ご当地カップ麺だけで全国制覇

そうめんで年越し! 茨城で売ってる「カップそうめん」は“インスタント感ゼロ”の本格派だった

早いもので、今年も残すところあと数日。全国のご当地カップ麺を収集してきた「ご当地ラーメンお試し隊」はこれまで、ラーメンをメインにカップ麺を紹介してきましたが、今回は年末らしく、「年越しそばの代わりになるカップ麺」をテーマに旅へ出かけたいと思います。

今回は、年越しそばの代わりになるカップ麺を探します

今回は、年越しそばの代わりになるカップ麺を探します

「年越しそうめん」を知っていますか?

「年越しそばの代わりになるカップ麺」とは言うものの、はたしてどこの土地に行けばいいのやら……。そばの本場と言えば信州が有名ですが、だからといって「長野を選ぶ」なんて芸のないことはやりたくない。そこで、関東近辺にあるそば処を探してみたところ、白羽の矢が立ったのが、茨城県です。

この土地では、古くから「そば」が生産されており、県北地域では「そば打ち」が花嫁修業になっているほどのそば処とか。郷土料理を調べてみると、「那珂湊焼きそば」や「常陸秋そば」、「けんちんそば」など、さまざまなそばが名を連ねていました。

そこでさっそく、茨城県で発売されているカップ麺を探してみたところ、「かき揚げ天ぷらそば」(ヤマダイ)が見つかりました。まずは一品、これで決まりです。

ヤマダイのかき揚げ天ぷらそば。天ぷらがサクサクして美味しそう

ヤマダイのかき揚げ天ぷらそば。天ぷらがサクサクして美味しそう

ほかにも何かないかと探してみたところ、「手延べそうめん」(ヤマダイ)という商品が。「でも、そうめんは年越しそばの代わりにならないな…」と却下しようとしたら、長崎出身のメンバーから「待った!」の声が。「年越しそうめんを知らないなんて、あなたモグリの日本人?」とひと言。

調べてみると、確かに長崎には「年越しそうめん」という風習があるようです。Wikipediaによれば、「家庭で食する場合には、年越しそばと年越しそうめんの両方食べることで、より一層の縁起の良さを期待できる」という説も。若干、違和感を感じなくはないですが、ここはWikipediaに敬意を表し、そばとそうめんで年を越してみることにしましょう。

ヤマダイの手延べそうめん。パッケージの雰囲気がとても上品です

ヤマダイの手延べそうめん。パッケージの雰囲気がとても上品です

茨城県ひたちなか市にある「ひたち海浜公園みはらしの丘」は、まるで天国のような風景でした。茨城のインスタント麺を食べると、この風景のように幸せな気持ちになるのでしょうか……。

あの「揖保乃糸」を使用した本格派そうめん

ヤマダイは、茨城県に本社・工場をおくインスタント麺のプロフェッショナル。その同社が満を持して販売しているカップそば・素麺が「手織里庵」シリーズです。まずは「手延べそうめん」から試してみましょう。

ヤマダイの「手延べそうめん」には何と、あの「揖保乃糸」が使われています。「揖保乃糸」は、スーパーでもよく目にする有名ブランドですから、ご存知の方も多いことでしょう。自社でそうめんを出しているにも関わらず、あえて揖保乃糸を選ぶあたり、ヤマダイのこだわりを感じます。

ちなみに「揖保乃糸」とは商品名ではなく、兵庫県手延素麺協同組合が持つ商標のこと。揖保乃糸をくるむ帯には生産者番号がつけられており、厳格な品質管理が行われているそうです。確かにヤマダイの「手延べそうめん」に入っている揖保乃糸も、ツルツルとした心地よいのどごしが楽しめます。食感は、よく夏に食べる揖保乃糸そのもの! インスタント感は全くありません。そうめんを温めて「にゅうめん」にすると、まさにこんな感じ!という味です。

内容量は76g(麺40g)。お湯を入れて、3分待てばできあがります

内容量は76g(麺40g)。お湯を入れて、3分待てばできあがります

油揚や花麩など見た目にも楽しい具材です

油揚や花麩など見た目にも楽しい具材です

このそうめんはまさに、揖保乃糸そのもの!

このそうめんはまさに、揖保乃糸そのもの!

