文具の多くはシンプルな機能と構造であるにも関わらず、新しい製品が各社から生み出されています。特にノートは、機械的な仕組みや機構もなく、表紙と用紙をまとめただけのシンプルな構造にも関わらず、素材・機能・デザインなどに工夫をこらしたユニークな製品が次々と登場しております。今回ご紹介する「伊葉 NOTE・BOOK」も、独自のアイデアと発想で創り上げられたものの1つです。
筆者が「伊葉 NOTE・BOOK」に感心したのは、今まではあたりまえだった「ノートは四角形であること」という固定概念を覆したことにあります。その結果、完成したのが扇型のこのノート。開発者がこのアイデアを思いついたのは、多くの人がノートに横書きをする時、ノートを身体の正面で斜めに置いているということに気づいたからだそうです。つまり、“肩を中心に腕が回転するような形状のノートが使いやすいのでは”という仮説に基づいて開発したのが「伊葉 NOTE・BOOK」なのです。肩を軸とした回転に合わせて腕が動くので、肘を上にあげることなくノートに合わせて自然体で書き進むことができます。
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身体の正面では、左のページは腕の位置にあわせて斜めに書けるようになっています |
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肩を中心に腕が右に動くと、斜めでなくまっすぐのほうが書きやすくなります |
そういえば筆者もノートを斜めに置いて文字を書いていますし、罫線のない紙では文字が斜め上に上がっていきました。ノートの常識にとらわれない柔軟な思考と、製品化を果たした努力に感服いたしました。