初期設定
Bebop Droneは、Wi-Fiを活用して、スマホやタブレットをリモコン代わりにして操縦するドローンですので、飛ばす前に、Bebop Drone本体とスマホ/タブレットをWi-Fiで接続しておく必要があります。特別なことはなく、他のWi-Fi接続機器と同じように、Bebop Drone本体の電源を入れてから、スマホ/タブレットのWi-Fi設定からBebop Drone本体のWi-Fiネットワークを選択すればOK。後は、専用アプリFreeFlight 3.0を立ち上げれば、飛ばせるようになります。また、専用コントローラーSkycontrollerを使う場合は、SkycontrollerとBebop Drone本体の接続は意識する必要がなく、スマホ/タブレットからSkycontrollerとWi-Fi接続を行えばOKです。
初期設定で大事になるのが、磁気センサーのキャリブレーションです。X軸(ロール)、Y軸(ピッチ)、Z軸(ヨウ回転)の調整のため、それぞれの方向に機体を回転させてキャリブレーションをすることで、安定した飛行が可能になります。
スマホ/タブレットとBebop Drone本体はWi-Fiで接続します。難しい設定は必要なく、他のWi-Fi接続機器と同様に、設定から選択すればつながります
接続したスマホ/タブレットの画面
飛ばすまでに行っておきたいのが磁気センサーのキャリブレーション。機体を回転させて、X軸(ロール)、Y軸(ピッチ)、Z軸(ヨウ回転)を調整します
操縦モード
Bebop Droneは、専用アプリFreeFlight 3.0を使ってスマホ/タブレットから操縦しますが、スマホ/タブレットの画面上に、Bebop Drone本体のカメラがとらえた映像がリアルタイムに表示されます。そのストリーミング映像を見ながら手軽に操縦ができるのが、Bebop Droneの魅力です。
スマホ/タブレットからの操作では、「エース」「標準」「ジョイパッド」の3種類の操縦モードを選ぶことができます。いずれも、画面に表示された仮想のジョイスティックを使って、上昇・下降、旋回といった操作が可能になっています
エース
「エース」は、左側のジョイスティックで上昇・下降、旋回の操作を行い、右側のジョイスティックでカメラの向きを調整できます。また、左のジョイスティックを押しながらスマホ/タブレットを傾けることで、前後左右の移動を行えます
標準
「標準」は、左側のジョイスティックで上昇・下降、旋回の操作を行い、右側の中央部を押しながら傾けることで前後左右の移動を行います。また、2本指のドラッグ操作でカメラの方向を変更できます
ジョイパッド
「ジョイパッド」は、左のジョイパッドで上昇・下降、旋回を行い、右のジョイパッドで前後左右の移動を行います。カメラの操作は、「標準」と同じで、2本指のドラッグ操作で可能となっています
Skycontrollerに装着した際の画面
こちらは、Skycontrollerにスマホ/タブレットを装着した場合の画面です。Skycontrollerにジョイスティックや離陸・着陸ボタンが用意されているため、これらの機能は画面に表示されません
飛行や録画の細かい設定が可能
飛行や録画に関する設定を細かく調整できるのもBebop Droneの特徴で、面白いところです。専用アプリ「FreeFlight 3.0」では、飛行設定として、Bebop Droneの最大垂直速度(0.5〜2.5m/s)、最大回転速度(10〜200度/s)、最大高度(0.5〜149.9m)、最大傾度(5〜30度)が用意されています。これらのパラメーターを設定することで、Bebop Droneの動きのスピードを調整することができます。
また、録画設定では、カメラの露出補正やホワイトバランスを設定できます。色温度を調整することも可能です。
最大垂直速度(0.5〜2.5m/s)、最大回転速度(10〜200度/s)
最大高度(0.5〜149.9m)、最大傾度(5〜30度)の調整が可能。屋内で飛ばす場合に必要になるハル(バンパー)装着の有無も選択できます
録画設定では、動画モードと写真モードを選べる
写真モードでは、記録形式としてPNGかJPEGを選択できます。写真モードでは、インターバルモードも利用できます
カメラの露出補正やホワイトバランスの調整も可能
2.4GHz/5GHzのWi-Fiチャンネルの選択もできます(※日本国内では屋外での5GHzの使用は禁止されています)
各プロペラの状態などステータスの確認も行えます
撮影した動画や静止画は、Bebop Drone 本体内のメモリー(容量8GB)に保存されます
パソコンへは付属のUSBケーブル経由で転送できますが、スマホやタブレットに転送するには、「内部メモリ」から動画・静止画を選択することで行えます
今回、専用コントローラーのSkycontroller にiPad Airを装着して、Bebop Droneを操縦してみました。飛ばしてみるとわかりますが、Bebop Droneは、とにかく飛行が安定していて、簡単に操縦することができます。スペック上は風速40km/h(11.1m/s)以内であれば、風であおられることはあるものの、操縦できるように設計されています。離陸と着陸は、専用ボタンを押すだけ。さらに、操縦者が何もしなくても、Bebop Droneが自動で安定したホバリングを維持してくれるので、旋回などの難しい操縦も、ゆっくり操作すれば簡単に行うことができました。
