レビュー

大幅進化のDJI「Osmo Pocket 3」レビュー! ジンバルカメラのベストチョイス?

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DJI「Osmo Pocket」シリーズはポケットサイズのジンバルカメラ。手軽に安定した動画を撮れることで初代から人気を博してきたこのシリーズの最新モデル「Osmo Pocket 3」が登場しました。シリーズ初の1インチCMOSセンサーや、回転型タッチディスプレイなど見どころ満載の本製品を、実際の作例を交えてチェックしてきましょう。

DJI「Osmo Pocket 3」。公式サイトでの販売価格は74,800円(税込)

DJI「Osmo Pocket 3」。公式サイトでの販売価格は74,800円(税込)

後継モデルというより上位モデルのシリーズ3代目

まずは、「Osmo Pocket 3」の基本スペックを紹介しましょう。

レンズは焦点距離20mm(35mm判換算)で、絞り値がF2、フォーカス範囲が0.2m〜∞。感度は写真撮影時がISO50〜6400、動画撮影時がISO50〜6400、低照度の動画撮影時がISO50〜16000、スローモーション動画撮影時がISO50〜6400。電子シャッター速度は写真撮影時が1/8000秒〜1秒、動画撮影時が1/8000秒〜1/X秒(Xはフレームレート設定値)。最大静止画サイズは16:9で3840×2160、1:1で3072×3072。動画解像度は最大4K(3840×2160、16:9)で24/25/30/48/50/60fpsのフレームレートに対応しています。

ディスプレイは2インチで、90度回転可能。本体サイズは42.2(幅)×139.7(高さ)×33.5(奥行)mmで、重量は179g。1300mAhのリチウムイオンポリマーバッテリーを内蔵しており、動作時間は166分(1080p/24fps動画撮影、Wi-Fiオフ、画面オフ)。充電時間は80%まで16分、100%までで32分とされています。

従来モデルの「DJI Pocket 2」と比較すると、大きく変更されたのは下記のとおり。価格的にも大きな差があるので、後継モデルというよりは上位モデルと考えたほうがよいですね。

「DJI Pocket 2」から「Osmo Pocket 3」の主な変更点

タッチディスプレイ 1.08インチ(220×240、500nit) → 2インチ(314×556、700nit)
マイク 4個 → 3個
サイズ/重量 38.1(幅)×124.7(高さ)×30(奥行)mm/117g → 42.2(幅)×139.7(高さ)×33.5(奥行)mm/179g
センサー 1/1.7インチCMOS → 1インチCMOS
感度 ISO100〜6400 → ISO50〜16000
スローモーション 最大1080p/120fps → 最大4K/120fps
バッテリー 875mAh → 1300mAh
動作時間 140分 → 166分
充電時間 73分 → 32分

正面に回転可能なタッチディスプレイ、スピーカー、5Dジョイスティック、シャッター/録画ボタンを、左側面にmicroSDメモリーカードスロットを搭載。右側面にはストラップ穴が設けられています。マイクは左右側面と背面に配置

正面に回転可能なタッチディスプレイ、スピーカー、5Dジョイスティック、シャッター/録画ボタンを、左側面にmicroSDメモリーカードスロットを搭載。右側面にはストラップ穴が設けられています。マイクは左右側面と背面に配置

底面にUSB-Cポートを用意。クイックリリース取り付け穴により、バッテリーハンドル(グリップ型の外付けバッテリー)などを素早く装着可能です

底面にUSB-Cポートを用意。クイックリリース取り付け穴により、バッテリーハンドル(グリップ型の外付けバッテリー)などを素早く装着可能です

レビューではバッテリーハンドルや三脚、マイクトランスミッターなどがセットになった「Osmo Pocket 3クリエイターコンボ」(直販価格96,800円)を試用。ひんぱんに動画撮影を行う人におすすめです

レビューではバッテリーハンドルや三脚、マイクトランスミッターなどがセットになった「Osmo Pocket 3クリエイターコンボ」(直販価格96,800円)を試用。ひんぱんに動画撮影を行う人におすすめです

回転式のタッチディスプレイにより操作性が大きく向上

「Osmo Pocket 3」は、タッチディスプレイを時計回りに回転するか、シャッター/録画ボタンを押すと電源が入ります。つまり、横向きの動画を撮影したいときには画面を回転させ、縦向きの動画を撮影したいときはシャッター/録画ボタンを押すと電源が入るわけです。どちらの場合でもカメラが回転して撮影可能になるまで1.4秒前後。素早く撮影できるように工夫されています。

タッチディスプレイは、下スワイプで操作メニュー、上スワイプで撮影パラメーター、右スワイプで再生画面、左スワイプで画像とオーディオパラメーターが表示されます。アクションカメラによくある操作体系なので、説明書を読まなくてもすぐに使い始められますね。

タッチディスプレイは700nitと輝度が高いので屋外でも見やすいのがポイント。操作性や使い勝手は従来モデルから大きく向上しています。ただし、個人的には高い位置や低い位置から撮影する際に、画面の角度を変えられたらより便利だなと感じました。次期モデルではさらに改良されることに期待しましょう。

