選び方・特集

一番辛いカレーはどれ!? 激辛レトルトカレー11品を食べ比べて頂点を決めた!

今、辛いレトルトカレーに強烈な追い風が吹いています。激辛ブーム、スパイスカレーや間借りカレー店のトレンド、レトルトカレー市場の拡大(2017年に、レトルトがルーの市場規模を上回る)などなど。そして多くの人の中に、「夏に食べたくなる料理といえばカレーだよね」というイメージがあるはずです。

その証拠のひとつが、有名カレーメーカー「S&B(エスビー)」のサイト内にあります。「カレーは夏によく食べられるのですか?」という質問に対し、「年間を通して食べられていますが、夏は特に辛いカレーが人気です」という答えがあるのです(その理由はサイトをご参照ください)。

そこで筆者はこう考えました。「レトルトカレーでどれが一番辛いのかを食べ比べるなら今しかない!」と。セレクト方法はいろいろあるのですが、今回は、身近に入手しやすいメジャーな商品をピックアップ。国民的カレーブランドから、激辛カレーの有名店が販売しているものまで、10種11品を、ヒーヒー言いながら食べ比べました。

辛い食べ物が苦手な方はご注意ください。もしくは本稿を参考に、ビギナー向けの商品からお試しを

辛い食べ物が苦手な方はご注意ください。もしくは本稿を参考に、ビギナー向けの商品からお試しを

なお本稿では、辛さ、うまみ、粘度、具の多さ、高級感の観点で5段階評価をしていきます。この「辛さ」に関して、今回の商品はどれも辛いので、1が一般的な辛口レベルだと思ってください。

【1】大塚食品 ボンカレーゴールド 大辛

1968年2月12日に誕生した、世界初の市販用レトルト食品である「ボンカレー」。まずはこちらから紹介しましょう。同ブランドは大定番の「ゴールド」のほかに、「こどものための」、「ネオ」、「The」、「元祖」、「GRAN」など多くのシリーズがあり、その数は計17品あります。ただ、辛口以上に振り切っている商品はゴールドの大辛のみ。気になります!

●内容量:180g ●カロリー(180gあたり):154kcal

●内容量:180g ●カロリー(180gあたり):154kcal

ハバネロピューレ、チポトレ、ハラペーニョと青唐辛子をブレンドし、くせになる辛さとうまみが特徴。ちなみにチポトレというのは、燻製にした唐辛子を原材料とする香辛料のことです。

国産のじゃがいも、たまねぎ、にんじんがしっかり入っていて、ボンカレーとしての矜持を感じさせます

国産のじゃがいも、たまねぎ、にんじんがしっかり入っていて、ボンカレーとしての矜持を感じさせます

同社の辛さメーターは、辛口が「5」であるのに対し、大辛は「8」。数字だけではなく、普通のボンカレーとは一線を画す容赦のない辛さです

ファーストタッチはマイルドに感じましたが、じわりじわりと辛さのウェーブが上昇して、噴火するように辛くなっていきます。とはいえただ辛いだけでなく、野菜の甘みや、ハムを思わせる肉のうまみがあって美味。このハム感はブイヨンか、もしくはチポトレの効果かもしれません。じゃがいもがなかなか大きめであるなど満足度も高く、さすがボンカレーだと思いました。


【2】グリコ LEE ビーフカレー 辛さ×20倍

国民的レトルトが「ボンカレー」だとしたら、国民的激辛レトルトはこちら「LEE」と言っていいでしょう。1986生まれのロングセラーで、個性的でありながらも多くのファンに支えられている証拠です。今回はレギュラー商品の辛さ20倍を超える、限定品の30倍を入手できたので、両方をご紹介。20倍から試してみました。

●内容量:180g ●カロリー(180gあたり):232kcal

●内容量:180g ●カロリー(180gあたり):232kcal

LEEのテーマは、「辛くてうまいカレー」の追求。レギュラー商品には辛さ10倍と20倍があり、ブランドの特徴はスパイスで極めた辛さです。どちらにも40数種のスパイスとビーフのうまみをとけこませ、ただ辛いだけでなくおいしさも両立させているところが真骨頂と言えるでしょう。

