レビュー
一時は入手困難に!

箱買い推奨! 「こってり」で有名な「天下一品」のカップ麺を実食チェック

ラーメンチェーン店の中でも、熱烈なファンを抱える店の代表格が「天下一品」です。1971年、京都の銀閣寺周辺で開いた屋台から始まり、今や国内外に233店舗(2021年10月27日時点)を展開する一大ブランドとして君臨しています。

同店は、2021年で創業50周年を迎えるなか、9月21日、何とカップ麺をリリース。当初は公式ECサイトと西日本の一部店舗のみでの販売でしたが、10月25日からは全国にも販路が広がりました。

そこで今回は、この新カップ麺「名店の味 天下一品 京都濃厚鶏白湯」を徹底チェック。スペックや各素材の特徴のほか、スープや麺はリアルな店とどれだけ近いのか、そもそもウマいのか、コスパはどうか、などをレポートしていきます。

「名店の味 天下一品 京都濃厚鶏白湯」。メーカー希望小売価格は1個280円(税別)で、「天下一品」の公式ECでは12個入りで3,360円(税込)で販売されています。一時は人気で売り切れとなっていました

「名店の味 天下一品 京都濃厚鶏白湯」。メーカー希望小売価格は1個280円(税別)で、「天下一品」の公式ECでは12個入りで3,360円(税込)で販売されています。一時は人気で売り切れとなっていました

「名店の味 天下一品 京都濃厚鶏白湯」を手がけているメーカーは、「サッポロ一番」で知られるサンヨー食品。同社は群馬県発祥の会社で、京都府や滋賀県(天一食品商事の本社所在地)との地理的な関連性は見当たりません。また、即席袋麺のトップシェアを誇る名作「サッポロ一番 みそラーメン」と「同 塩らーめん」ともに、味の方向性は「天下一品」とは異なります。

とはいえ、サンヨー食品の技術力の高さは、“即席袋麺の王者”という肩書きで証明されているといっても過言ではないでしょう。また、同社の「名店の味」シリーズはこれまで、「青葉」や「くじら軒」、「井出商店」、「とら食堂」、「金色不如帰(こんじきほととぎす)」など、名店中の名店が参画してきたシリーズで、現在も「純連(すみれ)」と「桂花」のコラボカップ麺が本品とともに販売されています。つまり、「名店の味 天下一品 京都濃厚鶏白湯」は、「天下一品」ファンはもちろん、全ラーメンフリークも注目の商品だと言えるのです。

でき上がりのイメージ写真よりも、ロゴを前面に出したデザイン。「天下一品」のこだわり「こってり一筋」とも書かれています。ちなみに、同店には、ライトでやさしい「あっさり」や、「屋台の味(「こってり」と「あっさり」の中間)」のメニューも取り揃えています

でき上がりのイメージ写真よりも、ロゴを前面に出したデザイン。「天下一品」のこだわり「こってり一筋」とも書かれています。ちなみに、同店には、ライトでやさしい「あっさり」や、「屋台の味(「こってり」と「あっさり」の中間)」のメニューも取り揃えています

「こってり」スープにはゼラチンや粉末ポテトを使用!

まずは、スペックからチェック。1食134gで、そのうち麺が75g。栄養成分は、492kcal、炭水化物が68.1gです。メジャーなカップ麺で比較すると、「セブン-イレブン」などで売られている「一風堂 赤丸新味 博多とんこつ」が127g(麺70g)で491kcal、炭水化物63.0gなので、“一般的な内容”と考えていいでしょう。

なお、「天下一品」は「こってり」がウリなので、豚骨がベースだと思っている人もいるかもしれませんが、あのコクや乳化具合は鶏白湯(トリパイタン)のコラーゲンによるもの。鶏のガラやモミジをべースに、十数種類の野菜などをじっくりと炊くことで、あの「こってり」スープが生み出されています。

チキンエキスのほか、調整ラードやポークエキスなども入っているので、動物系素材は鶏だけではありませんが、やはりメインは鶏。また、この原材料にはゼラチンや粉末ポテトが入っている点も見逃せません

チキンエキスのほか、調整ラードやポークエキスなども入っているので、動物系素材は鶏だけではありませんが、やはりメインは鶏。また、この原材料にはゼラチンや粉末ポテトが入っている点も見逃せません

開封すると、麺のほかに入っていたのは3つの袋。「かやく」と「特製スープ」(粉末)、「液体スープ」で、2つのスープは麺をよくほぐしてから食べる直前に入れるようにと記載されています。

中身はこんな感じ。300円弱のカップ麺としては一般的です

中身はこんな感じ。300円弱のカップ麺としては一般的です

かやくはチープ……。しかしそのほかは期待以上!

麺は、ノンフライタイプで細め。

ちなみに、「天下一品」の店舗では、普通の麺か細麺が選べます(フランチャイズ店など、選べない店舗もあります)が、デフォルトは普通の麺。なおかつ普通の麺と言っても、中細と言ってよい太さです。

したがって、本品の麺も、熱湯で戻した時の太さは、中細麺くらいになるのではと予想されます。

麺を熱湯で戻す時間は4分。ちなみに、「天下一品」の店舗で提供される麺は加水率低めですが、膨張することで中細になり、なおかつ適度な加水感になると考えられます

麺を熱湯で戻す時間は4分。ちなみに、「天下一品」の店舗で提供される麺は加水率低めですが、膨張することで中細になり、なおかつ適度な加水感になると考えられます

「かやく」は、やや残念な印象でした。

乾燥メンマ、チャーシュー、ネギが入っていますが、特にチャーシューはカットされたタイプで少なめ。メンマも短くて全体的にチープさが漂いますが、その分の労力をスープと麺にかけている、と信じたいところです。

