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デザインに一目惚れ!フォード「マスタング」デザインの一体型オーディオ「Mustang LP BK」導入レポート

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ION Audio「Mustang LP BK」

ION Audio「Mustang LP BK」

オーディオ製品を導入する際は、まずはじっくり音を聴いて好みか否かをしっかり確かめ、次にコストパフォーマンス的にも納得できるものかどうかを考え、設置スペースは大丈夫か、いまあるシステムとマッチするかどうかまで考えてGOを出すのが理想的といえる。とはいっても、毎度毎度理想的なスタンスで買い物ができるとは限らず、「おまえ耳いくつあるんだよ!」と突っ込まれそうなくらい大量のイヤホン&ヘッドホンを“ダブって”所有していたりする。とはいえ、音の好みとコストパフォーマンスに関してはかならずチェックしているのだが、今回、写真を見ただけで一目惚れしてしまい、音も聴かずに導入してしまったものがある。それがION Audioの「Mustang LP BK」だ。

ION Audioといえば、スピーカー付きモデルやBluetooth搭載モデルなど、手軽に楽しめる低価格アナログプレーヤーで人気を集めているメーカーだが、ある日届いたプレスリリースを見てビックリ。65年式フォード・マスタングのメーターパネルをモチーフにした、一体型のアナログプレーヤー付きオーディオシステムを発売したというのだ。さらに、写真を見て二度ビックリ。確かに、左右に円形メーターに挟まれて横長のスピードメーターが配置されているという、初代フォード・マスタングそのものといっていい操作パネルが作り上げられている。しかも、エンブレムがあしらわれたボンネット(アナログプレーヤー的にはダストカバーと呼ぶべきだがここではあえてボンネットと呼ばせていただこう)を開けると、シェルビー仕様だな!といいたくなるグレーの2本ストライプが描かれていたりと、マスタングオーナーでなくてもクルマ好きだったら誰しもが心くすぐられてしまうデザインが盛り込まれていたのだ。これはもう、手に入れるしかないと、発売直後に後先考えずオーダーした次第だ。

ボンネットには、マスタングのトレードマークともいえる野生の馬をかたどったエンブレムがあしらわれている

ボンネットには、マスタングのトレードマークともいえる野生の馬をかたどったエンブレムがあしらわれている

ということで、到着した製品を実際にいろいろと試しつつ、「Mustang LP BK」のレビューをお届けしようと思う。

アナログプレーヤー付きの一体オーディオなのに非常にコンパクトな本体

まずは製品概要から。この「Mustang LP BK」は、カテゴリー的には一体型オーディオシステムに分類されるもので、アナログレコードに加え、FM/AMラジオや3.5mmステレオミニ端子によるアナログ入力、さらにUSBメモリー再生もできるなど、オーソドックスなのか新しいのか分からない、現代のユーザーに対してフレンドリーなシステム内容になっている。また、アナログプレーヤー用のフォノイコライザーや、ボディ左右にステレオスピーカーも内蔵されていて、電源をつなぐだけですぐに使い始められる、お手軽なオールインワンシステムに仕上げられている。

ちなみに、ボディサイズは、約342.9(幅)×375.9(奥行)×104.1(高さ)mmと、アナログレコードが再生できる製品としては比較的コンパクトにまとまっている。なかでも、10cm強に収められた高さは、一体型システムとしてかなり有利なサイズといえる。

アナログレコードを含む4つのプレーヤー機能が搭載されているにも関わらず、本体はかなりコンパクトだ

アナログレコードを含む4つのプレーヤー機能が搭載されているにも関わらず、本体はかなりコンパクトだ

なによりも、操作パネルのデザインが最高にいい。左側にボリューム、右側にラジオの周波数コントロールの大型ダイヤルを配置しつつ、センターメーター下の部分には電源オンオフやソース切替、USBメモリー再生の操作ボタンをレイアウト。全てプラスチック系の素材なので高級感漂うとまではいわないが、クラシカルで雰囲気のあるデザインにまとめ上げられている。

フロントの操作パネルは、初代フォード・マスタングのインパネを見事に再現している

フロントの操作パネルは、初代フォード・マスタングのインパネを見事に再現している

ソース切替のボタンやラジオチューナの表示盤もクラシカルなデザインでかっこいい

ソース切替のボタンやラジオチューナの表示盤もクラシカルなデザインでかっこいい

ボリューム調整ダイヤルやラジオの周波数コントロールダイヤルもかなりこだわったデザインだ

ボリューム調整ダイヤルやラジオの周波数コントロールダイヤルもかなりこだわったデザインだ

また、アナログ入力の隣にはヘッドホン出力端子、本体背面にはRCAアナログ出力も用意されており、内蔵スピーカーだけでなく、ヘッドホンや(すでに設置されている)ホームオーディオでサウンドを楽しむこともできるようになっている。