グリコの辛さメーターには、幼児、1〜5、大辛、極辛があり、こちらはMAXの極辛。ただよってくる香りもヤバそうです

具材は牛肉のみ。野菜などはソースに溶けていると思われます

具材は牛肉のみ。野菜などはソースに溶けていると思われます

香りも味わいもスパイシー。ハーブやオリエンタル系スパイスの妖艶で爽やかな香りよりも、コショウ主体の香ばしいペッパーフレーバーを感じます。そして、LEEの辛さの特徴は、ロングテールでどんどん辛さが加速度的に増してくること。これは本当に辛い――というよりも「痛い」という表現のほうが的確かも。いきなり辛さを感じさせるのではなく、うまみで主張してから辛さの世界に誘導する。そんな狙いがあるのかもしれません。


【3】グリコ LEE ビーフカレー 辛さ×30倍

先ほどの20倍は非常にスパルタで、筆者はかなり苦戦しました。目安としては、中本の定番「蒙古タンメン」をスムーズに食べられない人なら、まずは10倍から慣らしたほうがいいと思います。ただ逆に「北極ラーメン」も余裕という人は、ペロリといけるかもしれません。では、20倍を超える30倍はどうなっているのでしょうか。

●内容量:180g ●カロリー(180gあたり):237kcal

●内容量:180g ●カロリー(180gあたり):237kcal

この30倍は、例年夏季に販売される期間限定商品。公式サイトに「本年も、この辛旨カレーが欲しいこの時期に、『期間限定 LEE辛さ×30倍』を発売します!」とあるので、今後も好調が続けば毎年味わえるのかもしれません。

辛さメーターは、20倍と同様の極辛。世界観はそのままに、今年は「神出雲唐辛子」を使用することで、強い刺激に芳醇なスパイスを香り立たせています

想像を裏切らない、フルスイングの辛さ。またこれは20倍も同様ですが、甘みやうまみもあり、おいしさを兼ね備えている点も秀逸です

20倍との辛さの違いは、辛いボルテージが上がるスピードです。30倍のほうが早く頂点に達し、しかも辛さの上限がより高い位置にあるような。20倍も思わず「ぅお〜辛い!」とうならずにいられないレベルでしたが、30倍はそれ以上に吠えました。辛さの評価項目の上限は5ですが、20倍で5なので、特別に6としたいと思います。味の方向性は20倍と同様で、ビーフとペッパーを主体とした力強いテイスト。どことなく男っぽさを感じました。


【4】ハウス レトルト ジャワカレー 大人の激辛

国民的激辛レトルトカレーが「LEE」であれば、国民的辛口カレールーは、1968年誕生の「ジャワカレー」だと思います。そんな「ジャワカレー」は1992年からレトルトも発売していて、今年はブランド史上最も辛い「レトルト ジャワカレー 大人の激辛」がデビュー。こちらにトライします。

●内容量:200g ●カロリー(200gあたり):139kcal

●内容量:200g ●カロリー(200gあたり):139kcal

使っている唐辛子うち、8%にハバネロを使用しているのが大きなポイント。また、チキンブイヨンのうまみを軸に、清涼感のあるスパイスをブレンドして、キレのある辛さに仕上げられています。

パッケージに辛さメーターは表記されていませんが、「レトルトジャワカレー辛口(辛さメーター5)と比べて500%以上のカプサイシンが含まれています」と書かれているので、5以上であることは間違いないでしょう

具材は、トロトロに煮込まれたたまねぎと牛肉。唐辛子のフレークなど、生のスパイスが目視できる粒感で入っているのも特徴です

ファーストアタックからしっかり辛く、増大するニュアンスもありながら、やりすぎていないところが個人的に好印象。爽やかな辛さでおいしいという、ジャワカレーらしさがキープされていて、360°全方位で刺激的ですが絶妙なバランスです。テクスチャーも、日本式ほどドロッとしていない欧風寄りのスタイル。辛さ、うまみ、粘度と、全体的に大人なカレーだと思いました。


【5】ハウス カリー屋カレー 大辛

元祖として、国民的レトルトカレーの立ち位置にあるのが「ボンカレー」であれば、新時代の国民的レトルトは「カリー屋カレー」ではないでしょうか。1999年の発売から、家庭では作れない専門店の味わいを手頃な価格で提供し続け、カレー市場で17年連続売上No.1のブランドとして、世代を問わず愛されています。

●内容量:200g ●カロリー(200gあたり):157kcal

●内容量:200g ●カロリー(200gあたり):157kcal

ハイクオリティな味の決め手は、29種類のスパイスの香りと、野菜やブイヨンをじっくり煮込んだコク。そんな「カリー屋カレー」はラインアップが豊富なのも魅力で、その中で最も刺激的な大辛を食べてみます。

辛さメーターは1〜5中のMAXで5。ちなみに量は200gとやや多め(後述の「デリー」以外は180g)で、前述の「ジャワカレー」も200gと、量が多いのがハウスの特徴かもしれません

