特別企画
万が一のときのために知っておきたい

ポリ袋でできる非常食の作り方!“回転備蓄”で災害に備えよう

大規模災害は、いつ発生するかわからないもの。そこに向けて、普段から備えを意識しておくことが重要です。東日本大震災のあったこの時期は、特に防災意識の高まる人が多いのではないでしょうか。そこで、万が一のときに役立つ“回転備蓄”の知識と、ポリ袋でできる“非常食の作り方”を、プロに教えてもらってきました。知っておいて損はないはず。ぜひチェックしてみてください。

備蓄食材で作る非常食。なんと「ポリ袋」と「カセットコンロ」で作れるんです! 生活クラブ生協連合会が開催したイベント「回転備蓄と防災クッキング」で教えてもらってきました

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大規模災害が起きると、どんな状況になる?

大規模災害が起きたとき、その後の生活はどんな状況が想定されるのか、まとめてみたいと思います。

第一に考えられるのが、電気、ガス、水道、通信などのライフラインが被害を受けて使えなくなる可能性。各機能を95%回復させるのに要する目標日数は、電力が7日、通信が14日、上下水道が30日、都市ガスが60日とされています(東京都総務局防災ホームページより)。

がれきで道路がふさがれるなどして、交通機能に被害が発生すれば、数日程度は流通が機能しなくなることも考えられます。そんな状態で、多くの方がライフラインを絶たれた自宅での生活、いわゆる「在宅非難生活」をすることが想定されます(もちろん、自宅の倒壊や津波被害が想定されるなど、自宅以外の指定非難場所で過ごす必要がある場合は別)。

東京都総務局防災ホームページによれば、今後30年以内に南関東でマグニチュード7クラスの大地震が発生する可能性は70%程度とされています。もちろん、日本全国どの地域でいつ何が起こるかわかりません

そこで普段から、在宅非難生活に備えた対策をとっておくことが重要です。家具の転倒防止アイテムを使って2次被害を抑えたり、太陽光発電や蓄電池などのシステムを導入したり、事前にできることはさまざま。流通機能が絶たれた数日間の食材を確保しておく“備蓄”も重要なポイントです。

プロがすすめる“回転備蓄”とは?

読者のみなさんは“回転備蓄”という言葉をご存知でしょうか? これは、「普段から自宅に数日分の食材を備蓄しておき、それを定期的に消費し、また買い足していく」という備蓄サイクルのことです。大規模災害後にライフラインが絶たれた数日間も、備蓄した食材をうまく使って食事を作れるようにしておくのです。

そのポイントを教えてくれたのは、危機管理教育研究所の認定防災クッキングアドバイザー・鈴木佳世子氏。料理研究家である鈴木氏は、自身も1995年の阪神淡路大震災で被災経験があり、その体験を元にして、最小限の火や水を使った料理レシピを開発しています。2016年に発生した熊本地震の際も被災地に入り、簡単な非常食レシピを広める活動を行っていました。

お水やトイレットペーパーなどを、普段から備蓄しておき、それを定期的に消費してまた買いなおしておくのが“回転備蓄”の考え方

イベントの講師を務めた料理研究家の鈴木氏。阪神淡路大震災での被災経験から、災害時における食の大切さを実感し、災害時に作れるレシピを開発されています

鈴木氏によれば、最低でも自宅には「3日分」の食材を備蓄しておくのがよいそうです。水のペットボトルや缶詰などは基本中の基本。それ以外にも、無洗米やパックご飯を置いておくと、普段の生活で定期的に消費するのにも使い勝手がよいですよね。

また、小さいお子さんがいるご家庭の場合は、ビスケットなど日持ちする甘いお菓子を置いておくとよいそう。それに塩や砂糖のほか、簡単に味付けができる「万能つゆ」などの調味料も、かなり重宝するアイテムです。

お水やスープなどの飲料、レトルト食品は必ず備蓄しておきたいアイテム。特にお水は重要です

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カレールウや卵、黒豆などの乾物類もあればいろいろな非常食を作ることができます。日持ちのする缶詰は基本ですね

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もちろん、食材以外の日用品も自宅にストックしておきましょう。特にトイレットペーパーやティッシュペーパーなどの紙類は、掃除や料理などでも使えるので、普段から1か月分は備蓄しておくのがよいそうです。また、簡易トイレや救急箱もあるとなおよいでしょう

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今回のイベントを主催した「生活クラブ」は、生協の食材宅配サービスを行う組織。取り扱っているのは、国産、無添加、減農薬といったこだわりの安心食材ばかりです

そんな生活クラブで推奨しているのが“回転備蓄”という考え方なのです。一定量の食材や生活用品を宅配してくれるので、“回転備蓄”を実施するのに楽チン!

