モノ系ライターのナックル末吉です。さて、皆さんがご覧になっている「いいモノ調査隊」ですが、筆者の記事に使われている写真は、ほぼすべて自分で撮影した撮り下ろし画像となっています。
ときにはスマホやビデオカメラを使用することもありますが、基本的には一眼を使用しております。業界用語でいうところ「ブツ撮り」ですが、スマホのアクセサリーやPC周辺機器であれば、自宅に簡易セットを作って行っております。
ちょっと汚いですが簡易セットです。ここでいいモノ調査隊の撮影を行っています
筆者はプロカメラマンではないのですが、数々の現場でプロカメラマンのブツ撮りを見学していると、皆さんストロボなどのライティングには相当気を配ってらっしゃることがわかりました。
彼らが使っているのはもちろんプロ用の機材なので、まったく同じ環境とはいきませんが、我々も少しでもキレイに撮るための工夫はしたいものです。
そこで、今回は筆者が使い始めたばかりのストロボをご紹介します。
その製品とは国内ストロボメーカー「ニッシン」の「Air1+Di700Aキット」です。
では、まずは製品を見ていきましょう。
パッケージです
内包物は左から、専用ケース、Di700A本体、脚、Air1本体
本体です。もちろん首は可動します
本体背面(ファインダー側)には調光やモードの設定をするボタンやダイヤルが並びます
単3形乾電池4本で駆動します。出し入れは4本が収まるマガジンタイプにて
愛用のソニーα7IIに装着してみました。光の明るさを示すガイドナンバーは54。本体重量は380g
もちろんワイドパネルやキャッチライトパネルも搭載
こちらは専用ケース
専用だけあってジャストフィット
ここまで見ると、ごく普通のストロボのように思えます。そうなんです。Di700Aだけであれば、普通のストロボとして使用するだけです。低価格なのに使い勝手がいいいスペックなので、初心者からプロまで幅広く愛用されている高コスパモデルです。
ここまではただのDi700Aの紹介ですが、本製品は「キット」と銘打つだけあって、ここで終わるはずがありません。
まずはこれを見てください。
Air1という製品名の無線発信器です。コマンダーともいいます
さて、このAir1ですが、カメラのホットシュー(通常ストロボを装着するコネクタ)に接続すると、Di700Aをカメラから離して発光させることができる代物です。つまり、ストロボをワイヤレス発光させて、カメラとは違う位置、違う向きから被写体に光をあてることができるのです。
カメラに装着してみました
ストロボは自立するように付属の「脚」を取り付けます
これで準備は完了です
たとえば被写体からこの位置にストロボを置いてみます
それで、被写体の正面からパチリ。作例はわかりやすくなるように右からの光を強調していますが、明らかにカメラとは違う方向から発光しているのがわかります
たとえば、このように上から発光すると…
なんとなくソレっぽくなってきましたね
ストロボのワイヤレス発光ですが、工夫次第ではプロっぽい写真を撮影することが可能です。たとえば、ストロボの位置を変えてみるとか、あえて一部だけに光があたるようにするとか。
一般的なワイヤレスストロボは赤外線やマスターと呼ばれる親機にあたるストロ
ボの光をオフカメラ(カメラから外してある側のストロボ)が受けとることでリ
モート発光できますが、このDi700AとAir1のキットは電波式を採用しています。
電波式のメリットとして、コマンダーとストロボの間に遮蔽物があっても電波が
届きやすく、到達距離も長いことが挙げられます。このことにより、より自由な
角度が光をあてられることになります。
このAir1は最大で30mの距離からDi700Aを発光することが可能で、複数台のストロボを同時に発光することもできます。Di700Aは単体でも販売されていますので買い増しすれば、俗に言う2灯3灯も夢ではなく、最大で21灯まで可能となっています。
しかし、このキットの最大のポイントはその値段にあります。ほかのメーカーでも同様のワイヤレス発光可能なキットやコマンダーが発売されていますが、いずれも高価。その点、このキットはストロボとコマンダーがセットになって3万円以下とアマチュアでも入手しやすい価格帯なのは、なんといっても魅力的です。
ワイヤレス発光はブツ撮りだけでなく人物撮影などにも有効なので、1つ上の写真を目指すならおすすめできる1台です。
ちなみに、筆者は先日、台湾で行われた世界的なコンピューターの見本市に取材に行ってきたのですが、コンパニオン撮影にDi700Aがフルフルで活躍しましたとさ。
ビッグイベントだけあってコンパニオンのレベルが高い。カメラ小僧と化した筆者のあられもない姿…
スマホ、パソコン、家電などのガジェット系記事を執筆するモノ系ライター。それ以外にもハイレゾオーディオや文房具、バイク、食レポなどについても執筆するため「節操がないのが持ち味」と豪語する。