レビュー
CDにBluetooth、USBメモリーにFMラジオ、おまけにQiまで!

充電しながら音楽再生も! スマホと好相性なヤマハのコンパクトオーディオシステム「TSX-B237」

高校生の娘に「ちょっとCDを聴きたいんだけど」と言われて、はっと気付いた。そういえば、ここ数年我が家のリビングには音楽CDの再生機がない。UHD BDプレーヤーとかPCとか、CD再生機能を持つ機器は何台もあるが、音楽CDプレーヤーは仕事部屋にあるのみ。リビングで音楽を聴くときは、スマホ+ワイヤレススピーカーでストリーミング再生というお気軽スタイルだから、まったく困らなかったのだ。

CDを聴きたいとはどういう風の吹き回しか知らないが、とりあえずパパの仕事部屋で聴けば? と娘に水を向けると、面倒そうな表情。スピーカーに向かい腕組みして聴くようなものではないという。じゃあ、とノートPCを勧めると、そちらはCDの回転音が耳障りでイヤなのだそう。

それから数日後。ヤマハからデスクトップオーディオシステム「TSX-B237」新発売の知らせが届いた。お目当てのCD再生はもちろん、Bluetoothやファイル再生をサポートしているし、白基調のすっきりしたボディデザインが好印象。木目調のトップテーブルはスマートフォンのワイヤレス充電に対応、アラーム機能も備えているそう。これ、リビング用にちょうどいいかも? すぐに製品の借り出し依頼を行い、あれこれ試すことにした。

置くだけでスマホも充電できるヤマハのコンパクトオーディオシステム「TSX-B237」

置くだけでスマホも充電できるヤマハのコンパクトオーディオシステム「TSX-B237」

ワイヤレス充電対応で置くだけでスマホを充電できる

スピーカーとアンプが一体となったボックス型のオーディオコンポは、長年某社製品が通信販売で強いジャンルで、そこを切り崩すのが難しくて、とは競合他社の営業担当からよく聞く話。ヤマハは本邦オーディオメーカーとしてこのジャンルに孤塁を守っており、2008年には第1弾となる「TSX-130」、2012年には「TSX-B232」、そして2015年には「TSX-B235」という製品を発売している。

対応する音源はCDとBluetooth、USBメモリー、AUX、そしてワイドFMの5種類と変更はないが、約5年ぶりとなる今回のモデルはデザインやシンプルな操作性といったシリーズコンセプトを引き継ぎつつ、いくつか眼を見張るアップデートが行われている。

そのひとつが「ワイヤレス充電」。天面の木目調トップテーブルには、Qi(チー)規格対応の給電コイルが内蔵されており、同じくQiに対応したスマートフォンやモバイルバッテリーを充電できる。結果、トップテーブル上をスマートフォン置き場にしても印象はすっきり、インテリア性を保てるところがポイントだ。

Qi方式のワイヤレス充電に対応、天面でQi対応スマートフォンを充電できる

Qi方式のワイヤレス充電に対応、天面でQi対応スマートフォンを充電できる

木目調トップテーブルに用意された操作キーはタッチセンサー式

木目調トップテーブルに用意された操作キーはタッチセンサー式

もうひとつは「Bluetoothトランスミッター機能」。CDやUSBメモリーで再生した音楽をBluetoothで送信し、ワイヤレスイヤホン/ヘッドホンで聴くことができるのだ。ワイヤード/3.5mmステレオミニジャックも装備しているが、リスニングスタイルの選択肢が増えることは素直に歓迎できる。

Bluetoothトランスミッター機能を装備しており、BluetoothイヤホンやBluetoothヘッドホンにワイヤレスで音声を送信できる

USBメモリーを利用したファイル再生も大幅に強化。MP3やAACといったロッシー音源のほか、FLAC(最大192kHz/24bit)やALAC(最大48kHz/24bit)、WAV(192kHz/24bit)というロスレス/リニアPCMのハイレゾ音源も再生できるようになった。

