が3モデル、センタースピーカーが2モデル、ブックシェルフ型専用スタンドが1モデルの計9モデル。

スピーカーの本体色は各4種。モカ、グロス・ブラック、サテン・ホワイトの3色は2022年9月下旬から、ローズナットのみ12月から出荷される。

本体色は4種で、左からローズナット、サテン・ホワイト、グロス・ブラック、モカ。グロス・ブラック仕上げのみ価格が異なる

本体色は4種で、左からローズナット、サテン・ホワイト、グロス・ブラック、モカ。グロス・ブラック仕上げのみ価格が異なる

主要スペックは以下のとおり。

「702 S3」
●1台の希望小売価格(税込):569,800円(グロス・ブラック)/544,500円(モカ、サテン・ホワイト、ローズナット)
●3ウェイ5スピーカーバスレフ型
●使用ユニット:25mmドーム型ツイーター(カーボン)、150mmコーン型ミッドレンジ(コンティニュアム・コーン)、165mmコーン型ウーハー×3
●周波数帯域:28Hz〜33kHz
●出力音圧レベル:90dB/2.83V/m
●インピーダンス:8Ω
●寸法:290(幅)×1138(高さ)×410(奥行)mm(台座を含む)
●質量:33.5kg

「700S3」の最上位モデルが「702 S3」。本体下部に台座が追加され、バスレフポートは下向きに設置された。シリーズの中で特にバスレフダクトが長くなったことが特徴で、チューニング周波数は従来25Hzだったところ20Hzまで下がった。これは従来モデルよりもキャビネットがスリムになったこととの折り合いだそうだ

「700S3」の最上位モデルが「702 S3」。本体下部に台座が追加され、バスレフポートは下向きに設置された。シリーズの中で特にバスレフダクトが長くなったことが特徴で、チューニング周波数は従来25Hzだったところ20Hzまで下がった。これは従来モデルよりもキャビネットがスリムになったこととの折り合いだそうだ

「703 S3」
●1台の希望小売価格(税込):495,000円(グロス・ブラック)/473,000円(モカ、サテン・ホワイト、ローズナット)
●3ウェイ4スピーカーバスレフ型
●使用ユニット:25mmドーム型ツイーター(カーボン)、150mmコーン型ミッドレンジ(コンティニュアム・コーン)、165mmコーン型ウーハー×2
●周波数帯域:30Hz〜33kHz
●出力音圧レベル:90dB/2.83V/m
●インピーダンス:8Ω
●寸法:290(幅)×1117(高さ)×372(奥行)mm(台座を含む)
●質量:28.8kg

「703 S3」では、「703」として初めて「トゥイーター・オン・トップ」構造を採用したことが特筆される。B&Wの象徴と言えるこの構造をとるスピーカーが増えたことは、大きなトピックだ

「703 S3」では、「703」として初めて「トゥイーター・オン・トップ」構造を採用したことが特筆される。B&Wの象徴と言えるこの構造をとるスピーカーが増えたことは、大きなトピックだ

「704 S3」
●1台の希望小売価格(税込):332,200円(グロス・ブラック)/319,000円(モカ、サテン・ホワイト、ローズナット)
●3ウェイ4スピーカーバスレフ型
●使用ユニット:25mmドーム型ツイーター(カーボン)、130mmコーン型ミッドレンジ(コンティニュアム・コーン)、130mmコーン型ウーハー×2
●周波数帯域:43Hz〜33kHz
●出力音圧レベル:88dB/2.83V/m
●インピーダンス:8Ω
●寸法:252(幅)×964(高さ)×321(奥行)mm(台座を含む)
●質量:20.5kg

「704 S3」を含め、フロアスタンディング型モデルには台座が付属する点が従来製品と異なる。なお、「703 S3」「704 S3」はいずれもリアバスレフポート仕様だ

「704 S3」を含め、フロアスタンディング型モデルには台座が付属する点が従来製品と異なる。なお、「703 S3」「704 S3」はいずれもリアバスレフポート仕様だ

「705 S3」
●ペア(2台)の希望小売価格(税込):563,200円(グロス・ブラック)/539,000円(モカ、サテン・ホワイト、ローズナット)
●2ウェイ2スピーカーバスレフ型
●使用ユニット:25mmドーム型ツイーター(カーボン)、165mmコーン型ウーハー(コンティニュアム・コーン)
●周波数帯域:45Hz〜33kHz
●出力音圧レベル:88dB/2.83V/m
●インピーダンス:8Ω
●寸法:192(幅)×413(高さ)×337(奥行)mm(端子を含む)
●質量:9.6kg