本体背面にはRCAアナログ出力を装備しており、ホームオーディオシステムとの連携も可能だ

本体背面にはRCAアナログ出力を装備しており、ホームオーディオシステムとの連携も可能だ

続いて、この製品のメインソースであろう、アナログプレーヤー部分について詳細を見ていこう。こちら、他のION Audio製アナログプレーヤーとほぼ共通の仕様となっており、ターンテーブルとアームが一体となったシステムを採用。ストレートアームに専用のサファイヤ針カートリッジを採用し、33-1/3、45、78回転に対応する。ちなみに、SPレコードなどの78回転を聴きたい場合は、別売の専用針を購入する必要があるので注意して欲しい。

 レコードプレーヤー部はベルトドライブ式で、回転数は33/45/78回転に対応

レコードプレーヤー部はベルトドライブ式で、回転数は33/45/78回転に対応

トーンアームはストレートアームタイプで、レコード針は針先が円錐ダイヤモンドチップの専用サファイヤ針カートリッジとなる

レコードの回転数切り替え機能やオートストップ機能は、スイッチの切り替えでコントロールする形だ

レコードの回転数切り替え機能やオートストップ機能は、スイッチの切り替えでコントロールする形だ

USBメモリー再生は、FAT32フォーマットの最大容量32GBまで認識可能で、MP3、WAV、WMAの3形式が再生可能。WAVはCDスペック=44.1Hz/16bitまでの対応となっている(ハイレゾには非対応)。また、アナログレコードやアナログ入力された音を、USBメモリーにデジタル録音(MP3)することもできるようになっている。

レコードプレーヤーとしての音質は?

さて、ここからは音質についてレビューしていこう。

先に結論をいうと、内蔵スピーカーのサウンドについては価格相応というレベル。とはいえ、音色は悪くない。USBメモリーから再生を行うと、想像していたよりもクリアな、落ち着きのあるサウンドが楽しめる。解像度感はそれほど高くないが、女性ボーカルなどは澄んだ声の、瑞々しい歌声を聴かせてくれるので、これはこれで好ましく感じる。メリハリもよく、ドラムやベースのビットも骨子がしっかりしていて演奏はリズミカルだ。

本体側面に用意されている内蔵スピーカー

本体側面に用意されている内蔵スピーカー

やや難しい部分があるのは音場だろうか。スピーカーが左右両側に配置されているため、広がりはいいものの定位感が環境に左右されやすい。比較的広めの空間、かつしっかりとした堅さのテーブルに設置すると、音質的にはかなり良好な結果になってくれるはずだ。実際、今回の試聴ではヤマハGTラックに設置したのだが、それが良好な結果に結びついた。

ヤマハGTラックに設置したところ、音質はかなり安定した

ヤマハGTラックに設置したところ、音質はかなり安定した

さらに、RCA出力を使ってホームオーディオシステムに接続してみたが、音質のよさではこちらが圧倒的に有利だった。解像感が向上するとともに、メリハリがしっかりし、勢いのある演奏になってくれる。専用プレーヤーとまではいかないが、ポータブルプレーヤーを接続したクオリティレベルは確保できている印象を持った。

とはいえ、気になった部分がないわけでもない。それは、メインのアナログプレーヤーについてだ。価格が価格だけに、音質面ではそれほど期待はしていなかったのだが、最初聴いたとき明らかに音が歪んでいたのだ。イメージでいうと、カートリッジの出力がフォノイコライザーの得意とする入力よりも大きくなってしまって音割れが発生している、といった感じ。もしかすると初期不良かも、とも考えたが、さまざまな曲を聴くにつれて徐々にそういった印象は低減し、最近ではだいぶ解消されてきた。いまでは、アナログレコードならではの自然でスムーズな音が感じ取られるようになってきた。どうも、内蔵のフォノイコライザー周りがある程度のエージングを必要とするようで、少なくとも数10時間はアナログレコードをかけ続ける必要がありそう。この「Mustang LP BK」を購入した人は、新車同様“慣らし”することをオススメしたい。

もちろん、クオリティ面では単体のアナログプレーヤーには敵わない。けれども、普段はUSBメモリーやFMなどで気軽に音楽を楽しみ、時にアナログレコードも再生できるという便利さはなかなか魅力といえる。なんだったら屋外に持ち出して(電源さえ確保できれば)何処でも音楽を楽しめる、という点も素晴らしい。超個人的な意見ながら、何よりもデザインがいい!ので、それに共感してもらえる人にはぜひ購入を検討して欲しいところだ。

野村ケンジ

野村ケンジ

ヘッドホンなどをはじめ幅広いジャンルで活躍するAVライター。ハイレゾ音源についても造詣が深く、アニソンレーベルのスーパーバイザーを務めるほか、TBSテレビ開運音楽堂「KAIUNハイレゾ」コーナーではアドバイザーとしてレギュラー出演している。

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2017.12.12 更新
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