特集
憧れが強まるかも!? 車中泊ユーザーのクルマとライフスタイルも紹介

どこで泊まれる? キマリはある? 初めて車中泊する前に知っておきたい基本的なこと


移動手段である自動車で寝泊まりすれば旅の自由度が飛躍的に高まることもあり、近年、急速に人気が高まっている「車中泊」。この特集では、普通の自動車で車中泊をする際に気をつけなくてはならない基本的なルールやマナーを解説するとともに、すでに実践している人たちの車中泊ライフを紹介する。ただ、泊まるだけではない車中泊の魅力を感じ取れるはずだ。

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車中泊はどこでできる?

いざ、車中泊しようとした際、もっとも困るのが自動車を駐車する場所だ。深夜も出入りできるパーキングや道の駅で車中泊しているという人もいるが、最近の車中泊ブームでゴミや騒音など、さまざまな問題が発生し、車中泊を禁止する場所が増えている。実際に車中泊をした人がSNSで発信した情報をアテにして現地に向かうと、車中泊が禁止になっていたというケースも少なくないほど、車中泊できる場所は刻々と変化しているのだ。そもそも高速道路のパーキングエリアや道の駅は、運転中に疲れた際に休憩する場所であるため、仮眠程度ならいいが、泊まることを目的に使うことは許されていない。

パーキングや道の駅でテントを張っている人もいるが、泊まることを前提としていないのでNG。ガスバーナーなどを使って調理するのももちろんダメだ

では、どこで車中泊すればいいのかというと、オートキャンプ場やRVパークとなる。いずれも有料だが、許可された場所を使うほうがいいのは間違いない。また、このほか、駐車場や空き地のオーナーが車中泊やテント泊できるスポットとして提供するシェアリングサービス「Carstay」を利用するという手もある。「Carstay」のサイトでは、シェアリングサービスに登録されたスポットだけでなく、一般的なオートキャンプ場やRVパークも検索できるので、車中泊したくなったらこのサイトから探してみるといいだろう。

シェアリングサービスに登録されている駐車場や空き地、オートキャンプ場、RVパークだけでなく、観光地情報も検索結果に表示される。地図上の「P」アイコンが基本的に車中泊できる場所(宿泊は有料)だ。なかには電源やシャワー、トイレなどが用意されているところもある

>>車中泊ができるスポットが探せる「Carstay」をチェック!(外部リンク)

車中泊で気をつけておくべきこと

実際に車中泊をする際にも気をつけなくてはいけないことが、いくつかある。その中でも問題となるのがアイドリングだ。自治体により規定は異なるが、アイドリングが禁止されている地域では、駐車中にカーエアコンで冷暖房できない。断熱性を高め、サブバッテリーを搭載したキャンピングカーのように、エンジンを始動しなくてもカーエアコンが使えるなら問題ないが、普通の自動車の場合、真夏や真冬以外でも寒さや暑さがかなり快眠を妨げる。筆者は、特別な装備をしていない普通の自動車で車中泊を何度もしているが、その経験からアドバイスできることがあるので紹介しておこう。

●窓は必ず覆うべし!

車内を隠せるだけでなく、日差し除けや防寒対策にもなるのでシェードなどで窓は覆うようにしよう。断熱性能を備えたシェードを使えば、より快適性は高まる。

標準装備でシェードが付いている車種もある。夏場は、そのシェードを上げておくだけでも、車内の温度上昇はかなり抑えられる

●換気も忘れずに!

暑いことに変わりはないが、夏場は窓を少し開けて通気性を高めたほうがいい。就寝前は比較的涼しい気温だからと油断して窓を閉め切っておくと、日が昇ったくらいに暑さで目が覚めることもある。日中暑さを感じるような時期なら、窓を少し開けて就寝するほうが安心だろう。

エンジンがかけておけない場合、パワーウィンドウではなく手動で開け閉めできる窓が実は便利。ミニバンや乗用車にはほとんどないが、商用車には手動タイプの車種もある

●走行中にエアコンをガンガン効かせろ!

寒さ、暑さ対策は寝袋やマットをはじめとする寝具で工夫するのが基本だが、走行中にとにかくカーエアコンをガンガンかけておくといい。たとえば、寒い時期であれば、服を1枚脱がないと暑いくらいに暖めてOKだ。筆者はこの方法で車内を暖めたうえで、雪山などで過ごせるほど高性能ではない寝袋を使って12月に東京で車中泊したが、朝まで熟睡できた。

フロントシートだけでなく、リアシートや荷室も送風を全開にして暖めておこう

前席だけでなく、後席や荷室も送風を全開にして暖めておこう

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ただ寝泊まりするだけじゃない! さまざまな車中泊スタイル

ここからは、筆者が車中泊イベントで出会った「バンライファー」たちのクルマやライフスタイルを紹介しよう。バンライファーとは、旧式のバン(箱型の自動車)を改装し、その中で暮らす「VAN LIFE(バンライフ)」を送る人のこと。車内をウッディーな雰囲気にDIYするのが基本スタイルのバンライフは、海外ではちょっとしたムーブメントとなっているほどだ。そんな車中泊ライフを実践する彼らの生き方は、どこか憧れるところがある。

