レビュー

3度目の日本上陸! 売れない「スキットルズ」と売れてる「メントス」の違いは?

はたして売れるのでしょうか!?

2024年9月、世界で人気のチューイングキャンディー「スキットルズ」が日本で発売されました。味は「スキットルズ オリジナル」と「スキットルズ サワー」の2種。

コンビニにて。それぞれ164円(税込)。隣には、ガチライバルの「メントス」が!

コンビニにて。それぞれ164円(税込)。隣には、ガチライバルの「メントス」が!

実は、「スキットルズ」が日本に上陸したのは3回目。初回と2回目は、ともに販売終了へ追い込まれています。今回は3度目の正直を狙った挑戦ですが、今度こそ売れるのでしょうか。

そして、グローバルで人気のチューイングキャンディーといえば、日本で成功しロングセラーとなっている「メントス」があります。ということで、今回はライバル関係にあるこの2ブランドを食べ比べ。また、海外版の「スキットルズ オリジナル」との違いも確かめます。

今回は、これらを食べ比べます

今回は、これらを食べ比べます

なぜキャッチコピーが“おいしい不要品”?

まずは「スキットルズ」についておさらい。この商品は1974年にイギリスで生まれ、2024年で50周年を迎えました。味の特徴は、キャンディーシェル(カリカリ食感の糖衣)で覆われた表面と、中身のソフトキャンディーとのメリハリある食感。

左が「スキットルズ オリジナル」で、1袋40gあたり166kcal、炭水化物37g。右の「スキットルズ サワー」も容量は同じで、エネルギー167kcal、炭水化物37gと、スペックはほぼ同じです

左が「スキットルズ オリジナル」で、1袋40gあたり166kcal、炭水化物37g。右の「スキットルズ サワー」も容量は同じで、エネルギー167kcal、炭水化物37gと、スペックはほぼ同じです

そして、今回発売されたオリジナルとサワーは、それぞれ5種類のフルーツフレーバー(グレープ、レモン、ストロベリー、グリーンアップル、オレンジ)で構成されており、そのカラフルな色は、虹がモチーフです。

フレーバーごとの多寡に偏りがあったり、色の明るさが異なっていたりします。また、1粒1粒に「Skittles」の頭文字「S」が白く刻印されていますが、薄くて見えにくいのはご愛敬

フレーバーごとの多寡に偏りがあったり、色の明るさが異なっていたりします。また、1粒1粒に「Skittles」の頭文字「S」が白く刻印されていますが、薄くて見えにくいのはご愛敬

日本上陸にあたっては“おいしい不要品”という、自虐的なキャッチコピーで展開している点がユニークです。その理由は、「おいしいチューイングキャンディーでありながら、1袋(標準40g)あたり、タンパク質0g、脂質2g、炭水化物37gと栄養バランスに優れた製品ではなく、生きるためになくてはならない製品ではないことから策定」したとのことです。

メーカーの、マース ジャパン リミテッドのプレスリリースより

メーカーの、マース ジャパン リミテッドのプレスリリースより

と、ここで、「スキットルズ」をこよなく愛する価格.comマガジン編集部のマキノからアツいコメントが届いているので、ご紹介します。

マキノ
マキノ

「おいしい不要品」とは、ずいぶんと謙遜したキャッチフレーズですね。このお菓子が好きすぎて、歯の詰め物を3回取られても食べ続けた私にとっては「世界でいちばんおいしい不要品」、いや「世界でいちばんおいしい歯ットルズ」です。

「スキットルズ」が日本にないときは、ほかのお菓子を歯噛みしながら食べていました。「メントス」が代わりに? いやいや、あの優等生ではまったく物足りないのです。最もケミカルで、最もプリミティブで、そして最もフェティッシュな「スキットルズ」は唯一無二のお菓子ですから。

とのことですが、はたして本当に「メントス」では物足りないのかどうか……食べ比べていきましょう。

なお、ご存じの人もいるかもしれませんが、「スキットルズ」には有害な食品添加物が含まれているとして、アメリカで集団訴訟が起こったとか。そこで日本での安全面について、メーカー側に問い合わせたところ、下記のとおり回答がありました。

「本商品は、日本国内の食品衛生法および関連する規制に従い、すべての基準を満たしております。特に添加物については、厚生労働省の定める安全基準に基づいて厳格な管理を行っておりますので、安心してお召し上がりいただける商品になります」とのこと。安心して食べられそうなので、いよいよ実食してみます。

