レビュー

カレーうどん専用「ボンカレー」がついに誕生! 定番と食べ比べてみた

世界初の市販用レトルトカレーと言えば、大塚食品の「ボンカレー」。誕生したのは1968(昭和43)年2月ですが、半世紀以上の時を超えて初の新タイプがデビューしました。それが、カレーうどん専用ボンカレーです。

左が「ボンカレー 旨みを味わうカレーうどんの素 だし薫る和風仕立て(中辛)」で、右が「ボンカレー 旨みを味わうカレーうどんの素 スパイス香るピリ辛キーマ仕立て(辛口)」

左が「ボンカレー 旨みを味わうカレーうどんの素 だし薫る和風仕立て(中辛)」で、右が「ボンカレー 旨みを味わうカレーうどんの素 スパイス香るピリ辛キーマ仕立て(辛口)」

シリーズ名は「ボンカレー 旨みを味わうカレーうどんの素」で、味のタイプは2種。汁ありの「ボンカレー 旨みを味わうカレーうどんの素 だし薫る和風仕立て(中辛)」と、汁なしの「ボンカレー 旨みを味わうカレーうどんの素 スパイス香るピリ辛キーマ仕立て(辛口)」です。

本稿では、それぞれの特徴を深掘りするとともに、大定番の「ボンカレーゴールド<中辛>」を、同じうどんの麺にかけて食べ比べ、味わいの違いをレポートします。

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うどんアレンジする消費者ニーズを受けて商品化

「ボンカレー」は、化学原料の製造を祖業とする大塚グループが、得意分野だった輸液の減菌技術を応用し、レトルト釜を自社開発したことが誕生の背景にあります。コンセプトは、「一人前入りで、お湯で温めるだけで食べられるカレー、誰でも失敗しないカレー」。

このコンセプトを実現するために、常温で長期保存が可能であること、保存料を使わないことを絶対条件に開発を追求。そうして試行錯誤の末、1968(昭和43)年2月12日に、世界初の市販用レトルトカレーとして、当初は阪神地区限定で「ボンカレー」が販売されました。その後、半透明パウチからアルミパウチへ進化させて賞味期限を2か月(冬場は3か月)から2年間へと延ばし、翌1969年5月に全国販売へと至ったのです。

デビュー時の味やパッケージを再現した「元祖ボンカレー」(右)と、定番であり今回食べ比べる「ボンカレーゴールド<中辛>」(左)

デビュー時の味やパッケージを再現した「元祖ボンカレー」(右)と、定番であり今回食べ比べる「ボンカレーゴールド<中辛>」(左)

今やブランド内でも「ボンカレーネオ」や「Theボンカレー」といったラインナップは多岐にわたりますが、今回仲間入りしたのが「ボンカレー 旨みを味わうカレーうどんの素」。ありそうでなかった、初のカレーうどん用というのが最大の差別化ポイントです。

「ボンカレー 旨みを味わうカレーうどんの素 だし薫る和風仕立て(中辛)」。210gの汁ありタイプで、メーカー希望小売価格は286円(税込)

「ボンカレー 旨みを味わうカレーうどんの素 だし薫る和風仕立て(中辛)」。210gの汁ありタイプで、メーカー希望小売価格は286円(税込)

開発の背景には、消費者のニーズがありました。ブランド公式サイトで多くのレシピ提案をしてきたなか、2022年6月〜2023年5月の期間では麺を使うレシピが閲覧数上位にランクインしており、そこでパスタやそばなどを抑えて人気No.1に輝いたのがカレーうどんのアレンジレシピだったとか。加えて、冷凍うどんのニーズも拡大していることから、今回の新商品が開発されたのです。

「ボンカレー 旨みを味わうカレーうどんの素 スパイス香るピリ辛キーマ仕立て(辛口)」。汁なしタイプで、容量は汁ありの半分以下となる100g。メーカー希望小売価格は231円(税込)です

「ボンカレー 旨みを味わうカレーうどんの素 スパイス香るピリ辛キーマ仕立て(辛口)」。汁なしタイプで、容量は汁ありの半分以下となる100g。メーカー希望小売価格は231円(税込)です

カレーの色からして結構違う!

2種の味は中辛と辛口のほか、汁ありか汁なしかで容量や価格にも違いがあることがわかりましたが、そのほかのスペックはどうでしょうか。主要な栄養成分をチェックしてみると、汁ありのほうは210g当たり130kcal、糖質13.4g、食塩相当量2.2g。いっぽうの汁なしは、100g当たり56cal、糖質7.6g、食塩相当量1.9gでした。

食材などは側面に表記があり、野菜は玉ネギとニンジンが多め。ほかには牛肉や油揚げが主要の具材で、ダシにはカツオ、煮干し、昆布が入っています

食材などは側面に表記があり、野菜は玉ネギとニンジンが多め。ほかには牛肉や油揚げが主要の具材で、ダシにはカツオ、煮干し、昆布が入っています

対象となる質量が異なるので、汁ありを100g当たりで換算すると、約62kcal、糖質約6.4g、食塩相当量約1.0g。汁ありのほうが少々カロリーは高いものの、糖質と塩分は控えめだということがわかりました。