専用コントローラーのSkycontrollerを使うメリットは、4本の強力なWi-Fiアンテナによって、通信距離が最大2km にまで拡張することと、スマホ/タブレットを使う場合と比べて細かい操縦が簡単になることです。両手でコントローラーを握って、左右のジョイスティックで、上昇・下降、旋回、前後左右の移動の操作が行えるので、ラジコンと同じような感覚で操縦することができます。スマホやタブレットを使った操縦も試してみましたが、個人差はあると思いますが、前後左右の移動時に微妙な傾きの調整が必要になるため、直感的に操作はできるものの、慣れるのに少し時間がかかるように感じました。
さらに、Bebop Droneは、撮影したフルHD映像のクオリティが高いのも、すごいところです。電子手ブレ補正によってブレがかなり抑えられており、なめらかな動きの映像に仕上がりますよ。
Bebop Droneの離陸→アクション→着陸の様子を収めた動画
離陸と着陸はSkycontrollerの右側にある専用ボタンを押すだけの簡単操作です(スマホ/タブレットでの操作も同様にボタンを押すだけ)。動画では、アクロバテックな宙返りのアクション動作を行っていますが、これはスマホ/タブレットのアプリの画面をダブルタップすることで、自動で行ってくれます
飛行中も、カメラからの映像をスマホやタブレットで確認することができます。画面には、現在の高度やバッテリーの残量などが表示されます
Bebop Droneは、安全性に配慮されているのも特徴で、機体自体が軽量になっているだけでなく、ちょっとしたショックを受けると、プロペラが自動で停止するようになっています。また、こうしたドローン製品は、バッテリーがなくなると落下してしまいますが、Bebop Droneは、落下する前に、バッテリーが少なくなると画面に「低残量バッテリーアラート」を表示してくれます。Parrot Skycontrollerではビープ音も出して警告してくれます。このほか、GPSデータを使って、自動的に出発点に戻る機能も搭載されていますよ。
バッテリーの残量が少なくなるとアラートを出してくれます
出発点に戻る機能も備わっています
操縦してみて感じたのは、飛行操作が簡単すぎるがゆえに、思った以上にスピードが出てしまったり、上昇させすぎてしまうこと。操作に慣れるまでは、飛行の設定はゆるめに設定しておいたほうがいいと思います。特に、高度と最大傾斜は、最初のうちは低く抑えておいたほうが無難です。
また、動画記録をオフにし忘れてしまうことにも注意が必要です。Bebop Drone 本体に内蔵されるメモリーは容量が8GBになっていて、フルHD映像を約40分間記録しておくことができます。1回のバッテリーの充電でのフラット時間は約11分なので、十分な記録容量といえますが、動画の記録は、離陸時に自動的に開始され、オフにするのは手動操作になっています。誤ってオフにするのを忘れてしまい、録画し続けてしまうと、すぐにメモリー容量がいっぱいになってしまいます。
あと、ごくまれにですが、Bebop Drone本体 とアプリや SkycontrollerのWi-Fi 接続が切れてしまうこともありますが、Bebop Droneは、Wi-Fi接続が切れてから2分後に出発点に戻るようになっています。2分間は自動でホバリングしていますので、Wi-Fi接続が切れてしまった場合は、落ち着いてWi-Fi接続をやり直しましょう。
Bebop Droneは、簡単・お手軽に空撮が楽しめる小型・軽量ドローンです。ラジコンの操縦経験がなくても(むしろラジコンよりも)簡単に操縦することができます。最初は思い通り飛ばせなくても、少し練習すれば、ブレのないキレイな映像を撮ることも簡単にできちゃいます。普段は見たことないような角度や動きの映像を見ながら操縦できるのが面白いですし、操縦した後に撮った動画を見直すのもとても面白いです。バッテリーの持続時間が11分と少し短いのが残念ですが、小型・軽量タイプなのでいたしかたないのですね。本体のパッケージにはバッテリーが2つ同梱されていますが、長時間遊びたいのであれば、予備バッテリーの購入が必要になります。
あと、今回は紹介しませんでしたが、Bebop Drone には、GPSと航空写真を使ったマップモードという操作モードも用意されています。このモードでは、スマホ/タブレットの画面に航空写真を表示して、その上にBebop Drone本体の位置をプロットするというもの。マップ上でBebop Drone本体を追跡しながら飛ばすことができます。
このようにBebop Droneは、安定飛行が可能な小型・軽量ドローンで、楽しい面が多いホビー製品です。ただ、実際に使ってみて、自分の手から離れて動くものなので、操縦ミスなどによって誰かを傷つけることがないように、飛ばしていい場所で、細心の注意を払って遊ぶ必要があると感じました。最近、ドローンが社会問題になっており、各都道府県でも、ドローンの飛行に対して公園などで規制を設けるところが増えてきています。免許制や許可制の話もあり、今後どういったルールが作られていくのかはわかりませんが、安全なところで遊ぶことを前提にしたホビーであることに変わりはありません。使う側が、飛ばしていい場所なのか、広くて障害物がない場所なのかなどをしっかり確認したうえで、遊んでほしいと思います。
Bebop Droneのパッケージには、日本ラジコン模型工業会が作った「マルチコプター(ドローン)を安全に楽しむために」という注意書きが同梱されています
協力:流山市フィルムコミッション