スープは、昆布と鰹節のダシが効いたスッキリした味わい。揖保乃糸との組み合わせが絶妙です。カップから丼に器を変えれば、「にゅうめん」としてお店に出してもおかしくないほど。具材は、油揚げと麩、ネギ、メカブの4つ。カップ麺にしては、リッチです。麺をすすると、揖保乃糸のツルツルという食感と、メカブのコリコリという食感の違いを楽しむことができます。「手延べそうめん」は、想像以上にカップ麺らしからぬ本格派でした。

価格.comで「ヤマダイ 手延べそうめん」をチェック!

オーソドックスながらレベルの高いカップそば

次に、「かき揚げ天ぷらそば」を試してみることにしましょう。これも手織里庵シリーズですが、手延べそうめんと異なり、ヤマダイの独自製法のノンフライそばを使用しています。なお、このそばには、挽き立てのそば粉が4割ほど配合されているとのこと。実際に食べてみると、確かにそば粉の風味や食感は「そば」そのもの。カップ麺を食べている気がしません。

具材はかき揚げがメイン。サクサクが好みの人は別皿に分けておくといいでしょう

具材はかき揚げがメイン。サクサクが好みの人は別皿に分けておくといいでしょう

生そばに近くて、本格派で美味しい!

生そばに近くて、本格派で美味しい!

スープは関東風で、オーソドックスな印象

スープは関東風で、オーソドックスな印象

スープは、関東風の醤油味。鰹節の出汁が効いていて、非常にオーソドックスな味です。駅の立ち食いそば屋などで食べる、あの味に近いかも。目を閉じると、電車が近づいてくる音まで聞こえてきそうです。

メインの具材である「かき揚げ天ぷら」には、エビとタマネギ、ゴボウなどが入っています。つゆに浸かっているところは「ジュワ」とした濃厚な味わいが、つゆに浸かっていないところは「サクサク」の食感が楽しめます。個人的にはつゆに浸った部分の「ジュワ」感が好みですが、サクサク命!という人もいるでしょうから、かき揚げの沈み具合は個人で調節するのがよいでしょう。場合によっては、最初からスープに投入するのではなく、別皿に分けておき、天つゆさながら、つゆをつけつつ食べるのも一興かと。

価格.comで「ヤマダイ かき揚げ天ぷらそば」をチェック!

(おまけ)茨城名産「水戸納豆」にまつわるお話

茨城県の名産は、何と言っても「水戸納豆」ですね

茨城県の名産は、何と言っても「水戸納豆」ですね

今回試食した茨城県のカップ麺は、インスタントっぽさがゼロの本格派でした。茨城のカップ麺、侮れません。カップから丼に移し、なに食わぬ顔で食卓に出しても、きっと家族には気づかれないと思います。年越しそばを作るのが面倒な人は、お試しあれ。

今回の記事でご紹介したのは「そうめん」と「そば」でしたが、茨城と言えば「納豆」が全国的にも有名です。茨城の納豆の歴史はかなり古く、さまざまな逸話があります。中には、わらの中で発酵して糸を引いている大豆を食べた家来が、そのあまりのおいしさに大将に献上した、というお話も。大将に納めた豆ということで「納豆」という名前ががついたという説もありました。それが本当だとしたら、糸を引くまで発酵したものを大将に献上するのは暴挙に近いと思いますが……。ともあれ、人生万事塞翁が馬。納豆は、運命がうまく働いた好例なのかもしれません。

2016年も全国制覇に向けてカップ麺を食べ続けたいと思います。来年もよろしくお願いします!

2016年も全国制覇に向けてカップ麺を食べ続けたいと思います。来年もよろしくお願いします!

オフィスマイカ
Writer
オフィスマイカ
編集プロダクション。「美味しいもの」と「小さいもの」が大好物。 好奇心の赴くまま、よいモノを求めてどこまでも!(ただし、国内限定)
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松田真理(編集部)
Editor
松田真理(編集部)
編集プロダクションで一般誌から専門誌、広報誌からWebコンテンツまで、さまざまな媒体で経験を積み、2014年にカカクコム入社。パソコン製品からデジタル製品全般まで、幅広いジャンルの情報発信に携わっています。読み方は、まつだ・しんり。
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