最近テレビに引っ張りだこなのが、老舗の洋食店「たいめいけん」の3代目シェフこと茂出木浩司さん。真っ黒に日焼けした姿や「MAXキャッホー」と叫んでしまうキャラの濃さなど、その存在感に圧倒されてしまった人も多いのでは? そんな茂出木さんが監修した「真っ黒なラーメン」が発売されたというので、さっそくゲット! たいめいけんの看板メニューである「アノ料理」とも食べ比べてみます。
どこまで真っ黒なんだ!?
たいめいけんは、昭和6年に創業された老舗の洋食店。東京・日本橋にある本店では、1階がカジュアルな洋食レストラン、2階が本格的な洋食レストランとなっており、昔ながらの懐かしい洋食を楽しめます。観光スポットとしても有名なのでしょう、お昼ごろにうかがうと、外国人観光客の姿もチラホラと見受けられました。
そんな老舗洋食店のシェフが最近、テレビ番組で大ブレイク。一度見たら忘れられない、真っ黒な茂出木さんの姿を知る人も多いのでは? 洋食店のシェフがなぜ日焼けしているのかはさて置いて、茂出木さんの著書に書かれたキャッチコピーによれば「“黒くてチャラい”が味は超一流」とのこと。コラボカップ麺との食べ比べに備えるため、以前からずっと気になっていた、たいめいけん名物の「タンポポオムライス」(1,950円)をお店で食べてみることに。
日本橋にあるたいめいけんの本店。行列が店外にも伸びています
お店の入り口には3代目シェフのパネルが! ツーショットで記念撮影している人も
名物の「タンポポオムライス(伊丹十三風)」。映画「タンポポ」の伊丹十三監督にゆかりのある料理とのこと
オムライスをナイフで横に切って、卵を広げ、ケチャップをかけました
卵はまさにトロトロのフワフワ。卵の甘みを十分に味わえます
ビックリ! 絶品のコールスローとボルシチは各50円で食べられます
今回は、カジュアルな洋食レストランの1階に入店。タンポポオムライスは、チキンライスにのせたオムレツを開いて食べるのが流儀ということで、ナイフを使って、オムレツを横一文字に切って広げてみます。すると、半熟の卵がトロトロトロと出現! ある意味、このワクワク感は、エンターテインメントです。これだけでも一見の価値あり。
オムレツはふわふわで半熟ながら、外側(チキンライスに面した部分)がほどよく固まっているので、スプーンにすくって食べやすい。これは、実際に食べてみて分かったことでした。気になる味は、素材の味だけで勝負した卵の甘みがとても上品。「選びぬかれた特級卵」という言葉に偽りはなく、シンプルながら深みのある、まさに「オムレツの王道」を地で行く絶品料理です。
お店のタンポポオムライスに続いて、「たいめいけん三代目シェフ 茂出木浩司監修 たいめいけんの裏メニュー THEオム黒ラーメン」(サッポロ一番)を食べてみます。パッケージはイメージカラー(?)の黒。そこに、真っ黒に日焼けした茂出木さんの姿や、大きく書かれた「黒」という文字が描かれるなど、まさに黒、黒、黒の黒づくし。はてして、この黒色をモチーフにしたスープは、どのような味わいなのでしょうか?
たいめいけん3代目シェフが監修したTHEオム黒ラーメン
カップの中にある具材を確認。かき卵、豚肉、オニオン、赤ピーマンが入っていました
仕上げのオイルをかけて、THEオム黒ラーメンが完成!
かき卵はフワフワ。もう少し量が多くてもよかったかも
麺は非常にスタンダード。油っぽさが少なく、スルスルと食べられました
スープは、イメージ通りに真っ黒。気になるお味は・・・・・・
いざ食べようとしたとき、最初に感じるのがバターの香り。フワァ〜ンと風味豊かなバターの匂いが伝わって、これだけで「普通のカップラーメンとは違うな」と気が引き締まります。
実際にスープを飲んでみると、これまで味わったことがないような味。醤油ベースであるものの、バターの風味が強く、後からペッパーの辛くもさわやかな余韻が広がります。ただし、後入れのオイルとあわさって、やや「油っぽい」と感じる人がいるかもしれません。そのため、後入れのオイルは様子を見て、食べながら入れるとよさそうです。
具材は、豚肉とオニオンがいいアクセントになって美味しい。赤ピーマンの味はあまりせず、彩りを添える程度でした。肝心のかき卵ですが正直、「うわぁ、お店のオムレツとそっくり!」とまではいきませんが、フワフワ感があって、やさしい味。もう少し量があれば、お店のオムレツのイメージに近づけたかもしれませんね。
ひと言で言うなら「まるで洋食!」
「オム黒ラーメン」ということで、最初は「ネタ勝負のキワモノかな?」と考えたりしましたが、そこはさすが老舗の洋食店。カップの中に「洋食の世界」が閉じ込められています。実際に、バター風味のスープと一緒に、かき卵、豚肉、オニオンを口に含んでみると、それは確かに洋食の味。完食するころには、「ラーメンを食べたなぁ」という感じではなく、「洋食を食べたなぁ」という気分に浸れます。これぞ、まさに洋食の王道。カップラーメンとしては変化球ながら、洋食の直球を味わえる不思議な一品と言えるでしょう。