こんな整理グッズを待っていた!
「キングファイル」や「テプラ」を手がける文房具メーカーのキングジムから、散らかりやすい文房具や小物をキューブ型ブロックで整理できる「かたづけマス」が、2018年4月20日より発売される。
ツール整理ブロック「かたづけマス TB3415」のセット内容。ブラックのベースシート、グレーのキューブ型ブロック、ヘラ、ベース用保管袋が同梱されている
「かたづけマス」は、一辺15mmの小さなキューブ型ブロックを収納物の形に合わせて並べることで、収納物の定位置が作れる収納補助グッズ。散らかりやすい引き出しの中などを、効率よく整理整頓できる。差し込んだブロックは何回でも抜き挿し可能で、収納物を変える時も自由にレイアウトを変更できる。
メーカー希望価格は、2,138円(税込)。
早速だが、実際に筆者のデスクを使って、「かたづけマス」の使い勝手や性能をチェックしてみた。
頻繁に利用する一番上の引き出しに導入することにした。なんとなく種類別に分けていたつもりだが、実際は乱雑で無秩序な状態なので、目当ての文房具を取り出すのに毎回手間と時間がかかる
「かたづけマス」は、ベースシートとキューブ型ブロックが主要な構成。ベースシート上にあらかじめマス目状に正方形の穴が空いており、その穴にキューブ型ブロックを差し込むことで、ベースシート上に仕切りを作ることができる。
導入するに当たり、まず気になるのは、ベースシートが引き出しのサイズに合うかどうか。すべての文房具を取り出して調べてみた。引き出しの内側のサイズは約320(幅)×60(サイドの高さ)×430(奥行)mmで、ベースシートのサイズは約300(幅)×5(高さ)×400(奥行)mm。ぴったりとはいかないが、ちょうどよいサイズのようだ。
筆者のデスクは、一般的なオフィスデスク。ベースシートと引き出しの内壁の間に2〜3cmの隙間はできるが、気になるほどではない
次に、文房具選び。
いままで文房具を雑多に重ねて突っ込んでいたので量は入ったが、「かたづけマス」は2次元の中で文房具を整理する必要がある。よって、収納する文房具の数はおのずと限られてくるわけだ。
しかし実はこれが、整理整頓に大事な“断捨離”につながっていると感じる。日々の作業内容を思い返し、“よく使う1軍文房具”をセレクトする。裏を返せば、“たまにしか使わない文房具”を一番上の引き出しから取り除くことになるからだ。
悩みに悩んでセレクトした筆者の“1軍”。2軍以下の文房具は2番目の引き出しにまとめて入れた
次に、レイアウトを決めるために、1軍文房具をベースシートの上に並べていく。筆者の場合、デスクの右側にある引き出しに入れるわけなので、1軍の中の“エース”である赤のボールペンやはさみ、印鑑を、自分に一番近い左側から配置していった。
各文房具の間に、キューブ型ブロック1列の仕切りが入るように配置。外周にも1列の仕切りを想定した。ベースシートのマス目に合わせているので、並べただけで整然とし、なんだかすでに美しい
次に、文房具の形状に合わせて、その周囲のベースシートを1マスずつ取り除き、ブロックを入れる穴を開けていく。つまり、仕切りを設ける場所を確定させていく。ベースシートのマスは指でも簡単に外せるが、付属のヘラを使うとよりはかどった。
ベースシートとキューブ型ブロックの素材は、「ポリエチレンフォーム」。硬めのスポンジのような触り心地で、柔軟性と復元性にすぐれる素材だ
ベースシートを動かさずにマスを外したいときは、ヘラを使うと便利
仕切りを設ける予定のマスにすべて穴を開けた
上の写真を見ていただくとわかるが、スペースの関係上、いくつかの文房具をさらに断捨離する必要が出てきた。名刺を入れた箱(納品時の一般的な梱包)はかさばるので、名刺だけを入れることにした。
ちなみに、筆者の名刺は、横91×縦55mmの一般的な名刺サイズだが、ベースシート3マス×5マスのスペースにぴったり! もうひとつぴったりだったのは、75mm×75mmの一般的な「付箋(大)」。1マスが15mm、マスとマスの間が3mmなので、「4マス×15mm+隙間5つ×3mm=75mm」となるので当然と言えば当然なのだが……、ぴったりとハマったときは、メーカーのサイズ設計の絶妙さを感じた。
最終的に1軍レギュラーに選ばれたのは、下記の文房具たち。
【筆者の文房具1軍レギュラー】
・ボールペン(長さ約14cm)×2本(赤・青)
・蛍光ペン(長さ約14cm)×1本
・カッター(長さ約14cm)×1本
・はさみ(長さ約18cm)×1本
・スティックのり(長さ約8.5cm)×1本
・定規(長さ約16cm)×1本
・ホッチキス(長さ約9cm)×1個
・ホッチキス針 No.10 1000本入り
