特集
“はじめてのフルサイズ”に適した最新4モデルをピックアップ

フルサイズミラーレス徹底比較! 「EOS RP」「EOS R」「α7 III」「Z 6」の違いをレビュー

オートフォーカス(AF)

●ポイント
・AF-Sのワンショットで撮る分には4モデルに差はない
・AF-Cの性能はα7 IIIが一歩リード
・低照度限界はEOS RP、EOS R、Z 6がすぐれている
・EOS RP/EOS Rはフォーカスレバー非搭載

AFのスペックは、メーカーによって表記が異なっていることもあって、測距点や選択可能なポジションの数を比較しても意味がない。実際に使い比べてみたが、4モデルともに高速なピント合わせが可能な像面位相差AFに対応しており、それぞれに得意・不得意な被写体のクセはあるものの、ある程度明るい状況で、AF-S(シャッターボタンを半押しすると1度ピントを合わせるモード)のワンショットで撮る分にはAFの速度・精度で気になるような差はないと感じた。

●AFシステム
・EOS RP:デュアルピクセルCMOS AF対応、撮像範囲の横約88%×縦約100%をカバー、低照度限界EV-5
・EOS R:デュアルピクセルCMOS AF対応、撮像範囲の横約88%×縦約100%をカバー、低照度限界EV-6
・α7 III:693点の像面位相差AFセンサー、撮像範囲の約93%をカバー、低照度限界EV-3
・Z 6:273点のフォーカスポイント(撮像面全体に像面位相差AF画素を配置)、撮像範囲の水平・垂直約90%をカバー、低照度限界EV-3.5(ローライトAF時EV-6)

差を感じたのはAF-C(シャッターボタンを半押ししている間、ピントを合わせ続けるモード)での動く被写体に対するAF性能だ。α7 IIIはフラッグシップモデル「α9」から継承したAFシステムを採用しており、動く被写体に対する食いつきのよさ、追従性の高さは4モデルの中で頭ひとつ抜けている。性能が向上した「デュアルピクセルCMOS AF」を採用するEOS RP、EOS Rも頑張ってはいるがα7 IIIほどではないという印象。さすがに、フルサイズミラーレスをいち早く商品化したソニーに一日の長がある部分だ。

α7 IIIで動く被写体(離陸する飛行機)をAF-Cで撮影している様子。動く被写体への追従性は4モデルの中で最も高い

スペックを見ると、低照度限界(値が低いほうがより暗いところでAFを利用できることを表す)はEOS RP、EOS R、Z 6の3モデルがすぐれている。EOS RPの低照度限界はEV-5、EOS Rはそれよりも1段分暗いEV-6、Z 6はローライトAF時にEV-6となっている(※Z 6は2019年5月16日リリースのファームウェアVer.2.0で暗所AF性能が向上)。 EV-4でだいたい星空くらいの明るさとなるので、肉眼では被写体を捉えられないような真っ暗な状況でもAFでピント合わせたい場合はこの3モデルが優位だ。ただし、低照度限界はレンズの絞り値などの条件がある点には注意。EOS RPとEOS Rは絞り値F1.2、ほかの2モデルはF2.0で出るスペックだ。レンズキットに付属する標準ズームレンズなど開放絞り値が大きいレンズでは、ボディの低照度限界の性能をフルに生かすことはできない。

EOS RPに開放F1.2の標準レンズ「RF50mm F1.2L USM」を装着して星空をAF撮影した際のモニター画面。かなり暗い状況だがAFでピントを合わせることができた

AFの操作性では、フォーカス枠をダイレクトに移動できるフォーカスレバーの有無に違いがある。α7 IIIとZ 6は搭載しているが、EOS RPとEOS Rは非搭載。タッチAFやタッチパッドAFといったタッチ操作でカバーできるとはいうものの、フォーカスレバーのほうが、より確実かつ直感的にフォーカス枠を移動できる。液晶モニターでのフレーミングが中心になるならそれほど気にしなくてもいいが、動く被写体を追従する場合など、ファインダーを覗きながら集中して撮ることが多いのであればフォーカスレバーがあったほうが使いやすいと感じるだろう。

α7 IIIとZ 6はフォーカス枠をダイレクトに移動できるフォーカスレバーを搭載(画像はZ 6)

α7 IIIとZ 6はフォーカス枠をダイレクトに移動できるフォーカスレバーを搭載(画像はZ 6)

EOS RPとEOS Rはフォーカスレバーを搭載していない(画像はEOS R)

EOS RPとEOS Rはフォーカスレバーを搭載していない(画像はEOS R)

瞳AF

●ポイント
・4モデルとも瞳AFに対応
・α7 IIIは動物に対しても瞳AFが可能

ポートレート撮影の難しいところは、人物の瞳に確実にピントを合わせること。特に、中望遠レンズや望遠レンズで絞りを開けると被写体がふわっと浮き出るような立体感が得られるが、そのいっぽうで被写界深度が浅くなるためピント合わせが難しくなる。それを助けてくるのが、人物の瞳を検出して自動的にピントを合わせる瞳AF。フォーカス枠を設定する必要がないのでポージングの自由度が増すのも特徴で、ポートレート撮影ではとても便利な機能だ。

