「あさげ」「ひるげ」「ゆうげ」「午後の紅茶」「ワンダ モーニングショット」などなど、食品業界には時間帯を提案したロングセラーが数多く存在しますが、今回紹介したいのは、あのブランドの新作です!
それが「シャウエッセン 夜味」。国民的ソーセージと言える、日本ハムの「シャウエッセン」から、5年ぶりに新作がデビューしました。
近所のスーパーでは山積みに!
何はともあれ、やはり気になるのはそのお味。特に、「“夜味”ってなんやねん!?」と思う人は多いはず。そこで本稿では、定番の「シャウエッセン」と徹底比較。それぞれをレンチン、フライパン調理とで食べ比べるほか、ご飯との相性などもチェックします。
定番の「シャウエッセン」と、黒いパッケージの「シャウエッセン 夜味」を食べ比べます
そもそも、なぜ今「シャウエッセン 夜味」が発売されたのかも気になるところ。調べてみると、2024年で発売40年目を迎えた「シャウエッセン」の“攻め”がありました。アニバーサリーを迎えるにあたって「何か新展開を!」と計画するうえで、「シャウエッセンをいつ食べるか」を問う調査をしたところ、約80%が朝昼だったとか。
今回の発売に合わせてメーカーは、皮が破れてパリッと感が損なわれるとして、これまで禁じ手であった “焼き調理”を推奨するメッセージを発信
それはつまり、「シャウエッセン」を夕方や夜に食べる人は少ないということ。ナニ、むしろ僕は夜が8割ぐらいなんですけど! ……まあそれはいいとして、そんな課題を解決するために「シャウエッセン 夜味」が開発されたということです。
パッケージでもいさぎよく、焼き調理でもおいしいことをアピール
それでは、本題の比較へといきましょう。スペックから比べてみると、なぜか「シャウエッセン 夜味」(以下、「夜味」)のほうが少なめの量でパッケージされていることが判明(定番の2束タイプの袋)。「シャウエッセン」が1袋117g入りに対し、「夜味」は98gです。
中身の本数にも違いがあり、左の「シャウエッセン」は6本入り。右の「夜味」は5本入りでした
それぞれの主要なスペックは、ここにも母数に誤差があるものの、「シャウエッセン」が100gあたり325kcal、たんぱく質12.4g、脂質29.3g、炭水化物2.9g、食塩相当量1.9g。「夜味」は98gあたり341kcal、たんぱく質11.0g、脂質30.5g、炭水化物5.5g、食塩相当量1.9gでした。カロリーや脂質、炭水化物の数値が高いことから、「夜味」のほうがこってりめに作られていることが予想できます。
開封し、中身を出してみるとこのような感じ
焼く前の状態で見比べてみると、1本あたりのサイズはほぼ同じ。ただし色は少しだけ「夜味」のほうが濃く、さらには小さな黒い粒がうっすらと見えます。パッケージ裏の原材料名を確認すると、両者ともに「香辛料」とあり、きっとこの粒は粗挽きの黒胡椒のようなものでしょう。「夜味」のほうには、「※製品中の黒い粒は、香辛料です」とも書いてありました。
ここからは、いよいよ調理と実食へ。まずは最もシンプルに、レンチンで仕上げます。調理時間に違いはなく、500Wの場合3本で約30秒、600Wで約20秒とのこと。それぞれ2本ずつレンチンしました。
レンチンの場合、ラップをかけるのが公式レシピ。あっという間に完成です
もう何度食べてきたかわかりませんが、改めて定番の「シャウエッセン」から食べてみると、当然ながら安定のおいしさ。ハリがあって、かじるとパリッと弾ける皮、あふれる肉汁、肉のうまみと味付けが好バランスな一体感、絶妙なスモーク香。これぞ日本ハム! もとい、日本のソーセージです。
チープなウインナーソーセージを食べると「何か物足りないな」と思うのは、きっとこの味が刷り込まれているからです。少なくとも筆者の場合はそう
