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キヤノンから、フルサイズ機とAPS-C機それぞれの新エントリーモデルが登場! ユーザーの反応は?

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2017年6月29日、キヤノンから2機種のデジタル一眼レフカメラの新モデルが発表された。うちひとつは、フルサイズセンサー機としての新エントリーモデル「EOS 6D Mark II」で、もうひとつは、APS-C機の新エントリーモデルとなる「EOS Kiss X9」だ。この2つのエントリーモデルが、どのようにユーザーに受け止められているのか、その速報をお伝えしたい。

高コスパで好評を得た「EOS 6D」の後継機となる「EOS 6D Mark II」は、かなりの注目度

キヤノン「EOS 6D Mark II」

キヤノン「EOS 6D Mark II」

まずは、8月上旬に発売予定の「EOS 6D Mark II」から見てみよう。モデル名からもわかるように、本機は2012年に発売されたフルサイズ機のエントリーモデル「EOS 6D」の後継モデル。「EOS 6D」は、キヤノンの一眼レフカメラのラインアップでは、上級機「EOS 5D」の下位に位置する製品であるが、「EOS 5D」シリーズの特徴を受け継ぎつつ、フルサイズセンサー搭載ながらもボディを小型化。販売価格もボディのみで20万円弱と、上級機「EOS 5D」の半額程度に抑えたことで人気を呼んだ製品だ。

その「EOS 6D」の発売から5年ぶりのモデルチェンジとなる「EOS 6D Mark II」であるが、この5年という年月の間に、「EOS 5D」は「Mark III」から「Mark IV」へと進化を遂げており、この下のクラスとなるAPC-C機のフラッグシップモデル「EOS 7D」も「Mark II」へと進化している。こうした技術進化を取り入れて、ブラッシュアップを図ったのが、今回の「EOS 6D Mark II」と言っていいだろう。

そのため、前モデル「EOS 6D」と比べると、実にあらゆる部分が変わっている。搭載される新開発のフルサイズセンサーは、有効画素数が2020万画素から2620万画素へと大幅向上。連写速度も4.5コマ/秒から6.5コマ/秒へと向上した。搭載される映像エンジンは「DIGIC 7」で、「EOS 6D」の「DIGIC 5+」から大幅に進化。なお、上位モデル「EOS 5D Mark IV」の映像エンジンは「DIGIC 6+」なので、映像エンジン自体はシリーズでは一番新しいことになる。これに伴い、オートフォーカス(AF)精度も大きく向上しており、従来11点のAF測距点は最大45点へと大幅向上。感度も最高でISO40000まで対応するなど、高感度撮影にも強くなっている。また、「EOS」シリーズのフルサイズ機としては初のバリアングル液晶を搭載するなど、使い勝手の面でも進化している。ざっと見ただけでもこれだけの進化を遂げているが、ボディサイズや重量は前モデルとほぼ同じで、「EOS 6D」の特徴でもあったコンパクト性は保たれている。

図1:主要デジタル一眼レフカメラ5製品のアクセス推移(過去3か月)

図1:主要デジタル一眼レフカメラ5製品のアクセス推移(過去3か月)

図2:主要デジタル一眼レフカメラ5製品の注目ランキング推移(過去3か月)

図2:主要デジタル一眼レフカメラ5製品の注目ランキング推移(過去3か月)

図3:主要デジタル一眼レフカメラ5製品の売れ筋ランキング推移(過去3か月)

図3:主要デジタル一眼レフカメラ5製品の売れ筋ランキング推移(過去3か月)

このように、従来モデルに比べて大幅な強化が図られた「EOS 6D Mark II」だが、発表後のユーザーの反応も上々だ。図1は、「価格.comトレンドサーチ」で見た、主要デジタル一眼レフカメラ5製品のアクセス推移を示したものだが、「EOS 6D Mark II」は、発表直後からかなりの勢いで注目を集めており、他の現行モデルを大きく引き離す人気となっている。これを受けて、注目ランキングでは早くも1位を獲得(図2)。のみならず、売れ筋ランキングでも現状1位につけており、多くのユーザーが、事前予約を行っていることがわかる。

クチコミもすでに900件を超える数が投稿されており、本機の注目度の高さを物語っている。特に、新搭載のバリアングル液晶に対しては好感が持たれているようで、これに対するクチコミが多く見られた。APS-Cクラスの「EOS 7D」シリーズや「EOS 80D」などからのステップアップ組が多そうだが、なかには上級シリーズの「EOS 5D」シリーズのユーザーからも購入したいという意見があるなど、非常にバランスのよい製品という印象を、多くのユーザーが受けているようだ。

図4:キヤノンの主要デジタル一眼レフカメラの最安価格比較(過去1か月)

図4:キヤノンの主要デジタル一眼レフカメラの最安価格比較(過去1か月)

問題があるとすればその価格だろう。図4は、キヤノンの主要デジタル一眼レフカメラの最安価格を比較したものだが、「EOS 6D Mark II」の現状の最安価格(予価)は22万円弱。確かに、上級機の「EOS 5D Mark IV」の32万円台と比べれば10万円以上安いが、現行の「EOS 6D」は12万円程度まで最安価格が下がっており、これと比べると10万円ほど高い。もちろん、発売直後には20万円を切り、18万円前後まで最安価格が下がるものと予想されるが、クチコミなどでは「15万円くらいになったら買う」との声も多く、やや割高という印象を持っている人も多い。逆にAPS-Cクラスの製品は、「EOS 7D Mark II」が12万円弱、「EOS 80D」が10万円弱ということで、このあたりのクラスのユーザーがステップアップするのにも、やはり15万円程度というのが、本機がブレイクするひとつの目安になりそうだ。

