レビュー
初代ブリザックから採用されている、ブリヂストン独自の技術をスケートリンクで体験

ブリヂストン「ブリザック VRX3」最新のスタッドレスと「発泡ゴム」の性能を試す!

ブリヂストンのスタッドレスタイヤ「BLIZZAK(ブリザック)」シリーズの最新モデル「VRX3」が、2021年9月に発売された。

2021年9月に発売された、ブリヂストンの新しいスタッドレスタイヤ「ブリザック VRX3」。ブリヂストンの独自技術「発泡ゴム」を進化させた「フレキシブル発泡ゴム」や新トレッドパターンの採用などにより、従来の「VRX2」と比較して氷上ブレーキ性能がアップしているのがポイントだ

2021年9月に発売された、ブリヂストンの新しいスタッドレスタイヤ「ブリザック VRX3」。ブリヂストンの独自技術「発泡ゴム」を進化させた「フレキシブル発泡ゴム」や新トレッドパターンの採用などにより、従来の「VRX2」と比較して氷上ブレーキ性能がアップしているのがポイントだ

今回、VRX3を装着した車両へアイススケートリンクを用いた特設コースで試乗するとともに、ブリザックの初代モデルから採用されている独自技術「発泡ゴム」の性能についても体感することができたのでレビューしたい。

>>価格.comでブリヂストンのスタッドレスタイヤ「ブリザック VRX3」価格一覧を見る

北海道や北東北などでは、数多くの人が「ブリザック」を装着

ブリヂストンは、「タイヤは生命を乗せている」という理念のもと、タイヤの開発に取り組んでいる。タイヤは、はがき1枚程度の面積でクルマと路面をつなぐ唯一のものであり、走る、曲がる、停まる、伝える、つながるというクルマの基本性能を、タイヤを介することによって実現している。ブリヂストンは、この基本的な考え方を何よりも優先しているという。

その中でも、ブリザックはスタッドレスタイヤという少し特殊な環境で使われることを考慮しつつ、安心、安全を支えていかなければならない。「安心、安全を高めることで、モビリティを通じて社会に貢献していきます。また、ブリザックに関しては、リーディングカンパニーとして常にダントツの氷上性能を追求していくという使命も我々は担っています」と語るのは、ブリヂストン タイヤソリューションジャパン 商品企画本部 消費財商品企画部長の雀部(ささべ)俊彦さんだ。

ブリヂストン タイヤソリューションジャパン 商品企画本部 消費財商品企画 部長の雀部俊彦さん

ブリヂストン タイヤソリューションジャパン 商品企画本部 消費財商品企画 部長の雀部俊彦さん

昔の冬タイヤは、今のようなスタッドレスタイヤではなく、ピンが打ち込まれている「スパイクタイヤ」が主流だった時代があった。しかし、1970年代から80年代にかけて、スパイクタイヤの使用における環境問題や騒音、粉塵などが社会問題化。特に、北海道や東北地方では、スパイクタイヤが路面を掻いたことによる粉塵などで、視界が悪化する状況にまでなった。そこで生まれたのが、スタッドレスタイヤだ。

スパイクタイヤの粉じんにおける法律の施行もあって、各タイヤメーカーは1990年から1991年にかけてスパイクタイヤの製造や販売を中止したが、ブリヂストンはそれに先駆けて1982年にスパイクピンのない初代のスタッドレスタイヤを発売する。そこから改良を重ね、1988年に生まれたのが、発泡ゴムを採用した初代ブリザックの「PM10」「PM20」だ。

雀部さんによると、「発売当初は、それまでスパイクタイヤを履いていたお客様から、『ピンのないタイヤで、雪道や氷上を走れるのか』といった言葉を多く頂きました」と言う。そこで、「社会問題を解決するために、スタッドレスタイヤが十分な性能を持っていることをお客様に知ってもらえるよう、『ブリザックキャラバン』と名付けて、全国を行脚しました。今でも、商品が発売されるたびに小売店やエンドユーザーへのセミナーや試乗会を開催しています」と話す。その結果、「社内調査ですが、ブリザックの認知度は95%。そのイメージは、『信頼』や『高性能』といったワードが出てきます」と言う。そして、「北海道や北東北において、一般ドライバーのおよそ2人に1人がブリザックを購入いただいており、札幌のタクシーでは7割のクルマに装着してもらえるようになりました。これまで地道に活動してきたことで、お客様から信頼していただいていると認識しています」と述べ、「ブリザックの歴史は、ブリヂストンの安心、安全に対する歴史です」と語った。

