特集
“はじめてのフルサイズ”に適した最新4モデルをピックアップ

フルサイズミラーレス徹底比較! 「EOS RP」「EOS R」「α7 III」「Z 6」の違いをレビュー

バッテリー

●ポイント
・α7 IIIが最も高性能
・EOS RとZ 6も1000〜1500枚は撮れる。十分な性能

●1回の充電での撮影可能枚数
・EOS RP:約250枚
・EOS R:約370枚
・α7 III:ファインダー使用時:約610枚、液晶モニター使用時:約710枚
・Z 6:ファインダーのみ使用時:約310枚、液晶モニター使用時:約380枚

撮影可能枚数のスペックだけを見ると、バッテリー性能はα7 IIIが大きくリードしているように思えるが、実際はEOS RとZ 6も十分な枚数を撮れる。撮り方にもよるがワンショットでの撮影が中心なら、EOS R、Z 6、α7 IIIの3モデルは1回の充電で少なくとも1000〜1500枚程度の撮影が可能。平均するとα7 IIIが最も撮れる枚数は多いが、スペックのような大きな差はない。これら3モデルと比べると容量の少ないバッテリー(EOS Kiss X9i、EOS M5などと同じLP-E17)を採用するEOS RPは、実際は800〜1000枚程度といったところ。

動画撮影

●ポイント
・EOS RPのみ4K/24p記録。ほかは4K/30p記録
・α7 III、Z 6はフルサイズ領域での4K記録が可能

●4K動画撮影の仕様
・EOS RP:4K/24p(クロップ撮影、コントラストAF)
・EOS R:4K/30p(クロップ撮影)
・α7 III:4K/30p(フルサイズ領域で全画素読み出しが可能)
・Z 6:4K/30p(フルサイズ領域で全画素読み出しが可能)

4モデルともに4K解像度の動画撮影が可能。同じ4K記録といっても仕様が異なっており、EOS RPのみフレームレートが24pで、ほかの3モデルは30pに対応している。加えて、α7 IIIとZ 6は、フルサイズ領域のまま、画素加算のない全画素読み出しでの4K記録が可能。フルサイズ領域からクロップしての4K記録となるEOS RPとEOS Rと比べると、画質的にはα7 IIIとZ 6のほうが有利だ。

動画撮影にこだわるのであれば、特にEOS RPの仕様には注意したい。4K記録が24p記録にとどまっているうえ、4K記録時はAFがデュアルピクセルCMOS AFではなくコントラストAFに限定される。4K記録以外でも、ログ撮影(Canon Log)に非対応で、ハイビジョン120p記録なども搭載しておらず、EOS Rと比べると機能性は劣る。

ボディ内手ブレ補正

●ポイント
・α7 III、Z 6が5軸対応のボディ内手ブレ補正を搭載
・EOS RP/EOS Rは非搭載

4モデルの中でボディ内手ブレ補正を搭載しているのはα7 IIIとZ 6。どちらも5軸補正に対応し、補正効果も約5.0段分で共通。両モデルの手ブレ補正はほぼ同じスペックとなっている。実際に使い比べてみても性能に差はほとんどないように感じた。

ボディ内手ブレ補正は、どんなレンズを装着しても手ブレを補正できるのが便利なところ。マウントアダプターを介して、手ブレ補正のないオールドレンズや他社製レンズを使いたい場合でも手ブレを補正することができる。また、ボディ内手ブレ補正は、レンズ側の手ブレ補正では抑えらない回転ブレに対応するのもポイントだ。「他社製も含めていろいろなレンズを使って手ブレを抑えて撮影したい」と考えているのなら、ボディ内手ブレ補正を搭載したモデルを選んだほうが満足感は高くなるだろう。

α7 IIIとZ 6は5軸補正対応のボディ内手ブレ補正機能を搭載(画像はα7 IIIのイメージ)

α7 IIIとZ 6は5軸補正対応のボディ内手ブレ補正機能を搭載(画像はα7 IIIのイメージ)