ブックシェルフ型最上位モデルが「705 S3」。同シリーズのブックシェルフ型で唯一「トゥイーター・オン・トップ」構造を採用する(専用スタンドは別売)

ブックシェルフ型最上位モデルが「705 S3」。同シリーズのブックシェルフ型で唯一「トゥイーター・オン・トップ」構造を採用する(専用スタンドは別売)

「706 S3」
●ペア(2台)の希望小売価格(税込):368,280円(グロス・ブラック)/352,000円(モカ、サテン・ホワイト、ローズナット)
●2ウェイ2スピーカーバスレフ型
●使用ユニット:25mmドーム型ツイーター(カーボン)、165mmコーン型ウーハー(コンティニュアム・コーン)
●周波数帯域:45Hz〜33kHz
●出力音圧レベル:88dB/2.83V/m
●インピーダンス:8Ω
●寸法:192(幅)×345(高さ)×334(奥行)mm(端子を含む)
●質量:9.6kg

スタンダードな2ウェイバスレフ型の「706 S3」。ウーハー口径は「705 S3」と同じ。キャビネット形状や磁気回路の変更など、シリーズ共通のアップグレードが盛り込まれた(専用スタンドは別売)

スタンダードな2ウェイバスレフ型の「706 S3」。ウーハー口径は「705 S3」と同じ。キャビネット形状や磁気回路の変更など、シリーズ共通のアップグレードが盛り込まれた(専用スタンドは別売)

「707 S3」
●ペア(2台)の希望小売価格(税込):293,700円(グロス・ブラック)/281,600円(モカ、サテン・ホワイト、ローズナット)
●2ウェイ2スピーカーバスレフ型
●使用ユニット:25mmドーム型ツイーター(カーボン)、130mmコーン型ウーハー(コンティニュアム・コーン)
●周波数帯域:45Hz〜33kHz
●出力音圧レベル:84dB/2.83V/m
●インピーダンス:8Ω
●寸法:165(幅)×300(高さ)×284(奥行)mm(端子を含む)
●質量:6.2kg

シリーズ最小モデルが「707 S3」。本製品を含めて、センタースピーカーを除くすべてが従来モデルよりもスリムに仕上げられた(専用スタンド別売)

シリーズ最小モデルが「707 S3」。本製品を含めて、センタースピーカーを除くすべてが従来モデルよりもスリムに仕上げられた(専用スタンド別売)

「HTM71 S3」
●1台の希望小売価格(税込):414,700円(グロス・ブラック)/397,100円(モカ、サテン・ホワイト、ローズナット)
●3ウェイ4スピーカーバスレフ型
●使用ユニット:25mmドーム型ツイーター(カーボン)、130mmコーン型ミッドレンジ(コンティニュアム・コーン)、130mmコーン型ウーハー×2
●周波数帯域:45Hz〜33kHz
●出力音圧レベル:89dB/2.83V/m
●インピーダンス:8Ω
●寸法:628(幅)×233(高さ)×356(奥行)mm(端子を含む)
●質量:17.5kg

ハイグレードの製品でも、例外なくセンタースピーカーをラインアップするのがB&Wスピーカーの特徴のひとつ。「HTM71 S3」では、同シリーズで「トゥイーター・オン・トップ」構造を初めて採用した

ハイグレードの製品でも、例外なくセンタースピーカーをラインアップするのがB&Wスピーカーの特徴のひとつ。「HTM71 S3」では、同シリーズで「トゥイーター・オン・トップ」構造を初めて採用した

「HTM72 S3」
●1台の希望小売価格(税込):253,000円(グロス・ブラック)/242,000円(モカ、サテン・ホワイト、ローズナット)
●2ウェイ3スピーカーバスレフ型
●使用ユニット:25mmドーム型ツイーター(カーボン)、130mmコーン型ウーハー(コンティニュアム・コーン)×2
●周波数帯域:48Hz〜33kHz
●出力音圧レベル:87dB/2.83V/m
●インピーダンス:8Ω
●寸法:477(幅)×165(高さ)×302(奥行)mm(端子を含む)
●質量:9.7kg