スピーカーは前面にφ8cmのフルレンジを2基配置し、前モデルの15W+15Wから25W+25Wへとパワーアップしたアンプで駆動する。スピーカーユニットをリファインしたほか、内部レイアウトを再検討しスピーカー容積アップも図ったとのこと。背面のバスレフポートは1基(前モデルは左右2基)に変更されたが、一見して大型化されている。

最初はノリ気でなかったけれど…

試聴を開始すべく、iPhoneに専用アプリ「Multimedia Music Controller」をダウンロード、続いてTSX-B237の電源をオンにすると、すぐにアプリから操作できるようになった。ペアリング前のことだから、リモコン系の機能はBluetooth LEを利用しているのだろう。それはともかく、スマートフォン上の音源をBluetoothで聴くためにはBluetooth ClassicのA2DPプロファイルを使うため、ペアリングも完了させた。

準備らしい準備はこれだけ、まずはCDの再生をスタート。8cmフルレンジが奏でる音は予想以上にパワフルで、低域の量感もある。さすがにサウンドステージは広大とまではいかず、アコースティックギターのハーモニクスにも伸びが欲しいところだが、部屋を音楽で満たすようなリスニングスタイルには十分応えられる。

ところで、アプリのCD再生画面にはgracenoteのロゴが表示されているが、現時点ではアルバム名やアーティスト名は表示されない。CDを何枚か入れ替えてみたものの状況は変わらないどころか、10曲しか収録されていないアルバムにもかかわらず30曲以上のトラックが検出されるなど、動作が怪しいところもある。Android版も同様なところからすると、おそらく不具合なのだろう。なお、USBメモリー再生やBluetooth再生ではアルバム名などのメタデータ(画像を除く)は表示される。

アプリ「Multimedia Music Controller」では音質調整なども行える

アプリ「Multimedia Music Controller」では音質調整なども行える

ワイヤレス充電は、天面の「Qi」ロゴに重なるようスマートフォンを置けばOK。ヤマハに確認したところ、最大出力は7.5Wとのこと。Qiの高速充電規格(Extended Power Profile、15W)には対応していないが、5V/1.5A相当のパワーは十分満足できる水準だろう。

Bluetoothイヤホンでも試聴してみたが、思わぬ落とし穴が。Bluetooth/A2DP接続時は音量が固定になるため、ボリュームコントローラを装備したイヤホンでなければならないのだ。AirPodsのようにトランスミッター側での音量調整が想定されているイヤホンは、ほどよい音量にできないので注意したい。

付属のリモコン。こちらを使えば離れたところからでもボリューム調整が可能だ

付属のリモコン。こちらを使えば離れたところからでもボリューム調整が可能だ

娘の反応も確認してみたところ、かわいいけれど自分用には少し大きいかも...と最初はノリ気でなかったものの、ワイヤレス充電に大きく反応。自分のiPhone Xを上に載せておけばバッテリー残量を気にせずSpotifyを聴き続けられるところがいい感じ、なのだそう。PC/スマートフォンの流儀しか知らない世代なだけに、CDをリッピングできないことには納得いかない様子だったが、スピーカーとヘッドホンのどちらでも聴けるから(英語の)リスニング対策に使いたい、となんだかんだで反応は上々だった。

気軽に豊富な音源を楽しめる、スマートフォンとの相性良好な1台だ

気軽に豊富な音源を楽しめる、スマートフォンとの相性良好な1台だ

机にポンと置くだけでOKの設置性のよさ、CDやBluetooth、USBメモリーなど音源の豊富さ、ワイヤレス充電のサポートにBluetoothトランスミッター、アラームにお気に入り登録に...と多機能なこの製品、長く続くシリーズだけあって全方面にソツがない。スマートフォンアプリの完成度は気になるところだが、天面にタッチセンサータイプのボタンを配置するなど操作性も良好。リビングに置けば、いつの間にか家族全員が使いこなしている、そんなオーディオシステムになるはずだ。

海上 忍

海上 忍

IT/AVコラムニスト、AV機器アワード「VGP」審査員。macOSやLinuxなどUNIX系OSに精通し、執筆やアプリ開発で四半世紀以上の経験を持つ。最近はAI/IoT/クラウド方面にも興味津々。

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