液晶テレビの新フラッグシップ「Z810X」シリーズも登場

東芝初の4K有機ELテレビ「REGZA X910」デビュー! 肌色の階調表現にこだわった高画質モデル

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2017年の高画質テレビの主役になると考えられているのが「4K対応の有機ELテレビ」だ。先日開催された世界最大の家電見本市「CES 2017」にてソニーやパナソニックから4K有機ELテレビの製品が発表されたが、国内向け製品の先陣を切ったのは東芝だ。本日2017年1月11日、同社初となる4K有機ELテレビ「REGZA X910」シリーズを発表した。

東芝初の4K有機ELテレビREGZA X910シリーズ(画像は65V型モデル)

東芝初の4K有機ELテレビREGZA X910シリーズ(画像は65V型モデル)

有機ELパネルのポテンシャルを引き出す専用エンジンを採用。「美肌リアライザー」などの新技術も搭載

REGZA X910シリーズは、東芝初の4K有機ELテレビとして画質に徹底的にこだわっているのが大きな特徴。無限大のコントラストが得られる有機ELパネルのポテンシャルを生かした画質処理によって、圧倒的な没入感を楽しめるのをウリとする。

画質処理エンジンには新開発の「OLED レグザエンジン Beauty PRO」を採用。エンジンのハードウェア自体は4K液晶テレビ「Z20X」シリーズなどに使われているものと同じだが、ソフトウェアを有機EL用に再設計したX910シリーズ専用のエンジンとなっている。

東芝のテレビは、強力なパワーを持つエンジンと独自の高画質化技術によって、高コントラストですぐれた色再現を実現しているのが魅力だが、X910シリーズには新しい高画質化技術がいくつも投入されている。その中でもトピックとなるのが以下の6つだ。

熟成超解像
アダプティブフレーム超解像
ローカルコントラスト復元
美肌リアライザー
AI機械学習HDR復元
ハイクリア/ハイモーションドライブモード

「熟成超解像」は、映画などで使われる24pの2K映像に対して超解像処理とノイズリダクションをそれぞれ2回行い、クリアで精細感ある4K映像にアップコンバートする新技術。1回目は、複数フレームを参照する独自の超解像処理とノイズリダクションで4Kにアップコンバート。2回目はアップコンバートされた4K映像に対して、4Kに最適化したパラメーターで超解像処理とノイズリダクションを加える。こうすることで、従来以上にノイズを抑えた精細感のある4K映像にアップコンバートできるようになった。

超解像処理とノイズリダクションを2回行う熟成超解像

超解像処理とノイズリダクションを2回行う熟成超解像

「アダプティブフレーム超解像」は、Z20Xシリーズに搭載されていた複数フレーム超解像が進化した新技術。複数フレーム超解像では最大5フレームを参照してノイズリダクションと超解像を行うが、新技術では入力映像のフレーム数60p/30p/24pを判別して、参照するフレームをリアルタイムに判断するようになった。これにより、従来以上にノイズやちらつきを抑えた映像を再現する。

アダプティブフレーム超解像は、60p/30p/24pのフレーム数を判別し、参照するフレームをリアルタイムに判断する

「ローカルコントラスト復元」は、映像全体のコントラストを変えずに局所的なコントラストを上げる新技術。この技術では、局所的な黒つぶれ・白とび個所を検出して、それぞれを輪郭部とテクスチャー部に分離した後に、映像全体のコントラスト制御と連携しながら黒つぶれ・白とびした局所的なテクスチャー部を復元・合成。オブジェクト別にコントラストを調整することで、高コントラストながら暗部と明部の自然な階調表現を実現する。

局所的なテクスチャー部の黒つぶれ・白とびを抑えるローカルコントラスト復元

局所的なテクスチャー部の黒つぶれ・白とびを抑えるローカルコントラスト復元

新技術の中でも特に注目したいのが、東芝が長年培ってきたHDR復元技術を生かした肌色補正技術「美肌リアライザー」だ。肌色の輝度ヒストグラムを解析したうえで、階調特性を細かく制御。明るいシーンでの顔のハイライト部分の色飽和を抑えることで、白くとびがちな部分を、質感と立体感のある肌色に仕上げるという技術だ。「美肌」という名称がついているが、肌色を美しく再現するのではなく、より緻密でリアルな階調で表現するものになっている。

注目の新技術、美肌リアライザー。顔のハイライト部分の色飽和を抑え、肌色をリアルに表現する

注目の新技術、美肌リアライザー。顔のハイライト部分の色飽和を抑え、肌色をリアルに表現する

左がZ20X、右がX910で同じ映像を表示したもの。質感リアライザー特性のヒストグラムを見ると、ハイライト側の処理で違いがあることがわかる。Z20Xではハイライト側の輝度を上げているため肌がやや白とびしているが、X910は階調性を保つようにハイライト側の伸びが抑えられている