もう1台のセンタースピーカーが「HTM72 S3」。より小型で設置のしやすさも魅力だ

もう1台のセンタースピーカーが「HTM72 S3」。より小型で設置のしやすさも魅力だ

「FS-700 S3」
●ペア(2台)の希望小売価格(税込): 125,400円
●700S3専用スタンド
●本体色:ブラック、シルバー

「700 S3」のブックシェルフ型モデル専用スタンドが「FS-700 S3」。本体とスタンドはねじ留めできる。ただし、音質だけを考慮するならばねじ留めはしないほうがよいとのこと。また、「700 S2」の製品とはねじ穴位置のピッチが異なる

「700 S3」のブックシェルフ型モデル専用スタンドが「FS-700 S3」。本体とスタンドはねじ留めできる。ただし、音質だけを考慮するならばねじ留めはしないほうがよいとのこと。また、「700 S2」の製品とはねじ穴位置のピッチが異なる

「コンティニュアム・コーン」に「バイオミメティック・サスペンション」を搭載

B&Wの「700」シリーズと言えば、最上位グレードの「800」シリーズの技術を受け継ぎ、「手の届く価格」にまとめられた製品として知られる。具体的には、「コンティニュアム・コーン」のウーハー、ミッドレンジを継承したことなどがあげられる。これは従来のケブラー素材に代わって採用された新振動板のこと。コーン素材に柔軟性を持たせ、正しい振幅から、意図しない分割振動への移行を連続的にして、不要な色付けを排除することがこの振動板の目指すところ。

「700 S3」に共通して搭載された「コンティニュアム・コーン」ユニット

「700 S3」に共通して搭載された「コンティニュアム・コーン」ユニット

「700 S3」では2021年に発売された「800 D4」シリーズの特徴を引き継ぎ、上位モデルからの技術継承がさらに色濃くなった。フロアスタンディング型モデルのミッドレンジ(コンティニュアム・コーン)の裏側には「バイオミメティック・サスペンション」が搭載され、「800」シリーズとほぼ同等の構成となったのだ。「バイオミメティック」とは生物模倣技術のことで、生物の構造にならった形状をとることで、より効率的な動作を目指したもの。高耐久性の特殊な樹脂でいわゆる「蝶ダンパー」を形づくり、ボイスコイルの動きを柔軟に支える。ブックシェルフ型モデルにおいても、ボイスコイルに対して外側にもショートリングを配置。高調波ひずみをいっそう低減させたという。

樹脂製の「バイオミメティック・サスペンション」。何の生物を模したかは明らかにされていない

樹脂製の「バイオミメティック・サスペンション」。何の生物を模したかは明らかにされていない

矢印の部分が実際にユニットに組み込まれた「バイオミメティック・サスペンション」。接着剤での固定が難しく、うまくはめ合わせることで対処しているという

矢印の部分が実際にユニットに組み込まれた「バイオミメティック・サスペンション」。接着剤での固定が難しく、うまくはめ合わせることで対処しているという

ツイーター構造は「800」と同等にグレードアップ

また、従来モデルとの比較ですぐわかるのは、「トゥイーター・オン・トップ」構造を採用したモデルのツイーターチューブが伸びていること。容積をアップさせたほか、磁気回路のショートリングを銅から銀に変更。背圧の処理の仕方を含めて「800」シリーズをなぞったものだ。両者の違いは振動板素材(800シリーズはダイヤモンド、700シリーズはカーボン)のみということになる。

左が「700 S2」のツイーターで、真ん中と右が「700 S3」のツイーター。右は「トゥイーター・オン・トップ」モデルのものだが、「700 S3」に搭載されるユニット自体はスピーカーキャビネットに内蔵されたモデルと基本的に同じだという

左が「700 S2」のツイーターで、真ん中と右が「700 S3」のツイーター。右は「トゥイーター・オン・トップ」モデルのものだが、「700 S3」に搭載されるユニット自体はスピーカーキャビネットに内蔵されたモデルと基本的に同じだという

内覧会で製品を説明したのは「シニアサウンドマスター」の澤田龍一氏。B&Wを担当して29年目になるそうだ。新製品は「700が750シリーズになったくらい」の進化を遂げたと話す

内覧会で製品を説明したのは「シニアサウンドマスター」の澤田龍一氏。B&Wを担当して29年目になるそうだ。新製品は「700が750シリーズになったくらい」の進化を遂げたと話す

