特別企画
まるでフィギュアが生きているみたい!

フィギュアを使った「コマ撮り動画」が話題! 作り方を名人に教えてもらった

最近、SNSで「フィギュアコマ撮り」が注目されています。漫画やアニメなどのフィギュアをコマ撮りすることで、アニメーションさせる手法です。こんな感じ!


今までフィギュアの遊び方といったら、ポーズを付けて飾るくらいしかありませんでしたが、コレはフィギュアの新しい活用法と言えるんじゃないでしょうか。

自分でもこんなアニメを作れたらおもしろそうだけど、どうすればいいのかわからない……。ということで作者の篠原健太さんに「どうやって作っているのか?」など話を聞いてきました!


「フィギュアコマ撮り」ってどうやって作ってるの?

篠原さんは、Netflixで話題の「リラックマとカオルさん」や、NHK朝ドラ「スカーレット」のオープニング映像など、多数のコマ撮りを手がける会社、株式会社ティー・ワイ・オー ドワーフの社員さん。やはりプロの仕業だったんですねぇ。


――あの「フィギュアコマ撮り」は特殊なフィギュアを使用しているんですか?

篠原 いや、フィギュアの改造とかは全然していなくて、パッケージを開けたそのままの商品を撮っているだけなんですよ。

――それでも、あれだけ動かせるんですね!

篠原 普段、仕事で使っているコマ撮り用の人形は中に金属の関節が入っているので、そういうのに比べると、もちろん動きを付けづらいですけど、最近のフィギュアはすごく出来がいいんですよ。特に「S.H.Figuarts」や「figma」のシリーズはコマ撮りでもかなり使えます。

普通に売られているフィギュア。コレが……

普通に売られているフィギュア。コレが……

こんなふうに動く!

――コマ撮りアニメはどういうきっかけで始めたんですか?

篠原 美術専門学校のアニメーション専攻に通っていたんですけど、そこで普通のアニメから、コマ撮りアニメまでいろいろと学んでいたんです。

――当初は普通のアニメを目指していたんですか

篠原 ジブリとかが好きだったので、普通に2Dのアニメを志していたんですけど、ひとりで手描きのアニメを作るのは難しかったので、卒業制作でコマ撮りアニメを作ったんです。それでコマ撮りもおもしろいなと思うようになって、調べてみたところ、コマ撮りアニメのスタジオがあるとわかったんですね。

――それでこちらの会社に入社したと。

篠原 最初はアルバイトとして入って、ストップモーション界の大先輩アニメーター・峰岸裕和さんのアシスタントになっていろいろと教えてもらいました。そこで現場を学んで、2年前にデビューしたという感じですね。

――仕事でもコマ撮りをやっているわけですが、個人の活動としてSNSで発信しようと思ったきっかけは?

篠原 仕事だと当然、クライアントさんの希望通りに動かすわけですが、もっと自分の好きなこともやりたいなと思ったんです。「おも写」といって、フィギュアにポーズを付けていろんなシチュエーションで写真を撮ってSNSに上げている人たちがいて、それがすごく楽しそうだったんで、そういうのをやりたいなって。

――ああ「おも写」のアニメ版という発想だったんですね。

篠原 最初に作ったのが「仮面ライダージオウ」が歩いているというものだったんですけど、それで「いいね」がたくさんもらえたんで、どんどんいろんなフィギュアで作るようになりました。


――いつも、作るのに時間はどれくらいかかるものなんですか?

篠原 動きにもよるんですけど、4〜5時間ですね。

――数秒のアニメでも、やはりそれだけかかるんですね。

篠原 仕事が終わった後や、休みの日に作るんですが、投稿した後のリアクションが見たいというモチベーションで頑張っています。


カメラ・PCのほか、フィギュアを固定する「タンク」や編集ソフトを使用

――どうやって作っているのか教えてもらいたいんですけど、やはり特殊な機材を使っているんですか?

