レビュー

この発想はなかった! オーディオテクニカ「ATH-CKS50TW2」がズボラな人にぴったりな理由

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完全ワイヤレスイヤホン(TWS)は、どんなときも充電ケースに入れておく──そんな“当たり前”が身についている人にとっては、この記事の内容はあまり響かないかもしれない。でも、「つい充電ケースに戻さず、その辺に置いてしまう」というタイプの人なら、きっと共感してもらえると思う。

今回紹介するオーディオテクニカの「ATH-CKS50TW2」は、イヤホンファンだけでなく、筆者のような「ズボラな人」にぴったりのモデルだ。

オーディオテクニカの完全ワイヤレスイヤホン「ATH-CKS50TW2」をレビュー。写真のように左右の本体がマグネットでぴったりとくっつくため、「ケースなしで」持ち歩ける

オーディオテクニカの完全ワイヤレスイヤホン「ATH-CKS50TW2」をレビュー。写真のように左右の本体がマグネットでぴったりとくっつくため、「ケースなしで」持ち歩ける

完全ワイヤレスイヤホンを片付けられない人は必見

まず、ちょっと想像してほしい。皆さんは買い物中、イヤホンを装着したままレジに並ぶことはないだろうか。

列が進み、いよいよ次は自分の番。このタイミングで、イヤホンは耳に着けたままにしますか? それとも外しますか?

そんなとき、筆者は外すことにしている。理由としては、外音取り込み機能を搭載していて会話は問題なくできるとしても、着けっぱなしではレジ係の人に「話しかけていいのか迷わせてしまう」と感じるから。結局、買い物をスムーズに進めるためには、外したほうがいいと思っている。

それでは、同じように耳から外すという人に、もう1つ質問したい。外したイヤホンは充電ケースにしまいますか? それともそのままポケットに突っ込みますか?

筆者はそのままポケットに突っ込む派だ。左右まとめて片方のポケットに突っ込んだり、別のポケットに1つずつ突っ込んだりと適当なので、またイヤホンを装着するときにどのポケットに入れたか忘れてテンパる、までがお決まりの流れになっている。

耳から外した完全ワイヤレスイヤホンをいちいち充電ケースに片付けず、ポケットに放り込んでしまう人も多いのでは

耳から外した完全ワイヤレスイヤホンをいちいち充電ケースに片付けず、ポケットに放り込んでしまう人も多いのでは

このほかにも、ふとした瞬間にイヤホンを耳から外すシーンはあるが、そのたびに充電ケースに片付けることはほとんどない。充電ケースにちゃんとしまうべき、というのは理解している。でも、「わかっている」と「実行できる」は別問題。

「いっそ充電ケースは持ち運ばず荷物を減らすか」とまで考えていたのだが、ついに、そんな使い方がある意味で公式に認められたモデルが登場した。それが「ATH-CKS50TW2」なのだ。

本体だけで持ち歩ける画期的な「マグネティックスイッチ」機能

「ATH-CKS50TW2」の概要を紹介すると、オーディオテクニカの重低音シリーズ「SOLID BASS」に加わった新モデルで、9mm径の「SOLID BASS HD TWS」ドライバーを搭載。次世代BluetoothオーディオのLE Audioに対応しており、コーデックはAAC/SBCに加えLC3をサポートする。

本体カラーは写真のブラックのほか、ベージュとグリーンをラインアップする

本体カラーは写真のブラックのほか、ベージュとグリーンをラインアップする

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2023/07/28 09:00

またノイズキャンセリングや外音取り込み機能、クリアな通話を実現するハンズフリー通話機能など、イマドキの完全ワイヤレスイヤホンらしく日常使いに役立つ機能を揃えている。

さて、なかでも注目すべきいちばんの特徴は、イヤホンの左右がマグネットでくっつくようになっていて、本体をくっつけると電源オフ、離すと電源オンになる「マグネティックスイッチ(PAT.P)」機能だ。

本体の下部に配置されたマグネット同士で左右のイヤホンを接着できる

本体の下部に配置されたマグネット同士で左右のイヤホンを接着できる

このアイデアは非常に画期的と言える。これはつまり、イヤホン本体だけで持ち歩くことをサポートする機能であり、これによって「いちいち充電ケースに入れたり出したりが面倒くさい問題」「充電ケースに入れておかないとバッテリーが消費される問題」が一挙に解決するのだ。

左右をつなげるマグネットは結構強力で、イヤホン同士を近づけるとパチっとくっつく。そして左右を離すには指先にグッと力を入れる必要がある。先述した例のように、買い物の際にイヤホンの左右をくっつけてポケットに突っ込んだが、そのくらいであれば何度やっても左右が離れてしまうことはなかった。