▶必要なものだけ残したら行きついたのはバンライフ

1年以上、車中泊生活をしている渡鳥さんのクルマは1987年式のメルセデス・ベンツのバン。車内にはベッドやキッチンが設けられており、寝泊まりするには十分な環境だ。寝床とコーヒー、お気に入りのスピーカーさえあれば、あとの物は自分にとって必須ではないのでは? と思ったことをきっかけに車中泊生活を始めたという。ホテルやスポーツクラブなどで入浴し、車に納まらない荷物は収納サービスに預けるというようにシェアサービスを利用すれば、クルマに住む生活は予想以上に快適らしい。

自宅は持たず、メルセデス・ベンツ「307D」で生活しているという

自宅は持たず、メルセデス・ベンツ「307D」で生活しているという

腰を曲げずに車内で立てるので、生活には困らない。キッチンも装備され、内装もかなり豪華。ベッドは収納式

腰を曲げずに車内で立てるので、生活には困らない。キッチンも装備され、内装もかなり豪華。ベッドは収納式

完全な車中泊生活を送る渡鳥さんは、東京・永田町のシェアオフィスを拠点にしており、その駐車場に常時駐車させてもらえるように交渉したという。バンライフを楽しむ人のためのライフスタイルメディア「VLDK」を運営している

▶通勤時間を短縮して時間を有効活用

大工の鈴木さんは、自宅のある場所から現場まで往復3時間かかることもあり、その時間を有効に使えるように平日だけ車中泊というライフスタイルを送っている。当初は、通勤時間短縮のために始めたバンライフだったが、居住空間ごと自由に移動できる生活の魅力にハマっているという。もちろん、仕事がそれほど忙しくない時は自宅で寝泊まりしているとのこと。

鈴木さんのクルマもメルセデス・ベンツのバン。商用車のようにしか見えない外観だが……

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後部のドアを開くと、居住空間が! 上部がベッド、下部に仕事道具を積むスペースとなっている

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本職が大工だけあって内装はかなりの完成度。写真で見る分には、車内と気付かないかも!

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▶自由でかわいいライフスタイルに憧れる人続出!?

商品や空間のプロデュースを仕事としているものの、車内の改装をしたのは初めてだというYURIEさん。バンライフはウッディーな雰囲気に仕上げるのが基本スタイルなため、家具や天井に木材を使用する点は上で紹介した男性2人と同じだが、女性らしい温かみのある内装となっている。改装した通称「サンシー号」で、日本各地を旅しながら車中泊しているYURIEさんは、キャンプをはじめとする女子でもできるアウトドア遊びをInstagramを中心に発信もしており、そのフォロワーは6万人超え! YURIEさんのようなライフスタイルに憧れている人が多いことがうかがえる。

ストライプが入った外装もいい雰囲気の日産「バンネット」を改装したYURIEさんの愛車「サンシー号」

ストライプが入った外装もいい雰囲気の日産「バンネット」を改装したYURIEさんの愛車「サンシー号」

木製のベッドを積み込んでいるという。ラグやカーテンなど、自分が心地よいと感じるもので内装された車内は、家と同じくらいリラックスして過ごせそうだ

天井の内張りも木製。ベース車の内装を剥がし、屋根のネジ穴などに直接留めているとのこと

天井の内張りも木製。ベース車の内装を剥がし、屋根のネジ穴などに直接留めているとのこと

車種の年式は古いが、センスと工夫次第で素敵なバンライフが送れるという見本のようなスタイルだ

車種の年式は古いが、センスと工夫次第で素敵なバンライフが送れるという見本のようなスタイルだ

▶キャンピングカー仕様でノマド的スタイル

石川県に居住している中川さんは、もともとバックパッカーだったが、子どもが生まれてからはキャンピングカーで旅するスタイルに切り替えたという。仕事で日本各地に出かけることも多く、その際は、もっぱら車中泊。寝泊まりするだけでなく、オフィスとしても使用できるように、キャンピングカーとしてカスタマイズされたトヨタ「ハイエース」には、電気供給用のサブバッテリーも完備されている。

外観は普通のハイエースだが、中身はキャンピングカー仕様。長距離移動も連泊も苦にならないという

外観は普通のハイエースだが、中身はキャンピングカー仕様。長距離移動も連泊も苦にならないという

サブバッテリーを積んでいるので、パソコンも気兼ねなく使える。ノマドワークするなら、サブバッテリーはあるほうがいい

車体後部のリビングスペースは、展開するとベッドになる

車体後部のリビングスペースは、展開するとベッドになる

実は、中川さんは上で紹介した車中泊できるスポットを貸し出すシェアリングサービス「Carstay」の広報担当。実際に車中泊をしている人たちが運営しているので、車中泊ユーザーが本当に必要としているサービスを次々と実装してくれている。最近、キャンピングカーなどのレンタルサービスもスタートした

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増谷茂樹

増谷茂樹

カメラなどのデジタル・ガジェットと、クルマ・バイク・自転車などの乗り物を中心に、雑誌やWebで記事を執筆。EVなど電気で動く乗り物が好き。

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