じゃがいもとにんじんを中心に具は多め。粘度もほどよくトロッとしています

じゃがいもとにんじんを中心に具は多め。粘度もほどよくトロッとしています

ソースの土台には甘みやうまみがしっかりあって、“日本のカレーのど真ん中”と言える王道のおいしさ。そのうえでピリピリ攻めてくる辛さとスパイシーな刺激が秀逸です。肉が小さめですが、価格から考えてみれば納得。キレのある辛さで、後に残らずパクッといける、激辛の入門にぴったりなレトルトカレーだと思います。


【6】エスビー S&B おいしいカレー 大辛

日本にカレー商品の大家は数あれど、カレー粉といえば「エスビー」でしょう。その代表作「赤缶カレー粉」は、カレー粉のシェア8割を占めると言われるベストセラーで、誕生は1950年。今年で70周年を迎えるロングセラーでもあります。同社はレトルトにも名作が多く、その中から大辛がある「S&B おいしいカレー 大辛」をチョイスしました。

●内容量:180g ●カロリー(180gあたり):167kcal

●内容量:180g ●カロリー(180gあたり):167kcal

「おいしいカレー」最大の特徴は、92g相当使用している素材のうまみ。20種以上の野菜と果実からなり、具体的にはじゃがいも、にんじん、たまねぎ、トマト、プルーン、ピーマン、大根など多種多様。そうしてすりおろした野菜と、スパイスのコクと香りを調合し、独自のおいしさを追求しているのです。

辛さメーターは、1〜5のさらに上の「HOT」という領域

辛さメーターは、1〜5のさらに上の「HOT」という領域

肉は小さくて存在感が薄いものの、じゃがいもとにんじんはしっかり。ごはんにマッチする十分なとろみもいい感じです

具材の構成要素や味わいの方向性的には、先ほどの「カリー屋カレー」に近い気がします。ただ、果実の素材が効いているのか、辛さとともに共存する甘みやうまみが生きていて、マイルドさにつながっている感じも。十分な辛さはあるものの、激辛の入門としてはより最適だと思いました。


【7】明治 銀座カリー 辛口

乳製品やお菓子が有名な「明治」ですが、カレー、スープ、冷凍食品など幅広く手がけていて、中でも「銀座カリー」は1994年から続くロングセラー。こちらは公式サイトによると、「昭和5(1930)年に発売された『キンケイ・ギンザカレー』の復刻版」とのことですが、調べてみると諸説あってややこしく、よくわかりません。

確かなことは、「キンケイ」というのは、1953年に明治製菓が業務提携した「キンケイ食品工業」の商標で、現在は「明治フードマテリア」社が業務用で販売しているフレーク状のカレールー「明治キンケイ」の流れをくむブランドのこと。

●内容量:180g ●カロリー(180gあたり):243kcal

●内容量:180g ●カロリー(180gあたり):243kcal

明治が主張する昭和5年発売の「ギンザカレー」というのはおそらく、キンケイ食品工業の前身である「森村鈴河商店」が発売したとされる「ギンザカレー(もしくは銀座ソースor銀座カレー)」のことだと思います。そんな、幻とも言える味は社内でだれも口にしたことがなく、銀座の洋食店を中心に100店舗以上のカレーを食べて想像しながら開発されたのが、この「銀座カリー」だとか。

「銀座カリー」には辛口以上に辛いフレーバーはないので、こちらを食べてみます

「銀座カリー」には辛口以上に辛いフレーバーはないので、こちらを食べてみます

前置きが長くなりましたが、「銀座カリー」の味の特徴は、シェフの知恵と技から生まれた「特製二段仕込みブイヨン」のまろやかなコクと、ソテーしたたまねぎの甘み。そしてすっきりとキレのある調合スパイスによる、芳醇な香りとなめらかな舌触りです。

具材はたまねぎと牛肉のみですが、牛肉が比較的に食べ応えのある大きさで、ちょっとリッチな気分に。この具材感はハヤシライスに通じ、洋食らしさにも一役買っています

一般的な辛口なので、今回食べた11種の中では最もマイルド。とはいえ、普通のカレーと比べれば十分な辛さだと言えるでしょう。味の特徴としては、牛肉のうまみとたまねぎの甘み、そして濃厚とも言える豊かなテクスチャー。辛さの刺激は控えめですが、洋食風レトルトカレーとしては高い完成度だと思います。