「自然界」からヒントを得た、ブリザックの開発

さまざまなプロモーションを展開していたとしても、スタッドレスタイヤの基本的な性能がすぐれているからこそ、多くのユーザーからの支持が得られているはずだ。その点を、ブリヂストンPSタイヤ製品企画 第一課長の大城廣樹さんに聞いてみた。

ブリヂストン PSタイヤ製品企画 第一課長の大城廣樹さん

ブリヂストン PSタイヤ製品企画 第一課長の大城廣樹さん

まず、そもそもタイヤはなぜ滑るのかについて、その答えは「氷が溶けることにあります」と大城さん。「気温の上昇や日照、またクルマが凍結路面に入っていくと路面は瞬時に溶けます。すると、タイヤと氷の間に薄い水膜ができる。これが、滑りの原因です」と話す。そこで、ブリヂストンは氷の研究に着手した。その結果、「タイヤで磨かれた路面の氷は小結晶と呼ばれ、従来の氷よりも表面積が非常に大きくて溶けやすく、制動距離が長くなるということがわかりました。つまり、この小結晶の融解で発生する水膜を、いかに効率的に除水するかが技術的な課題となったのです」。

そこで、面白いエピソードが語られた。「たとえば、雨の日にヤモリがなぜ窓から落ちないのか。あるいは、ホッキョクグマはなぜ氷の上で自由に動けるのか。こういったことを、じっと観察したのです。その結果、ヤモリの足には多数の微細なヒゲと小さなパッドがありました。そこからヒントを得て、現在のマルチサイプの技術へとつながりました。さらに、ホッキョクグマのざらついた手と硬い毛皮は、独自の発泡ゴムの技術へとつながっていきます」と大城さんは教えてくれた。ブリザック開発におけるブレークスルーは、実は自然界からのインスピレーションだったのだ。

「ブリザック VRX3」のトレッド面のアップ。波のように細かく刻み込まれているのが「サイプ」だ

「ブリザック VRX3」のトレッド面のアップ。波のように細かく刻み込まれているのが「サイプ」だ

サイプとは、タイヤの表面に細い切れ込みを入れる技術で、溝を切ることで水膜を除去することができる。また、冬タイヤ用の特殊な配合技術によって、低温でもやわらかく接地性の高い軟ゴムを採用し、さらに氷上グリップ性能も考慮されたスタッドレスタイヤが1982年に初めて製品化された。しかし、経年劣化で徐々にゴムが硬化して制動力が低下し、氷上性能も十分なものではなかった。新たな技術課題に直面した開発陣は、「スポンジのように、やわらかさを持ったゴムはできないかと、思考を巡らしていったのです」。そこから生まれたのが、「ゴムの中に気泡を取り込んだ『発泡ゴム』でした。接地面や厚み方向で、均一に気泡が分散されている発泡ゴムは、まさにこれまで追い求めてきた理想のゴムだったのです」。現在のブリザックに至る、最も重要な技術がここで生まれたのだ。

小さな積み重ねによって達成した、氷上ブレーキ性能No.1の技術

そして、1988年に発泡ゴムを搭載した初代ブリザック「PM10」「PM20」を発売。その後は、いかに除水力を向上させるかが進化の要となった。具体的には、PMシリーズでは気泡の体積を大きくし、次のMZシリーズでは、気泡に加えて土管のような水路を搭載。さらにVRXシリーズになると、水路に親水性素材をコーティングすることによって除水力を向上させている。そして、今回発売されたVRX3では、水路の断面を楕円形に変えることによって、より吸水力をアップしている。ブリザックは、長年の研究開発によって高い氷上性能を実現してきたのだ。