実に4年ぶりに発売された真のエントリーモデル「EOS Kiss X9」は、意外なほどに低い注目度でスタート

キヤノン「EOS Kiss X9」(キットレンズ装着時)

キヤノン「EOS Kiss X9」(キットレンズ装着時)

いっぽう、キヤノン「EOS」シリーズのボトムラインを担う新エントリー機として、7月下旬に発売されるのが、「EOS Kiss X9」だ。「EOS Kiss」シリーズは、ほぼ毎年モデルチェンジを行っており、最新モデル「EOS Kiss X9i」は今年2月に発売されているが、末尾に「i」が付かない、真の意味でのエントリーモデルの「EOS Kiss」シリーズとしては、2013年に発売された「EOS Kiss X7」以来、実に4年ぶりのモデルチェンジとなる。「EOS Kiss X7」は、4年以上もの長期にわたって価格.comの売れ筋ランキングでも常に上位をキープしているほどの、大人気ロングセラーモデルだが、その「EOS Kiss X7」の後継機となるだけに、多くのユーザーの注目を集めそうに思えた。

しかしながら、2017年7月5日時点で、本機「EOS Kiss X9」の注目度はさほど高くない。注目ランキングでは19位、売れ筋ランキングでは93位と、上記の「EOS 6D Mark II」と比べると対照的なほど注目度が低い。ベストセラー機の後継機、しかも、「必ず売れる」ことを宿命づけられた「EOS Kiss」シリーズのエントリーモデルとしては、いささか低すぎる出だしとなっているのだ(図5)。

図5:キヤノンの主要エントリー向けデジタル一眼カメラのアクセス比較(過去1か月)

図5:キヤノンの主要エントリー向けデジタル一眼カメラのアクセス比較(過去1か月)

この不人気の理由をクチコミに求めてみたところ、「本体重量が重くなった」という意見が結構多いことがわかった。ちなみに、「EOS Kiss X9」の重量(ボディ)は406g。軽量・コンパクトで人気を得た前モデル「EOS Kiss X7」が370gなので、確かに36g程度重くなっている。ボディサイズもわずかながら大きくなった。それでも、末尾に「i」がつかない最新モデルの「EOS Kiss X9i」の重量485gと比べれば十分軽く、コンパクトだ。それでも、ユーザーからの反応があまりよくないのは、「X7のウリはバリアングルすら諦めてでも軽くする心意気だったと思う」「X7はシンプルな小型軽量機として売れていたわけだからWi-Fiと受光素子、DIGICのアップデート程度で、X7nとかX7IIとかのほうがよかったかもしれませんね」など、やはり末尾に「i」がつかない「EOS Kiss」シリーズは、従来通りの軽量・コンパクトボディであってほしかった、という声が多い。

しかしながら、4年前に発売された「EOS Kiss X7」と比べると、「EOS Kiss X9」は、ほとんどの部分で大幅な進化を遂げており、スペックだけを見ると、ほぼ先行発売された「EOS Kiss X9i」と中身は共通。「EOS Kiss X7」にはなかった、Wi-Fi機能やスマホとの連動操作が行えるBluetooth機能、バリアングル液晶が搭載されるなど、圧倒的に機能は増えている。でありながら、「EOS Kiss X9i」よりも80gほど軽いボディを実現し、最安価格も現状では「EOS Kiss X9i」より15,000円ほど安い63,659円(ボディ。予価)と、キヤノンとしてもかなり頑張ったことは見て取れる(図6)。

図6:キヤノンの主要エントリー向けデジタル一眼カメラの最安価格比較(過去1か月)

図6:キヤノンの主要エントリー向けデジタル一眼カメラの最安価格比較(過去1か月)

しかしながら、ここまで事前の注目度が低いのは、もはやデジタル一眼カメラのエントリー機としての「EOS Kiss」シリーズの立場が相対的に下がっているからではないだろうか。今や、デジタル一眼カメラのエントリー機の中心は、よりコンパクトなミラーレス機に移っている。「EOS Kiss X7」が発売された4年前と大きく状況が異なっているのは、この点だろう。キヤノンのラインアップの中でも、「EOS M」シリーズというミラーレス機が展開しており、こちらはよりコンパクトで、なおかつ性能も悪くない。性能を求めるのであれば、「EOS M6」や、末尾に「i」のついた「EOS Kiss X9i」を選ぶというユーザーも少なくないだろう。こうした状況の中、久々に登場した真のエントリーモデル「EOS Kiss X9」が、ユーザーからどのように受け止められるのか、しばらく注視していきたいところだ。

鎌田 剛(編集部)

鎌田 剛(編集部)

価格.comの編集統括を務める総編集長。パソコン、家電、業界動向など、全般に詳しい。人呼んで「価格.comのご意見番」。自称「イタリア人」。

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2017.9.23 更新
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