ガンダムの世界における「ジム」といえば、ご存じ地球連邦軍の主力量産型モビルスーツ。しかし劇中ではやられ役としてのシーンが多いことと、そのデザインから、なんとなく“あまりかっこよくない”というイメージを持たれがちではないでしょうか。
しかし今回ご紹介するのは、とてつもなくかっこいい「ジム」です。アニメの再現にこだわるガンダムの可動フィギュアシリーズ「ROBOT魂 ver. A.N.I.M.E.」に、「RGM-79Qジム・クゥエル」が登場しました。名前の通り「ジム」のバリエーション機体なのですが、大変かっこいいのですよ。
「ROBOT魂 ver. A.N.I.M.E.」の「0083」シリーズ、地球連邦軍のトリを飾るのがこの「ジム・クゥエル」となりました
「ジム・クゥエル」とは、1991年発売のOVA「機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY」に登場する地球連邦軍のモビルスーツ。実は劇中に登場するのは物語の最後で、地球連邦軍に新たに設置された組織「ティターンズ」の主力モビルスーツとして一瞬映るのみというマニアックな機体です。劇中に登場する「ジム・カスタム」の改修型ですが、通常のジム機体とは異なり、黒と濃紺系のティターンズカラーに塗装されており、このカラーリングは後の「機動戦士Zガンダム」の「ガンダムMk-II」に引き継がれています。
ちなみに「ジム・クゥエル」の「QUEL」はフランス語ではなく、英語の「quell(鎮める、鎮圧する)」の意味が込められているとか。
これがあのジム?と疑うくらいスタイリッシュな「ジム・クゥエル」。黒と暗い青色のティターンズカラーが採用されています
このシリーズに明確なスケール表示はないのですが、全長約125mmということで、1/144のガンプラHGシリーズに近いサイズ感になっています。
頭部バルカンの塗り分けもきれいです。右肩にはティターンズマークが印刷済み。バックパックにもティターンズのロゴがあります
ここで初代ジムと並べてみましょう。劇中設定は初代ジムから3年後の世界ですが、こうも劇的に変わるとは……
「ROBOT魂 ver. A.N.I.M.E.」シリーズの特徴といえば、アニメのような動きが再現できる可動構造ですが、この「ジム・クゥエル」も腕、脚ともによく動きます。さまざまなポーズがとれるので、ガンプラより簡単に動かして飾ることができますよ。
肩部分は胸部パーツと連動して可動し、腕はここまで前に出せます
股関節部分はスイングするので、可動領域が大きいです
膝裏のパーツが凹むため、脚もかなり柔軟に曲げることができます
この「ROBOT魂 ver. A.N.I.M.E.」シリーズには武装やエフェクトパーツが多く付属するのが常ですが、「ジム・クゥエル」の武装は、ジム・ライフル、ビーム・サーベルとシールドのみ。バーニアなどのエフェクトパーツは付属しません。
手首パーツや、武器を固定させる接続パーツは豊富ですが、いつもの「ROBOT魂 ver. A.N.I.M.E.」シリーズとしてはちょっと少なめの付属パーツたち
シールド裏にはライフルや予備のマガジンなどを取り付けることができ、そのままバックパックに背負えます。こういう細かいこだわり好きですね
ジム・ライフルは長さもあり、通常のジム系のサブマシンガンよりも迫力があります。ただ、マガジン部分がちょっと腕に干渉しますね
ビーム・サーベルは「ROBOT魂 ver. A.N.I.M.E.」の「0083」シリーズで採用された、エフェクトがかかったサーベルが1本付属。通常の持ち手でしっかり握ることができます
さて、武装やエフェクトが少ない分、とんでもないものが付属します。なんと劇中に登場したトレーラーが付いてくるのです。これはROBOT魂シリーズ初ではないでしょうか? 劇中ではこのトレーラーに「ジム・クゥエル」が搭載されているシーンが映るのみなのですが、まさかの付属品ということでなかなか衝撃的でした。
劇中に登場したトレーラーが付属。これは予想もつかなかったですね。いたってシンプルな構造でタイヤも動きませんが、バックパックが干渉しないようにパーツの一部が外れるようになっていました
これで劇中に登場したように、トレーラーに搭載された「ジム・クゥエル」が再現できます
そこから起き上がるようなシーンも。ほかのモビルスーツでも使えると思います
「0083」シリーズには多くのジムのバリエーション機体が登場し、それが「ROBOT魂 ver. A.N.I.M.E.」で発売されています。その数、全6機体。Web通販限定のものもあり、現在すべてを入手するのは難しいのですが、筆者は「ジム・クゥエル」を含めた5機体を所持しております。こういう細かいバリエーション機体を発売してくれるのも「ROBOT魂 ver. A.N.I.M.E.」シリーズならでは。
これだけの種類のジムが登場する「0083」は、ジム好きにはたまりません
「ジム・クゥエル」は「ジム・カスタム」(写真左)の改修型。多少異なる部分がありますが、カラーリングの違いが大きな差異です
ジム勢揃い! バリエーションの幅があってとてもおもしろいです。量産機が活躍するシリーズっていいですよね
2019年の「ガンダム試作1号機」から始まった「0083」の「ROBOT魂 ver. A.N.I.M.E.」シリーズですが、2021年秋発売の「リック・ドムII」をもってシリーズが終了するもようです。この「ジム・クゥエル」は、連邦軍のモビルスーツのトリということになりました。来年からは「MS08小隊」シリーズが始まるので楽しみです!
シリーズ屈指のスタイリッシュさで、主役機と言ってもいいくらいのかっこよさです
趣味も仕事もゲーム漬けだった人生から脱却を図り模索中。ホビーや生活雑貨記事などを書かせていただきます。