皆さん「アガー」ってご存じですか? ゼラチンのようにゼリーなどの材料に使える食材だそうです。
ゼラチンとの違いは、ずばり原料。ゼラチンは牛や豚のコラーゲンでできていますが、アガーは海藻や豆などから抽出した植物由来の原料でできています。
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粉状の製菓材料です |
特徴としては、以下が挙げられます。
・味やにおいがほとんどない(ゼラチンには独特の風味があります)
・ゼリー状にした時にゼラチンよりも透明度が高い
・寒天とゼラチンの間のような、絶妙な食感
今回はこの特性を利用して、夏の甘味を作ってみたいと思います。不器用かつ面倒くさがりな私でも作れそうなレシピを探したところ「水信玄餅」なるものがあったので食いついてみました!
「水信玄餅」は元々、「金精軒」という山梨県の老舗和菓子屋さんのお菓子だそうです。お水がおいしいことで有名な山梨県。その自慢のお水をごく少量の寒天で固めた「食べる天然水」とでもいうべき美しいデザートだとか。ただ悲しむべきは、余計な材料を一切使っていないため日持ちせず、配送などができないので実際にお店へ赴いた人しか食べられないんだそうです…。しかも6〜9月の土日のみの販売ということもあり、「幻のスイーツ」とも呼ばれているんだとか。
地元の人でもない限り、お店へはなかなか気軽に行けません。また人気のお菓子なので、お店へ出かけても食べられないことだってあります。「でも、この宝石のようなデザートをなんとかして食べたい!」そういった人々が水信玄餅を「再現」したレシピが今、ネットで見られるというわけなんですねー。
食べたくなってきましたか? 食べたくなってきましたね? それではご説明はこのへんにして、レッツクッキング!
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まずは材料を用意だ! |
■材料(4個分)
お好きなミネラルウォーター:250ml
アガー:8g
以上!
材料を調べたらなんと2つだけでした。これは今まで私が作ってきたズボラ料理のなかでも、とくに簡単な予感がしますね。ほかには道具として、ウイスキーとかに入れる丸氷用の製氷器があるといいですが、なければ湯のみなどの底が丸い器ならなんでもいいそうです。
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アガーがダマにならないように、少しずつ水を入れながら混ぜます |
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混ざったら加熱。沸騰させて、さらに2分間弱火でコトコト |
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氷水につけて粗熱をとったら、型に流し込んで冷蔵庫へ |
調理も簡単。混ぜて、加熱して、冷やすだけです。手を動かしたのは正味10分程度。冷蔵庫に入れたら1時間程度で完成します。
それでは、開封の儀といきましょうか。
プルンっ…
おおー! ぷるっぷるの、つるっつるですね! 事前情報のとおり、寒天ともゼリーとも違う、やわらかでとろりとしたプルプル加減です。
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笹の葉や金箔などで飾ると雰囲気が出ます |
あとは、黒蜜やきなこなどお好きな甘味をかけていただくもよし、そのまま食べてお水そのものの味を楽しむもよし。最低限の味付け、というか味付けなしで素材のおいしさを楽しめるのは、やはり無味無臭のアガーのおかげですね。口に入れると、ぷるぷるというよりは溶けていく感じで、なんとも涼やか。
これからの季節、来客用のお菓子にいかがでしょうか? 上の写真のように和風に楽しむもよし、カクテルグラスに盛り付けてシロップとかで味付けすれば洋菓子としても楽しめると思います。いつかは金精軒さんでホンモノを味わいたいという夢を見つつ、再現した水信玄餅をいただきまーす!
「音楽とゲームとおいしいご飯があれば大体しあわせ」な編集ライター。インテリア、キッチン、雑貨方面を中心にいいモノをご紹介していきます。人間♂と猫♂と共同生活中。