瞳AFは4モデルとも対応しており、いずれもAF-Cで瞳の追従も可能(※EOS Rは2019年4月18日にリリースされたファームウェアVer.1.2.0で瞳AFのサーボAF対応を実現。Z 6は2019年5月16日リリースのファームウェアVer.2.0で搭載)。それぞれを使い比べてみると、瞳の認識率、反応の早さ、追従性においてα7 IIIの性能の高さが印象に残った。
※Z 6の瞳AFについては、ニコン「Z 7/Z 6」注目の新機能「瞳AF」を動画で速攻チェック!(2019年5月19日公開)をご覧ください。

α7 IIIの瞳AFの利用時の画面。ファームウェアVer3.0で「リアルタイム瞳AF」に進化し、シャッターボタン半押しでの動作に対応するようになった

EOS RPの瞳AF。サーボAFでの追尾にも対応している

EOS RPの瞳AF。サーボAFでの追尾にも対応している

Z 6は2019年5月公開予定のファームウェアアップデートによって瞳AFが追加される。AF-Cに対応し、左目・右目はサブセレクターで切り替えることが可能だ(画像は「CP+2019」のニコンブースでベータ機を撮影したもの)

加えて、ソニーは、犬や猫などの一部の動物に対しても瞳AFが利用できるように機能を強化。α7 IIIでは2019年4月11日公開のファームウェアVer.3.0でこの機能が実装されている。現時点ではキヤノンとニコンのカメラにはない機能だ。

α7 IIIは犬や猫など動物の瞳AFに対応。瞳AFの設定を人物から動物に切り替えることで利用できる(人物と動物の瞳を同時検出は不可)

連写性能

●ポイント
・AF/AE追従連写はZ 6とα7 IIIが速い
・AFの追従性を含めて動体撮影能力はα7 IIIがすぐれている

●AF/AE追従の連写性能
・EOS RP:約4コマ/秒(AF1コマ目固定だと約5コマ/秒)
・EOS R:約5コマ/秒(AF1コマ目固定だと約8コマ/秒)
・α7 III:約10コマ/秒
・Z 6:約12コマ/秒(※14ビットRAW時は約9コマ/秒)

スペックを見ると、AF/AE追従で約12コマ/秒連写が可能なZ 6(2019年5月16日リリースのファームウェアVer.2.0で、AE1コマ目固定だった約12コマ/秒の高速連写がAE追従になり、AF/AE追従になった)と、10コマ/秒連写が可能なα7 IIIの連写速度が速いことがわかる。実際に使ってみると、AFの追従性が高いこともあって、AF追従と連写を組み合わせた撮影能力はα7 IIIが最もすぐれていると感じた。連写の持続性も高く、RAW記録時の撮影可能コマ数は、EOS RPが約50コマ、EOS Rが約34コマ、α7 IIIが約89コマ、Z 6が約43コマとα7 IIIが抜けている。AFの追従性、連写速度、連写持続性のすべてのレベルが高く、4モデルの中では動く被写体に最も強いカメラだ。

シャッタースピード

●ポイント
・EOS RPのみ最速1/4000秒。ほかは最速1/8000秒
・EOS RPはシャッターユニットの耐久性も低い

●シャッター周りの仕様
・EOS RP:最速1/4000秒、フラッシュ同調1/180秒、耐久約10万回
・EOS R:最速1/8000秒、フラッシュ同調1/200秒、耐久約20万回
・α7 III:最速1/8000秒、フラッシュ同調1/250秒、耐久約20万回
・Z 6:最速1/8000秒、フラッシュ同調1/200秒、耐久約20万回

EOS R、α7 III、Z6の3モデルは、最速1/8000秒のシャッタースピードに対応している。耐久性も約20万回を確保。いっぽうのEOS RPは最速1/4000秒、耐久約10万回とスペックが低くなっている。

シャッタースピードが最速1/4000秒で困るのは、明るい晴天下で、F1.8よりも口径の大きなレンズを使用して絞り開放で撮る場合に露出オーバーになること。EOS RPの場合、明るい晴天下でどうしても大口径レンズの絞り開放で撮りたいなら、NDフィルターを使う必要があることは覚えておいてほしい。

フラッシュの同調速度はEOS RPが1/180秒、EOS Rが1/200秒、α7 IIIが1/250秒、Z 6が1/200秒。EOS R、α7 III、Z 6の3モデルは、1/3段の差ではあるが、ハイスピードシンクロではない通常の日中シンクロでより絞りを開けられるのは同調1/250秒対応のα7 IIIだ。本格的にポートレート撮影を撮るならこの差を気にするかもしれないが、そもそも4モデルともフラッシュを内蔵しておらず、外部フラッシュを使用しないのであれば気にしなくていいだろう。

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