(横5.2×縦2.9cm×厚み1.2cm)×1箱
・シャチハタ(ケースの長さ約7.2cm)×1本
・付箋[大](サイズ約7.5×7.5cm)×1束
・付箋[小](サイズ約5×1.5cm)×1束
・修正テープ(長さ約7cm)×1個
・名刺(横91×縦55mm)×40枚
計13種類
仕事で使う文房具は、上記の13種類あれば十分というビジネスパーソンは多いのではなかろうか。あと余談にはなるが、各文房具のサイズを調べていたら、全体的に「3の倍数」の長さのものが多い気がした。だからこそ、メーカーのキングジムは、ベースシートのマスのサイズを15mmに設定したのかもしれない。
なお、取り外したベースシートのマスは、付属の袋に入れて保管できる。
ジッパー付きのしっかりした保管袋が付属。こういうところまで手が届いているのが、キングジム品質
最後に、仕切りを設置する。使うのは、キューブ型ブロックだ。ブロックシートからひとつずつ外して、ベースシートの空いたマスに挿し込んでいく。
キューブ型ブロックは、一辺15mmの立方体。指で押せばブロックシートから簡単に取り出せる
キューブ型ブロックは、ベースシートの空いたマスにぴったりと収まる
ボールペン2本が美しく収まっている。ブロックを空いたマスに入れる感覚は、パズルを組み立てている時のそれに近い。ぴたりとハマった時は快感すら覚えた
ついに完成!
完成したものを引き出しに入れてみた。
う、美しすぎる……
「かたづけマス」で整理された引き出しの中は、見違えるほど美しくなる。整理整頓された文房具は、100円のボールペンでさえ、まるでプロフェッショナルな職人が使うこだわりのツールに見えてくるから不思議だ。
使いやすさも抜群だ。取り出しやすいし、収納しやすい。数秒の違いではあるが、作業の時短にも成功しているはずだ。引き出しの壁との間に若干の隙間があったが、文房具が載っているせいか、引き出しを勢いよく出し入れしても、ベースシートはズレなかった。また、取り出した文房具を定位置に戻す意識も芽生えた。今後、引き出しの中が元の「カオス」の状態に戻ることはなさそうだ。
しかし、使っていくうちに気になる点も出てきた。たとえば、はさみの向き。ハンドルが上にくる向きで収納していたのだが、実際に出し入れしているとハンドルが下の向きで収納したほうが手に取りやすいことがわかった。ただ、レイアウトの変更は、ベースシートの空きとブロックの位置を変えるだけ。ものの1分で変更できた。
はさみの向きを逆にしたレイアウトに変更
さらに、名刺と付箋(大)がぴったりとハマったことを先述したが、それはそれで指が入る隙間がなく、取り出しづらい。そこで、イレギュラーだが、仕切りをひとマスだけ空けてみた。すると格段に出し入れしやすくなった!
写真のように、ひとマスだけ空けるなどの微調整が簡単にできる
「かたづけマス」は、ツールの定位置を作れることが一番の魅力。オフィスデスクの引き出し内はもちろん、自宅では趣味のプラモデル製作に使うツールの整理などにも使える。また、会社や学校、工場現場などで備品の定位置管理にも使用可能。ひと目でツールの有無が確認できるので、紛失や混入防止にも役立つはずだ。
使用例。カラーバリエーションなど、同じ種類の文房具は、ひとつのスペース内に並べて入れるのも美しい。大きめのスペースを作って、クリップなどの細かい文房具をまとめて入れるのもアリ
引き出しの中ではなく、棚の上に置いて備品を管理するのにも適している
工具箱にまとめて収納しがちな大きめの工具も、整理整頓できる
「かたづけマス」を使っていて気になった点は、2つ。ブロックの中には、ベースシートにゆるめにハマっているものがあり、乱雑に文房具を出し入れすると、外れてしまうことがあった。各ブロックには形状に多少の誤差があるようで、しっかりハマる向きで入れ直すことで解決した。
もうひとつは、細かい隙間が多いので、掃除に手間がかかりそうだということ。引き出しの中は、自然とゴミやホコリが溜まってしまうものだ。筆者の場合、キーボードの掃除用に常備しているエアーダスターを使ったら、キレイな状態をキープできた。
最後に余談だが、会社の同僚(O型)は「かたづけマス」を見て、「これ、何の意味があるの?」とこぼしていた。血液型別の性格診断には賛否両論あるが、筆者(A型)の場合、用もないのに引き出しを出し入れして、その美しさに恍惚として見入っていたことは、事実として付け加えておきたい。
月刊アイテム情報誌の編集者を経て価格.comマガジンへ。家電のほか、ホビーやフード、文房具、スポーツアパレル、ゲーム(アナログも含む)へのアンテナは常に張り巡らしています。映画が好きで、どのジャンルもまんべんなく鑑賞するタイプです。