バッフル面をラウンドさせ、空間再現性の向上を図った

そのほか、シリーズで共通する変更点は、バッフル面をラウンド仕上げにしたこと、キャビネットの1cm程度のスリム化、スピーカー端子の変更など。バッフル面をラウンド形状とすると、キャビネット内部の定在波を抑える効果に加えて強度の向上も期待できるという。さらに、キャビネットをスリム化したことと合わせて音の回り込みが自然になり、空間再現性が向上したと担当の澤田氏は言う。

左が「707 S2」で、右が「707 S3」。「S3」のフロント面が若干曲がっていることが見て取れる。横幅がスリムになった分、高さは増している

左が「707 S2」で、右が「707 S3」。「S3」のフロント面が若干曲がっていることが見て取れる。横幅がスリムになった分、高さは増している

スピーカー端子も外観からわかりやすい変更点のひとつ。左が従来モデルで、右が新モデル。バイワイヤリング対応であることは従来どおり

スピーカー端子も外観からわかりやすい変更点のひとつ。左が従来モデルで、右が新モデル。バイワイヤリング対応であることは従来どおり

ウーハーユニットはほぼ従来どおり。ラウンド形状のキャビネットにフィットさせるため、取り付け部分が肉厚になった

ウーハーユニットはほぼ従来どおり。ラウンド形状のキャビネットにフィットさせるため、取り付け部分が肉厚になった

帯域分割(クロスオーバー)を担当するネットワーク回路もほぼ変更されていない。ツイーターの音質補正パーツが2個から4個になっているが、澤田氏いわく「音質調整のためだと思われる」そうだ。なお、B&Wではクロスオーバー周波数を公表していないが、3ウェイモデルでのクロスオーバーポイントは350Hz、4kHz前後とも話してくれた。つまり、「コンティニュアム・コーン」ユニットが受け持つ帯域がとても広く、重要な役割を果たすということ。これは「600」や「800」シリーズでも共通しているという

帯域分割(クロスオーバー)を担当するネットワーク回路もほぼ変更されていない。ツイーターの音質補正パーツが2個から4個になっているが、澤田氏いわく「音質調整のためだと思われる」そうだ。なお、B&Wではクロスオーバー周波数を公表していないが、3ウェイモデルでのクロスオーバーポイントは350Hz、4kHz前後とも話してくれた。つまり、「コンティニュアム・コーン」ユニットが受け持つ帯域がとても広く、重要な役割を果たすということ。これは「600」や「800」シリーズでも共通しているという

2chにも、サラウンドシステムにも対応できる空間表現力が魅力

短い時間だが、D&Mホールディングス内で試聴の機会を得られた。簡単ではあるが、ここからはそのインプレッションをお届けする。「707 S3」から順に、スピーカーを大きくしていく趣向だ。「707 S3」はかなり小型のスピーカーだが、ウッドベースをそれらしく聞かせるのは立派。本製品のみ「S2」と比較をさせてもらったが、確かに空間表現力が向上していると感じられた。

「706 S3」ではウーハーの口径が大きくなり、再生に余裕が出る。大音量を前提とするならば、こちら以上のモデルを選ぶべきだろう。逆に、それほどの大音量志向でないならば、「707 S3」は魅力的な選択肢になりそうだ。さらに「トゥイーター・オン・トップ」構造の「705 S3」では、中高域のなめらかさ、空間表現の細やかさに磨きがかかる。特に、ライブ演奏の音源で響きの余韻が強く感じられるのだ。

「704 S3」以上のフロアスタンディング型モデルは、ミッドレンジを含む3ウェイ構成。タイトに沈む低音に上位モデルの貫禄を感じさせる。映画の強力な低音まで十全に再生したいと思うならば、フロアスタンディング型モデルが優位になるだろう。ただし、サラウンドシステムを組むならば、「705 S3」で統一したシステムも面白そうだ。すぐれた空間表現力が描くサラウンドサウンドはすばらしいはず……と妄想も膨らむ。

センタースピーカーの試聴はできなかったが、センター込みのサラウンドシステムを組みたい場合にも2機種の選択肢があることはありがたい限り。2ch派もサラウンド派にも歓迎される新シリーズが登場した。

柿沼良輔(編集部)

柿沼良輔(編集部)

AVの専門誌を編集して10年超。「(デカさ以外は)映画館を上回る」を目標にスピーカー総数13本のホームシアターシステムを構築中です。映像と音の出る機械、人が一生懸命つくったモノに反応します。

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