【8】新宿中村屋 インドカリー 辛さ突きぬけるグリルチキン

小売り、外食、メーカーと、多彩な顔を持つフードカンパニー「新宿中村屋」の三大名物といえば、元祖のクリームパンと中華まん、そして「カリー」です。欧風カレーや、そこから発展した日本式のカレーライスではない、本格インドカレーの国内元祖が、1927年に当時の喫茶部で新宿中村屋が提供を始めた「純印度式カリー」。その味のDNAは、レトルトにも脈々と受け継がれています。

●内容量:180g ●カロリー(180gあたり):257kcal

●内容量:180g ●カロリー(180gあたり):257kcal

新宿中村屋のカレーにかける情熱はハンパなく、通常のレトルトのほか「成城石井」とのコラボレーションも展開するなど、もはや立派なカレーメーカーです。その中でも抜きん出て辛さに特化しているのがこの「辛さ突きぬけるグリルチキン」。

辛さメーターは1〜6中のMAX6。具材は鶏の手羽元と生の唐辛子1本がまるっと入っていて、ルックスのインパクトも絶大です

特徴は、スパイスに漬け込んだチキンをじっくりグリルしてうまみを閉じ込め、2種類の唐辛子とビンダルペースト(唐辛子などのスパイスを酢に漬け込んだ調味料)を加え、深みのある刺激的な辛さに仕上げているところ。最近のスパイスカレー店でも増えてきた、このビンダルを取り入れている点も見逃せません。

伝家の宝刀「純印度式カリー」にも欠かせない手羽元が入っているのはうれしい! 持ち上げただけでホロッとほぐれるやわらかさに期待大

まず個人的な感想から単刀直入に言わせてもらうと、筆者はこれが一番好きです。辛さは、唐辛子を食べなければそこまでピーキーではありません。ただし、ホールのクミンなどの香辛料が効いていて、スパイシーさは十分。野菜の具にはひよこ豆のほかにレンズ豆も入っていて、これがグレイビーなたまねぎと相まって、小麦粉は使っていないもののドロっとしたテクスチャーを生んでいます。肉のウマさも文句なし。激辛とは言えないかもしれませんが、辛くておいしいレトルトカレーとしては、個人的No.1です。


【9】デリー カシミールカレー

新宿中村屋も偉大ですが、日本のカレー史を語るうえで欠かせない名店はほかにも。そのひとつが、1956年に上野・湯島で創業した「デリー」です。特に、黒色で激辛かつシャバシャバの「カシミールカレー」は同店が発祥。辛いけどウマくてヤミツキになる、シャバシャバなのに米に合う、そんなカレー遺産が、レトルトでも味わえるのです。

●内容量:350g ●カロリー(100gあたり):38kcal

●内容量:350g ●カロリー(100gあたり):38kcal

このレトルトは、スーパーでも取り扱っている店舗があり入手しやすいのですが、大きく2点注意する必要があります。ひとつは350gと多く、2人分の設定になっているところ。もうひとつは、具材がほぼ入っていないということです。理由は「レストランの味に限りなく近いカレーをご家庭で味わっていただくため」とのこと。

辛さメーターは、1〜5のMAX5で「STRONG HOT」。黒い色の秘密はカラメルです

辛さメーターは、1〜5のMAX5で「STRONG HOT」。黒い色の秘密はカラメルです

具材は、調理されたたまねぎのかけらが少々入っている程度。確かにシャバシャバで、まるでスープです

具材は、調理されたたまねぎのかけらが少々入っている程度。確かにシャバシャバで、まるでスープです

本来は、好みの具材に火を通してから、一緒に温めて食べるというのがセオリーのようですが、今回はほかのレトルト同様、そのまま温めて食べてみます。スタートダッシュから手加減のない辛さがあってかなり攻撃的。「LEE」に匹敵するトップレベルの刺激です。

その辛さと並走するのが、濃密なうまみとスパイス感、そしてフルーティーな甘みと酸味。このフレーバーが独特で、なおかつ粘り気のある日本の米が欲しくなるおいしさになっています。とろみがない分、米と米の隙間に入り込み一体となる黒いソース。具材があるともっと楽しめそうですが、これだけでも完成度の高さがわかります。


【10】無印良品 素材を生かしたカレー 3種の唐辛子とチキン

レトルトカレー人気を語るうえで、「無印良品」は外せません。食品専門のメーカーでないにもかかわらず、本場に出向いてカレー文化を研究し、本格的なカレーを多数商品化。そしてその数は、いつの間にか40種類を超えていました。最も辛いのは辛さメーター6の「レッド」なのですが、こちらはタイカレーに分類されるので、本稿の比較対象としては5の「3種の唐辛子とチキン」を食べます。

