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人気の軽キャンパーや王道のキャブコンの特徴も解説

内装や維持費のことも! 購入前に知っておきたいキャンピングカーの基本


車中泊がブームとなっている昨今、キャンピングカーに興味を持っている人もいるだろう。この特集では、キャンピングカーの種類から維持費まで、購入前に知っておきたいことをまとめてみた。

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キャンピングカーって、どんなクルマ?

ベースとなる車体にオプションを付けて車中泊できる居住空間を作り上げていくキャンピングカーは、メーカー系の販売店(ディーラー)ではなく、架装メーカー(キャンピングカーメーカーと言うこともある)で購入する。同じ車体をベースとしていても、キャンピングカーメーカーによって車内のレイアウトや内装は千差万別で、かつ、エアコンや冷蔵庫、電子レンジ、コンロ、シャワーといった家電製品を設置したり、インテリア性の高い内装を施すなど、オプションの選択肢も多く、自分だけの1台に仕立てられるのがおもしろいところだ。もちろん、付けるオプションが増えるほど価格も高くなるほか、ベースとなる車種によって装備できるモノにも制限がある。とはいえ、車体サイズが小さく価格が安いものでも大人が足まで伸ばして横になれるフラットな就寝スペースが確保され、車体の断熱性能も通常の自動車とは段違いなので、快適に眠れるのは間違いない。

ホンダ「N-BOX」を改造したキャンピングカー。上方に開くとテントのような空間が出現するポップアップルーフを装備し、就寝人数を増やしている。近年、ポップアップルーフが人気なようだ

上で紹介した「N-BOX」を改装したキャンピングカーの車内。シートを倒し、マットを敷けば普通の「N-BOX」でもフラットな空間は作れるが、就寝スペースに段差を付け、1人分ずつに区切られているのは改造の工夫だ

車内で家電製品を使うこともできるキャンピングカーだが、使用する時にはサブバッテリーが必須となる。通常の自動車同様に、キャンピングカーにもエンジン始動用のバッテリーがひとつ搭載されているが、車内灯を長時間点灯させるだけでも使い方によってはバッテリーが上がる可能性が非常に高い。そんなトラブルを防ぐのがサブバッテリーだ。もちろん、用途に応じて搭載すべきバッテリー容量は異なってくるが、家電製品を使う場合はサブバッテリーが必須と思っておいたほうがいい。

電子レンジやコーヒーメーカー、ホットプレートなどを使って、家に近い環境で過ごすことが可能。エンジンを止めた状態でも稼働するルームエアコンを装備しておけば、通年で快適さが担保できる

天井に装備したソーラーパネルから電力を供給したり、バッテリーに充電できるようにもできる

天井に装備したソーラーパネルから電力を供給したり、バッテリーに充電できるようにもできる

キャンピングカーの主要な3タイプを解説

キャンピングカーがブームになるきっかけは2011年の東日本大震災であることは確かだが、昨今、軽自動車をベースとした、サイズが小さく、価格が抑えめのモデルが充実してしてきたこともブームが継続している大きな要因だ。ベースとなる車種によって「軽キャンパー」「バンコン」「キャブコン」「バスコン」「フルコン」とタイプが分かれるので、自分の望む車中泊スタイルと駐車場の大きさ、費用などを加味して選ぶといいだろう。なお、マイクロバスをカスタマイズした「バスコン」と、アメリカなどで家ごと大陸横断をするような用途に使われるフルサイズのキャンピングカーを意味する「フルコン」は1,000万円オーバーの価格が主流となるため、初めて選ぶキャンピングカーとしてはあまり現実的ではない。この特集では、初心者が手を出しやすく人気の高い「軽キャンパー」「バンコン」「キャブコン」の一例を紹介する。

・リーズナブルな価格で購入しやすい「軽キャンパー」

軽自動車をベースとした「軽キャンパー」には、軽バンをカスタムしたものと軽トラックの荷台にキャビンを設置したものが存在する。どちらもバンコンやキャブコンに比べると居住スペースは狭く、トイレやシャワーなどを搭載するのは難しいが、限られたスペースを有効活用するための工夫が随所に施されており、軽自動車とは思えないほど快適。近年は目的を車中泊にしぼり、装備を簡素化することでさらにイニシャルコストを下げた車両も登場しており、150万円を切る価格から入手できるものもある。さらに、自動車税や高速道路料金といったランニングコストも安く、維持費も抑えられるのもポイントだ。ただ、排気量が小さいため移動スピードが速くはないことと、軽自動車の規格上、乗車定員が4人までに限られることは覚えておきたい。

上が軽バン(日産「NV100」)をキャンピングカーに改造したもので、下が軽トラックの荷台にキャビンを設置したもの。居住スペースは狭めだが、細い道でも運転しやすいというメリットもある

就寝スペースを2段にすれば、軽キャンパーでも4人が横になれるようにすることも可能

就寝スペースを2段にすれば、軽キャンパーでも4人が横になれるようにすることも可能

・運転も快適にできる「バンコン」

ワンボックスタイプのバンをカスタムした「バンコン」には、トヨタ「ハイエース」のようなやや大きいサイズの車両をベースとするものと、日産「NV200」など小さめの車両をベースとするものがある。どちらも軽キャンパーに比べると居住スペースに余裕はあるものの、就寝スペースとリビングスペースは兼用。それでも大半のモデルが大人4人の就寝が可能で、ベッドキットやコンロ、シンクなどが設置されており、快適に寝泊まりできる。スペース効率がいいうえ、運転もしやすいので人気が高い。200万円台から購入できるが、売れ筋のモデルは300〜500万円くらいだ。キャブコンに比べると運転しやすく、高速道路でも制限速度の上限くらいまではスピードを出せることもメリットだろう。