お世辞でも立派とは言えない「かやく」。ただ、2021年2月に発売されたカップ麺「一蘭 とんこつ」のように“あえて具材なし”のカップ麺もあるので、入っているだけでむしろありがたいとも言えるでしょう

お世辞でも立派とは言えない「かやく」。ただ、2021年2月に発売されたカップ麺「一蘭 とんこつ」のように“あえて具材なし”のカップ麺もあるので、入っているだけでむしろありがたいとも言えるでしょう

いざ調理へ。

熱湯を注ぎ、4分経ったら麺をよくほぐします。ここで、少量だけスープを味わってみました。すると、すでに麺からダシが染み出ていて、ボディが感じられました。

そして「特製スープ」から投入。こちらは、白い粉末状で、混ぜてから少量味わってみると、鶏と野菜のうまみがいっそう増した、ふくよかなテイストを感じました。

「特製スープ」によって、まったりしたコクととろみが劇的にアップ。これでも十分食べられそうなおいしさです

「特製スープ」によって、まったりしたコクととろみが劇的にアップ。これでも十分食べられそうなおいしさです

そして最後に、「液体スープ」を入れてしっかりとなじませたら完成。こちらは、醤油や香味油がメインとなったもので、香りもいっそう立ってきました。

「特製スープ」を入れて混ぜた後に「液体スープ」もイン

「特製スープ」を入れて混ぜた後に「液体スープ」もイン

完成です。どうしてもかやくはチープに見えますが、麺とスープは実にウマそうです

完成です。どうしてもかやくはチープに見えますが、麺とスープは実にウマそうです

ちなみにこちらが、「天下一品」の店舗で提供される「中華そば こってり」で、税込790円

ちなみにこちらが、「天下一品」の店舗で提供される「中華そば こってり」で、税込790円

スープと麺は絶品! ほかの名店系をしのぐハイレベルな味

いよいよ期待を胸に、スープからひと口。

おお! ぽってりとしたテクスチャーと奥深いコクがイイ感じ。甘みを感じるのは野菜のダシからでしょうか。鶏の力強いボディの奥に、豊かなまろやかさを感じます。そしてそこに加わる、マイルドな醤油のうまみ。かなりナイスです。

香りも家系ほどではないですが、鶏油(チーユ)を思わせるニュアンス。全体的に、カップ麺としてはかなりハイクオリティです

香りも家系ほどではないですが、鶏油(チーユ)を思わせるニュアンス。全体的に、カップ麺としてはかなりハイクオリティです

麺の太さは、予想どおり中細麺ぐらい。白湯スープをしっかり持ち上げつつ、適度に弾力があって、スープとのマッチングは秀逸です。ノンフライを生麺のように表現する技術も素晴らしく、さすがはサンヨー食品。

店舗の麺より黄色味が強くて加水率は高めな印象ですが、モチモチやプリプリし過ぎない適度な食感とツルみ。京都らしさとも言える、どこかはんなりとした上品さを感じさせます

店舗の麺より黄色味が強くて加水率は高めな印象ですが、モチモチやプリプリし過ぎない適度な食感とツルみ。京都らしさとも言える、どこかはんなりとした上品さを感じさせます

はっきり言って、「かやく」はロークオリティですが、そのチープさを跳ね返すほどのゴージャスな味わいに感動しました。「天下一品」の店の味と同じまではいきませんが、なかなかの再現性。加えて、ほかの名店系カップ麺を超えるハイレベルな味だと思います。

麺を茹でるとよりポタージュ感がアップ!

最後におまけをひとつ。この麺を袋麺のように鍋で茹でてみました。以前、「一蘭」のカップ麺「一蘭 とんこつ」でも試しましたが、こうすると麺がいっそう生風になっておいしくなるのです(あくまでも個人の感想ですが)。

「一蘭 とんこつ」と時と同じ手法で「名店の味 天下一品 京都濃厚鶏白湯」の麺を、鍋で茹でてからスープとドッキング。時間はカップ麺と同じく4分です。すると、どうでしょう。熱湯でグツグツ茹でたことによって麺のとろみが増し、スープとの一体感もアップするではありませんか!

麺のとろみが加わって、スープのポタージュ感もアップ!

麺のとろみが加わって、スープのポタージュ感もアップ!

ただ、“伸びた状態”までとは言いませんが、やわらかく感じてしまうのも事実。なので、茹で時間は30秒〜1分程度短縮するといいと思います。

見てください! 麺と麺の間にスープがたっぷりからみつくこの感じを!

見てください! 麺と麺の間にスープがたっぷりからみつくこの感じを!

【まとめ】個人的には「一蘭 とんこつ」よりも好き!

スープの味と香り、さらにはポタージュ感にも「天下一品」らしさが詰まったカップ麺。コスパも踏まえれば、個人的に税込490円の「一蘭 とんこつ」よりすぐれていると思いますし、たとえ同価格だったとしても「名店の味 天下一品 京都濃厚鶏白湯」のほうに軍配を上げるだろうなと思いました。

280円の価値は大アリ! ファンの人は同社ECサイトで箱買いしてもいいのでは

280円の価値は大アリ! ファンの人は同社ECサイトで箱買いしてもいいのでは

「一蘭」に「天下一品」と、ビッグネームが続いたカップ麺業界。個人的な希望としては、「ラーメンショップ」のカップ麺化ですが、チルド麺や袋麺でも実現されていないので、かなり難しいでしょう……。いずれにせよ、今後の“名店系カップ麺ウォーズ”にも注目です!

中山秀明

中山秀明

食の分野に詳しいライター兼フードアナリスト。雑誌とWebメディアを中心に編集と撮影をともなう取材執筆を行うほか、TVや大手企業サイトのコメンテーターなど幅広く活動中。

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