メモリーカードスロット

●ポイント
・α7 IIIのみデュアルスロット
・実用的にはシングルスロットで十分

●メモリーカードスロットの仕様
・EOS RP:SDカード(UHS-II対応)のシングルスロット
・EOS R:SDカード(UHS-II対応)のシングルスロット
・α7 III:SDカード(UHS-II対応)と、SDカード(UHS-I対応)/メモリースティック PRO デュオのデュアルスロット
・Z 6:XQDカードのシングルスロット

α7 IIIのみ2基のカードスロットを持つデュアルスロット仕様となっている。2枚のカードを利用できるデュアルスロットのメリットは、カードを交換することなく多くの枚数を連続して撮影できることと、バックアップの同時記録が可能でデータ破損やカード紛失のリスクを抑えられることが挙げられる。

ただ、どのモデルもデータ書き込みの動作は安定しているので、カメラでフォーマットを行った、メーカー推奨のメモリーカードを使用する限りは、撮影中のデータ破損はゼロではないだろうが考えにくい。撮影後にメモリーカードの即時納品が求められるようなプロユースは別だが、2枚のカードへの同時記録やJPEG/RAWの分割記録が必要ないのなら、実用的にはシングルスロットで十分。はじめてのフルサイズミラーレス選びでは、デュアルスロットにはそれほどこだわらなくていいと思う。

α7 IIIはスロット1がUHS-II対応のデュアルスロットを採用

α7 IIIはスロット1がUHS-II対応のデュアルスロットを採用

Z 6はほかとは異なり、SDカードよりも高速なデータ通信が可能なXQDカードを先駆けて採用している。現在主流のSDカードを利用できない点は残念だが、XQDカードは通信速度だけでなく堅牢性にもすぐれており、カードの抜き差しに対する安心感も高く、物理的な破損の心配がSDカードより少ないのもいいところ。また、Z 6は今後のファーウェアアップデートで次世代のメモリーカード規格「CFexpress」への対応も予定されており、将来的に大容量かつ高速通信が可能になるのは見逃せないポイントだ。

Z 6は高速かつ堅牢性にすぐれるXQDカードをいち早く採用

Z 6は高速かつ堅牢性にすぐれるXQDカードをいち早く採用

堅牢性

●ポイント
・EOS R、Z 6はフルマグネシウム合金ボディ
・防塵・防滴性能の差はあまり気にしなくていい

4モデルともボディの素材にマグネシウム合金を採用し、高い堅牢性を確保している。EOS RとZ 6は内部フレーム、トップカバー、フロントカバー、リアカバーのすべてにマグネシウム合金を採用。α7 IIIはリアカバーのみ樹脂となっている。EOS RPはシャーシの基本部にマグネシウム合金を採用し、外装を樹脂とすることで軽量化を実現した。

EOS R、Z 6はフルマグネシウム合金ボディを採用(画像はZ 6)

EOS R、Z 6はフルマグネシウム合金ボディを採用(画像はZ 6)

4モデルともにボディ各所にシーリングを施し、防塵・防滴性能を有しているのは共通している。なかでも信頼性が高いのは、高性能なフルサイズ一眼レフ「D850」と同等の防塵・防滴性能を実現したと明言しているZ 6だろう。EOS RPとEOS Rの2モデルは大きな違いがないと思われるが、EOS RPはバッテリー室や端子カバーにシーリング部材が採用されていないことからも、EOS Rよりも防塵・防滴性は劣る。

ただし、一眼レフを含めてデジタル一眼カメラの防塵・防滴性能は、フラッグシップモデルは別だが中上級機では実用的に差がないと思う。実際はレンズにも防塵・防滴性が求められることに加えて、防水性能ではないので、雨の中など厳しい環境で使用するにはレインカバーを使うなど相応のケアが必要になるのは、どのモデルも変わりがない。アウトドアで本格的に撮影をするのであれば少しでも防塵・防滴性能の高いモデルを選びたいが、そうでないならそれほど重要視しなくていいだろう。

4モデルともボディ各所にシーリングを施し、防塵・防滴性能を実現(画像はEOS R)