ポリ袋を使ってできる、非常食の作り方

さて、どんなに普段から食材を備蓄しておいても、災害時にそれをうまく調理できなければ意味がありません。何しろ電気が止まってしまったら、家電製品は使えないわけです。そこで注目したいのが、「ポリ袋」「カセットコンロ」「鍋」を使用した方法。これなら、備蓄しておいた水と火を使って、簡単に非常食を作れるのだそうです。

ポリ袋とカセットコンロとお鍋で作ります。カセットコンロとカセットガスは、電気が止まってしまったときに役立つ重要アイテム。必ず一家に1台置いておきましょう

基本手順は、以下の2ステップです。

<ポリ袋で作る非常食の基本手順>
1:食材をポリ袋に入れて、袋の上から手で揉んで混ぜる
2:ポリ袋ごとお湯の中に入れて煮る

今回は、「蒸しパン」「サバカレーライス」「だし巻き卵」の作り方を教えてもらってきました。実際に、鈴木氏が被災地での活動で実施したレシピだそうです。以下に、ご紹介していきましょう。

▼蒸しパンの作り方

まずは、「蒸しパン」から。ホットケーキミックス、マヨネーズ、牛乳、卵などの材料をポリ袋に入れて混ぜ、そのままお湯で煮るだけです。ホットケーキミックスは、何かしら水分のあるものと混ぜて加熱すればパンやケーキもどきになるので、備蓄しておくと重宝しそう。

参考までに分量は、ホットケーキミックス50g、マヨネーズ大さじ1、牛乳大さじ3、卵1/4個。今回は具材として、ウインナーとミックスベジタブルも用意されました。どれも家庭にある食材ですよね

ホットケーキミックスなどの基本食材をポリ袋に入れて、袋の上から手で混ぜてタネを作ります。最後に、具材となるウインナーとミックスベジタブルを入れてよく混ぜましょう

ポリ袋の口をしばって、お湯で25分ほど煮ます。水は備蓄しておいたものを無駄にしないよう、お鍋にあわせて必要最低限を入れるよう配慮する必要があります

できあがった蒸しパンがこちら!

できあがった蒸しパンがこちら!

上の写真は取材用に包丁でカットされたものですが、被災時にはできるだけ洗いものを出さないほうがよいので、そのままかぶりついたり、手でちぎって食べたほうがよいかもしれません。自宅にある食材を、何でも具材にできそうです

ちなみに今回のイベントは親子参加型で、小さいお子さんの姿も。ポリ袋に入れて手でモミモミするだけなら、お子さんでもお手伝いができます(カセットコンロは火を使うため、危ないので注意)。できあがった蒸しパンを食べると、会場のあちらこちらから「おいしい!」と声が上がっていました

▼サバカレーライスの作り方

災害時の簡単レシピとして、鈴木氏が特におすすめしているのがカレーだそうです。味が濃いですし、栄養も多く入っていてスタミナが出ますよね。今回は、被災地への支援物資として特に多いというサバの缶詰を使った「サバカレーライス」のレシピを教えてもらいました。

材料は、カレールウ、水、トマトケチャップ、たまねぎ、さば水煮缶。全ての材料をポリ袋に入れたら、袋の上から手で軽く混ぜ、それをお湯で20分ほど煮るだけです。

今回の材料はこちら! カレールウ20g、水100mL、トマトケチャップ大さじ1、たまねぎ1/4個、さば水煮缶1缶。たまねぎはみじん切りにしていますが、災害時にはわざわざカットする余裕がない場合もあるでしょうし、さば缶だけでもアリかも。何にでも合わせやすいカレーなので、そのときにある食材を適当に入れてしまってもよさそうです

全ての具材を一気にポリ袋に入れて、このあとお湯で20分煮ます

全ての具材を一気にポリ袋に入れて、このあとお湯で20分煮ます

カレーといえば、ご飯も必要ですよね。実は、ポリ袋を使って簡単にご飯を炊くこともできるのです。ポリ袋にお米と水を入れて30分ほど置いたのち、そのままお湯に入れて20分ほど煮るだけでOK。