「スキットルズ オリジナル」は味によって印象が異なる

ということで、まずは「スキットルズ オリジナル」と「スキットルズ サワー」を比較。改めて1粒ずつ並べてみると、全体的に「スキットルズ サワー」のほうが明るい色で、特にグレープとグリーンアップルの差が大きく感じました。

上から、グレープ、レモン、ストロベリー、グリーンアップル、オレンジです

上から、グレープ、レモン、ストロベリー、グリーンアップル、オレンジです

「スキットルズ オリジナル」から食べてみると、グレープは黒ブドウ的な果実味や、やさしい渋味、ジャムのような熟成感があるしっかりめの味。レモンは酸味が控えめな甘酸っぱさで、万人受けしそうな柑橘味です。ストロベリーは最も舶来的な味で、日本のかわいらしいイチゴよりも、もっと派手でギラついた方向性。

特にストロベリーは、外国っぽい味の印象

特にストロベリーは、外国っぽい味の印象

グリーンアップルも日本的な青リンゴ味とはやや異なり、ハーバルな青々しさが大人びた印象。でも複雑味があり、これはこれでおいしいです。そしてオレンジは、わかりやすく言えば「ファンタ オレンジ」の味。アクティブなニュアンスのオレンジ味で、こちらも万人受けするはずです。ちなみに、グレープに「ファンタ グレープ」らしさは感じませんでした。

「スキットルズ サワー」は酸っぱくて硬い

次は「スキットルズ サワー」を味見

次は「スキットルズ サワー」を味見

「スキットルズ サワー」はサワー(英語で酸っぱいという意味)というだけあって、全体的に酸味が豊か。その分、甘さはおとなしく感じます。柑橘のレモンとオレンジは、早熟さを思わせる、引き締まった酸っぱさを感じました。

また、中のソフトキャンディーがムチッとした弾力で、硬めのテクスチャーです。これは、「スキットルズ オリジナル」と食べ比べれば、誰もがわかるはず。「シゲキックス」「ピュレグミ」「サワーズ」といった酸っぱい系のグミが好きな人は、「スキットルズ サワー」を選ぶといいでしょう。

日本版と海外版の違いは?

続いては、輸入食品店で買った「スキットルズ オリジナル」(写真右)をチェック。こちらは1袋100g入りですが、日本版と同じ40gに換算すると162.8kcal、炭水化物36.44gでした。スペックが日本版と異なる点については後述

続いては、輸入食品店で買った「スキットルズ オリジナル」(写真右)をチェック。こちらは1袋100g入りですが、日本版と同じ40gに換算すると162.8kcal、炭水化物36.44gでした。スペックが日本版と異なる点については後述

日本版の「スキットルズ オリジナル」は中国産で、袋が保存に便利なジッパー式なのがわかりやすい特徴。いっぽう、今回買った海外版はアメリカ産で、袋の素材が薄くてチープ。しかも、味のラインアップも異なっており、黄緑色はグリーンアップルではなくライムでした。この点がスペックの違いにも反映されているのだと思います。

ライム味に関しては、「THE ORIGINAL LIME-UP!」というタイプだからかもしれません(ただし、裏面の日本語表記はあくまでも「スキットルズ オリジナル」でした)

ライム味に関しては、「THE ORIGINAL LIME-UP!」というタイプだからかもしれません(ただし、裏面の日本語表記はあくまでも「スキットルズ オリジナル」でした)

粒の見た目にも多少の違いが見られ、海外版のライムは日本版のグリーンアップルと同系色であるものの、ライムのほうが少しくすんだタッチ。ほかのフレーバーは大差ありませんでしたが、海外版のほうが「S」の字がはっきり刻印されている印象でした。ちなみに肝心の味については、食感含めて違いはないと思います。ここはグローバルでレシピを統一しているということでしょう。

色の比較はご覧のとおり

色の比較はご覧のとおり

「メントス」はより日本的な味で森永の“アレ”に近い!

では、1978(昭和53)年に日本上陸して以来、45年以上愛されている「メントス」と比べるとどうなのでしょうか。ちなみに、「メントス」は1932年にオランダで誕生。「スキットルズ」より40年以上先輩です。

「メントス」のフレーバーは多彩。今回は「スキットルズ」と近いフレーバーである「メントス サワーアップル」と「メントス グレープ」を、それぞれ食べ比べます

「メントス」のフレーバーは多彩。今回は「スキットルズ」と近いフレーバーである「メントス サワーアップル」と「メントス グレープ」を、それぞれ食べ比べます

大前提として、「メントス」は「スキットルズ」よりもひと粒のサイズが大きいです。ボトルのアソートなどで展開されている小ぶりの「ミニメントス」でも、粒は「スキットルズ」より大きいはず。このサイズの差も、味に多少の影響を与えていると考えられます。