左が「ブリザック VRX3」で、右が初代「ブリザック PM-2」。トレッドパターンを比較すると、新旧でかなり異なっているのがわかる

左が「ブリザック VRX3」で、右が初代「ブリザック PM-2」。トレッドパターンを比較すると、新旧でかなり異なっているのがわかる

また、スタッドレスタイヤではパターンの設計も重要という。考え方としては、サイプや溝などの「ひっかき」と、氷への「接地性」や「接地面積」などを踏まえてパターンが作られている。「これらの仕様を最大化させることが、パターンの基本的な考え方です」と大城さん。たとえると、「当初のブリザックは、ハイヒールのような小さな接地面積でした。それを、徐々にサンダル、スニーカーといったように進化させていったのです」とのこと。また、パターンについても「接地面積拡大のために、単純に溝を減らすとスノー性能は低下します。ですので、接地面積を補いつつ、どのようにスノー性能を上げるかがパターンの進化の歴史です」と説明する。具体的には、PMシリーズではこれまでジグザグに配置していたブロックにストレートの溝を設けることで、雪上での直進安定性を向上。次の「MZ01」では、その溝を太くすることで横滑り性能を向上させ、「MZ02」、「MZ03」では、雪上のシミュレーション技術の進化によりパターンラグ溝の最適配置を行っている。さらに「REVO GZ」では、タイヤのホイール側とアウト側の機能を分離した非対称パターンを採用し、氷雪上性能だけでなくドライウェットを考慮した高次元での性能バランスを実現。そして、最新のVRX3では、サイプで除水した水を、より効率的に排水していく最適なパターン配置を搭載することで、「水を導く」というコンセプトを実現している。

大城さんは、ブリザックの進化の歴史について「積雪路や氷結路における性能向上が、最優先の課題です。加えて、一般路の性能やウエット、非降雪エリアでのドライ性能。そして、車内の快適性の向上。最近では、サステナブルな視点で転がり抵抗や摩耗ライフの向上も目指しています。ブリザックは、環境やお客様のニーズ変化とともに総合的に進化を続けています。こうした小さな技術の積み重ねの結果として、スタッドレスタイヤで最も重要な氷上ブレーキ性能をここまで向上することができています」と話す。

そして、「『ブリザックは、よく止まる』と言っていただけることも多くありますが、我々はそうは言いません。自然界の厳しさを知っていますので、よく止まるとはなかなか言えないのです。ですが、実在するスタッドレスタイヤにおいてはナンバー1の氷上ブレーキ性能を持っていると、自負しております」と語ってくれた。

「VRX3」とブリヂストン独自の技術「発泡ゴム」の性能を体感

では、試乗プログラムを説明しよう。今回は、先代ブリザックとの比較ではなく、ブリヂストンのスタッドレスタイヤがいかに進化してきたか、そしてその技術力がどのようなものかを体感するという内容だ。

アイススケートリンク場の特設コースで開催された「ブリザック VRX3」の試乗会では、トレッドパターンのあり/なしや、初代ブリザックとの比較など、さまざまな形で最新のスタッドレスタイヤであるVRX3と発泡ゴムの性能を体感した

アイススケートリンク場の特設コースで開催された「ブリザック VRX3」の試乗会では、トレッドパターンのあり/なしや、初代ブリザックとの比較など、さまざまな形で最新のスタッドレスタイヤであるVRX3と発泡ゴムの性能を体感した

>>価格.comでブリヂストンのスタッドレスタイヤ「ブリザック VRX3」価格一覧を見る

そこで、今回は大きく3つの試乗メニューが用意された。ひとつめは、ブリザック「VRX3」と、VRX3と同じゴムを使ったスリックタイヤ(今回の試乗会における特別仕様)との比較。2つめは、VRX3と初代ブリザック「PM-20」(当時のスタッドレスタイヤを再現して作成)との比較。最後は、VRX3が採用している発泡ゴムと、非発泡ゴム(サマータイヤ)を、三輪車とラジコンによって体感した。

最初に「トレッドパターン」のある「VRX3」装着車へ試乗。8の字旋回もスムーズにクリアしていく

最初に「トレッドパターン」のある「VRX3」装着車へ試乗。8の字旋回もスムーズにクリアしていく

まずは、VRX3を装着するプリウスに乗って、スケートリンク場の特設コースを走行する。かぎられた環境なのでスピードは出せないが、それでも10km/hほどまでであれば8の字旋回を試みても、滑り出す気配は感じられない。そこから徐々に速度を上げ、15km/h程度になると、フロントが逃げていくような感覚が感じられた。