いっぽうの「夜味」は、スパイシーさが特徴的。「シャウエッセン」の味付けをベースに、胡椒を思わせるパンチが増したテイストです。香りから想定するに、ハーブよりもスパイスが前に出ていて、その分スモークの香りは相殺されている印象。また、コクや余韻も強くて、確かにビールなどのお酒によりマッチする、夜向けのおいしさです。
製造上の燻製工程や時間に、そこまで大きな違いはないのかもしれません。しかしスパイシーな分、スモークの香りは通常の「シャウエッセン」のほうが豊かに感じました
次は焼き調理でチェック。フライパンに油を引かず、中火で軽く焼き目が付けばOKです。実践する際は、くれぐれも焼きすぎて皮が破裂しないように注意を。
1つのフライパンで同時調理。ご家庭で試した際、混ざってしまって見分けがつかなくなってしまった場合は、うっすらと黒い粒の見えるほうが「夜味」なのでチェックしてみてください
こちらも通常の「シャウエッセン」から食べてみると、そもそもレンチンより断然おいしいです。香ばしさが圧倒的に豊かなのはもちろん、うまみや肉汁もリッチで、ポテンシャルが発揮されている印象に。また、やはり「夜味」よりも味に落ち着きがあり、つまりはマイルドだとも言えそうです。
いい意味で重い味の「夜味」に比べ、通常版はカジュアルで明るいテイスト。確かに、日中食べるのにマッチするのはこちらかも
そして焼いた「夜味」のほうは、通常版より香ばしさと親和性が高いと感じました。専門的な用語を使うと、焼かれることで香ばしさの素とも言えるメイラード反応という現象が起きるのですが、「シャウエッセン 夜味」の持つスパイシーな要素が、メイラード反応と結びつき、よりパンチがくっきりとしたおいしさになるというニュアンスです。
鬼に金棒、的な感じ。「夜味」は、焼き調理のほうが似合っている味です
では、主食とのペアリングはどうでしょうか。ということで、ご飯との相性をチェック。改めて「シャウエッセン」と「夜味」を焼き、食べ合わせた感想をレポートします。
ホットドッグなどでもいいのですが、パンは夜の登場回数が少なそうということで、ご飯でチェックしました!
なるほど! 白米との組み合わせに関しては、それぞれのよさがありますね。「シャウエッセン」はシンプルに、ダイナミックな甘みやうまみと調和する方向性でマッチ。「夜味」のほうは、そのワイルドな味をライスの滋味深いうまみが包み込むようにキャッチ。やはり、シーンとしては朝食なら前者、夕食なら後者のほうがいいのかもしれません。
ちなみに、こちらはそれぞれの断面(右が「夜味」)。あえて、焼き目が付かないレンチン版の写真です
これはビールでも同様かなと思いますが、ビールの場合は、苦みが強いIPAスタイルなどに、このパンチのある「夜味」がより合うはず。ぜひお試しを。
最後に、「夜味を朝食べるとどうなのか?」を検証したところ、これは好みによるかなという感想。普段、朝から積極的にがっつりした料理を食べている人は「夜味」でいいと思いますし、しかしそうでない人は重いと感じるかもしれません。
念のため、朝にも食べ比べをしてみました!
なお、2024年で発売40年目を迎えた「シャウエッセン」は、一年の締めくくりに、同商品を使ったメニューを提供している外食店向けに「シャウ名店アワード2024」を開催。大賞は、「シャウエッセンの肉巻き」を提供している東京・新橋の「烏森百薬」に決まったそうです。
「シャウ名店アワード2024」大賞はこの一品。ほか、金賞に輝いたお店も10店あるので、近くにある人は行ってみては?
内食でも外食でも攻める「シャウエッセン」ブランド。45周年の際にはまた大型新商品を繰り出しそうな気がしますが、「夜味」もまだまだデビューしたばかりで、未食の人も多いはず。本稿を参考に食べ比べてもらえたらうれしいです。