操作メニューから「画面回転&キャプチャー」を有効にしておくと、タッチディスプレイを回転するだけで動画の撮影がスタート

操作メニューから「画面回転&キャプチャー」を有効にしておくと、タッチディスプレイを回転するだけで動画の撮影がスタート

2インチのディスプレイは非常に大きく、文字の視認性も高いため、従来モデルから段違いに操作しやすくなっています

2インチのディスプレイは非常に大きく、文字の視認性も高いため、従来モデルから段違いに操作しやすくなっています

輝度が高いため、晴天時でも画面が見やすいですね。また、横向きでも縦向きでも最大サイズでのプレビューが可能です

輝度が高いため、晴天時でも画面が見やすいですね。また、横向きでも縦向きでも最大サイズでのプレビューが可能です

「Osmo Pocket 3」でどのような映像が撮影できるのか?

「Osmo Pocket 3」を実際に使い、さまざまなモードで動画を撮影しました。今回は照明やレフ板は一切使用していないので、「Osmo Pocket 3」単体でどのような映像を撮影できるのかご確認ください。

本製品は、横向きだけではなく縦向きでも撮影できますが、最大解像度は横向きが4K/60fps、縦向きが3K/30fpsとなります。解像度的には横動画のほうが有利なわけですね。ただし、以下の動画を見ていただければわかるとおり、並べてみても大きな違いは感じないはずです。縦動画を撮影して、スマホ経由ですぐにSNSなどに投稿できるのは大きなメリットです。

「Osmo Pocket 3」には、DJIがドローンで培ってきた3軸メカニカルスタビライズ機構が採用されています。以下の動画では「Osmo Pocket 3」を持ちながらサバイバルゲームのフィールドを走ってみたのですが、手ブレが強力に補正されていますね。

最近のスマホも手ブレを低減できますが、自然さでは3軸メカニカルスタビライズ機構のほうが上。方向転換したときの動きもスムーズです。BB弾の被弾対策をしたうえで、何とかとかエアガンに取り付け、サバゲーの模様を録画してみたいものです。

以下の作例はパノラマモードで撮影した写真。つなぎ目はほとんど気になりませんね。撮影にかかる時間も13秒前後と短いので、旅行中などに広大な景色を撮影したい際に重宝しそうです。

「Osmo Pocket 3」パノラマモード作例

「Osmo Pocket 3」パノラマモード作例

個人的に気に入ったのがスマートジンバルモードの「スピンショット」。3軸メカニカルスタビライズ機構を活用した本製品のスピンショットは、当然ですが画質の劣化がありません。カメラを回転させつつ、手ブレも抑えられます。画面転換などで効果的に利用できそうです。ただ多用すると酔ってしまうかも?

被写体をトラッキングする「ActiveTrack 6.0」や「顔自動検出」も、DJIがドローンで培ってきた被写体認識技術を活用した機能。今回は「Osmo Pocket 3」を三脚に装着して撮影してみましたが、ラジコンカーは最後でトラッキングがはずれてしまったものの、筆者の自撮り動画については素早く左右に動いても追従し続けました。ダンスやスポーツなどをひとりで撮影する際に重宝するでしょう。

1インチの大きなセンサーを備える「Osmo Pocket 3」には、「低照度モード」が追加されています。実際に試してみましたが、下記のとおり薄暗い公園もかなり明るく撮影できました。ややフォーカスの甘さや、強い光源の白飛びが気になりますが、都市部などのもっと明るい環境であればさらにきれいに撮影できるでしょう。

最後にスローモーション撮影を試してみました。4Kでは120fps、1080pでは240fpsで撮影できますが、室内灯だけで実用レベルのハイスピード撮影が可能です。1インチのCMOSセンサーの高感度は、スローモーション撮影の性能向上にも生かされているわけですね。

画質、機能、使い勝手に妥協したくないならベストのジンバルカメラ

「Osmo Pocket 3」は、1インチのCMOSセンサーと回転型タッチディスプレイを採用することで、従来モデルから飛躍的な進化を遂げ、上位モデルと呼ぶべき画質・機能を実現しています。いっぽうで、価格は従来モデルの約1.9倍値上がりしており、導入のハードルは高くなっています。

他メーカーからもっと安価な「ジンバルカメラ」はリリースされていますが、画質、機能、使い勝手に妥協したくないのであれば、「Osmo Pocket 3」がベストな選択と言えます。

ジャイアン鈴木
Writer
ジャイアン鈴木
レビューした製品を高確率で買ってしまう物欲系ITライター。守備範囲はPC、スマホ、VRがメイン。ゲーム、デジタルトイも大好き。最近サバゲにはまっています。愛車はスイフトスポーツで、断然マニュアル派です。
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水川悠士(編集部)
Editor
水川悠士(編集部)
デジタル系メディアから価格.comへ。スマホ、スマートウォッチなどのガジェット周り、ゲーム関連を担当。触ってきた製品は数えきれないほど多いです。価格.comマガジンのYouTubeにも出演中。
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