毎日たくさんの方が長時間座り続ける新幹線のシート。非常に丈夫な生地を採用していますが、廃車になるまでそのままというわけではありません。実は、走行距離や走行期間によって行われる定期検査に合わせて、シートも張り替えられているのです。さらに、ここで張り替えられたシート生地は、捨てられることなくリサイクルされており、さまざまなグッズに生まれ変わっているということをご存じだったでしょうか?
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ということで、購入したのがこちらの2種類 |
今回ご紹介するのは、定期張り替えによる新幹線シートを再利用して作られたスリッパ。新幹線のシート生地は“新幹線モケット”といわれるJR独自の生地で、柔らかく肌触りがいいのに最強クラスの摩擦強度を持つ特殊な織物なのです。定期張り替えで取り外された生地は、産業廃棄物として処理されていますが、省資源への取り組みの一環として製品化されたのがこのアイテム。
「新幹線スリッパ」で使われるシート生地は、取り外された後にきちんと殺菌クリーニングをされているので、衛生面の心配もまったくありません。というか、手触りや見た目からは、使い古したシート生地の再利用品だとは信じられないほどきれいです。
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それでは、じっくり観察してみましょう。まずはこちらのスリッパから |
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独特の色合いに厚みのあるしっかりとした作りの生地。高級感がありますね |
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でも、裏面は一般的なビニールレザーでした。このあたりはもうひと工夫ほしいところ |
このスリッパは、JR東日本の東北・長野新幹線「はやて」「やまびこ」「あさま」などで活躍していたE2系車両の座席生地を再利用したもの。見覚えがありませんか?
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E2系はこちらの車両です。実際に乗車された方も多いのでは |
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次はこちら。何の車両のシートかわかりますか? |
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おとなしいカラーリングですが、生地の風合いは先程のものよりさらに上質に感じます |
こちらは、東北新幹線「はやぶさ」でおなじみのE5系車両のシート生地。しかも、グリーン車のものを再利用しています。そのためか、先にご紹介したE2系の普通車のシート生地を使ったスリッパよりも少しお値段が高くなっております。ちなみにE5系は流れるようなデザインの先頭車両と、「ときわグリーン」といわれるカラーリングが特徴の車両です。
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E5系はこんな感じの車両。以前調査隊で紹介したことがある「ハシ鉄E5系はやぶさ」をご参考に |
これがあれば、いつでも旅の気分を味わえそう! とひそかにほほ笑む筆者でした。