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ハイレゾ再生を楽しめるケンウッド「彩速ナビ」がDSD音源に対応!

ハイレゾ音源に対応するケンウッドのカーナビ「彩速ナビ」の「TYPE Z」シリーズに、新モデルが誕生。今回発表された4モデルは従来からのリニューアルされ、お得意の高音質再現にさらにこだわったほか、ナビゲーション機能の強化や操作性の改良など基本性能を大きく向上させた。説明会で実機に触れた、上位機「MDV-Z904」と「MDV-Z904W」を中心に詳細をお伝えしよう。

説明会で体験したのは、通常の2DINコンソールに装着できる「MDV-Z904」と200mmのワイドコンソールに対応した「MDV-Z904W」。「MDV-Z904W」は物理キーを排除し、すべてを静電式タッチパネルで操作する仕様となっている。両機とも市場想定価格は14万円前後で、10月中旬発売予定

DSD形式にも対応したハイレゾ音源再生

まずは、彩速ナビの大きなウリであるハイレゾ音源の再生から見ていこう。1年半ぶりとなる今回のモデルチェンジでは従来から対応しているWAVやFLACといった形式に加え、現状で配信されるものとしては最高音質となるDSD音源(最大11.2MHzまで)の再生も行えるようになった。また音質に関しては、従来から搭載されている“直感的に操作できるイコライザー”といった調整機能に加え、周波数レベルや周波数帯域までも細かく設定できる「プロモードEQ」という機能も装備。車内では、腰掛ける位置や車種による窓の形の違いなどで音質が変動してしまうが、その違いにあわせて最適な音質特性を「プロモードEQ」でコントロールできる。

ハイレゾ音源再生中の画面。ハイレゾ音源のレベルを示す周波数が、画面左下に表示される。WAVやFLACなどの音源では、周波数のほかビットレートも表示

「プロモードEQ」を利用すれば、フロントやリアのスピーカーだけでなく、装備している場合はサブウーハーまで個別に音質特性を調整できる。座る位置などにあわせてリスニングポジションも設定可能

従来より受け継がれるイコライザーは、高音を強くする、低音を厚くするといった調整がフリック操作で直感的に行える

DSD音源をデモカーの中で試聴したが、正直なところ素人レベルではFLACやWAVといった音源との差異はあまり感じられなかった。しかし、ハイレゾ音源がいい音なのは確か。実際にエンジンをかけた車内で前モデルを試聴したことがあるのだが、圧縮音源やCD音源との違いは明確に感じた。DSD音源までの聞き分けはできなかったものの、ハイレゾ音源を自宅で楽しんでいる人にとって、DSD形式の音源を車内で再生できる意味は大きいだろう。

ドライバー視点で精度を高めたナビ機構

カーナビの基本であるナビゲーション機能についても、かなり本気のブラッシュアップが図られている。まず、クルマの自車位置を測位するジャイロと加速度のセンサーは、従来のアナログ式に比べてノイズの影響を受けにくいデジタル式を採用。空港の立体駐車場の中など、GPS信号を受信しにくい環境でも正確な自車位置を表示できるようになっている。また、温度変化によるセンサーの出力値の変動を補正する「温度特性フィルター」も新たに搭載。温度変化による影響を学習する機能も備え、季節や天候などにかかわらず正確な自車位置表示を可能にした。GPSに加え、準天頂衛星「みちびき」からの信号受信に対応していることはもちろん、これらの信号の信頼度を判定するアルゴリズムも搭載し、ビル街などでも信頼度が高い情報をもとに位置のズレを修正してくれる。

以上のことは、残念ながら実際に走行しないと確かめることはできない。その代わりといっては何だが、会場に用意されていたデモ機でチェックできた進化した案内機能などを紹介しておく。

地図表示画面で自車位置の周辺だけを拡大表示できる「ワンタッチルーペ案内」。“この先の曲がる部分だけを大きく見たい”というような場合に、タップするだけでピンポイント拡大できる