篠原 三脚にデジタル一眼カメラ、それにパソコン。このへんは本当に普通の機材ですね。特殊なのは、フィギュアを支えるための「タンク」という機材。これは特注のものなんですが。あとは「Dragonframe」というコマ撮りアニメ用のソフトがあれば作ることができます。

三脚にデジタル一眼カメラ

三脚にデジタル一眼カメラ

パソコン

パソコン

そして、こちらが「タンク」。棒の先に両面テープを付けて、フィギュアを支えます

そして、こちらが「タンク」。棒の先に両面テープを付けて、フィギュアを支えます

先ほどの「コナン」のアニメだと、こんなふうに使われてたんですね。撮影後に「After Effects」などのソフトで合成して、タンクを消して完成!

――どういう流れで作っているんですか?

篠原 まずはフィギュアをいじくっていろいろな動きをさせて、どんな動きができる・できないかを探っていきます。


――あ、サッカーボールもフィギュアのセットに入っていたんですね


篠原 そういうところからアイデアが浮かぶこともありますね!

まずは足元を固定するのが重要。「ブル・タック」という粘着ラバーを使っていますが、まあ両面テープなどでもオッケーだそうです

パソコンの画面を確認しながら

パソコンの画面を確認しながら

動きを付けて

動きを付けて

1コマずつ撮影

1コマずつ撮影

この繰り返しでアニメを作っていきます。サンプルとして作ってもらったのがこちら。


5分ほどで簡単に作ってもらったんですが、頭や左手などの細かい動きも付けられていて、すごくリアルに見えます!

――おおっ、すごい! これ、やっぱり一般の人がマネして作るのは難しいですかね?

篠原 いや、今はiPhoneのコマ撮りアプリもありますし、タンクを使わなくても、足の裏に両面テープをくっつけて固定するだけでもある程度の動きは作れると思いますよ。いろいろと挑戦してみてほしいですね!


簡易セットで初めての「フィギュアコマ撮り」に挑戦!

自分でも「フィギュアコマ撮り」を作ってみたいところですが、そこで問題になってくるのがフィギュアを支える「タンク」。篠原さんは、なくても作れるとは言っていましたが、やっぱり使ってみたいじゃないですか!

……ということで、市販の製品の組み合わせでそれっぽいモノを作ってみました。

USB顕微鏡用のスタンドと

USB顕微鏡用のスタンドと

はんだ付けのときなどに使用するアーム

はんだ付けのときなどに使用するアーム

コレをくっつけたら「タンク」っぽい役割が果たせるんじゃないかな〜?

完成品がこちら

完成品がこちら

目立ちすぎているので合成で消そうとすると大変そうですが、合成の技術はまた難しそうだし、まあ最初はタンク丸見えでもいいじゃないですか!?

アームをなめらかに上下させることもできるので、それなりに使えそうです。

これにフィギュアをくっつけて撮影していきます

これにフィギュアをくっつけて撮影していきます

使用したのは「OnionCam2」というiPhoneアプリ

使用したのは「OnionCam2」というiPhoneアプリ

前のコマをうっすら映しながら、次のコマを撮影できるので、動きを作りやすそうです

前のコマをうっすら映しながら、次のコマを撮影できるので、動きを作りやすそうです

iPhone画面上の撮影ボタンを押すと、どうしても揺れちゃうので注意が必要ですが……。Bluetoothで接続するシャッターボタンが別途あるともっと安定しそうです。

というわけで完成したのがこちら!

コマネチ……

こんなのを作るだけでも、結構時間がかかってしまいました。動きも、篠原さんがササッと作ったものと比べてまったくなめらかじゃない! でも、完成したものを見るとメチャクチャ楽しいです。

この程度の動きだったらタンクを使わず、足の裏に両面テープをくっつけて固定するだけでも大丈夫だと思いますよ。みなさんもぜひ「フィギュアコマ撮り」に挑戦してみてください!

北村ヂン

北村ヂン

藤子・F・不二雄先生に憧れすぎているライター&イラストレーター。「デイリーポータルZ」「サイゾー」「エキサイトレビュー」他で連載中。

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