汁なしの野菜はソテーオニオン、トマトペースト、ニンジンが主で、肉は鶏と粒状大豆たんぱくを使用。また、ダシは使ってないかと思いきや、昆布エキスの文字が

汁なしの野菜はソテーオニオン、トマトペースト、ニンジンが主で、肉は鶏と粒状大豆たんぱくを使用。また、ダシは使ってないかと思いきや、昆布エキスの文字が

どちらも、箱を折り返して袋のままレンチンできるので調理は簡単。茹でたうどんにそれぞれをかけ、並べてみることに。すると、汁なしは赤茶っぽい色で、汁ありは黄がかった茶色と、この時点でもかなり異なります。

左が汁なしで、右が汁あり。色の違いも明白です

左が汁なしで、右が汁あり。色の違いも明白です

続けて、定番の「ボンカレーゴールド<中辛>」も同様に盛りつけてチェック。なるほど! ソースの色は汁なしの「ボンカレー 旨みを味わうカレーうどんの素 スパイス香るピリ辛キーマ仕立て(辛口)」に近く、具材はゴロっと大きめ。

3商品を比べてみました

3商品を比べてみました

では、いったい味はどう違うのか。いよいよ食べ比べて確かめます!

とろみに大差はないが味やスパイス感は大きく異なる

まずは「ボンカレー 旨みを味わうカレーうどんの素 だし薫る和風仕立て(中辛)」から。汁ありタイプなのでつゆも多めですが、とろみも十分あって麺によく絡みます。味は、ダシの効いたうどんつゆに、昔ながらのルウを加えたようなマイルド系。王道のカレーうどんです。

ダシの旨味と塩味が主張するいっぽう、スパイス感や甘みは控えめ。具材は、肉は存在感が薄いものの、細長く切った油揚げ、ニンジン、玉ネギはしっかり入っています

ダシの旨味と塩味が主張するいっぽう、スパイス感や甘みは控えめ。具材は、肉は存在感が薄いものの、細長く切った油揚げ、ニンジン、玉ネギはしっかり入っています

次は汁なしの「ボンカレー 旨みを味わうカレーうどんの素 スパイス香るピリ辛キーマ仕立て(辛口)」。トマトを思わせる甘酸っぱいコクが豊かで、チリコンカンっぽさも感じる陽気な方向性です。辛口のグラデーションも本格的で、ジワジワくる刺激の余韻がナイス。スパイスカレーに近いニュアンスもあり、全体的に汁ありよりも甘辛でモダンな味わいに仕上がっています。

スパイスは、クミンやカルダモンを思わせる甘やかな香りや爽快感が印象的。なお、もちろんとろみは強めで麺にもしっかり絡みます

スパイスは、クミンやカルダモンを思わせる甘やかな香りや爽快感が印象的。なお、もちろんとろみは強めで麺にもしっかり絡みます

そして、基準を確かめる意味で「ボンカレーゴールド<中辛>」も味見。あぁ、やっぱりロングセラーって味に説得力がありますね。あめ色玉ネギのような甘くロースティーなコクが豊かで、ビーフを主体とした肉の旨味がリッチさを演出。うどんにも合う強めのテクスチャーですが、やはり白飯が食べたくなる味わいであるとともに、具材が大きめで食べ応えがあって、満足感もさすがだなと思いました。

これはこれでアリ! 日産自動車の名車「スカイライン」のテールランプを思わせる、暖色の丸いイラストもエタニティー!

これはこれでアリ! 日産自動車の名車「スカイライン」のテールランプを思わせる、暖色の丸いイラストもエタニティー!

【まとめ】王道派かモダン派か、カレーの好みで選ぶべし

今回の食べ比べで感じたことは、汁の「あり」か「なし」かで決める選択肢のほか、一般的なカレーうどんが好きな人は「ボンカレー 旨みを味わうカレーうどんの素 だし薫る和風仕立て(中辛)」、スパイスフルなカレーが好きな人は「ボンカレー 旨みを味わうカレーうどんの素 スパイス香るピリ辛キーマ仕立て(辛口)」がおすすめだということ。

どれも、温めずにそのままかけてもウマいので、夏場にもおすすめです

どれも、温めずにそのままかけてもウマいので、夏場にもおすすめです

また、定番の「ボンカレーゴールド<中辛>」は、ビーフの旨味がきいた味で、うどん用よりも具材が大きく食べ応えのあるレトルトだということも、改めて実感しました。カレーうどん用レトルトとしての「ボンカレー」は後発ですが、ある種の大型ルーキーであり、今後の市場動向にも注目です!

中山秀明
Writer
中山秀明
グルメ、ファッション、カルチャー、ライフスタイルを得意とする編集プロダクションを経て独立し、フードアナリストの資格を取得。内食・外食のトレンドやカルチャーに詳しく、深掘りレビューやインタビューなどを得意とし、さまざまな雑誌やウェブメディアをメインに、編集と撮影を伴う取材執筆を行っている。酒類や調理家電、タバコ関連にも強い。時折、テレビ番組や大手企業サイトに食の有識者として企画協力することも。
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牧野裕幸(編集部)
Editor
牧野裕幸(編集部)
アイテム情報誌「GetNavi」や映像エンタメ情報誌「DVD&Blu-rayでーた」(当時)の編集者を経て「価格.comマガジン」へ。スティック&ロボット掃除機、コーヒーメーカー、扇風機、電動歯ブラシ、電気ケトルなどの白物家電のほか、AV機器や加熱式タバコを担当しています。LOVE, LINKIN PARK.
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