くっついた状態のイヤホンはぶら下げる程度では離れない

くっついた状態のイヤホンはぶら下げる程度では離れない

純正アプリ「Connect」から、くっつけた際の動作を設定できるのもポイント。電源オフにするのではなく、「音楽再生を停止する」だけにも設定可能だ。これなら「電源を入れてから再接続されるまで時間がかかる問題」もクリアできる。ほかにも、イヤホンを置いておいたらどっちが左でどっちが右かわからなくなった、というむだな悩みがなくなるのもメリットだ。

「Connect」アプリからは「マグネティックスイッチ」機能の設定のほか、ボタンの操作割り当てやイコライザーなどさまざまな設定が行える

「Connect」アプリからは「マグネティックスイッチ」機能の設定のほか、ボタンの操作割り当てやイコライザーなどさまざまな設定が行える

また、イヤホンは充電ケースに入れなければ充電できないわけだが、本体だけで最大25時間の音楽再生が可能な業界最高クラス(ノイズキャンセルオフ時/2024年10月時点、オーディオテクニカ調べ)のロングバッテリーを実現しているので、充電は数日に1回ペースで済むのはうれしい。「今日も充電するの忘れちゃった」がよくあるので、急速充電にも対応、充電ケースはQi規格のワイヤレス充電器に置くだけで充電可能、というのもポイントが高い。

このようにズボラ民にとってはありがたい機能を搭載した「ATH-CKS50TW2」だが、注意事項もある。マグネットが強力とはいえ、物であふれるカバンに入れておいたらマグネットが外れてしまい、意図せず電源オンになって勝手にスマホとペアリングされることがあった。しまう際に何かに引っ掛かって片方だけ落ちてしまうこともありえるので、紛失には気をつけたいところだ。

ポケットやカバンにそのまま突っ込むと、イヤーピースにホコリがついてしまうのも避けられない

ポケットやカバンにそのまま突っ込むと、イヤーピースにホコリがついてしまうのも避けられない

ブーミーではない重低音が魅力のサウンド

最後にサウンドについて触れておこう。重低音という言葉からはブーミーやドンシャリといった、いかにも低音が強調された音をイメージしてしまいがちだが、「ATH-CKS50TW2」は違う。ひと言で表現するなら「上品な重低音」。過度に主張することはないが確かな存在を感じさせる、そんな鳴り方をしている。

「SOLID BASS」シリーズらしい重低音に特徴のあるサウンドが楽しめた

「SOLID BASS」シリーズらしい重低音に特徴のあるサウンドが楽しめた

Creepy Nuts「オトノケ - Otonoke」では、一聴して「ダン、ダン」というリズムが量感たっぷりに響くのがわかりやすいが、それよりBメロで流れる低音のメロディラインを繊細にとらえられるのが本機らしさと言えそうだ。低域を何もかも一緒くたにせず、その中の成分をしっかり分析して表現しているような印象を受ける。

おかげでtuki.「晩餐歌」のような静かな楽曲でも、ベースラインが見えるようになることでサビが一段と盛り上がる。ただボワつくだけの低音を鳴らすモデルではこうはいかない。ていねいな再現性が、楽曲のノリのよさや美しさを引き立ててくれている。

気分によってはもっとガンガンに低音を聴きたい、ということもあるだろう。そんなときは「Connect」アプリからイコライザーを変更しよう。オリジナル(デフォルト)を含め5種類のプリセットが用意されていて、自分で細かく調整できる。個人的なオススメは低域と高域を上げて中域を抑え、はっきりとした変化が楽しめる「V-shaped」だ。また「Bass Boost」を選べば、ガッツリな低音好きも満足できるだろう。

【まとめ】これまでになかった使い勝手を開拓したモデル

「ATH-CKS50TW2」は、完全ワイヤレスイヤホンとしての基本性能がしっかり高水準にまとめあげられており、重低音に特徴のあるサウンドを求める人にはぴったりのモデルだ。

しかしそれとは別に、ズボラな筆者にとっては、「イヤホンだけで持ち歩いていい」ことに大きな魅力を感じている。これまでになかった新しい使い勝手のよさを提案してくれるモデルとしても、「ATH-CKS50TW2」に注目してほしい。

小岩井 博
Writer
小岩井 博
カフェ店員、オーディオビジュアル・ガジェット関連媒体の編集・記者を経てライターとして活動。音楽とコーヒーと猫を傍らに、執筆に勤しんでいます。
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柿沼良輔(編集部)
Editor
柿沼良輔(編集部)
AV専門誌「HiVi」の編集長を経て、カカクコムに入社。近年のAVで重要なのは高度な映像と音によるイマーシブ感(没入感)だと考えて、「4.1.6」スピーカーの自宅サラウンドシステムで日々音楽と映画に没頭している。フロントスピーカーだけはマルチアンプ派。
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