●内容量:180g ●カロリー(180gあたり):289kcal

●内容量:180g ●カロリー(180gあたり):289kcal

特徴は、北インドの辛いカレーを手本に3種の唐辛子を使い、辛み、香り、風味のバランスを調和させているところ。炒めたたまねぎのほか、焼きなすペースト、マッシュポテト、カシューナッツペーストなども加え、とろみを持った奥行きのある辛さに仕上げています。

具材は蒸した鶏ムネ肉のみ。油が多めなのも特徴で、オイルの香りとコクもパワフルです

具材は蒸した鶏ムネ肉のみ。油が多めなのも特徴で、オイルの香りとコクもパワフルです

チリペッパーのフレークや、ホールスパイスの繊維なども入っていて、ザラッとしたテクスチャーです

チリペッパーのフレークや、ホールスパイスの繊維なども入っていて、ザラッとしたテクスチャーです

辛さの方向性はデリーの「カシミールカレー」と似ていて、わかりやすいストレートの剛速球。ソースが赤みがかっているのはおそらくトマトによるもので、このトマトのうまみや酸味もしっかり。日本式のカレーほどではないものの、油と素材の繊維によってほんのり乳化しています。ムネ肉なのでパサッとしていますが、それも含めて本格感がただよう、ハイクオリティなおいしさだと思いました。


【11】西友 完熟トマトとバターのコク バターチキンカレー

最後に紹介するのは、本格的ながら安くて種類豊富な、“ジェネリック無印”的な存在の西友PB(プライベートブランド)、「みなさまのお墨付き」のレトルトカレーです。16種類ある中で最も辛いのは、メーターが5の「完熟トマトとバターのコク バターチキンカレー」と「しびれる辛さの 麻辣ドライキーマカレー」。今回はシビれる辛さの比較ではないので、前者をチョイスしました。

●内容量:180g ●カロリー(180gあたり):213kcal

●内容量:180g ●カロリー(180gあたり):213kcal

厳選したブレンドスパイスの深い辛みに、バターと牛乳のコクと香りを効かせているのが特徴。ただ個人的に見逃せないのは「アーデン」という食品企業が製造している点。同社は「エスビー」や「明治屋」など名だたる大手も頼る“縁の下の力持ち”的存在で、実は今回紹介した「S&Bおいしいカレー大辛」も、アーデンの製造です。

「みなさまのお墨付き」とは、一般消費者が参加する消費者テストで支持率80%以上を得たものだけを商品化する西友のPB。同商品は支持率86.2%を獲得しています

具材は鶏ムネ肉がコロッと入ったチープな内容ですが、これで税抜150円であれば十分でしょう

具材は鶏ムネ肉がコロッと入ったチープな内容ですが、これで税抜150円であれば十分でしょう

“ジェネリック無印”と前述しましたが、今回選んだカレーは「無印」の「3種の唐辛子とチキン」と方向性が近く、トマトのうまみや酸味が辛さとマッチしていて、まさにジェネリックと言える内容。西友のほうがバターのクリーミーなニュアンスがある分マイルドな感じですが、本格度も高くてクオリティは十分。定価が税抜150円とお得なので、値段的にも満足度が高いと思います。


一番辛かったのは「LEE 辛さ×30倍」

今回試した全11種類を、辛さ順に並べてみました。

右に行くほど辛くなっていきます。あくまでも主観ですが、参考にしてみてください

右に行くほど辛くなっていきます。あくまでも主観ですが、参考にしてみてください

また、食べ比べた結果の個人的なNo.1は、以下のような感じです。
・極辛No.1:LEE ビーフカレー 辛さ×30倍
・辛口入門にオススメNo.1:明治 銀座カリー 辛口
・個性派No.1:デリー カシミールカレー
・個人的に好きNo.1:新宿中村屋 インドカリー 辛さ突きぬけるグリルチキン

辛さの耐性は個人差があります。筆者は今回、辛さ評価5以上のカレーに対しては戦慄を覚えました。辛さに慣れていない人は無理をせず、ヨーグルトやラッシーを用意するなどして、おいしい激辛カレーライフを満喫しましょう!

中山秀明

中山秀明

食の分野に詳しいライター兼フードアナリスト。雑誌とWebメディアを中心に編集と撮影をともなう取材執筆を行うほか、TVや大手企業サイトのコメンテーターなど幅広く活動中。

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