みずからの身に万が一のことが起こった場合、想像以上にジタバタしてしまうのが残された家族。家族の死後、悲しみに浸る暇もなく、相続などの手続きに奔走するという話はよく聞きます。えみぞうは両親ともにまだ健在ですが、高齢のためいつ何があるかわからないので、財産リストなど大事な情報をまとめておいてほしいと昨年頼みました。死後のことを生前に考えるのは少々不謹慎に感じて、言い出しにくいものですが、家族の大切な財産を守るためのことなので、事前に話し合いの機会を持てるほうがベターです。
そんなえみぞうもそれほど若いわけでもなく、とくに子供を養育している以上、両親と同じような心配事を家族に対して抱えています。そこでみずからも“エンディングノート”を作成することにしました。エンディングノートとは、遺言書のような公的効力はありませんが、みずからの死後に残された家族が、たとえばお葬式をする際にスムーズに生前の知人友人に連絡したりするための情報を書き残しておくためのノートです。葬儀後に必要な預金口座の解約や保険金の請求、相続のための資産の状況など内容は多岐にわたります。
エンディングノートは自分でいちから作成することもできますが、家計簿のように既成のフォーマットに書き込んでいくほうがやっぱり便利。そこで探してみたところ、いくつか見つかりました。そしてえみぞうが今回選んだのは、コクヨの“ライフイベントサポートシリーズ”から出ている「もしもの時に役立つノート」です。
縦252mm×横179mmのB6版変形サイズ。総ページ数は64ページあります。透明なカバー付きで保存にも最適。帯には、法律相談サイト「弁護士ドットコム」が特別協力したと書いてあります。
中身は、自分の住所や本籍地などの基本情報や、健康保険証や運転免許証、パスポートなどの公的番号を記載するページから始まります。以降は、預貯金口座や引き落とし口座の情報、有価証券などの金融資産、不動産、借入金・ローン、クレジットカード情報、保険、年金などのいわゆる“資産”の情報を記載するページ。さらに、契約中の携帯電話やウェブサービスといった自身の普段使用している物の情報を書き込むページまで用意されていて“今どき”っぽさを感じます。しかし、意外とこういった情報のほうがいざという時に大事だったりもするので納得の構成です。
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目次のページ。テーマ別に整理されていてわかりやすいです |
そのほか家族の情報や知人友人のリスト、葬儀やお墓の希望、みずからの意志で判断できない重篤な状態に陥った場合の延命措置や病状の告知の希望についてなど、思わず「あぁこんなことも、いざという時には必要な情報なんだ」と自分自身では気付かないような、さまざまな項目が網羅されています。
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ページの一例。項目に合わせて記入したり、チェックを入れたりしていくだけで、大事な情報をこの一冊にまとめれます |
ノート内には専門家からのちょっとしたワンポイントアドバイスも書かれているので、それを参考にすれば法律などに対する知識がなくても記入していくことができます。まえがきにも「書けるところから書いてみよう」とあるとおり、一度で全部書かなくても、書けるところだけ書いておけばいいので気軽に取り組めます。
そしてちょっと気が利いていると思ったのは、写真などを収めたCDやDVDを一緒に収納しておけるディスクケースが付属しているところ。何かあった際にお気に入りの写真や大事なデータまで、家族に託せるというのは考えられたアイデアですよね。
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付属のディスクケース。プリントされた写真やメモなどを入れておけるポケットもあります |
えみぞうもさっそく書けるところから記入を開始。改めて書いてみると、普段自分で把握しているようで知らないことや覚えていないことがはっきりして、とても役立っています。これだけ多くの自分に関する大事な情報がこの一冊にまとめられるというだけでも安心感につながりますね。ただし、その分保管は厳重にしましょう。
守るべき家族がいる人はもちろん、独身者でも自分に何かあった場合には両親、またはそのほかの親戚が必ず何かを引き継ぐことになるので、元気な時こそ一度身辺整理をしておいてみてはいかがでしょうか。