ドイツ勢以外の欧州ブランドとしてはPSAが筆頭だろう。シトロエンは人気SUVである「カクタス」のカブリオレである「カクタスMコンセプトカー」と、DSブランドとしては車高を高めた「DS4クロスバック」を出品。プジョーは「308」のスポーツバージョンである「308GTi」とハイブリッドの「308Rハイブリッド」、レーシングカーの「308レーシングカップ」という3台を持ち込んだ。コンセプトカーはスポーティな電気自動車クーペの「プジョーiコクピット」。充実した出品内容であった。
フィアットグループの注目は、アルファロメオの新型セダンの「ジュリア」だ。待望であった新型スポーティセダンということで人だかりが消えることはなかった。ジャガーはブランド初となるSUVの「Fペース」がついにデビュー。期待の量産モデルということで、こちらもの注目度も高い。またジャガーのブースには、2015年12月公開の映画「007 スペクター」の撮影に使われた「C-X75」、「レンジローバー・スポーツSVR」、「ディフェンダー」といった車両も展示されていた。
ヒュンダイのブースにはブガッティ同様のグランツーリスモのコンセプトカー、「N2025ビジョン・グランツーリスモ」が展示されていた。なんとパワートレインは884馬力を生み出す燃料電池システムだ。
シトロエンのカクタスのカブリオレモデルをカクタスMコンセプトカーとして展示
車高を高めたDS4クロスバック
プジョー308のレーシング仕様308レーシングカップを展示
プジョーのコンセプトカーであるフラクタルは4人乗りのカブリオレで、トータル出力204hpの電気自動車
アルファロメオの新型セダンジュリアも注目を集めていた
ジャガーブランドとしては初のSUVのFペース。量産モデルということで注目度は高かった
この冬公開予定の新作007に登場予定のC-X75
ディフェンダーは、新作007の中では最速のディフェンダーという設定
884馬力の燃料電池を搭載するヒュンダイのN2025ビジョン・グランツーリスモ
日系ブランドで目立ったのはSUVコンセプトたちだ。トヨタは「C-HR」。日産は「グリップス・コンセプト」。マツダは「越KOERU」。3台ともスポーティなイメージが強く、オフロードというよりも街中が似合うスタイリッシュなモデル。インフィニティから市販モデルとして登場した「Q30」も同様のカテゴリーである。新しいSUV像を生みだそうという雰囲気が日系ブランドから感じることができた。
ちなみにトヨタブースでもっとも注目を集めたのはコンセプトのC-HRではなく、新型となった「プリウス」であった。正式なショーデビューを、ここフランクフルトで飾ったということもあり、メディアの注目度は非常に高かったのだ。
ホンダはモトGPに参戦するマシンの公道版バイクRC213Vのエンジンを搭載した「ホンダプロジェクト2&4」を出品。215馬力を発揮する999ccV4エンジンを6速DCTで操る。文字通り、クルマとバイクを混ぜたような面白い提案であった。
スズキは、ジュネーブに出品したコンセプトカー「iK-2」の量産モデルをワールドプレミア。1リッターターボエンジンとマイルドハイブリッドを組みあわせたバレーノだ。
正式なショーデビューとしては初披露となったトヨタのプリウスは注目度が高かった
クロスオーバーコンセプトのC-HR
日産もSUVのコンセプトモデルであるグリップス・コンセプトを展示していた
インフィニティブランドで発売される日産の市販車であるQ30もスポーティなSUVである
マツダもSUVのコンセプトカー越KOERUを展示していた
215馬力を発揮する999ccV4エンジンにDCTを組み合わせたホンダプロジェクト2&4
スズキはジュネーブショーに出展したiK-2の量産モデルを公開した
ざっと振り返ってみれば、夢のあるスポーツカーのコンセプトもあったが、質量共に充実していたのがクロスオーバーを含むSUV。コンセプトカーから量産モデルまで、数多くの興味深いSUVが登場していたのだ。世界中に広がるSUVブームは、ドイツの地にも到来していた。というよりも、日系ブランド同様に世界中に工場を進出しているドイツブランドである。ある意味、トレンドの発信者そのものと言ってもいい。その地のトレンドがSUVであることは、当然のことだろう。まだまだ世のSUVブームの火は消えそうもない、そんなことを予見させるフランクフルトモーターショーだった。