自動車ライターのマリオ高野です。
夏は、ゲリラ豪雨や虫の死骸などでクルマが汚れやすい季節。豪雨に見舞われると、タイヤや、ホイールハウスと呼ばれるタイヤが収まる部分の裏側が汚れやすく、泥や落ち葉などの異物も付きやすくなります。先日、豪雨の中で走行中、大きな水たまりの上を通過する際に車体の下部にあるカバーが割れて外れてしまったのですが、カバー自体がかなり汚れており、下回りの汚れのひどさを実感しました。
これは愛車の車体の下側にある燃料タンクを守るための樹脂カバー。当然ながら、クルマの裏側やタイヤハウス内には常に泥汚れにさらされています
せめてホイールハウスやバンパーの下部などはきれいに手入れをしたいと思うのですが、こういった個所は手が入りにくい上、凹凸などもあるので普通の洗車用のスポンジではうまく洗えません。頑張ったとしても、スポンジだと耐久性が足りずにすぐダメになってしまいます。
タワシで洗うのがいいのですが、タワシは洗剤の泡が立ちにくいという難点があり、互いの難点を補い合えるタワシとスポンジのハイブリッドのようなブラシがあれば理想です。そこで検索して探してみると、まさに、マイクロスポンジとPPブラシが合わさった新感覚の「泡立つクジラブラシ」という製品を発見したので、早速使ってみました。
一見、どこにでもありそうなブラシですが、中央部分にスポンジが仕込まれているのが大きな特徴。青いPP繊維のブラシは、乾燥していると少しゴワゴワしていますが、水に濡れるとソフトさが増します
グリップのえの部分に穴が空いており、ホースを接続することで水を通しながらの作業ができます。状況が許せば、ぜひホースの水を利用して洗ってください
ブラシの中央部に泡立ちをよくするマイクロスポンジが仕込まれ、その周囲に先割れ式のソフトなPP繊維のブラシで構成されたブラシです。ダブルの効果で、手の届きにくい個所や、あるいは平面などが洗いやすくなるというもの。
使用のコツは、水をたっぷり含ませてやること。下回りの泥などの汚れをしっかり落とすには大量の水を必要とします。泡立ちは、期待したほどではなかったものの、一般的なブラシよりはいいので、洗剤は最小限ですむでしょう。グリップの先端部分にホースを取り付ければ、水を通しながら作業もできます。
まさに、スポンジとブラシのハイブリッド。中心部分のスポンジにより泡立ちを高め、水分や洗剤成分も多く含んでくれます
ブラシ部分は、乾燥していると少しゴワゴワしていますが、ぬれるとやわらかくなる手ごたえ。ただし、濃紺系のボディカラーのクルマの場合は、ボディを直接こすることは避けたほうがいいでしょう
ホイールハウス内やバンパー下部のほか、窓ガラスの洗浄でも効果的。ミニバンやSUVなど、ガラス面積が広くて大きいクルマの洗車でも助かります
使ってみると、クルマのホイールハウス内に難なく挿入でき、裏側にこびりついた泥汚れをしっかり落とすことができました。ついでにタイヤやホイールも洗浄。タイヤのサイド部分を洗うのにはベストな感じです。ホイールについては、スポーク部分など細かいところまでは届きませんが、先割れPPブラシはやわらかいので安心してゴシゴシできます。
普段はあまり見えませんが、ホイールハウス内には意外と汚れが溜まっているもの。泥の塊などはタイヤに干渉して走行安全を損ねる可能性もあるので、なるべくきれいにしておきたいものです
一般的な車高のクルマならこのように奥まで入ります。車高を落としているクルマの場合は入らないかもしれないので、車高ダウンのカスタムを施している人は事前にご確認ください
ぬれた状態だとかなりソフトな手応えなので、ホワイトやシルバー系のボディカラーなら、一部ボディにも使えるでしょう。ただし、濃紺系のボディでは、微細なスクラッチ傷(磨き傷)が付く可能性が高いので、ボディに使うことは避けましょう。ホイールハウス内などクルマの下回り部分やタイヤ、ナンバープレート、窓ガラスなどに使ってください。
猛暑でのクルマの汚れは放置するとこびりついてしまうので、こういったブラシなどでマメな洗車を心がけましょう。
タイヤのサイド部分に汚れがついたままだとクルマが安っぽく見えてしまうので、なるべくマメに汚れを落としておきましょう
このように、タイヤとホイールハウス内がきれいに掃除できました。クルマのおしゃれは足元から
1973年大阪生まれの自動車ライター。免許取得後に偶然買ったスバル車によりクルマの楽しさに目覚め、新車セールスマンや輸入車ディーラーでの車両回送員、自動車工場での期間工、自動車雑誌の編集部員などを経てフリーライターに。2台の愛車はいずれもスバル・インプレッサのMT車。