パステルカラーの大きい粒が「メントス」。ぱっと見た感じでも「スキットルズ」の2倍以上のデカさです

パステルカラーの大きい粒が「メントス」。ぱっと見た感じでも「スキットルズ」の2倍以上のデカさです

そして食べてみると、想像どおり、食感や味のボリュームはかなり異なります。サイズが大きい分「メントス」は食べごたえがあり、口の中で広がる濃さも余韻の長さも豊か。そして、1粒が口内で消えるまでの時間も「メントス」のほうが長めです。

加えて、それぞれの味の方向性にも違いがありました。「スキットルズ」のほうは外国テイストですが、いっぽうの「メントス」は、日本人に好かれそうな落ち着きのあるジューシーさで、海外の甘いお菓子にありがちな派手さを感じません。わかりやすく言えば、「ハイチュウ」を思わせるフレンドリーな果実味。

なお、「メントス サワーアップル」は「サワー」とありますが、「スキットルズ オリジナル」のほうが味としては近いです。

「メントス」はサイズが大きい分、食感も硬め。表面の糖衣はバキッと厚めで、中身は「スキットルズ サワー」よりもムチムチに感じました

「メントス」はサイズが大きい分、食感も硬め。表面の糖衣はバキッと厚めで、中身は「スキットルズ サワー」よりもムチムチに感じました

また、「なるほど、そうだよな」と思ったのは、そもそも食べ方が異なるということ。「スキットルズ」は一気に何粒も食べられるサイズとやわらかさですが、「メントス」は大きめなので、そうもいかないでしょう。少なくとも筆者は「メントス」で数種の味を一気に食べたことはありませんし、基本的に1粒ずつ食べることを想定しているはず。もちろん「スキットルズ」も1粒ずつ食べるのが基本だと思いますが、数粒を同時に食べ、口内調味によって組み合わせの妙も楽しめる。それが魅力でもあると感じました。

【まとめ】個人的な好みは「オリジナル」のオレンジ

こちらは「おかしのまちおか」にて

こちらは「おかしのまちおか」にて

今回味見した各商品の特徴を簡潔にまとめたので、ぜひご参考に。個人的には「ファンタ オレンジ」っぽい、「スキットルズ オリジナル」のオレンジが好みでした。

スキットルズ オリジナル:レモンとオレンジはなじみのある味。ほかは舶来的な要素があり、特にストロベリーは洋物テイスト

スキットルズ サワー:オリジナルよりムチッと硬めの食感。酸っぱいグミが好きな人向け

メントス グレープ:粒が大きい分、食感や味のボリュームが豊か。味の個性は「スキットルズ」ほどではないが、日本人好みのジューシーさ

メントス サワーアップル:「スキットルズ」のグリーンアップルよりもシンプルな味わい。「ハイチュウ <グリーンアップル>」(現在はアソートのみで展開)を思わせるフレンドリーな味(これはグレープも同様)

最後に、「スキットルズ」愛をこじらせている編集部のマキノから、またまたコメントが届いています。

マキノ
マキノ

食べ方について一家言あります。1粒ずつお上品に口に運ぶのもいいですが、個人的にはゴソッとわしづかみにして大量に口に放り込み、モチャクチャとロックに食べるのがおすすめです。日本のお菓子では味わえない「味の洋ロックフェス」へと誘ってくれることでしょう。

3度目の正直。「スニッカーズ」や「M&M'S」を販売するマースさんなら安心です。海外を飛び回る商社勤めの友人に毎回土下座して買ってきてもらっていた日々もこれで終わり。マースさん、ありがとうございマース! あと、食べたら歯は磨きましょう!

インパクトのある広告展開も含め、今度こそ定着するのでしょうか。動向に注目です!

中山秀明
Writer
中山秀明
グルメ、ファッション、カルチャー、ライフスタイルを得意とする編集プロダクションを経て独立し、フードアナリストの資格を取得。内食・外食のトレンドやカルチャーに詳しく、深掘りレビューやインタビューなどを得意とし、さまざまな雑誌やウェブメディアをメインに、編集と撮影を伴う取材執筆を行っている。酒類や調理家電、タバコ関連にも強い。時折、テレビ番組や大手企業サイトに食の有識者として企画協力することも。
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しえる(編集部)
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しえる(編集部)
生活雑貨・食品に加え、ウォーターサーバーなど、サービス系商品の記事をメインに担当している2児の母。自称「ポテチマスター」。ポテトチップスを中心に1日3袋のスナック菓子をたいらげるお菓子狂です。
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