“ラーメン大好き松田さん”のコラボカップ麺チェック。今回は、東京・五反田にある四川火鍋×宜賓燃麺専門店「ファイヤーホール4000」に注目します。アツアツなその店名に、四川料理好きの血が騒ぐ! 同店の菰田欣也(こもだきんや)シェフが監修したカップ麺「四川汁なし担担麺」(サッポロ一番)と、お店の「ピリ辛和え麺」を実際に食べ比べて、再現度を検証します。真冬でも、1、2、3、ファイヤー!
“中華の鉄人”陳建一氏を師とあおぎ、2004年11月には、第5回中国料理世界大会(中国・廣州)個人熱菜部門で“日本人初となる金賞”を受賞した、菰田欣也シェフ。四川料理の新たなカリスマと呼ばれ、栄養薬膳師でもある同氏が提案する、新たなスタイルの火鍋専門店が「ファイヤーホール4000」です。
今回実食したのは、四川省宜賓(ぎひん)市地方の名物そば「ピリ辛和え麺」。ランチタイムでは、こってりな重慶式を食べることができました。しっかりとした歯ごたえの麺の上に、ネギ、フライドオニオン、唐辛子の粉、ひき肉などが乗っかり、“最高の薬膳体験”を楽しめます。まずは、その模様をお届けしましょう。
今回は、「ピリ辛和え麺」(900円)+「水餃子・ライスセット」(300円)を注文!
具材は、青ネギ、白ネギ、ひき肉、ナッツ、フライドオニオン、花椒(ホアジャオ)を効かせた「芽菜(ヤーツァイ)」、唐辛子の粉
麺は細く、焼きそばのような茶色。いい意味でパサパサして、湿りっ気がなく、ベタつかない。具材がよくからんで、メチャうまです
甘辛ダレをかけた水餃子も、うまし!
今回は「ピリ辛和え麺」を食べましたが、四川料理好きとしては、担担麺もかなり気になるところ
店内入り口には、今回食べ比べするカップ麺が山積みになっていました!
ファイヤーホール4000。五反田駅A6出口から徒歩約4分。五反田駅から394m。営業時間は11:30〜14:30(14:00ラストオーダー)、17:00〜22:30(21:30ラストオーダー)。定休日は月曜日(※年末年始の営業は要確認)。2018年12月28日時点「食べログ」より
見た目と舌で味わう、複雑にからみあうスパイス。これはスゴい。従来の「汁なし麺」の枠を飛び越え、まるでホテルの高級中華料理店で提供されるような逸品です。
さらに、花椒のしびれや唐辛子の辛さは、お互いに主張せず。このバランスが絶妙で、むしろ、ベースとなる甘みが全体を包み込みます。とがった辛さがないので、辛い料理が苦手な方でも十分に楽しめるかも。
総じて、四川料理と言うより、高級な薬膳料理。薬膳、うまい、うますぎる。突き抜けた、超逸品。もちろん、ライスとの相性は最高。これは、とんでもないものを食べた!
お店のピリ辛和え麺を楽しんだ後は、サッポロ一番が発売するカップ麺「ファイヤーホール4000 菰田欣也シェフ監修 四川汁なし担担麺」(税別220円)を食べて、その再現度を検証していきます。とは言っても今回、麺の種類が異なるなど、両者は完全に同じではなく、“ニアリーイコール”であるようです。そのため、主に薬膳の風味や具材の雰囲気などを中心に、ジャッジしていこうかと思います。
サッポロ一番が発売する「ファイヤーホール4000 菰田欣也シェフ監修 四川汁なし担担麺」を食べて、お店の味と比べます!
熱湯を入れて3分経ったら、カップ焼きそばと同じ要領で、お湯を捨てます
カップの中には、かやく、後入れの特製調味だれ、後入れの特製スープが入っています
麺は、超幅広のノンフライ麺を使用。まるで、きしめんのような姿です
熱湯を入れて3分。お湯を捨てると、このような感じです
後入れの特製調味だれをジャーーッ!
後入れの特製スープをダバダバーーッ!
幅広麺をかき混ぜて、カップを傾けると、溶けたラー油の姿が
四川汁なし担担麺の完成! かやくは、鶏・豚味付肉そぼろ、ねぎ、唐辛子と、お店の雰囲気と似たようなラインアップです
汁なしの命とも言えるのが、麺。独特な幅広麺は、思った以上にモチモチです
四川料理のカリスマによる監修。これはもう食べる前から、“勝利”が約束されたようなもの。全体的なスパイス感は、これまで食べた汁なしカップ麺の中でも断トツかもしれません。後入れのタレをかき混ぜていたあたりから、花椒の香りが周囲に立ちこめます。
わかりやすく言うと、お店の辛さとしびれをかなりデフォルメしたような印象。カップ麺ながら、確かに“薬膳体験”を楽しめます。ただし、お店よりも、スパイスの複雑さが弱いのが気になるところ。辛さとしびれを強調して、パラメータが吹っ切れているような感じです。
具材に関しては、鶏・豚味付肉そぼろ、ねぎ、唐辛子というラインアップがお店と似ていますが、何にせよ、量が圧倒的に少ないが残念。しかし、超幅広のノンフライ麺の食べ応えや、しっかりとした旨みが最高で、満足度はかなり高いです。見た目以上にボリューム感もあります。食欲がそそられ、麺を食べ続ける。このループがたまりません!
今回の再現度は?
<いいところ>やや強調しすぎだが、辛さとしびれはかなり近い。幅広麺の食べ応えは最高
<気になるところ>具材のラインアップは似ているが量が少ない。スパイスの複雑さが弱い
スパイスの再現度:★★★☆☆
麺の再現度:(今回は評価なし)
具材の再現度:★★☆☆☆
食べごたえの再現度:★★★★★
コスパ:★★★☆☆
総じて、お店のピリ辛和え麺とはやや別物だった印象ですが、味わい深いスパイスの香りなど、同店の実力を十分に味わえ、“薬膳体験”を楽しめる逸品と言えます。一番印象的だったのは、花椒のさわやかな香り。食べ始めて3分後ぐらいから、汗がじんわり垂れてきて、とても心地がよいです。まさに、真冬でもアツくなれる、至高のカップ麺!