4モデルともボディ各所にシーリングを施し、防塵・防滴性能を実現(画像はEOS R)

インターフェイス

●ポイント
・搭載する端子の種類はほぼ同じ
・α7 IIIはUSB充電だけでなく給電にも対応

HDMI端子の種類が異なるなどの違いはあるものの、4モデルともシンクロ端子がなく、USB、HDMI、マイク入力、ヘッドホン端子、リモコン接続対応の端子を搭載している点は共通している。

●インターフェイスの仕様
・EOS RP:USB(Type-C)、HDMI(Type C)、マイク入力、ヘッドホン出力、リモコン端子(リモートスイッチRS-60E3対応)
・EOS R:USB(Type-C)、HDMI(Type C)、マイク入力、ヘッドホン出力、リモコン端子(RA-E3を使用することでTC-80N3も使用可能)
・α7 III:USB(Type-C)、HDMI(Type D)、マイク入力、ヘッドホン出力、マルチ/マイクロUSB端子
・Z 6:USB(Type-C)、HDMI(Type C)、マイク入力、ヘッドホン出力、アクセサリーターミナル

異なるのはUSB経由の充電機能。EOS RP、EOS R、Z 6の3モデルがUSB充電(外部バッテリーをUSBケーブルで接続して本体内でバッテリーを充電できる機能)のみの対応なのに対して、α7 IIIはUSB充電に加えてUSB給電(外部バッテリーを接続して給電しながら撮影ができる機能)にも対応。USB(Type-C)もしくはマルチ/マイクロUSB端子での充電・給電が可能となっている。

USB給電は、実用的には、タイムラプス動画用の素材の撮影や、星の軌跡写真の素材の撮影など、バッテリーの容量を超える長時間の撮影で重宝する。こうした撮影に本格的に取り組むのであれば、あると非常に便利な機能である。

α7 IIIのボディ左側面。USB(Type-C)もしくはマルチ/マイクロUSB端子経由での充電・給電に対応している

α7 IIIのボディ左側面。USB(Type-C)もしくはマルチ/マイクロUSB端子経由での充電・給電に対応している

マウントアダプター

●ポイント
・どのメーカーも一眼レフ用レンズを装着できるマウントアダプターを用意
・キヤノンのEF-EOS RはEF-Sレンズも装着できる
・キヤノンはドロップインフィルター付きのマウントアダプターも用意

キヤノン、ソニー、ニコンはいずれも、自社の一眼レフ用レンズをフルサイズミラーレスに装着できるマウントアダプターを用意している。同じメーカーのフルサイズミラーレスであれば、一眼レフのレンズ資産を活用することが可能だ。

注目してほしいのはキヤノン。一眼レフ用の「EFレンズ」を装着できるマウントアダプター「EF-EOS R」を用意しているが、このアダプターはAPS-C一眼レフ用の「EF-Sレンズ」を装着することができるのだ(※APS-Cミラーレス用の「EF-Mレンズ」の装着は不可)。ソニーとニコンもマウントアダプターを介してAPS-C一眼レフ用レンズを装着できるのでキヤノンだけ特別というわけではないのだが、キヤノンの一眼レフはフルサイズ機にAPS-C用レンズを装着することは物理的に不可能。キヤノンの一眼レフユーザーにとって、フルサイズミラーレスでEF-Sレンズを利用できるのは見逃せないポイントになるはずだ。

さらに、キヤノンは、ドロップインフィルターを装着できる2種類のマウントアダプターをラインアップしているのも面白い。ひとつは可変式NDフィルターが付属するモデルで、もうひとつはPLフィルターが付属するモデル。可変式NDフィルターは、ND3〜500相当の濃度の調整が可能だ。超広角レンズやフィッシュアイレンズなど、フロント側にフィルターが装着できないレンズに対してフィルターを利用できるのが便利だ。

キヤノンはドロップインフィルターのホルダー機能を持つマウントアダプターを用意。左が可変式NDフィルター付属のマウントアダプターで、右がPLフィルター付属のマウントアダプター

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