トレッドパターンのある「VRX3」装着車では、フルブレーキをかけると最初だけ滑るものの、その後はグリップを取り戻してしっかりと止まってくれた

トレッドパターンのある「VRX3」装着車では、フルブレーキをかけると最初だけ滑るものの、その後はグリップを取り戻してしっかりと止まってくれた

また、直線でフル加速とフルブレーキをテストしたが、一瞬だけ滑る様子を見せたものの、徐々にグリップを回復していく。これこそが、吸水性と排水性の高さと言えそうだ。フルブレーキも、しっかりとABSが作動して、Gを感じながら停車することができた。

次にトレッドパターンのないスリックタイヤの「VRX3」装着車へ試乗

次にトレッドパターンのないスリックタイヤの「VRX3」装着車へ試乗

では、VRXと同じゴムを使ったスリックタイヤ装着車へと乗り換えてみよう。スリックタイヤなので、まったくグリップしないのかと思いきや、意外にもグリップしながら8の字旋回をこなすのには驚いた。もちろん、VRX3のようなしっかりとしたグリップ感ではなく、ぬるぬると滑るような感じはするのだが、ステアリングを切り増してアクセルを戻せば、すっと素直に軌跡が回復する。これこそが発泡ゴムの力で、小さな泡がしっかりと氷の表面の水を吸水し、遠心力でその水を飛ばしているのだ。

スリックタイヤの「VRX3」装着車では、思うようにグリップしてくれず、停車ラインの赤いポールをオーバーしてしまった

スリックタイヤの「VRX3」装着車では、思うようにグリップしてくれず、停車ラインの赤いポールをオーバーしてしまった

ただし、縦方向のグリップはさすがに厳しいようで、停止位置から一気にアクセルを踏み込んでもほとんど加速せず、そこからフルブレーキングしてもABSが介入せず、なかなか止まらなかった。そうは言っても、本当のスリックであればこの程度ではとても済まなかっただろう。そもそも、スタートすらできなかったかもしれない。

初代ブリザックの「PM-20」装着車へ試乗。慎重にアクセルやステアリングを操作しないとアンダーを誘発しやすいが、思ったよりも氷上路面でグリップしてくれる

初代ブリザックの「PM-20」装着車へ試乗。慎重にアクセルやステアリングを操作しないとアンダーを誘発しやすいが、思ったよりも氷上路面でグリップしてくれる

次に、VRX3と初代ブリザックのPM-20を乗り比べた。PM-20は、少しロードノイズが聞こえるのと、簡単にアンダーステアになりやすい印象だ。こちらが9km/hで滑り始めるのに対し、VRX3では13km/hくらいまで上げることができる。速度域は明らかに異なるものの、総合的なバランスにおいては当時でも素性がよかったことを窺うことができた。

最後は、三輪車に乗ってサマータイヤとスタッドレスタイヤのゴムの違いを体験した。これは、如実に違いがわかった。なぜなら、自分の足でその感触がわかるからだ。

まず、サマータイヤが装着された三輪車へ試乗。少し力を入れるだけですぐに空回りしてしまい、グリップしていないことが感じられる

まず、サマータイヤが装着された三輪車へ試乗。少し力を入れるだけですぐに空回りしてしまい、グリップしていないことが感じられる

サマータイヤのゴムを履いた三輪車でスタートすると、くるくると空回りするばかりでなかなか進まない。コーナーにおいてもフロントがどんどん逃げていく。

次に、VRX3のゴムを使ったタイヤが装着された三輪車へ試乗。サマータイヤに比べて明らかにグリップしており、そのまま漕ぎ進めるとスピードが出すぎてしまうほどだ

次に、VRX3のゴムを使ったタイヤが装着された三輪車へ試乗。サマータイヤに比べて明らかにグリップしており、そのまま漕ぎ進めるとスピードが出すぎてしまうほどだ

いっぽう、VRX3のゴムを使用した三輪車は、一瞬滑った後にはしっかりとグリップしており、ためしに立ちこぎで力を込めてもそれを受け付けてくれた。コーナーでは、フロントが逃げ始めたとしても、ちょっとブレーキをかければ素直に減速するし、わざとブレーキングで姿勢を崩してみようかなど、安心した挙動を楽しめるくらいに氷上性能が高かった。