「AI機械学習HDR復元」も興味深い技術だ。昨今話題を集めているAI技術を活用してより正確なHDR復元を実現する技術。具体的には、従来編集(Blu-rayなど)とHDR編集(Ultra HD Blu-rayなど)を比較できる映像素材を用いて、従来編集の映像をHDR復元したヒストグラムと、HDR編集の映像のヒストグラムを比較。そこから得られたパラメーターを使い、機械学習によって誤差が減るように復元テーブルを作成・精査するというもの。学習機会を増やすことで、より高精度なHDR復元を可能とする。

従来編集の映像とHDR編集の映像を比較して復元テーブルを作成する、AI機械学習HDR復元

従来編集の映像とHDR編集の映像を比較して復元テーブルを作成する、AI機械学習HDR復元

「ハイクリア/ハイモーションドライブモード」は、インパルス駆動で有機EL特有のホールドボケを抑制する機能。60p入力では、黒画面を挿入し、動きのある映像を自然でクリアに再現する。24p入力時では、ハイクリアモードで黒を挿入。ハイモーションモードでは黒を挿入したうえで、2フレーム分の映像信号をブレンドした中間の映像を作り出すことでより滑らかな映像に仕上げる。

黒挿入を用いてホールドボケを防ぐハイクリア/ハイモーションドライブモード。元のフレームの合間に黒を挿入することで、クリアな映像を実現している。

画面とスタンドが同一面になる新設計のアルミスタンドを採用

デザイン面では、有機ELのメリットとしてパネル部の厚さが約6.5mmとスリムなことに加えて、「フラッシュフロントスタンド」という新しいスタンドを採用したのがポイント。2段構造で重量のあるアルミスタンドが本体を支えるという特徴的な構造で、スタンドが画面の前に出ないのが特徴だ。画面とスタンドを同一面にすることで、スクリーンがより際立つように設計されている。

スタンド前面。スタンドが画面の前に出ないデザインになっている

スタンド前面。スタンドが画面の前に出ないデザインになっている

背面のスタンド部。2段構造で本体を保持する

背面のスタンド部。2段構造で本体を保持する

2Wayスピーカーシステムとマルチアンプ駆動を採用。帯域補正の分解能も向上

サウンド面も強化されている。X910シリーズ専用に新開発された「有機ELレグザオーディオシステム」を採用。従来の液晶テレビなどと同様に前面からスピーカーが見えないインビジブル配置のシステムだが、従来から設計を一新し、高音質を実現している。

スピーカーユニットには、新型のフルレンジスピーカーと、ネオジウムマグネット搭載30mmシルクドームツイーターを組み合わせた2Wayタイプを採用。バスレフBOXはZ20Xシリーズと比べて実効容積が200%以上アップし、低音から高音までクリアな音声を実現した。さらに、フルレンジスピーカーとツイーターをそれぞれ独立したアンプで駆動し、最適な帯域分割を行うことで、広いダイナミックレンジを実現。REGZAのオーディオシステムは高い分解能で高精度な帯域補正を行うのも特徴だが、X910シリーズでは「レグザサウンドイコライザーファイン」とし、低域の分解能は501バンドのままに、中高域の分解能を従来の120バンドから213バンドに高めることで、さらに緻密な帯域補正を実現している。

30mmシルクドームツイーターを採用する、新しいスピーカーユニット

30mmシルクドームツイーターを採用する、新しいスピーカーユニット

レグザサウンドイコライザーファインは、中高域の分解能が120バンドから213バンドに向上した

レグザサウンドイコライザーファインは、中高域の分解能が120バンドから213バンドに向上した

このほかの機能面では、対応の外付けUSB HDDを利用することで地上デジタル放送を最大6チャンネル分録画・一時保管する「タイムシフトマシン」や、「Z700X」シリーズに搭載された放送中の地デジ番組最大6チャンネルを画面上に同時に表示する「まるごとチャンネル」、タレントやジャンル、趣味など興味のあるテーマに関連したコンテンツ情報をまとめたパックを登録して放送中の番組やネット動画、シーンなどを横断検索できる「みるコレ」といった機能にも対応している。

また、4K放送対応スカパー!チューナーを内蔵し、4K専門チャンネルの視聴と「スカパー!プレミアムサービス」内の4K専門チャンネルを4K画質で録画することが可能。「ひかりTV」の4K-IP放送や「Netflix」「ひかりTV 4K」「dTV」「4Kアクトビラ」「YouTube」といった動画配信サービスの4Kコンテンツにも対応。各サービスが提供するHDRコンテンツの表示にも対応している。

