今回ご紹介するのは「トイカメラ」です。言葉のとおりおもちゃのカメラなのですが、正直これを“いいモノ”として紹介するのはためらいました。なぜなら、カメラとしての機能はとにかくチープ! すてきな写真を保存するという意味ではまったく役に立たないからです!
それでもこの憎めないデザインとチープならではのおもしろさをご紹介したく、思い切って記事にしてみました。変なおもしろさにハマりたい人にはオススメですが、このトイカメラで「よーしお父さん、我が子の成長記録を作っちゃうぞ〜!」などと本格的に写真を撮ろうと思っている方にはオススメできません! すみません! いろいろとツッコミどころが満載の記事になりますが、使っていくことで楽しくなってくるおもしろさ、面倒くさいからこそ愛したくなる! みたいな温かい目で読んでいただけると幸いです。
ではさっそく本体を見ていきましょう。ブリスターパックから取り出すと、カメラ本体とストラップ、USBケーブルが付属しています。はい、これだけです。記録メディアは必須ですので、別途micro SDカードをお買い求めください。2GBもあれば十分です。なにせこのカメラの画素は公称130万画素! 今時スマホでも1200万画素とかいっている時代に、130万画素ですよ! フリーザを目の前にしたヤムチャみたいなものです。なので2GBもあれば、いったい何千枚保存できるんだろうという感じですね。
大きさですが、これが本当に極小レベル。そしてびっくりするくらい軽いです。まさにおもちゃ感満載!
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500円玉と比較してもこのサイズ。とても小さいです |
子供の手でも小さいサイズですが、大人が使用する場合は両手の親指と人さし指の先っちょでつかむという感じですね。ストラップが付属しているので首からさげることもできますが、あまりにも小さいのでアクセサリーっぽく見えちゃいます。
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ストラップで首からさげたり、カバンにつけたりできます |
本体は味も素っ気もありません。申し訳程度のファインダーとモード切り替えボタン、そしてシャッターボタンがあるのみ。本体側面右側にmicro SDカード挿入口、左側にminiUSBケーブル差し込み口があります。もちろんこの価格のトイカメラなので液晶モニタなど存在しません。
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付属のUSBケーブルでPCに接続できます |
使用する前に、USBケーブルでPCに接続して充電を行います。初回は3時間ほどのフル充電が必要です。ただ小さいせいかバッテリの持ちはとてもいいと感じました。フル充電したあと、1時間くらいつけっぱなしでも問題ありませんでした(30秒ほど放置しておくとスリープに入ります)。電源が入ったかどうかは、ファインダー隣の小さいランプで確認できます。
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赤ランプがついていれば電源ON状態です。動画モード切り替えで青ランプに変わります |
さて実際にこのトイカメラを持って屋外で撮影をしてきました。まず面食らうのはファインダーを覗いてもはっきり見えないということです! え?どういうこと? 自分の目が悪いから? と思ったのですが、ファインダーに目を近づけてもはっきり見えません。逆に目から遠ざけて見ることでファインダー越しの風景がなんとなく見えてきます。この何となくが大事! そうです、さすがトイカメラ。目標物をはっきり認識して撮影することがとても難しいのですよ! いやいやいやそれってカメラじゃなくない? とツッコミが入りそうですが、そういうものだと思ってください。
筆者も最初は訳が分からず、試行錯誤しましたが、結果、両手を前にピンと伸ばしてカメラを構えて、遠目にファインダーを覗いて撮影するという手段が最適という結論に至りました。つまりPCにつないで確認するまで、どんな写真が撮影できているかわからないというビックリドッキリ状態で撮影することとなります! フィルムカメラならいざしらず、今時この手間のかかる手法でも平気! という忍耐強い方、あなた向けの商品ですよ!
ここから実際に撮影したサンプルです。いっさい手をくわえてない生データです。見よこのヌルいクオリティ!
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実際に見てみると、デジカメが出たばっかりの35万画素レベルの写真を思い出します。20年以上前ですかねー。なんかとっても懐かしいクオリティです。なのでこういうヌルさ加減を味わいたいという方はちょっと楽しんでいただけるのではないかと。何気なくカシャカシャと撮影しておいて、どんな写真が撮影できたかなーとワクワク感を持ちながら楽しむにはいいですね。
だがしかし、これだけでは終わりません。なんとこのトイカメラ、ムービーも撮影できるのです。もちろんチープな動画が撮影できますが、これがまたなんともいえない味わいを持っております。撮影方法は静止画と同じ。モードを切り替えてシャッターボタンを押すだけです。さっそく撮影してみました。こちらです。
電車が通過する様子を撮影してみました。まるでミニチュアのような写り!
意外といい感じではありませんか? もちろん手ぶれ補正なんてありませんから、しっかり手を伸ばして固定して撮影することになりますが、なかなか味わいのある動画が撮影できたので驚きです。しかもこの本体にはマグネットがついていて鉄に貼り付けることができるんです。
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定点観測としてビデオ撮影ができるというおもしろい機能がついているんですよ。はい今、邪な考えを持ったあなたアウトです! 正しい使い方でおもしろい動画を撮影してください。 |
あくまでもトイカメラとしてチープさを楽しむことが前提のカメラです。筆者も最初は購入してちょっと後悔しそうになりましたが、使っていくうちに楽しみ方がわかるようになってきました。愛犬の首輪につけて散歩中を動画で撮影したり、冷蔵庫に貼り付けて、料理の手順を動画撮影したりなど、おもしろい使い方はたくさんあると思います。安価で購入できるおもしろカメラで日常をヌルく撮影してみませんか?