有料道路を優先するのか、道幅の狭さはどれくらい許容するのか、渋滞はどれくらい避けるのかといったドライバーの好みに関わる優先度を設定しておける「マイルートアジャスター」

“ここを曲がった後はどう走ればいいの?”と思ったら、「案内先読みガイド」を利用しよう。まさに、走行している先にある交差点や分岐点を簡単に確認できる機能で、画面左側に表示される。従来から搭載されていた機能ではあるが、新モデルでは信号待ちなどの停車時に30秒ほどで先のルートをスクロールしてくれる要素が追加された

スピーディーな操作を追及したインターフェース

ケンウッドの彩速ナビは“スマホのようにサクサク動くカーナビ”と言われるほど、操作に対するレスポンスのよさには従来から定評がある。フリックやドラッグ、ピンチなどの操作に対応し、タッチ操作に対する反応もストレスを感じないほどスピーディーだ。新モデルでは従来の操作性はそのままに、より直感的に使えるインターフェイスが追加された。その中でも便利さ「大」なのが、HOMEボタンを押すと地図上に操作ボタンが浮かび上がる「アクティブオーバーレイ GUI」と、目的地への到着予定時間や残距離、天気や時計といった情報を画面左側から引き出して表示させる「INFOウィンドウ」。よく使う機能を集約できる「マイメニュー」も便利だろう。これらの機能は文章だけではわかりづらいので、下の写真でチェックしてほしい。

地図画面に重なるように操作ボタンが表示される「アクティブオーバーレイ GUI」は、“直感的に使える”を目指したものだという

最近の自動車には搭載されていないことも多い時計も、右フリックすることで左画面から「INFOウィンドウ」として引き出して表示できる

音楽再生中に「INFOウィンドウ」を引き出すと、楽曲のソースやイコライザーなどの必要な情報が表示されるのも彩速ナビらしい配慮

「マイメニュー」にはショートカットを6つまで登録できるようになっている

「マイメニュー」にはショートカットを6つまで登録できるようになっている

スマホ連携機能もパワーアップ

彩速ナビは、スマートフォンとの連携機能にも力を入れている。前モデルではスマートフォンとテザリング接続を可能としたもののスマホのバッテリーが減ってしまうため、常時接続しておくのは厳しかった。そこで、新モデルではUSB接続でスマホに充電しながらテザリングできる(Androidのみ)ように改良。さらに、国内でサービスが開始されたばかりの「Android Auto」にも対応しているので、「Amazon Music」や「Google Play Music」などの聴き放題サービスもカーナビで楽しめる。なお、iPhoneユーザーにはカーナビと接続(有線)してiPhone内の音楽を視聴できるのはもちろん、電話をかける、メッセージを送受信するといった操作をカーナビ上で行える「Apple Car Play」を用意。

「Apple Car Play」ではiPhoneの操作すべてをカーナビ上で行えるわけではないが、音声でメッセージを作成するといったこともできる

下位モデル「MDV-Z704/Z704W」もラインアップ

ここまでは、主に上位機「MDV-Z904」と「MDV-Z904W」について紹介してきたが、残る下位の2モデル「MDV-Z704」と「MDV-Z704W」について触れておきたい。ハイレゾ再生への対応やナビ機能は上位モデルと基本的に共通だが、ハイレゾ音源再生ではDSD音源には非対応で、「プロモードEQ」も搭載されていない。「Android Auto」と「Apple Car Play」にも対応していないので、これらの機能を使いたいなら上位モデルを選ぶほうがいいだろう。

上が「MDV-Z704」で下が「MDV-Z704W」。発売日は上位モデルと同じで、市場想定価格は12万円前後となっている

増谷茂樹

増谷茂樹

カメラなどのデジタル・ガジェットと、クルマ・バイク・自転車などの乗り物を中心に、雑誌やWebで記事を執筆。EVなど電気で動く乗り物が好き。

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