トヨタ「ハイエース」をカスタマイズした「バンコン」

トヨタ「ハイエース」をカスタマイズした「バンコン」

就寝スペースとリビングスペースを分けるほどの広さはないので、展開すればベッドになるソファ(ベッドキット)を装備することが多い

車体が少し小さめな日産「NV200」は、ルーフを高く改造するという手もある

車体が少し小さめな日産「NV200」は、ルーフを高く改造するという手もある

天井が高くなるので、大人でも車内で立つことができる。もちろん、車内で寝る際の快適さもアップ!

天井が高くなるので、大人でも車内で立つことができる。もちろん、車内で寝る際の快適さもアップ!

・居住性の高い「キャブコン」

トラックなど商用車の荷台部分にキャビンを設置した「キャブコン」は、ベッドやコンロはもちろん、トイレやシャワーなどを装備したものも多く、車内でくつろげるスペースもあるので、家ごと移動しているような気分が味わえる。就寝スペースとリビングスペースは分かれているタイプが一般的なので、子どもを寝かしつけた後、大人だけの時間を楽しみたい時にも便利だ。大きいものだと5〜6人が乗車・就寝可能なものもあり、車体サイズは幅広いが、総じて全高が高いため、横風の影響を受けやすく、あまりスピードを出すのは得意ではない。売れ筋の価格帯は400万〜1,000万円前後。

キャンピングカーといえば、キャブコンの形を思い浮かべる人も多いだろう。大人が立って移動できるほど天井が高いので、駐車場には気をつけよう

キャブコンは運転席の上部にバンクヘッドを装備。手前に引き出すように展開すると、大人2〜3人が横になれるスペースが出現する

車体中程にある、車内とは思えないほど立派なリビングスペース

車体中程にある、車内とは思えないほど立派なリビングスペース

車体後部には、リビングと分かれてた就寝スペースが設けられることも

車体後部には、リビングと分かれてた就寝スペースが設けられることも

キッチンも本格的なものを搭載。腰を曲げずに調理できるのがうれしい

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トイレとシャワーが車内にあるのは、とても快適

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車検や維持費に関係する「登録区分」のこと

キャンピングカーを選んでいる際には登録区分についてあまり気にすることはないかもしれないが、普通の自動車とは車検や税金が違ってくるので少し触れておきたい。車体や内装をカスタマイズするキャンピングカーは、改造車に付けられる「8ナンバー」が必須であると思われるかもしれないが、車内で調理するためのコンロや排水システムが作り付けされていないと改造車には区分されない。8ナンバーは普通車(5ナンバーや3ナンバー)より初回の車検が1年早い2年後となり(以降は、どちらも2年ごとの車検)、税金が安くなる(排気量によっては安くならないこともある)。ただし、キッチンはあるけれどコンロは備えず、カセットコンロを使うなど、オプションの選択によっては5ナンバー(もしくは3ナンバー)にすることも可能。どのオプションで登録区分が変わるかは、購入時や相談時にキャンピングカーメーカーが教えてくれるのでしっかり聞いておこう。

車検は普通のものと変わらず、税金も割安な8ナンバーはメリットの大きい登録区分だ

車検は普通のものと変わらず、税金も割安な8ナンバーはメリットの大きい登録区分だ

8ナンバーに区分されない車両は、普通車をベースとしたものは「5ナンバー」や「3ナンバー」となり、商用車をベースとしたものは「4ナンバー」や「1ナンバー」となる。商用車は税金などが格安になるのが魅力だが、車検が1年ごとになるほか、1ナンバーの場合は高速道路の料金も高くなるので注意が必要だ。

商用車の存在を広めたホンダ「N-VAN」ベースのキャンピングカーもたくさんある

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最後に

車内の写真を見るとキャブコンに惹かれるものの、軽キャンパーの価格は魅力的……と、心が揺れ動いている人も多いだろう。キャンピングカーを選ぶ際は、装備と価格面のバランスを取ることがもっとも重要となる。フル装備のキャブコンは確かに快適で便利だが、車内で調理はしないと割り切れば、バンコンでも十分。特に、高速道路を長い距離移動するのであれば、車体が大きく風の影響を受けやすいキャブコンより、バンコンのほうが運転はしやすい。就寝スペースについても、リビングスペースと分かれている必要があるか否かは、家族構成や生活のパターンなどによっても異なるので、その点をよく考えて選ぶといいだろう。

最後にひとつ付け加えておくと、キャンピングカーは中古になっても値下がりしにくいため、普通の自動車より長期のローンが組みやすい。価格が高いと感じている人は、そのことも考慮すると購入のハードルが下がるかもしれない。また、中古価格が落ちにくいということは、キャンピングカーを買ったものの生活スタイルに合わなかったり、途中で家族の構成が変わったりしても買い替えのハードルが高くないことも意味する。1度買ってみてから、好みに合わせて買い換えるという方法も実はありなのだ。

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増谷茂樹

増谷茂樹

カメラなどのデジタル・ガジェットと、クルマ・バイク・自転車などの乗り物を中心に、雑誌やWebで記事を執筆。EVなど電気で動く乗り物が好き。

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