発泡ゴムを使ったタイヤを装着したラジコン(レッド)と、非発泡ゴムを装着したラジコン(グレー)で綱引きを行うと、グリップしているレッドのラジコンがグレーのラジコンをぐいぐいと引っ張っていく

発泡ゴムを使ったタイヤを装着したラジコン(レッド)と、非発泡ゴムを装着したラジコン(グレー)で綱引きを行うと、グリップしているレッドのラジコンがグレーのラジコンをぐいぐいと引っ張っていく

これは、ラジコンを使ったテストでも同様だった。発泡ゴムを4輪に巻いたものと、もうひとつは非発泡ゴム、いわゆる板ゴムを4輪に巻きつけてある。この2台を綱引きして、どちらが前に進むかをやってみたのだが、明らかに発泡ゴムのほうが引っ張るし、発泡ゴムのスロットルを開けないで非発泡ゴムのみ開けると、スリップして動かない。次に、それぞれのゴムの上に水をかけ、氷の上ではほぼミューがないような状態でも試してみたのだが、より顕著にその差が表れた。発泡ゴムも、最初はスリップするがその後じわじわと動き出すのだ。つまり、氷の上を除水して水がなくなってグリップが出てきたということだ。

最新の「VRX3」と先代「VRX2」との違いは!?

最後に、VRX2からVRX3ではどのように進化したのかをお伝えしたい。最大のポイントは、氷上性能の向上にある。VRX2以前のブリザックでも、氷上ブレーキ性能は毎回10%ずつくらい向上させてきていたのだが、今回は20%ほども向上させているという。直線では、アクセルを踏んだ時の加速感やブレーキを踏んだ時のぎゅっと路面をつかんで止まる感覚、そして旋回時のグリップ性能などが発泡ゴムの進化によって向上している。

「VRX3」では、ゴムの経年硬化を抑制する「ロングステイブルポリマー」を配合することで、発泡ゴムのやわらかさをさらに持続させ、効きや持ちを向上させている

「VRX3」では、ゴムの経年硬化を抑制する「ロングステイブルポリマー」を配合することで、発泡ゴムのやわらかさをさらに持続させ、効きや持ちを向上させている

また、ゴムが硬くなりにくい新材料が採用されているため、経年劣化してもやわらかさを維持し、氷上性能の維持も向上しているとのことだ。ちなみに、VRX3の4年経過相当の氷上性能とVRX2の新品の性能を比較すると、VRX3のほうがその性能は高いという。したがって、摩耗ライフも従来から17%も向上し、これまで少し弱点といわれていた耐久性も向上させているとのことだった。

大城さんいわく、「最新のVRX3は、圧倒的な氷上性能の進化に加え、ドライ、ウエット、静粛性、摩耗ライフといった全方位での改良を施し、まさに走る、曲がる、止まるを新たな次元で実現したブリヂストン史上最高、最強のブリザックになります」と自信を見せた。

「スタッドレスタイヤはどれも同じ。それであれば、安いほうがいいよね」という考え方も確かにあるだろう。しかし、ブリヂストンの理念、「タイヤは生命を乗せている」という言葉を聞くと、はたしてそうだろうかと考えてしまう。前出の雀部さんは、以前に北海道で数年勤務したことがあるそうだ。その時に、「お客様から、お父さんやお母さんから冬道で一番安心できるのはブリザックだからこれを履きなさいとか、免許を取って初めてクルマを買った時に、お金がないからタイヤはいいやと言ったら、親が勝手につけていたというような話も聞いたりしました。まさに、クチコミの原点みたいなものがきちんとできあがっているのですね。人に勧められて装着した時に、その信頼を裏切らない性能を開発チームがちゃんと作ってくれていることが、こういったクチコミの効果をどんどん大きくしてきているのではないでしょうか」と話してくれた。まさに、これこそがブリザックが長年ナンバーワンの地位を維持している理由だと感じた。

内田俊一

内田俊一

日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かし試乗記のほか、デザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。

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