お米1合と水1カップをポリ袋に入れて30分ほど浸しておき、お湯で20分ほど煮たあと、10分蒸らしてできあがり。本当にこれだけ

カレーとお米を一緒にお鍋で煮ます(※後述するだし巻き卵も一緒に煮ています)

カレーとお米を一緒にお鍋で煮ます(※後述するだし巻き卵も一緒に煮ています)

こちらが完成したサバカレー! この味が予想以上にイケてました

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ご飯はやわらかめな炊きあがり。もちろん味を追求するというようなものではありませんが、無理なく普通に食べられる状態にちゃんと炊けています。カレー本体も、おそらくさば缶の出汁やトマトケチャップでコクが出ていて、インスタントで作ったとは思えない味でした

カレーライスをぱくり! 小さなお子さんもおいしく食べられちゃいます

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なお、被災直後に断水している時期などは、支援物資の少ないお水を使うので、お米をとぐ余裕がない場合もあります。無洗米だったら問題ないですが、普通のお米でもとがずにそのまま炊くしかありません。鈴木氏によれば、「そんなときは、カレーのような味の濃いおかずと組み合わせて、ぬか臭さをごまかして食べるなど工夫するとよいですよ」とのことでした。

▼だし巻き卵の作り方

もうひとつ、備蓄しておくと便利な調味料が、単体で味付けができる「万能つゆ」。今回は、卵を使って簡単な「だし巻き卵」の作り方を教えてもらいました。卵と万能つゆを一緒にポリ袋に入れて、お湯で煮るだけです。

卵2個、万能つゆ大さじ1/2をポリ袋に入れ、袋の外側から軽く手で混ぜて15分ほど煮ます

卵2個、万能つゆ大さじ1/2をポリ袋に入れ、袋の外側から軽く手で混ぜて15分ほど煮ます

できあがっただし巻き卵がこちら。つゆの味が付いた卵焼きという感じで、普通においしい! ポリ袋で作ったとはわからない味でした

プロが教える、ポリ袋を使った非常食作りのポイント

ポリ袋を使った非常食を作る際のポイントを、鈴木氏に聞いてみました。まず重要なのは、「使用するポリ袋は、半透明のものを選ぶこと」。透明のものは耐久性が低く、加熱するときに破けてしまうこともあるのだとか。また、スーパーに置いてあるようなポリ袋は薄手のため、4〜5重にして使うのがオススメだそうです。

また、上の写真でもおわかりかと思いますが、今回のイベントではお皿にラップを敷いた状態で料理を盛り付けていました。これは、「お皿を汚してしまうと洗いものが発生し、水を使わなくてはならなくなるため」とのこと。そんなわけで、ラップ類も普段から多めに備蓄しておくとよいようです。

ラップ類も、普段から多めにストックしておきたいアイテム。いろいろな場面で使えそう

ラップ類も、普段から多めにストックしておきたいアイテム。いろいろな場面で使えそう

こんな感じで、今回のイベントではお皿にラップを敷いてから料理を盛り付けていました

こんな感じで、今回のイベントではお皿にラップを敷いてから料理を盛り付けていました

まとめ。防災知識&意識も“備蓄”しておこう

さて、万が一のことが起きたとき、活力原となる“食”について、普段から意識しておくことは重要です。なお、今回は「在宅非難生活」を想定した対策をご紹介しましたが、もちろん自宅や近隣の建物に倒壊の恐れがあったり、津波被害が想定されるなど、自宅以外の指定非難場所で過ごす必要がある場合は、この限りではありません。それに、大規模災害時には何が起こるかわからないので、もちろん全てのシーンに応用がきくとは限らないでしょう。

ただ、普段から自分でできる備えとして、食材のストックに取り組んでおくことは重要。“回転備蓄”やポリ袋でできる非常食の作り方など、こういった防災への知識や意識も“備蓄”しておいて損はないはずです。

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杉浦 みな子(編集部)

杉浦 みな子(編集部)

オーディオ&ビジュアル専門サイトの記者/編集を経て価格.comマガジンへ。私生活はJ-POP好きで朝ドラウォッチャー、愛読書は月刊ムーで時計はセイコー5……と、なかなか趣味が一貫しないミーハーです。

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