Boseから完全ワイヤレスイヤホンの新モデル「Bose Ultra Open Earbuds」が発表された。発売日は3月5日で、直販価格は39,600円(税込)だ。今回、発売に先駆けて製品を体験することができたので、速攻レポートをお届けする。
Boseのオープンイヤー型完全ワイヤレスイヤホン「Bose Ultra Open Earbuds」
「Bose Ultra Open Earbuds」は、イヤーカフのように耳にはさんで装着し、耳穴をふさがずに周囲の音を確認しながら音楽も楽しめるという“ながら聴き”タイプの完全ワイヤレスイヤホンだ。
Boseも流行りのオープンイヤー型についに参入か……と思いがちだが、実はそうではない。同社は2017年にネックスピーカー型の「Bose SoundWear Companion speaker」、2020年には眼鏡型の「Bose Frames」、そして2021年には完全ワイヤレスイヤホン型の「Sport Open Earbuds」(日本未発売)を発売していて、むしろこの分野の先駆者。これら先行した製品群からのユーザーフィードバックを反映して生まれたのが「Bose Ultra Open Earbuds」だ。
Boseのオープンイヤー型製品の歴史。実は2017年から取り組んでいる
「Bose Ultra Open Earbuds」最大の特徴は、耳をふさがないオープンイヤー型で周囲の音も聴こえるというだけでなく、快適さも合わせて追求したこと。オープンイヤー型と呼ばれる製品の中には耳穴は直接ふさがないけど、耳穴のまわりを覆うように装着する製品も多いが、「Bose Ultra Open Earbuds」は耳にはさむように装着するものの、耳を覆うようなことはなく、装着した際に耳の内側への密着感もほとんどない。イヤーカフ型デザインによる快適な装着感に振り切っているというわけだ。
小型軽量というだけでなく、イヤーカフのように耳にはさむような装着スタイルで快適性を追求。ちなみに、各種操作用のボタンは筒状の部分に用意されている
カラーはブラックとホワイトスモークの2色展開
耳をはさむバンド部分は、指先でグイっと広げられるフレックスバンド仕様。自由に広げられる設計によって、ラフに開いて耳にサッと素早く装着できるとことはうれしいポイント。片手装着も構造的に考えて不可能ではなさそうだ。なお、スポーツ用にIPX4の防滴にも対応している。ちなみに片耳利用も可能だ。
フレックスバンドと呼ばれる接続部は指先でグイっと大きく広げられる
「Bose Ultra Open Earbuds」を装着したところ。耳の横からはさむような形になる
「Bose Ultra Open Earbuds」は音質にも注力しており、Boseらしい重低音再生も得意なモデルとなっている。オープンイヤー型だとどうしても音漏れが気になるところだが、こちらについてもしっかりとフォローしており、音漏れを防止する技術としてアコースティックな設計による音の指向性コントロール、そして外に漏れる音を打ち消す音を再生する設計を取り入れている。なお、当然ながら周囲の騒音を低減するノイズキャンセリング機能には対応していない。
「Bose Ultra Open Earbuds」の構造図。スピーカーのほかに音漏れを低減する逆位相の音を再生するスリットを設けているのがポイント
また、音楽リスニング向けの機能として、独自開発した「Bose Immersive Audio」による空間オーディオ再生にも対応している。Bluetooth接続に関しても、クアルコムのSnapdragon Sound対応で、aptX Adaptiveコーデック(48kHz/24bit)も利用できる。アプリからはイコライザーを設定することも可能だ。ほかにも、オープンイヤー型ならではの機能として、周囲の騒音レベルに対して自動的に音量を調整する「オートボリューム機能」が搭載されているところもユニークだ。
イヤホン単体のバッテリー性能は、通常時で最大7.5時間(「Bose Immersive Audio」有効時は最大4.5時間)、ケース併用では最大27時間(「Bose Immersive Audio」有効時は最大16.5時間)。10分の充電で最大2時間使用できる急速充電機能も備わっている。
付属の充電ケース。取り回しは通常の完全ワイヤレスイヤホンとほぼ同じだ
さっそく「Bose Ultra Open Earbuds」を体験してみたが、当然ながら周囲にBGMが流れている状態だとイヤホンのサウンドもBGMも同時に聴こえるし、装着したまま会話してもまったく支障がない。肝心の音質は、いかにもBoseらしい空気を振動させるような重低音サウンドで、臨場感も抜群だ。周囲の音を自然に取り込みながら、音に包み込まれるような没入感を得られるところもユニーク。特に耳がオープンである開放感と「Bose Immersive Audio」の相性のよさを感じた。
周囲にBGMが流れている状態で「Bose Ultra Open Earbuds」を体験。音楽を聴きながらでも周囲の音をはっきりと確認できる
「Bose Ultra Open Earbuds」の直販価格は39,600円(税込)で、この価格は昨年10月に発売されたノイズキャンセリング機能搭載完全ワイヤレスイヤホンの最上位モデル「QuietComfort Ultra Earbuds」と同一だ。音楽に集中したい場合は、遮音性の高いカナル型でノイズキャンセリング機能搭載の「QuietComfort Ultra Earbuds」、周囲の音も確認できる“ながら聴き”が目当てなら「Bose Ultra Open Earbuds」といった感じで、タイプの異なる2つのハイエンドモデルが共存する形になりそうだ。
「Bose Ultra Open Earbuds」のパッケージ
キャッチフレーズは“音を着る 世界が変わる”