ラインアップは65V型「65X910」と55V型「55X910」の2モデルで、市場想定価格(税別)は65X910が90万円前後、55X910が70万円前後。3月上旬の発売が予定されている。

65V型65X910と55V型55X910の2モデルがラインアップ

65V型65X910と55V型55X910の2モデルがラインアップ

Z20Xの後継モデル、4K液晶テレビ「REGZA Z810X」シリーズも登場

Z20Xの後継となるREGZA Z810Xシリーズ。3モデル用意されている

Z20Xの後継となるREGZA Z810Xシリーズ。3モデル用意されている

X910シリーズの発表にあわせて4K液晶テレビの新モデル「REGZA Z810X」シリーズも同時に登場。Z20Xの後継となる、東芝の4K液晶テレビの新しいフラッグシップモデルだ。

Z20Xは高画質で定評のあるモデルだが、Z810Xシリーズもその後継モデルとして画質にこだわった製品となっている。全面直下LEDバックライトとエリアコントロール技術を継承しつつ、新開発エンジン「レグザエンジン Beauty PRO」を採用。高画質化技術では、X910シリーズに採用された熟成超解像やアダプティブフレーム超解像、ローカルコントラスト復元、美肌リアライザー、AI機械学習HDR復元といった新技術を搭載する。64色軸の高精度色空間処理で物体が反射する色の限界を超えない自然な色彩を再現する「広色域復元プロ」、暗いシーンの中でも点状の高域成分を増幅することで夜景や星空、ライブシーンでの楽器の反射などの“きらめき感”を復元する「きらめき復元」といった技術も採用している。

きらめき復元は、点状の高域成分を増幅する技術

きらめき復元は、点状の高域成分を増幅する技術

サウンド面では、前面放射配置のノーメックスドームツイーターとフルレンジスピーカーによる「レグザパワーオーディオシステム」を搭載。低域の分解能はそのままに中高域の分解能を213バンドに向上したレグザサウンドイコライザーファインも採用している。別売オプションの外付けスピーカー「レグザサウンドシステム RSS-AZ55」とのシンクロモードは、RSS-AZ55とテレビ本体のツイーターに加えてフルレンジスピーカーも同時に再生するようになり、さらに広がりのある音が得られるようになった。

RSS-AZ55を組み合わせた場合のシンクロモードは、テレビ本体のフルレンジスピーカーも同時に再生するようになった

このほかの機能はX910シリーズとほぼ同等で、タイムシフトマシン、まるごとチャンネル、みるコレなどを搭載。4K放送対応スカパー!チューナーを内蔵するほか、NetflixやひかりTV 4Kなど各種動画配信サービスの4K/HDRコンテンツにも対応している。

ラインアップは、65V型「65Z810X」、58V型「58Z810X」、50V型「50Z810X」の3モデル。市場想定価格(税別)は65Z810X が63万円前後、58Z810Xが42万円前後、50Z810Xが35万円前後。発売は2月上旬となっている。

まとめ 画質にこだわる東芝らしい高画質4Kテレビ

国内メーカーが手がける国内向けの4K有機ELテレビとしては初登場となるX910シリーズ。東芝が液晶テレビの開発で培ってきた技術を進化させる形で搭載しており、有機ELパネルのよさを引き出す高画質を実現している。有機ELパネルらしい純度の高い黒表現と輝きで、映画などの高品位映像を満喫するのに適したハイエンドなモデルだ。

いっぽうの4K液晶テレビZ810Xシリーズは、液晶テレビのフラッグシップとしてZ20Xシリーズの高画質を継承したモデル。美肌リアライザーなどの新技術によって、高画質で高い評価を得たZ20Xを上回る色再現性を実現した。液晶テレビとしては現時点で最高レベルの画質を楽しめるモデルとなっている。

いずれのモデルも、東芝らしく画質にこだわったモデルに仕上がっている。これまでの4Kテレビは、4Kアップコンバートによる高精細表示や、高輝度・高コントラストで広色域な映像再現が画質のトレンドになっていたが、今回の新モデルでは、美肌リアライザーという新技術で肌色の階調表現にこだわったのが画質面のポイントだ。

真柄利行

真柄利行

カメラとAV家電が大好物のライター/レビュアー。雑誌編集や価格.comマガジン編集部デスクを経てフリーランスに。価格.comではこれまでに1000製品以上をレビュー。現在、自宅リビングに移動式の撮影スタジオを構築中です。

製品 価格.com最安価格 備考
REGZA 65X910 [65インチ] 820,000 「OLEDレグザエンジンBeauty PRO」を搭載した4K有機ELテレビ(65V型)
REGZA 55X910 [55インチ] 620,000 「OLEDレグザエンジンBeauty PRO」を搭載した4K有機ELテレビ(55V型)
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2017.3.23 更新
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